知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
処刑が始まる。俺がやることは……そうだな。
「黒歌、ステラネス、サタン、幽、ルゥリン、和泉、クーシュナ。お前達は空中に逃げた残党を皆殺しにしろ」
「にゃ、にゃんて?」
「加減はいらない。俺が求めるのは、絶滅だ。一切の慈悲のない殲滅だ。いいな?一人も逃がすな。これは命令だ」
俺は七人にそう言い渡す。残る五人にもちゃんとやることはある。
「寿水、エレナ、結菜、アイシャ、零児は俺の手に乗れ。アーシアの持っている『僧侶』の駒から出ている反応を基にしてあのゲロ以下野郎の所に向かう。いいな?」
「え、ええ。いいわよ、大地ちゃん」
戸惑う寿水さんだが、今はそれに構っている暇はない。俺は両手を下ろし、五人を乗せる。
「さぁ、ここからはゲームではない!虐殺だ!我らの勝利がその先にあると知れ!各々の為すことを為せ!」
俺はそう言って、走り出した。
○○○
俺が少し走り出した後、耳元に禁断パワーで固定してある通信機から音声が入った。
『こちらアザゼル。どうやらオーディンのじいさんから渡されたらしいな』
アザゼル先生だ。
『言いたいことがあるだろうが今は我慢して聞いてくれ。このレーティングゲームは
俺のこめかみに血管が浮き上がる感覚が走る。全く、どこまで俺の予想通りになれば気が済むんだ!
『最近、現魔王に関与する者たちの不審死が相次いでいた。グラシャラボラス家の次期当主が不慮の事故死だったのも含めて、全部旧魔王派の連中が裏にいたってことだ。それらも込みで、俺らは元々『身内に敵がいる』と考えていた。それがアガレスとアスタロトの一戦、そして岸波の言葉で大きく動いた。結果的にお前らを餌にしたこと、本当に申し訳ない』
「そんなことはいい。何が言いたいかもっと短く言え」
苛立つ俺、またしても語気が強くなってしまう。
『あ、ああ。この戦場にはどんどん旧魔王派の連中が投入されている。おそらく、本気で潰しに来ているんだろう。このフィールドは『禍の団』の
なるほどな、だからさっきのオーディンのじい様は『入るのは~』とか言っていたのか。それにしても神滅具か。ラヴィニアを思い出すな。彼女は元気だとは知っているが、実際はどうなのだろか。無理してないだろうか。彼女を今回誘わなかったのも、彼女に無理をしてほしくなかったからだ。
「あ、アザゼル先生もここにいるんですか?」
『ああ?四条か。ああ、そうだ。かなり広大なフィールドだから遠くにいるがな。てか、お前こそどこにいるんだよ』
「先輩の掌の上です」
『ふざけたこと言ってる暇はないぞ?』
「ほんとなんですって」
『まぁいい。いいか?ここは今ゲームの機能が停止している。だから敗北したら転送なんてことはない。死んだらそのままだ。腹くくれよ』
チッ、随分面倒なことをしてくれるな、テロリスト共が……!
