知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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『不知火』と言う柑橘類を知っていますか?これが中々に美味しかったので、皆様も気が向いたら食べてみてください。

と言ううp主のつぶやきでした。それでは本編どうぞ。


第17話 約束事をしよう

Side in

 

ヴァーリとの喧嘩も終わった。彼も彼で色々あったんだろうなと思いながら、彼を傷つけたことに対するせめてもの謝罪として回復をした。

 

どうやらこの世界では回復の力は珍しいものらしく、アザゼルさんが『お前の謎が増えたな』なんて言う始末だ。ヴァーリも奇妙なものを見る目で自分の体の調子を見ていた。アルビオンさんは俺の規格外さを知って、気絶した。俺からすればあんたの方が規格外だよ。

 

「で、ヴァーリ。調子はどうだ?」

 

アザゼルさんがそう訊くと無言で頷くヴァーリ。

 

「もう満足だ。俺も俺で頭に血が上りすぎていた」

 

「まさか、お前が反省するとはな。明日の天気はヤバそうだ」

 

「うるさいぞ、アザゼル」

 

親子じみたやり取りをするアザゼルさんとヴァーリ。仲良きことは良いことだ。

 

――『我のターンは終わりだ。メンデルもモルトも来ない……何故だ……』

 

――『んじゃ、ドロー。キャディ置いて、2コストでとこしえ2体ね(笑)』

 

――『こやつぅ……!!』

 

……あの禁断と太陽の馬鹿二人も何とかならんのかね?てか、モルト相手にとこしえ2体はやりすぎだ。自重しろ、ドキンダム。

 

てか、そっちで俺もデュエマやらせてくれよ。俺だって前世の方のデュエマしたいよ。

 

――『『お前は後!(柱間並感)』』

 

こいつらぁ……!

 

仕方なく、俺は現実を直視することにする。どうやら話が続いていたようで、アザゼルさんがヴァーリに色々教授していたようだ。

 

「力……」

 

ヴァーリがそう呟く。アザゼルさんはそれを聞いて何とも言えない表情をする。

 

「別にお前がどれだけ力を求めようが構わん。いくらアルビオンが死なない程度にしているとはいえ、いずれはお前自身だけの力で神器を制御しなきゃならない。それに繋がる以上、力は必要だしな。だが、前にも言った約束だけは守れよ」

 

「分かっている」

 

力、か。力、ね……

 

――『おい、アポロヌス。こいつ、とんでもないことを考え出したぞ』

 

――『知らん。しいて言うなら、この世界へのマーキングと捉えれば問題もなかろう』

 

待て、別に彼に酷いことをしようなんて考えてないぞ?ただ、彼が一番ラヴィニアに近い上に厄ネタらしい以上力はあってもいいじゃないかと思っただけだ。

 

――『そう言うが……お前、ヴァーリに『禁断の力』を貸し与えようとしただろ?』

 

ドキンダムに図星を突かれる。非常に苦しいのだ。

 

――『それは一歩間違えるだけで世界が滅びる代物だ。そんなもんを簡単に渡すなんざ、信じられん。馬鹿にも程がある』

 

で、でも彼ならきっと制御できる、かと……

 

――『大体、何でそんなことをする?そんな義理なんざないだろ。寧ろ恋のライバルだったんだぞ。逆恨みの線だってあり得る』

 

そう言われると何も言い返せないです、はい。

 

――『全くなぁ……』

 

言い返せなくなったら急に頭が冷えてきた。俺、もしかしてとんでもないことしようとしてた?

