知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
結論から言うと、赤龍帝と白龍皇が揃ったことを警戒して、ロキは撤退した。ロキ関係はとりあえず何とかなったみたいだ。ただ、オーディンさんの目的である日本の神々との会談で再び襲撃をすることを奴は高らかに宣言した。ついでに俺の最期も。前者はまぁ、さもありなんって思った。嫌がらせこそが命の神が簡単に諦めるとは思ってない。後者については鼻で笑ったけどね。それを受けてオーディンさんの俺を見る目が若干怖かったです。
――『(完全に勇者としてロックオンされたダムっスねぇ)』
――『(ドキンダム母さんなのか偽ダチッコなのかはっきりしろ、ドキンダム)』
そしてその白龍皇だが……協力体制を作ることになった。
まず、ヴァーリ側からの意見としては『北欧の神と戦いたい。だが、同時にフェンリルも相手するのはリスクを背負う。どっちか一方をくれるなら、協力してもいい』とのこと。どこまでもバトルジャンキーめ。
今は俺ん家の地下一階にてオカ研の皆とバラキエルさん、さらにシトリー眷属の皆さんと一緒に集まっている。その中にはヴァーリ共もいる。俺達側からは俺と黒歌、アーシアがいる。オーディンさんとロスヴァイセさんは別室で本国と連絡を取っているそうだ。今回のロキ襲撃はすでにサーゼクスさんにも伝わっている。
そんなこんなでロキ襲来。冥界からの援軍を要求したが、却下された。何か、奇跡的に英雄派とか言う凡愚共の襲撃とバッティングしたそうで、幽さん達までもがそちらに引っこ抜かれているとか。なので、援軍は黒歌だけとなりました。悲しい。
何かミドガルズオルムとか何とか言っているし、エクスカリバーだの何だの言っているがもういい。俺は精神的に疲れているんだ。寝かせてくれ。
俺は天井を仰ぎながら目をつむる。あー、もう嫌だ。寝たい。寝させてくれ。何でここ半年で急に争い事が舞い込みまくるんだよ。辛いのだ。
さて、俺もそろそろ口出しをしよう。
「アザゼル先生」
俺がそう言うと、皆が俺の方を見る。辛い。陰キャには辛すぎる。助けて黒歌。そのおっぱいに顔をうずめさせて。いや、やっぱいいです。まだ俺は死にたくない。
「俺、一つ懸念があるんです」
「ほう、お前にそう言わしめるってことは、相当だな」
アザゼル先生、やめてくださいよ。別にそんな大層なことは言わないですから。ただ、マジで俺の不安を言うだけなんです。
「ハティとスコル」
俺がそう言うと、眉間にしわを寄せる者と頭の上に『?』を浮かべる者に割れた。仕方ない、俺が説明しよう。
「ハティとスコル。フェンリルの子にして、黄昏において太陽神と月神を殺すとされる狼だ。そいつらはロキの手にあると言っても過言じゃない。まぁ、何だ?要はフェンリル以外にも神殺しの力を持ったのがロキ側にいるってことだ。そのことについては何か考えとかあるっすか?」
俺がそう言うと、兵藤と匙はきれいに顔を青くしていく。お前ら、ほんと仲がいいな。アザゼル先生は悩んでいる。どうやら思考の外に二頭はいたらしい。
「アザゼル先生、最悪と行かなくてもそいつらの相手は俺が出来ます。ロキは兵藤に、フェンリルはヴァー君にやらせればちょうどいいでしょう?」
「ヴァー君言うな。そもそも、俺の狙いを勝手に決めるな」
俺がそう訊くと、顎鬚を少し撫でて考える仕草をするアザゼル先生。
「確か岸波の言う通りだ。ロキにはハティとスコルがいる。フェンリルだけかと思っていたが、そいつらも出てくる可能性がないわけじゃない。もしロキが2頭を確保済みだと言うのなら、あの自信満々さにも裏付けが出る。参ったな、余計な懸念点が増えたぞ?」
「俺は謝りませんよ?てか謝らせないで。謝ることになったら自責の念で死にそうですから」