『それと岸波。アジュカからの伝言だ』
「何でしょうか?」
『『魔王の頼みだ。ディオドラ・アスタロトを殺せ』』
そっか、アジュカさんも腹を括ったってことか。
「了解」
俺はアジュカさんの命令を受けて、足を速めた。
Side out
黒歌side in
どうも皆さん、知っているでしょう?黒歌でございます。
そんな前置きはどうでもいいとして、今の私はご主人様がだいぶ狩った旧魔王派の連中の残党狩りをしてる。ほとんどがお空に飛んじゃったから、それを追いかけて私達も空を飛んで戦闘してる。
「はいだらー!」
私は掛け声と共に闘気を纏わせた拳を残党に叩き込む。ガードもまともに出来なかったそれは、私の拳をまともに顔面に受けて、ぴゅーんと飛んでいった。
周囲ではサタンたちも戦っている。
「はぁあああああッッ!!」
強い雄たけびと共に『ゴウン!』と言う音を立てながら斧を振る彼女の姿は、まさしく『魔王』だと思う。
「……」
ステラネスもステラネスで負けていない。終始無言だが、淡々と魔力の奔流で敵を落としていく。
「それ、踊らにゃ損と言う奴ですよ?」
幽なんて笑顔で居合をしているが、どういう原理なのか分からない遠くの敵への居合攻撃まで仕掛けている。時折魔力で出来た剣を飛ばしては牽制もするし、実は幽がうちらの中じゃ一番の実力者なのかもしれないね。
仮眷属の子だって負けていない。
「やぁあああッ!」
ルゥリン・ハルファスは本当に比較対象であるサタンとステラネスが悪かっただけの活躍をしている。いやぁ、彼女みたいなツッコミ役がうちに来ると思うと安泰ね。
「しっ!!!」
静かに光の槍を飛ばす朝倉和泉。そういや、彼女って堕天使のハーフなんだっけ?そう思うと、うちの女って複雑な事情の女ばっかねー。ステラネスは何とも言えないけど。
「うぅ、やるしかないです……!」
弱気にそう言うクーシュナ・アスタロトはエレキギターをかき鳴らすと、雷で出来たコウモリを生み出して、突撃させている。
よくよく考えると、今ここにいるのって空を飛べる組だ。ご主人様、そう言うのはすぐ考え付くんだなー。それも前世の戦乱に生きた過去があったからかなぁ。その傷、私達で癒せないかなぁ。
「おのれぇええ!」
「あ、いっけね。ボーっとしてたにゃ」
こっちに突撃してきた悪魔をぶっ飛ばす。戦いの場で上の空とか、バルガに知られたら『寿水のケツバットの刑』待ったなしだ。あれ、ほんと痛いのよ……。
さて、ここまで戦って思うことがある。
「弱すぎるッッ!!」
私の渾身の叫びがこのフィールドに響いた。何かの前兆かと思って驚いて下がる敵さんたち。いや、違うの。あんたらが弱すぎるのがいけないの。
確かにね、世の中『数の暴力』って言葉があるように、どれだけ質が高かろうと数には負けるってのが真理なの。
にしても限度ってものがありまして……。それが今の状況。さっきから腐ったバナナに集るハエに殺虫スプレーをかける感覚でずーーーーーっと旧魔王派の相手をしている。
何やねん、これ。こいつらマジで世界を落とす気なの?こんなので落とせるなら、当の昔に
眠くなってきたので、欠伸を一つ。すると幽がこちらにやってきた。
「黒歌様。主の命がある中、欠伸とは感心しませんな」
「説教?幽だって本当は欠伸が出そうでしょ?」
私を諫める言葉にそう返すと、幽は笑顔を崩さぬまま言う。
「それはそうでしょう。ここまで拍子抜けですと、緊張した意味がございません」
あら、素直。食えない女かと思っていたけど、案外素直なのね。
「煮ても焼いても食えないあんたがそんなことを言うなんてね」
「それがしは悲しいですぞ。これでも素直さだけが取り柄なのです」
「よく言うにゃ」
ノールックで私は魔力の弾を飛ばして、旧魔王派の悪魔を消し飛ばす。うーん、実に殲滅戦。これならご主人様の期待にも応えられる。
……でも、嫌だなぁ。ご主人様があのままなのは。
ご主人様には笑っていてほしい。いっぱい辛い思いをしたから、今度こそ、今だけは笑顔で幸せになってほしい。だから、あんな修羅のままでいるのはやめてほしい。
はぁ……らしくないな、私。風来坊な女だったはずなのに、いつの間にか一人の男に入れ込んで、離れたくなくなってる。昔の私が見たら大爆笑だよ。
恋する乙女ってのも悪くないけど、にしたって我ながらとんでもない恋の病の患い方をしたなーって思う。
……にゃぁあああ!考えるの、やめ!今は目の前のことに集中!ご主人様にはあとでいっぱい可愛がってもらう!以上!それで今はいい!
「さぁて、頑張ろうかにゃ」
一発気合を入れて、私は旧魔王派の方へと飛んでいく。悪いね、うちのご主人様が絶滅をご所望なの。
だから、死んで?
黒歌side out
最近は気温の変化が多いですね。自律神経壊れかねんわい。何とかしろ、地球(無茶ぶり)