知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

135 / 141
レッドゾーンがドリームクリーチャーもといナイトメアクリーチャーに任命されたのは嬉しい反面、今のドリームレア商法の犠牲にさせられているのは複雑な思いです。ドギラゴンが好きな人って、剣轟や逆のことをどう思ってるんすかねぇ......。


第134話 多い壁と課題と根性

Side in

 

「っしゃおらぁああ!!」

 

兵藤がこちらに向かって背中のブースターを吹かせながら突撃してくる。いい勢いだ。速さは前までの弱かった頃とは見違えている。

 

俺の前まで来ると、拳を振りかぶって、そのまま一直線に突きだした。見た感じだと火力もありそうだ。

 

だが、その拳は俺には届かない。

 

俺は体をひねって避ける。そして、伸びた腕を掴み、回転して投げ飛ばす。

 

空中をクルクル回りながらも、すぐに姿勢を整え、こちらに突っ込む兵藤。傍から見れば余りに愚策に思えるだろう。だが、俺はそう思わない。

 

俺が視線を兵藤からずらす。そこには聖魔剣の力を解放しようとしている木場がいた。おおよそ、奴が俺の足を止めるつもりだろう。

 

俺は木場から視線を外し、兵藤を見る。さて、どう出てくるんだ、お前ら?

 

俺は兵藤の攻撃を避ける態勢になる。すると、足が動かなかった。

 

足元を見ると、俺の足首から下が凍っていた。おっと、ちょっと冷たいと思ったら、こんな形で足止めをしに来たか。

 

俺の動きが止まったことを確信して、兵藤はさらにスピードを上げて突っ込んできた。うんうん、隙を見逃さないのはいいことだ。

 

ただ、相手が悪かったな。

 

俺は強引に氷に覆われた足を抜く。

 

「うっそ!!?」

 

「なっ!?」

 

兵藤と木場もこれには驚いた様子だ。どうやらここまでは想定外だったらしい。俺はそのまま突っ込んできた兵藤を回し蹴りで蹴り飛ばし、木場にぶつけた。

 

こんがらがって転がる二人。動きが止まるとすぐに立ち上がり、今度は木場が聖魔剣を両手に持って二刀流で突っ込んできた。

 

俺もそれに応戦するように、禁断の力で剣を作ってみた。形はレッドゾーン・バスターのあの剣に似た、片刃の剣だ。とりあえず右手に持って、応戦の構えを取る。

 

木場が右左と素早い乱れ打ちを決める。途中で体をひねって、体重を少しでもかけて剣に重みを加えようと言う努力も見えた。ボディや首だけじゃない。態勢を崩したと思いきや、それはブラフだったり、俺の足を取ろうと狙いを下に向けたり、色々工夫が見えた。

 

普通だったら見切れぬ速さと言えるのが木場の剣筋だ。そこに技量も加わり、おそらくこいつの敵は少ないレベルだと思った。ただ、先ほども言った通り、相手が悪い。

 

俺はその攻撃全てを剣で受け流す。その一撃一撃が来るのに比例して、木場に焦りが見えてきた。

 

俺は剣の柄の部分で木場の額にゴツンと叩いた。

 

「くっ!」

 

よろめく木場。そんな木場を飛び越えて兵藤が木場の後ろから飛び掛かって来た。おうおう、波状攻撃とはやるな。お前にそんな知恵があったとは思わなんだよ、兵藤。

 

兵藤は俺に向かって手を伸ばす。妙だ、奴の拳がグーじゃなくてパーだ。まるでこっちを掴むように……ああ、なるほど、そう来たか。

 

俺はその策に乗ってやることにした。

 

兵藤が俺に飛びついた。そして俺の背後にクルっと回り。羽交い絞めにする。

 

「今だ!」

 

「ありがとう!」

 

兵藤によってうまく身動きが取れなくなっている俺に木場が一撃を入れようと突きをしてきた。

 

よいよい。強大な相手にも諦めずに戦う姿勢を貫くのはよいことだ。

 

だが、甘い。

 

「よいしょ」

 

俺は強引に兵藤を動かし、俺の背中と兵藤の腹の部分に隙間を作り、そこに木場の剣を入れるように世避ける。

 

そして、思い切り力を入れて……って訳でもなく、てこの原理で聖魔剣の腹の部分に力を込めた

すると、聖魔剣がポキッと折れた。

 

「しまっ!!?」

 

「何とぉ?!」

 

俺は勢いよく突っ込んできた木場をそのまま避ける。勢いよく地面に倒れる木場。兵藤もこれには驚きを隠せていない。その隙を狙って、俺は肘で攻撃し、兵藤を引き離す。

 

二人は俺から離れると、すぐに態勢を整えて、こちらの様子をうかがう。流石に警戒してきたようだ。

 

まさしく一触即発。そんな状況の中、けたたましくブザーの音が鳴る。

 

「皆さーん!時間でーす!」

 

端の方にいるヴラディ君がそう言っている。どうやら、ここまでのようだ。

 

 

○○○

 

 

fateで俺が女体化されていることを知って、複雑な気持ちになりました。何なら、ケイちゃんと並んで夏の女王に俺がなっていました。兵藤が『だから黙ってたのに!』って叫んでいました。

 

そんなこんなで、やぁやぁ少年。元気かな?

