知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
原作第1巻突入の章です。いよいよ始まります。
第18話 始まる青春最後の年
Side in
私の名前はオプティマスプライム。サイバトロンの司令官である。
勿論嘘だ。誰が顔面破壊大帝だ。俺の知っているのはコンボイだし、メガトロンとはユニクロンをシバいた後に殴り合いをし出す奴なんだよ。リンクアップ!!ジェットコンボイ!!!!
――『頭おかしいでござる』
――『と言うか、そこまで詳しく言うと世代がバレるのではないか?』
阿呆共の声を無視して俺は布団から起き上がり、我が部屋のある二階から下へと降りる。部屋が余るくらいには広いのはうちの両親の家がデカいからか、妙なセレブ感を感じる。それでも、この家もちょっと古いせいか、どこかガタが来ているようにも思える。何とも言えない塩梅だ。
一階に降り、リビングに行く。そこには4人の人がいる。父さんはいない。そういや父さん、今日は早めの出勤だっけか。大人の世界は世知辛い。そう思いながら机と向かう。対面には小さな男の子。
「おはよう、兄さん!」
「おはよう、遥輝」
朝から愛しのマイブラザーと会えるなんて幸せだぜ。
○○○
さて、俺は今高校3年生だ。アザゼルさんと出会ってから色々と経験して、時が過ぎた。アザゼルさんと話し合いをしてから4年ばかり時が過ぎたがこれと言って俺の周りに敵が出たことはない。このまま平穏が続けばいいと願うばかりだ。
ラヴィニアとも連絡を取り合っている。何なら、年1くらいのペースで来日するんで、その時に会うが、彼女もどんどん綺麗になっていく。怖いね、あんな美人に好意を寄せられているって。頼むから俺のことを忘れてくれって思っちゃったよ。
俺は今日も今日とて学校に通うためのエネルギー補充として朝ごはんを食べている。本日の味噌汁は小松菜と厚揚げだ。画面の前の諸君、『味噌汁に厚揚げなんて入れるのか』なんて思っただろ?油揚げも豆腐も入れるんだから、別に違和感自体は無いぞ!
「むふふ~」
「あら、遥輝。随分ご機嫌ね」
母さんが上機嫌の遥輝にそう言う。今日は一段と機嫌がいい。
「内緒!」
――『おい、朝っぱらから昇天するな』
――『ユノハ、こやつに簡単に昇天させないプログラムを組み込んでおけ。日常生活に支障をきたすレベルだ』
――『これでも相当きつめのプログラムを入れたのだけど……』
いかん、謎の力で正気を強引に保たされたから気絶せずに済んだ。何故俺の弟はこんなにも愛しいのだ。罪な男め。
ああ、紹介してなかったな。俺の弟、岸波遥輝だ。ウルトラマンが好きな世界最高の弟。以上。
遥輝については事あるごとに俺が長々と語るせいで、ドキンダムとアポロヌス、それとユノハ様がぶちぎれた結果、彼らにリンチされてから『長文語りをしない』と約束した。だからこれくらいの紹介にしておこう。
しいて続けるなら、俺が安産祈願で自然消滅する程度の禁断の力をこの子に分けたくらい。その甲斐あってか、出産当日は余りにスポンと出てきたせいで全員驚いていたよ。そんな小さな男の子も今や幼稚園の年長さん。ちょっと前まで『にぃに』と俺のことを呼んでずっと後ろを着いてきた泣き虫もかっこいい男の子に。あ、泣きそうになってきた。
――『こいつ馬鹿にも程がないか?』
――『そんなこと言われましてもねぇ……』
ドキンダムとユノハ様がそう言う。アポロヌスに至っては茶を飲んで鼻で笑っている。
「それにしても大地ちゃん、今日も元気そうでよかったわ」
「ご主人様はいつもイケメンにゃ」
そう言うのはとてつもねぇパイの持ち主の二人。
さて、語らねばならない。ここにいる俺の家族以外の二人について。いや、時間もないしそんな長々語るつもりはないけれど。
