知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
最近、デュエマクラシックなるものに着手し、08でシノビドルゲーザを組みました。復帰して二番目くらいに組んだのがサイゾウミストやサルトビバイケンを積んだシノビドルゲーザだったので、西南がいないことに非常に違和感を感じています。
Side in
俺はのんびりと駒王町を歩いていく。目的地は我が母校である駒王学園だ。
駒王学園はちょっと前まで女子高だったエリート校。いわゆる『お嬢様学校』って奴だった。ある年から共学になったって所までは知っている。何の気なしと言うか、中学の時の教員に勧められて受験したら受かっちゃった学校だ。前世では合格なんて絶対に無理だったし、今のボディのスペックに感謝だ。因みに、駒王学園は初等部から大学部まである。何てこった、とんでもねぇ規模じゃねぇか。
大学についても親に『行け』と脅されている以上就職の道を絶たれているも同然なので、とりあえず第一志望で駒王の道を選んだ。理由?実家から近いから。
変わらぬ町並みの中を歩く。思えば、ここまで来るのも随分早かったもんだ。両親に拾われ、弟が生まれて、色んな人に出会って。我ながら人生をエンジョイしている。
それも、前世の人間関係の記憶が最早思い出せないくらい擦り切れたせいなのかもしれんな。『人は忘れられるから生きていける』なんてよく言ったもんだ。
――『悲しいか?』
そりゃ悲しいさ、ドキンダム。でも、俺は止まっちゃいけない人間だ。家族を守るためにな。
――『間違ってもオルガ化するなよ』
申し訳ないがメインキャラの死をネタにする以外マジで笑えない程のクソストーリーはNG。俺とて、この物語をクソで終わらせるつもりはないさ。
何て、のんびり歩きつつも『昔は登校しようとするたびに遥輝が駄々をこねて泣き叫んでいたな』なんて過去に思いを馳せて歩く。弟が恋しい。
急に寂しくなってきた。学校はまだかね。こうなったら少しうちの学校についてお話をしよう。
駒王学園高等部にはとんでもねぇ美少女が二人いる。どっちもおっぱいがデカいんだが、そこは置いておくとする。その二人なのだが、『駒王学園の二大お姉様』なんて呼ばれている。理由は簡単、それだけ大人びているから。可愛いんだけど、それより先に『綺麗』って感想が出るよね、あの二人。
実はその二人なんだが、どこかで見た気がする。どこでだろうか……。
――『あれじゃね?前世で実はハイスクールD×Dを読んでいたーとか?』
そうっすか、ドキンダムさん。まぁ、そういうこともあるか。この程度はデジャヴって奴で片付けるのがいいだろうよ。
因みに俺の呼び名はと言うと『駒王学園のヤンキーお兄様』だとか『王子様』だとかだ。二人に倣ってそう呼ばれている。俺はあんなにカリスマ性のあるもんじゃない。そもそも、そのヤンキーって部分は何だ。否定はせんが。
何て思っていると後ろから声が。
「大地!」
振り向くとそこには可愛らしい女の子が一人。
「おはよう、大地」
「おはよう、結菜」
斎藤結菜。中学から繋がっている女の子だ。性格は至っておだやかで優しい人。なんてことの無い可愛い女の子だ。
嘘です。優しいのは本当だけど、どっちかと言えば『戦国時代の武将の嫁』みたいな筋の通り過ぎているくらい強くて、寂しがり屋の女の子です。
そんな結菜はいかにも『普通の女の子』って言いたいが、実はそうでもない。何て言うか、彼女の中に何か『人ならざる力』って感じのものが存在している感じがする。こう、魔法的な?ラヴィニアに似たようなもんがある。そういや、二大お姉様たちもそんな感じだな。
ユノハ様、結局あれって何なんすかね?
――『あやつなら今寝ておるぞ。当分は起きん』
アポロヌスがそう言う。そうか、寝ている女神様を起こすわけにもいかん。そんな急ぎの内容でもないしな。
話を戻そう。そんな彼女とも付き合いは長くなった。かれこれ中1からの仲だからな。もう長いなんてもんじゃないだろ、これ。ひと昔前なら『セカンド幼馴染』とか言われている奴だぞ。ファーストなんていねーが。寿水さんがギリギリそうか?
