知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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前作と丸被りと思う方もいらっしゃると思います。自分もそう思いながら書いてました(開き直り)

不愉快さを覚えるほど古いテンプレなので、引き返すなら今の内です。




第2話 舞い降りるバイク

 

Side in

 

耳に入るのは風を切る音。全身で感じるのは下に体を引っ張る重力。

 

どうも皆さま、小湊大地です。わたくし、お空を落下していますわ。そう、お空ですの。わたくし、パラシュート無しでお空を落ちていますの。

 

「……え、俺もう死ぬの?」

 

出オチか?出オチなのか?最近流行りの転生ものってこんな感じなの?これだったらクソラノベでももっと平和な世界にぶちこまれる方がよかったのでは?

 

――『ハイスクールD×D(ここ)だってクソラノベよ。安心しなさい、その上で平和じゃないわ』

 

脳内に響く良からぬ神の声。間違いない、ユノハ様だ。俺をこんな状況にした張本神。

 

「で、ユノハ様。俺はどうすればいいんですか?相手のキャベツにギャイアジスタジオを決められたように『座して死を待て』とでも言うのですか?」

 

――『何言ってんだこいつ』

 

「そもそもこうなったのはあんたのせいだろ」

 

俺がそう言うと『チッチッチッ』と舌打ちを立てるユノハ様。ちょっとむかついた。

 

――『いい?あなた、空を飛べるわよ』

 

「は?」

 

――『禁断の力は、傲慢な神々も従うしかない全てを従え、捻じ曲げる。だから重力なんてものは敵じゃない。完全に支配される側の概念よ。グランゾンもビックリね』

 

「ちょっと何言ってるか分かんない(笑)」

 

――『何で分かんねーんだよ(テンプレ) とにかく、ウルトラマンとかの飛行を想像しなさい。あれと同じように出来るわよ。イメージしやすいのはザ・ネクストとかギンガじゃないの?』

 

何だか不安がある。でも、このままだと死ぬ可能性もあるしな。やるしかない。

 

――『あ、ついでに言っておくと、この程度どころか大気圏からの落下でも死ぬほどあなたの体は軟じゃないわよ。『我が魂はゼクトと共にあり』(仮面ライダーメテオ)も連発出来るわ』

 

最早人間じゃなくてバルファルクの類じゃねぇかよ。

 

俺は自分の魔改造ぶりに恐怖を覚えながらも、ウルトラマンギンガとか、それこそアニメのモルネクとかガイギンガ達のイメージをしてみる。この際ボルドギやギュウジン丸でもいいや。うーん、飛んでくれ……。

 

瞬間、俺の体が宙で急停止する。お、おぉ……。マジで止まった。俺、空飛んでるよ……。水泳をするように空中を泳いでみたり、くるくる立体的に回転してみたりする。

 

――『人生初の空中飛行、感想はどうかしら?』

 

「最高っす、とは言い難いっすね。ちょっと夢のようなことすぎて現実味がないっす」

 

レッドゾーンに空中飛行の描写はない。せいぜいブラックアウトがいい所だ。だからこそ、余計に変な感覚が俺を襲う。

 

――『あなたらしいわね』

 

感覚的には『息継ぎの要らない水中』。気分はまるでウルトラマン。子供の頃に憧れたヒーローだ。テンションは上がる。ただそれ以上に、画面の向こうのヒーローと同じことが出来るってのはちょっと感覚が分からなくなる。

 

ただ、やっぱり俺は人間だ。地に足のついた感覚が一番いい。フワフワした感覚が妙にこそばゆい。

 

ふと耳に入ったんだが、どこかで爆音が鳴っている。どうやら下の方で何かやっている様子だ。そちらを見るとなんかドンパチにぎやかしている。何だか鳥葬の鳥のように翼の生えた人達が飛び回っている。それに、白色のドラゴンの形をしたのもその中心で動いている。近くには赤色のドラゴンっぽいのもある。うお、すっげ。ねぷた祭りもビックリだな。

 

ただ、あんまり行きたくないなぁ。俺、嫁のいない祭りとか苦手なんだよ。気分的に盛り上がらないっていうか、何というか。

 

――『一応だけど、解説しておくわね』

 