一人目、最上寿水さん。
彼女はいわゆるご近所さんで幼馴染って奴。俺が小学校の頃から付き合いのあるお姉さん。彼女とはお家ぐるみで仲良しだ。よくおすそ分けをしてくれる。今日も朝から我が家にいるのはそれが理由だろう。
寿水さんは俺がどれだけ進級しようがずっと可愛がってくれた人でもある。時々前世のことを考えて寂しくなっていると、隣にそっといてくれた人。惚れるぞ。
文句があるとするなら、あの良すぎるスタイルで昔と変わらない勢いで抱きしめてくること。俺、男子高校生。性欲強い。我慢するの大変。
今は大学を卒業して不動産業に就職したそうだ。ただ、その不動産業ってのが悪魔関係にも通じているらしいと酔った寿水さんから聞いた。ちょっと不安にもなったが彼女なら大丈夫でしょう。だって、寿水さんってとんでもない馬鹿力だもん。並の男なら酔い潰すとかの前に、あのジョナサン・ジョースターの如き物理的パワーに捻り潰されるぞ。そもそも酒も異常な強さだし。本人もそんな豪傑さを結構気にしているのか、無敵とも言える俺を運悪く殴った時はびくともしない俺にビックリしていた。俺が言えた身分じゃないけれど、時代って厳しいね。
それと鮭狂いってのもある。寿水さん、すげー鮭が好きなんだよね。可愛い。
あ、そうだ。彼女、我が弟の遥輝の幼馴染である龍巳ちゃんの叔母さんでもある。叔母と言うポジションに若くしてなった時の『若くしておばさんかぁ……』と『うちの姪っ子が可愛すぎる』の入り混じった表情は忘れられない。今は後者に偏っているけれど。いやぁ、寿水さんの溺愛っぷりはすごいもんだよ。俺も参考にしよう。
――『しなくていいんだよなぁ……』
ドキンダムの声を無視して次。寿水さんの職場について色々知ることになった二人目、黒歌。
綺麗な黒髪に猫耳を生やした人。『あれ、苗字は?』と思った方。はい、彼女には苗字が無いっす。って言うのも、見た目から分かる通り、彼女は種族的に人間じゃない。『元猫魈の悪魔』って言うものなんだって。よく分からないだろ?俺もよく分からない。要するに猫又もどきって奴だと本人は言う。
彼女との出会いはそんなに古いわけでもないし、古いとも言える。あれは、俺が中学生だった頃のこと。勉強の息抜きで散歩していた時だった。
道の隅っこにひっそりと傷ついた黒猫が倒れていたんだ。流石にそんな状態の猫を見捨てらなかったってのと、妙に毛並みが良かったから『どこかの飼い猫か?』と思って保護と治療がてら、その黒猫を拾った。触れてみたが、ダニとかの類も付いていなさそうだったし、余計に不安になったのは未だに記憶にある。
そして親にバレないように俺の力で治療して、父さんと母さんにも事情を説明して家に置くことにした。家に置いて数日経った。数日経ったんだが、全ッ然猫関係の情報が入ってこない。逃亡した猫の情報が何一つ入ってこないのだ。これには父さんも苦笑いだし、母さんも頭を抱えていた。
『実はこいつ飼い猫じゃないんじゃない?』疑惑が上がりつつ、しばらく保護していたある日のことだ。寿水さんが家に来た時に拾った黒猫を妙に睨んでいたので『何事?』と思いつつ、思いっきり撫でていたら黒猫が絶頂気味の表情をした人間になった。訳分かんないだろ?でも、この世界ってそう言うもんだってアポロヌスとユノハ様に言われた以上『そんなもんか』と思うしかないじゃん。
その人間ってのが黒歌。俗に言う『人間モード』ってことだそう。その後は鶴の恩返しの如く逃げ出そうとしたので、強引にとどめた。意味が分からんかったので、とりあえず話だけでも聞こうと思ったからだ。
そこから家族と寿水さんを巻き込んだ会議。そこで判明したのは黒猫こと黒歌の過去。
端的に言うと、『妹を助けるために指名手配の殺人犯になり、死にかけていた』。