――『そんな概念、ひと昔前も流行っていない』
おぉ、結構残酷なこと言うね、ドキンダム。俺もそう思うけどさ。ほら、俺って化け物だしこう言う所で人間アピールしないと。
――『誰向けのアピールだよ。てか本当に残酷なことを言うなら、その概念はひと昔前じゃなくて古代の概念だ。何年前のアニメだよ、あれ』
それもそうだ。こんな老けるだけのアピールはやめだ。そんな概念、捨ててやる。何がISだ。奴は時代の敗北者じゃけぇ。老いの悲しみにサヨナラだ。
「大地、今日もそんな格好なの?」
呆れながら俺の崩した制服姿を見る結菜。
「ああ、遥輝が喜ぶんでな。それに、自分でもそこそこ似合っていると思っている」
「それは否定しないけれど……」
ジト目が眩しいなぁ。若いっていいなぁ。そう思うことが老いなのに、やめられないんだからどうしようもないよな。
この世界はマジで前世にもあったコンテンツが少ない。だから余計に恋しくなってしまうのだろうか。まま、ええわ。
「そう言えば、母様がまた食事のお誘いをしてきたわ……」
少し気恥ずかしそうに、そして頭を抱えながら言う結菜。
一応だが、彼女はかなりのお金持ちのお家のお嬢様だ。そんな彼女の母親と何故か仲良くなってしまった俺。気が付けばこうして何度も食事にお呼ばれする関係になってしまった。
と言ってもあれだろ、娘に余計な虫が付かないようにしてくれている俺へのお礼とかそう言うのだろ。にしては妙に好意的だけど。
あ、そうだ。結菜のお母様が妙に距離が近いのはいいとして、そうなっているのにはとある理由が絡んでいると踏んでいる。
と言うのもだ、結菜のお母様が社長を務めている会社に俺の母さんが勤務しているのだ。しかも、お互い顔見知りレベルの仲の良さ。縁とは実に狭いもんだ。
「分かったよ。また予定を教えてほしい。それに合わせるから」
「ありがとうね。大地が来ないってなったら、母様の方が大地の家に行きかねないし、迷惑かけちゃうから」
「そんなことはないさ。俺だってうれしいし」
そう言うと、クソデカため息を吐いた結菜。何がどうした?
――『こいつ、どれだけの女を毒牙にかければ気が済むんだ……』
――『やはりこやつはハーレム王の素質があるな』
何やら二人が喋っているが聞こえないので気にしないことにする。
――『ラヴィニアだけでなく、寿水に黒歌。挙句の果てには結菜。どいつもこいつも乳が……』
あー!聞こえない!俺知らない!てか、そんなにはっきり言うなよ!俺だってちょっと気にしてんだぞ!ほんと、何で俺の周りには超が付くほど魅力的な女性ばっかなんだよ!
阿呆共の話は無視するに限る。
こうして俺達は登校した。学校に着けば、皆が俺に挨拶してくる。木村君、三浦君、鷲尾さんに古谷さん。後輩とか同級生とか関係なく声をかけてくれる。懐かしいな、入学当初は皆からビビられていたよ。十中八九俺の見た目が悪いんだけどね。それでも俺に話しかけてくれるのが結菜だけだったって言うのが中々に堪えた時があった。
そんな中で二大お姉様たちは俺に話しかけてきたっけ。いやぁ、見目麗しいだけじゃなく、心も美しいとは。恐れ入ったね。
そこからなし崩し的にどんどん挨拶されていくようになり……いやぁ、ほんと懐かしい。
――『ドキンダム、こやつ老けすぎではないか?』
――『俺もそう思う』
結菜とおしゃべりしながら歩いていると、我がクラスの教室に着いた。
「うっす、岸波」
「おはよう、遠野君」
「おはようございます、岸波君」
「おはよう、甘織さん」
教室に入ると、こんな風に声をかけられる。いやぁ、いいね。実にいい。青春しているよ。
――『宿主の青春のレベルが低すぎる件』
――『泣きたくなってくる余』
後ろでは女子が結菜と話をしている。聞き耳を立てるが、別に何か悪いような内容でないし、彼女も彼女でうまくやっているんだろう。