 

――『そんなプリコネの人の心外付けチート赤髪眼鏡女みたいなことを言うなダム』

 

えー、いいじゃん。たまにはこう言うことを言わせてよー。

 

――『なら、我がラジラジをやろう』

 

ラジラジはお呼びじゃない。

 

俺は休憩に入り、水を飲む。そういや、もう時間は夜だ。悪魔である後輩たちに時間を合わせているのもあるから仕方ないとは言え、何だか悪いことをしている気分になる。

 

ここはグレモリー領の一角のさらに地下にあるバトルフィールド。アザゼル先生とサーゼクスさんが作ったものらしい。兵藤達が本気を出しちゃうと周囲が吹っ飛ぶことが悩みだったグレモリー眷属たち。そこにゲロ以下野郎の時の功績を以て、上級悪魔くらいじゃないともらえないような施設をもらったそうだ。こんなのがあるのは、他にはサイラオーグさんくらいらしい。

 

「だぁあああああああああああ!!!」

 

「うるさいぞ、兵藤」

 

兵藤が叫びながら倒れる。余りのうるささに耐えかねて、俺は少しだけ注意した。

 

「だって先輩に一本も取れなかったんですよ!?しかもここまで5戦5敗。先輩が滅茶苦茶手加減していてこれって、零の奴はどんだけハードなことをしてんですか!!」

 

こいつ、『お前らよりも四条の方がずっとハードなことしているぞ』って言ったら気合入れさせろって言ってきたから、こっちも気合入れて手加減しながらボコボコにしていたらこのザマだ。向上心があることはいいことだが、少しは己を見つめろとは思う。

 

「はっきり言って、あいつは格が違う。お前らが『ただ戦いが上手な奴ら』なら、あいつは『戦う為に生まれた戦闘民族』だ。そもそもの土俵が違う。寧ろ、今まで平和に生きていたことがおかしいレベルなのがあいつだ。俺だって恐ろしく思ってるんだぞ?」

 

「イリナと言い、俺の周りって平和と無縁な奴が多すぎません?」

 

「おまいう」

 

「ですよねー……」

 

ほんと、俺と関わって幸せ者だな、四条よ。俺がいなかったら、お前はきっと……なんて傲慢なことを考えてみる。

 

ただ、兵藤も兵藤で大概だと思うのはきっと無理なことじゃないと思う。

 

こいつもこいつで、『『覇龍』(ジャガーノート・ドライブ)に目覚めかけた以上、悠長にやっていられない。サイラオーグさんと言う先駆者がいるのに、才能がないことを言い訳にできない』だの『このままサイラオーグさんに何も出来ずに負けたら、子供たちに申し訳ない』だの言っている。だからこその、俺も今回の修行にも付き合う形となっている。

 

お前、マジでどうした?前までの『レッツエロ本』みたいなノリはどこ行ったんだよ。

 

――『あなたのせい定期』

 

そうなの、ユノハ様?

 

――『ええ、面白いくらいに兵藤一誠は変わっているわ』

 

そうなんだ。まぁ、変にヤバい方向にいかないのならいいけど。

 

「先輩、一つ質問いいっすか?」

 

「何だ?エロ漫画でも奢れってか?」

 

スクワットをしている兵藤にそう訊かれる。

 

「それも魅力的っすけど、違うっす。何て言うか、俺達って強くなっているんすかね……」

 

「……んー、そうだなぁ」

 

兵藤にしては随分真面目なことを言い出す。俺も俺でふざけるわけにもいかなさそうなので、真面目に答えよう。

 

「今までが非力すぎたのもあるが、ある程度形になっている時点でお前は成長している。特にお前はな。木場もそう思うだろ?」

 

俺が木場に話を振ると、奴も頷いた。

 

「そうですね。時々イッセー君の練習量についていけないくらいのものを積んできたからこそ、分かります。僕とイッセー君は、少なくとも部長と朱乃さんを越えていると言ってもいいでしょう。並の上級悪魔なら圧倒できるくらい、には」

 

「な?お前よりも歴の長いこいつが言うんだ。油断はいかんが、それでもそれなりの自信はあっていいだろう」

 

俺がそう言うものの、兵藤は釈然としない様子。何がこいつの心に引っかかっているのか、俺には分からん。思わず眉間にしわを寄せて首をかしげるくらいには疑問に思ってしまう。

 

「それはそれで嬉しいんですけど……だからこそってこともありますよね、先輩……」

 

「何がだ?」

 

「強くなるってのが、また弱点を呼ぶんです」

 

まさかこいつ、『仲間などいらぬ』みたいなことを言い出すんじゃないだろうな?