それを聞いた時、俺は黒歌を守ることを決めた。両親も『今のは聞かなかったことにするから、思う存分家にいなさい』なんて言った。当然と言うか、黒歌はそれを良しとしなかった。なので、意地と気合で黒歌を我が家に押し留めることにし、成功した。てか、彼女の過去については割と大真面目に世界を滅ぼしにかからなかったことをほめてほしい。
寿水さんは悪魔関係に伝手がある関係で、彼女を何とか守れるかもしれないと言って黒歌を寿水さんの会社に連行した。で、後日一緒に帰って来た所、寿水さんの会社への就職が決まった。わけがわからないよ。
因みにその会社の給料払いはかなりよいらしく、黒歌の給料明細を見たら少なくとも前世の俺より0が1つ多かった。泣いたね。寿水さんは更に上だそうだ。死にたいね。
あと、黒歌は全裸に近い恰好で俺の布団に潜りこむな。俺は男子高校生なんだぞ。
――『もう二人ともヤっちまえよ』
ぶっ殺すぞ、ドキンダム。俺は紳士なんだよ。
――『……こいつ』
セクハラ発言禁断野郎は無視するに限る。
「寿水さん、俺だってもう高校3年生なんですから、余り甘やかさないでください」
「そう言う所が可愛いのよね。うちの会社に来る?」
「4年後に就職に困ったらお願いします。あと、黒歌。イケメンだの煽てたことを言っても、俺は何も奢らないぞ。そもそも、別に俺は俺をイケメンだと思ったことはないからな」
「いやー、ご主人様って上澄みも上澄みよ?普通じゃなくても一発で惚れるわよ」
「恥ずかしいからやめなさい」
味噌汁を啜る。美味しい。朝の味噌汁はいつも父さんが趣味で作るが、出汁の味がしっかりしていて良いものだ。
「兄さんはイケメンだよ」
「ありがとう、遥輝。遥輝もイケメンだよ」
「むふー」
「……ご主人様のそのブラコンっぷりには負けるにゃ」
「悔しいけどねぇ」
平穏。実に平穏。美女に囲まれすぎていることを除けば、俺が求めた日常が今ここにある。守りたい世界がここにあるのだ。何たる甘美だろうか。
なーんてな。そんな大層な言葉はここには要らない。いつも通り日常を過ごして、いつも通り生きていく。それだけで十分だ。
○○○
着替え、良し。いつも通りの制服。ほつれとかも特にない。最近サイズが合わないような気もしなくない。それ以外は特に問題はないけどね。
髪型、良し。別に後退もしていない前髪を見て、異常なまでの安心感を覚える。ユノハ様が『お前が禿げることないわ、ボケ』と言っていたので少しは安心していたが、やはりこうして目で見るのは大切だ。そうでなくても、前世の同僚が禿げで悩んでいたからな。不安にもなろう。
こうしてかっこつけるのは、退くに退けなくなった不良生活のせいだ。あと、俺の個人的な趣味。ついでに言うなら、俺の赤と黒の髪色もあってか遥輝が『ウルトラマンベリアルみたい』って言って喜ぶんだ。うちの学校、この辺りちょっと緩いのが良かったよ。
ま、準備はこんなもんだ。今日も頑張っていきましょう。
荷物を持って玄関へ行き、ドアを開ける。
「いってきます」
そんな声と共に俺は外に出る。さて、最後の青春の始まりだ。思う存分、悔いなく生きていこう。
Side out
最近、3D変形のカードを使う予定が出たので、自力で専用のスリーブを作ってみました。サイドのインナースリーブを切って作ったのですが、手先が不器用なもので犠牲の山が積みあがると言う。
前作のキャラですが、何人か再び採用しようと思っていますが、大体は一新しようと画策しています。そもそも、後に手に入れることになる大地君の眷属・御使い周りはフルメンバーにする予定がないので、出てくる人数も減ります。
際の際にも関わらず、まだその眷属・御使い周りを検討しているのですが、どうあがいてもハーレムかそれに準ずるものになりそうで涙が出てきます。果たしてうp主に捌ききれる程度に収まるのでしょうか。こうご期待。