俺がそう言ってしばらくしてから、アザゼル先生は口を開く。
「岸波、申し訳ないんだが、もしハティとスコルが出てきたらお前が相手を出来るか?」
おっと、ここで俺を頼るか。まぁ、そうだよな。アザゼル先生たちからすればロキとフェンリルで手一杯。仮にどっちか一方をヴァー君に任せたとしても、その2頭が邪魔なのは間違いない。なら、どう頑張っても手すきな俺がそいつらの相手をするのは自明だな。
「いいですとも」
「ありがてぇ。お前には何から何まで頼ってばっかだ。必ず恩返しはする」
「いいってことです」
なるほどな、俺が相手か。一体どんな狼なのか。例えばギリシャのテュポーンみたいに不可思議な怪物みたいな感じなのか、それとも親のフェンリル同様に正統派狼なのか。ちょっと楽しみになってきたな。これがいわゆる『興奮してきたな(サンドイッチマン並感)』って奴か。
しかし、ハティとスコル、か。こっちもこっちで黒歌とアーシアを動員するか?いや、そうしよう。独りぼっちは寂しいしな。
「ハティとスコルは殺さない程度に痛めつける必要があると思うんで、黒歌も動員します。そうなれば、そっちに黒歌とアーシアを送れないですが、いいですか?」
俺がそう訊くと、アザゼル先生は頷いた。
「ああ、もちろんだ。そもそも二人とも、お前の眷属だ。どうしようと俺達には関係ない。好きにしてくれ」
「総督殿からのお墨付きにゃ!これで思う存分ご主人様とイチャイチャ出来るってもんよ!」
「わ、私も頑張ります!」
二人とも俺の両脇を抱えるように抱き着く。うお、おっぱい。
その様子を何やら目を細めて見てくるリアスと朱乃。待って、俺、何も悪くない。
それにしてもハティとスコル、かぁ。相手は神殺し。だからこそ戦力は欲しい。冥界とは関係ない結菜とアイシャ、それに四条も動員したい気持ちはある。だが、それと同時に神殺しだからこそ彼女らが傷ついてしまうと言うことを考える。
いくら三人が強いとは言え、ハティとスコルなんて狼に噛まれたらひとたまりもないのは目に見えて分かる。過保護なのは分かるが、今回の件とは関係ない大切な人達である以上巻き込みたくないと思うのは俺のわがままだろうか。
まぁ、それを言い出したらアーシアも黒歌も同じか。ともすればそれは理由にならない。でも出したくない。
――『いちいちウジウジするなダム。シンプルにキモイ』
ひどいこと言うなよ。俺だって人間だから身勝手に悩むことだってあるんだよ。
――『へいへい』
今まで挙げた理由がダメだとするなら、別にも理由があると言えばある。
まず結菜と四条。この二人はまだ突然の実戦投入には早いと思っている。以前のゲロ以下野郎の時みたいに事前に頼んでいれば、精神的にゆとりが生まれるだろうが、今回はオーディンさんの襲撃予告がある。それはオーディンさんが会談をする日。しかもそれがとても近い。そんな状況でいきなり呼び出したら、余裕のない状態での勝負となる。その相手が本気でタマ取りに来てる獣である以上、一般人であった二人を巻き込むのは心が痛む。
次にアイシャ。彼女はシンプル。『黒歌まで
……って言うと絶対黒歌とか幽さんに怒られるよなぁ。心の中だけに留めておこう。
そんなわけで三人はパスだ。ぶっちゃけるなら、こう言う時こそサタンさんとステラネスさんの二人が欲しい。あの二人なら近接での殴り合いに得意だろうから、フェンリルやおそらく来るであろうハティとスコルにも強く出ることが出来るはずだ。何なら幽さんでもいい。
しかし、それは無い物ねだりだ。あれだ、『せやけどそれはただの夢や』って奴だ。俺の眷属なのに、俺の自由に出来ないのは、流石に文句の一つや二つ出してもいいのだろうか。
Side out
今年のdreamパックの面子が出始めていますね。全部ドギラゴン逆を超えるようなインパクトがなくて、色んな意味で悲しくなってます。