さて、俺は自分の席に着く。窓際の後方。いわゆる『主人公ポジ』。ハッ、俺がこんな陰キャの理想の場に着くなんてな。席替えを要求する……って言いたいけど、実は無理だ。俺のタッパがデカすぎて俺の後ろになった奴から前が見えないと言う問題が発生、強制的にここにされたせいでな。
さて、今日の一限目は……英語か。英語はこのチートボディのせいで勝手に翻訳される。結果、この学校で1,2を争う成績になってしまった。前世では受験で使う程度にしか勉強していなかったので、ちょっと気味が悪い。
英語の辞書と教科書を出し、暇つぶしがてらノートを読む。うーん、分からん。何が分からんって、一番効率のいい勉強方法。中学から本格的に勉強をし出した英語と言う科目だが、こうして6年目、前世を含めるならもう何年になるか分からない年数に突入すると言うのに、どんな勉強方法が正解なのか分からない。今の所の最適解は『数をこなす』とか言うごり押し戦法だ。結局勉強なんて詰め込みだろと言う諦めからきた戦術だ。
眼鏡も無しに読める文字。実にいい。楽だ。眼鏡って属性扱いされるけど、あれって当人からすれば『無いに越したことはない物』でしかないからな。
なんて、各方々に喧嘩を売っていると外から黄色い声が。ここは3年のクラスの場所……ってことは来たか、『駒王学園の二大お姉様』。
教室に入って来た女子生徒二人。片や懐かしさすら感じる紅髪の美少女。片や大和撫子の具現化のような黒髪の美少女。そしてどっちもデカパイ。びっくりするぐらいスタイルがいい。タッパと尻だけじゃなくて乳までデカいとか何を持たないのだ、君達は。
紅髪の美少女の名は『リアス・グレモリー』、黒髪の美少女の名前は『姫島朱乃』。まさしく、『この物語のメインヒロイン』って奴だ。ドキンダムさえも否定しなかったレベルだからな。それほどの美少女ってことを認めてくれた訳だ。
――『(いや、そう言うことじゃないんだよなぁ……)』
美少女達が隣に来る。グレモリーさんが隣で姫島さんが斜め前の席だ。何が悲しくてこんな脇役のグリンピースの隣の席がハンバーグとステーキな彼女達なんだよ。泣けるね。何なら彼女達とは高校1年の時から一緒だ。泣けてきた。
人外じみた二人だが、本当に人外な感じがしてならない。いや、こう、オーラ的な?『悪魔!鬼!人でなし!サディスト!』とかそう言う罵倒をしたいわけじゃないって分かって。
しいて欠点を言うなら、『オカルト研究部』なんて胡散臭い研究部に所属していることくらいか。その上、二人は部長と副部長と言う関係だ。
「おはよう、岸波君」
「おはよう、グレモリーさん。今日も綺麗だね」
「ありがと。相変わらずあなたのお世辞は、妙にうれしくなっちゃうわ」
こうして大人な返しもするグレモリーさん。俺より余程大人だよ。どこかの貴族かなんかじゃないの?
そう思っているとカットインしてきた姫島さん。
「あら、リアスばかり。悲しくなってしまいますわ」
挑発的な表情と声でそう言う姫島さん。こうしてからかわれるのも慣れたものだ。
嘘です、慣れないです。こんなにも美人な人にからかわれると俺の童貞心が揺らぎます。だからせめてもの抵抗で真剣に受け答えするんだけどね。
「君の美しさを語ると、10分だけじゃ足りなくなりそうでね。短くしようとしたって、短く出来ないほどに君は綺麗だ。誰にも負けないくらいね」
「……」
無言で頬を赤く染める姫島さん。その様子を見てグレモリーさんは笑う。
「これで何敗目なの、朱乃?あなた負けすぎて、私はもうどれだけ負けたか数えてないわよ?しかも毎度毎度こうもあっさり負けて……」
「う、うるさいですよリアス!もう!岸波君もにやにやしないで!」
はっはっはっ。どうやらこの生暖かい目はにやにやしているように見えたようだ。
こんな感じの変わらぬ日常が始まる。よーし、今日も張り切っていこう!楽しい楽しい人生にするんだ。それが俺に託されたことらしいしな!
Side out
『たまには』と思って立ち寄った本屋。調子に乗って色々漫画などに手を出す中で見た『緋弾のアリア』の最新刊。その数字に軽い恐怖を覚えました。