 

俺が不安に思うと、兵藤は俺の予想とは違うことを言い出した。

 

「強くなるってことは、ゲームで有名になるってことは、その分俺達の弱点がより露呈するってことっす。そもそも、俺とか木場、それこそギャスパーなんて今の時点でも対処が分かりやすいじゃないっすか。先輩流に言うなら『メタりやすい』ってことっす」

 

「ああ、なるほど。イッセー君の言うことが分かったよ」

 

どうやら木場は理解した様子。俺も俺で何となく分かった。

 

こいつと木場は既にゲームでとても有名になっている。今言った上級悪魔ってのもいずれゲームをするだろうが、その上級悪魔ってのが黙って指をくわえているはずがない。確実にこいつらへのメタを張るだろう。

 

そして、二人の武器はとても分かりやすい。兵藤は倍加を使えば露骨にオーラの大きさが変わる。木場なんて手に持っている物の時点で丸わかりだ。見た目を変えようと、その武器の力を感じられてしまったら一発アウトってこと。

 

そのことに気付くきっかけになったのは、おそらく前回のソーナさんとの戦いだろう。あれ、びっくりするほどにグレモリー眷属にとって不利な状況だったしな。搦め手の恐ろしさを知ったんだろう。

 

「僕も足の速さを売りにしているから、そこを狙う神器使いが相手となるととても苦しいね」

 

「実戦は何が起こるか分からない。でなきゃ『勝負は時の運』なんて言葉はないからな」

 

木場の言葉に俺がそう言うと、二人とも頷いた。

 

「特に兵藤。お前はドラゴンなんだろ?だったら龍殺しなんて天敵中の天敵じゃないか」

 

「そうなんすよねー!ドライグに聞いたら、神様のせいでそんな武器が世界にはたくさんあるらしいですし!更には悪魔の体質で聖なる力にも弱い!マジでどうしろって話なんすよ!」

 

「そ、その気持ち、僕にも分かります……」

 

兵藤の叫びにヴラディ君が珍しく自分から意見を出した。思わず皆彼を見た。

 

「ぼ、僕もハーフだけどヴァンパイアである以上、吸血鬼殺しの類は特別効きますから……」

 

ヴラディ君もそうだったなと思った。普段から苦手なことが多すぎて忘れかけていたけど、その苦手の中には本能的なことだってあるんだよな。

 

「あー、そういやそうだった。俺ら、本当に難儀な属性ばっかだなー……」

 

兵藤もこれには苦し気な言葉を出す。うーん、このままネガティブな空気になるのも嫌だな。ちょっとフォローするか。

 

「兵藤は実に馬鹿だな」

 

「なっ?!」

 

俺の言葉にスクワットを止めて驚く兵藤。

 

「ゲームってのは一人でやるものか?」

 

俺がそう言うと、兵藤は言葉に困った様子になる。こいつもこいつでまだまだ未熟だなって思わせる。

 

「ヴラディ君が単騎運用よりも誰かと組み合わせることで真価を発揮するように、チーム全体で補うって手段があるだろうよ。『王』同士の戦いってのは、そりゃ盛り上がるだろうが、そうならないようにするのも『王』の仕事だってもんだ」

 

俺は指を立てる。

 

「例えば、だ。リアスとサイラオーグさんが一騎打ちとなろう。お前ら、この場合どっちが有利と思う?」

 

俺の言葉に三人は言葉に迷い出す。迷うってことは、答えは決まっているんだろう。こいつらにそれを言わせるのは流石に可哀そうだ。だったら俺から言おう。

 

「俺からすれば、当然サイラオーグさんだ。リアスは典型的な遠距離型。懐に潜り込まれたら為す術なくやられる。そしてサイラオーグさんはそれを実現するだけのフィジカルを持つ。答えは一つだな」

 

とは言うものの、俺にはまだ別の可能性があると思っている。

 