 

――『はい』

 

……ごめん。

 

――『そもそも、お前は人が良すぎる。少しは疑え。お前が気に入ったからと言って、裏切らないとは言えんぞ』

 

身にしみるようなこと言いますね、あなた。すごく覚えしかないのだ。

 

――『という訳だ。もしそうしたい時は、俺がお前の体の主導権を完全に奪い取った上、ワクチンのように毒素やら何やらを薄め、更にロックをかけてから貸与する』

 

そっかぁ。聞けば聞くほど、そんな時が来るなと思う。

 

――『もし完全に与えるなら、その時は俺の気まぐれだな。本当に申し訳ないが、今回ばかりは譲れん』

 

分かった。俺も少し話して完全に頭が冷えたよ。流石に俺も無神経で無責任な男すぎた。自覚していたはずが、本当は『つもり』のままだった。もっと俺自身を恐れていくことにするよ。

 

――『それは良き』

 

ありがとうな、ドキンダム。お前のおかげで踏みとどまれた。

 

俺は一発拳を自分の頬に入れる。すごい音が鳴った。

 

突然の奇行に驚くアザゼルさんとヴァーリ。

 

「どうした、ブラックゾーン?」

 

「いいえ。ちょっとした戒めの為に一発入れただけです」

 

そう言うと、納得した様子……ではないが、これ以上深堀しないでいてくれたアザゼルさん。感謝っす。

 

そう言う訳で、俺とヴァーリの喧嘩は俺の勝利で終わった。結果だけなら俺が勝ったのだが、すっきりしない終わり方だ。

 

 

○○○

 

 

アザゼルさんに連れられて先ほどの部屋まで戻って来た我々。その後のことについては詳細を省くが、やったことを言うなら『ちょっとした約束事をする』ってことだ。内容として目玉になるのは以下の通り。

 

 

アザゼルさん側の要求

1:とにかく世界を滅亡させるだけの戦闘行為だけはやめてくれ。

2:今三大勢力(悪魔,天使,堕天使)間に続いている緊張状態についてはアザゼルさんが解決策を持っているので、それを為すためにも出来る限り干渉しないでほしい。

3:もしもお前の家族に何かあった際にはこちらも調査のための立ち入りをする。それは承知しておくように。

4:三大勢力内で危険因子たちが手を組み、何とか緊張状態にまで抑えた我々を邪魔する連中がいる。その延長線でお前の周囲に害を成す奴も現れるだろう。その手の連中は殺害しても構わない。

5:俺の住んでいる駒王町は悪魔の影響がデカい。なので、堕天使と関係があるとなると真っ先に狙われる上にアザゼルさんの考えもご破算になる可能性があるので、アザゼルさん達のことは出来る限り黙っておくこと。

 

俺側からの要求

1:俺の家族に手を出すな。

2:こちらが害ある来訪と捉えた場合、容赦なく攻撃をする。

3:万が一にも俺が表舞台に出るとするなら、俺の意思かつ『今ある幸せを投げ捨てる』と言う覚悟の下でやる。重要な場面(それこそ和平を結ぶ)となった時かつその場に呼ばれた時には例外で、こちらも出席の義務があるなら出席する。それまでは、俺のことは口外することはないように。

4:過去に関する謝礼だが、今の所は不要。そんなに今すぐ謝礼したいのなら、緊張状態の三大勢力の状況を何とかしろ。

5:以上の要求をのみ込むなら、こちらもこちらでそちらの存在を黙っておく。

 

 

細々としたことを省くとこんな感じ。

 

前提として、両者共に5についてはお互いの存在を黙っておくというもの。お互いおとぎ話の存在なんだし、言った所で信じてもらえるとは到底思えんが、それはそれとして黙っておくことにしよう。触らぬ神に祟りなしって奴だ。

 

んじゃ、まずアザゼルさんの要求の方からの解説。

 

1についてだが……まぁ、当然よな。文字通り世界を滅ぼす力を持った奴に対しての要求としては真っ先に思いつく奴だ。

 

2も2でただの内政干渉に繋がるので当然と言った所。そもそも、俺とて干渉するつもりはない。アザゼルさんが頑張った結果その緊張状態の解決策が思いついたんだ。その頑張りを無にするのは無粋よ。

 

3。そんなことはあってほしくないと祈るばかりだ。何かあった場合、マジで1の要求を速攻で破るだろうしな。

 

4だが、急に物騒になった。え、何?『危険因子は殺害しろ』?俺をスイーパーだと思ってる?