「だが、ここに同じくフィジカルがよい兵藤がいたなら?答えは一つじゃなくなるだろう。つまり、戦いとは一手二手先を読む力だけでなく、その場の手を考える力も必要になる」

 

それっぽいことを言ってみる。まぁ、この辺は社会での上手な生き方に通ずるものがあるだろう。俺はそれがうまくいかなかったんだけどね。

 

俺の言葉を噛み締めるように静かになる三人。特に兵藤は『王』を目指していることもあって、何か思うものがあったようだ。

 

「岸波先生の戦術教室にもだいぶ追い付けるようになってきたな。様になっていいことだ」

 

そこに第三者の声が一つ。振り向くとそこにはアザゼル先生がいた。

 

「よっ。女性部員からのお手製おにぎりだ」

 

リアス達からか。俺達は早速そのおにぎりを食べた。兵藤の食いっぷりがよかったです。

 

「いい体つきになったな、イッセー。鍛錬を積み重ねた重みがしっかりある」

 

「あざっす。でも、ここで満足するわけにはいかないんです。最強の『兵士』になって、『王』になって。夢は遠くて高い壁があります。ここで甘んじていたらそれにたどり着けないですから」

 

「向上心と言うか、どこまでも欲深くて悪魔らしい。いいことだ。だがな、『王』になるなら一つ覚えておかないといけないことがある」

 

その言葉に、俺も興味を持った。何だろう、力か?名声か?

 

「『犠牲』(サクリファイス)だ」

 

その言葉に、俺の心臓がつかまれた。正直、俺が今まで目を背けてきたと言っても過言ではない部分だったからだ。

 

「ゲームの時に手ごまを切る判断が必要になる時が必ずある。その時にどう出るかが、その『王』の資質が試されると言っても過言じゃない」

 

「助ける、って選択肢は……」

 

「ある。やれるならやるべきだ。だが、そう行かない時が来るのも事実。ゲームにリタイア転送がある以上、死ぬ確率は非常に低いだからこそ、その仲間を切ってでも勝利を掴みにいくのが、レーティングゲームだ」

 

「何だか、難しいっすね……」

 

兵藤は身内への愛が強い。だからこそ、仲間を切り捨てる判断が難しいだろう。かく言う俺だって黒歌や結菜を切り捨てるなんて芸当は出来ない。

 

「木場」

 

「はい」

 

「お前がリアスとイッセーがいる時、ゲームの流れが最悪になったらどっちを切る?」

 

「イッセー君ですね」

 

木場はアザゼル先生の問いに迷わず答えた。そりゃそうだろう。だってリアスが取られたらゲームに負けるんだもん。それが正しい。

 

「その覚悟を他の仲間に対しても持たねばならない。ソーナ・シトリーは前のお前らとのゲームでそれを見せた。結果は敗北だったが、それでも評価を上げたことはゆるぎない。独り立ちすることを視野に入れるなら、そこは切っても切れない存在だ」

 

アザゼル先生の言葉に、兵藤は何とも言えない表情をする。

 

「気持ちは分かる」

 

俺は思わずそう言ってしまう。皆がこちらを見た。

 

「俺だってそんなことはしたくない思いなんだ。だからこそ、どれだけ遠回りでも皆が無事な選択肢を選びたい。でも、それが非現実だってことも分かっている。あれだな、『頭で分かっていても、心が分かってくれない』って奴だ、兵藤」

 

その言葉に、アザゼル先生もしぶそうな顔をした。

 

「お前の場合はかなり特殊だからな。その辺のトラウマも改善していく必要があるだろうな」

 

「手心をお願いします」

 

俺も俺で色々複雑なんだなぁと思った。アザゼル先生が言っているのは多分嘘の過去の方だと思うけど。

 

それにしても『王』ねぇ……。サーゼクスさんめ、もしかしてとんでもない呪物を俺に押し付けたな?あの野郎、次会ったらぶっ飛ばしてやる。

 

それから兵藤が優しいリアスのために前のめりに倒れようって言う覚悟を見せたり、その兵藤のグッズが出たりとかの話をした。

 

ただ、それ以上に厄介なことが一つ。それはアザゼル先生が俺に押し付けてきた『朱乃とバラキエルさんの問題』。何か俺じゃないと解決出来ないらしく、これからアザゼル先生の言葉も朱乃に無視されかねないとのこと。だから俺を頼ったらしい。

 

何だろう、俺のことを万能だと思うのやめてもらえませんか?

 

Side out

 




デュエマをやっていると他カードゲームでも『殴らない』と言う選択肢が出るせいで、勝ちを逃すことが多くなってしまう自分へ怒り。やっぱEXウィンはダメだな(思想強め)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。