なんて思っていたんだが、どうやらこれはアザゼルさん曰く『あくまでもこちらからの要求と言う体での無許可の殺害を可能にする』と言うことだそう。その手の奴らが俺の存在を知れば、間違いなく手を出してくる。そうなった時に『殺さずに家族を守る』なんて理想論を振りかざすのは無理だ。そうなると当然殺害するしかない。そもそも、そう言う手合いは死なねば分からぬ奴らだ。だからこそ、殺す。

だから、細かいことの責任はアザゼルさんが取る形にしようと言うことだと。どうしよう、この世界が野蛮すぎて頭が痛くなる。

 

5には少しだけ触れたいことがある。その5だが……ジャンジャジャーン!今明かされる衝撃の真実ゥ!いやマジか。うちの実家の町、悪魔に支配されていたのか……。確かにそれを納得させるだけの要素はある。クレーリアさんとか、確かそんな感じの話だった記憶がある。

ま、あれだ。こちらの内容は触らぬ神に祟りなしと言うよりは雉も鳴かずば撃たれまいって奴だろ。

 

そんな感じだ。それじゃあ、俺側からの要求の方にいくか。

 

1:俺の家族に手を出すな。

以上。言うことなし。手を出したら世界の敵になってやる。ゼロ・レクイエムならぬブラックゾーン・レクイエムやってやるからな。あっちと違って、世界の変革とか無視したことするからな。

 

2。三大勢力が緊張状態ってことはよ、どこからかこうしてアザゼルさんに俺が関わったことを知った奴が現れて、俺の家族へ害する奴が来るかもしれないってことやろ?実際そうだからアザゼルさん側の要求で殺人のライセンスみたいなのを貰ったわけだし。そうなら、こちらもこちらでどうするかくらいは明確にしておいた方がいいやろ。

 

3はただの口止め。化石と言うか老人共が出しゃばらないようにするための一手だ。アザゼルさんだってやることがあるんだ。その邪魔をされたくもないだろうし、俺がその原因になるのも嫌だからな。

 

4も大体このまま。例えば毎年のように鰤や鮭を送られても、捌くこちらの身になってほしいので謝礼は止めておいた。つーか、俺は謝礼をされるようなことをしていない。ただドライグさんとアルビオンさんが気に入らないからぶっ飛ばしただけだ。

 

5は、もうダメ押しの脅しみたいなもんだ。アザゼルさん側から『黙っていてくれ』と言われたので『こちらの要求も呑んでね』って言うだけの話。それだけ。

 

そんな感じだ。今日はそんな感じで話が終わった。その後はバラキエルさんに連れられて我が家のある町まで返してもらった。やろうと思えば次元の壁をぶち破ることも可能だから簡単に帰れたのに、ってドキンダムが言ってました。

 

――『責任を俺に押し付けるな。てか、それが事実なんだから仕方ないだろ』

 

そんなアンノウンみたいなことが出来るって急に言われても怖いだけだよ。

 

という訳で、全てを忘れる勢いでお布団に潜って寝ることにした。もうね、俺逃げる(現実逃避)

 

――『まぁ、今はそれでいいわ。約束関係も俺らが覚えておくわ』

 

ありがとね、ドキンダム。

 

布団に潜れば浮かぶ景色。それはラヴィニアの笑顔。ここまで来て『惚れていない』は無理があるとは思っている。

 

――『『(ガタッ!!)』』

 

ただ、それはそれとして、彼女には彼女の人生がある。どうせすぐ俺のことなんか飽きるだろうよ。俺で縛るわけにもいかん。『何かそんなことがあったなぁ』程度にしておこう。

 

――『こいつ、殺すか』

 

――『賛成』

 

Side out

 




前日譚はこれで終了となる予定です。次からは原作1巻に突入する予定です。

引き返すなら今のうちやぞ!
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