ユノハ様が口を開く。

 

「何でしょうか」

 

――『『原作ぶっ壊してあなたの存在を固着させる』。まぁ、二次創作とかならよくあることね。それをやってもらうわ』

 

固着?原作をぶっ壊す?それって単にあなたがハイスクールD×Dってのが嫌いなだけじゃ……

 

――『そうだよ(真実)』

 

……。分かったよ。話続けてください。

 

――『話の続きだけどね、あなたはどこまで行ってもこの世界にとっては異物。それを排除するのは世界の保護機能って奴よ。そんでもってまだ不安定な存在なあなた。世界から追い出すにはこの上ないタイミングよ。だからそうならないようにするため、『世界を分からせる』必要がある』

 

「分からせる?」

 

――『一回壊した世界は自然に治る。その治る際に『元からいました』と言う面をしていれば、世界は勝手に受け入れる。そのための機会で色々調べたんだけど、結局ここが一番良さそうだったからこのタイミングに落としたわ』

 

ほうほう、それでそのタイミングってのは?

 

――『この世界にはね、世界を滅ぼすほどの力を持った『二天龍』というのがいるの。赤い龍『ドライグ』と白い龍『アルビオン』。それが今あなたの下で喧嘩しているわ」

 

ドライグとアルビオンってなんだよそれ。しかも赤と白って、紅蓮とランスロットみてぇな感じだな。

 

――『……紅蓮とランスロットに関しては多分だけど、原作者も連載していく内に意識していった可能性は大いにあるわ。ISの白式が完全にユニコーンガンダムになっていったほどではないけど……』

 

そうですか。てかドラゴンって、下のあれはねぷたじゃないのか。

 

――『そうね、その通り。あれらは本物のドラゴン。トカゲモドキ。VANで死ぬタイプ。その中の二体であるドライグとアルビオンとか言う奴らの喧嘩のせいで世界は滅びの危機。それを大変に思った天使,堕天使,悪魔が手を組んで戦っているのが今の下の状況ね。原作では描写されないせいで分からない所も多いけど、この世界だと後の魔王とかもいるせいで物語においては超がつくほど大きいイベントになったらしいわね』

 

わぁ、すっげぇ中二病ラノベ。まるで異世界だ。意味わからん。てか、天使とか魔王とかよく分からんぞよ。

 

――『言っておくけど、あいつらは機械じゃないわよ。間違ってもエンジェル・コマンド/デーモン・コマンド/月光王国じゃないわ』

 

うっす。

 

相変わらずドンパチにぎやかだ。ドライグとアルビオンってのを多くの人が叩いているという図がそこにあるわけか。

 

ハイスクールD×D。よく分からん世界観だな。

 

――『まぁ、あれって2008年初版だし、多少乱暴な設定でも許されたような時代出身だからね。寧ろそんな時代に『終わりのクロニクル』とか『境界線上のホライゾン』とかを出していたあの御大がすごいのよ』

 

……もしかして、ユノハ様って相当面倒な厄介オタクじゃね?

 

――『そんな訳で二天龍最後の戦い。それが今下で行われているわ。皮肉なことに、一度も手を取り合うことがなかった二頭の龍が初めて手を取ったのは『自分達の喧嘩で滅びかけた存在たちとの戦争』なのだから』

 

そうなのね。で、今は下でたくさんの犠牲が出てるんすよね?

 

――『そうね。あなたが介入すれば救える命は多いわよ?』

 

なら戦うか。喧嘩は嫌いだが、やるしかないだろうよ。俺だって、二度と後悔したくないのだからな。

 

――『待ちなさい』

 

何すか(ずんだもん)

 

――『確かにあなたが行けば犠牲は確実に減る。これは決定事項みたいなものね』

 

下を見ると、赤色のドラゴンの頭付近が光り出す。ゲロビか炎でもぶっ放すんだろうよ。んでもって、その先には人間らしき影がある。

 

なるほどね、完全に理解したわ。

 

――『いい?この世界は悪意に満ちている。前世のものとは性質が違うせいで、絶望だってするわよ?その上、彼らは人間じゃない。天使に悪魔、堕天使。人間がいなければ存在出来ない者なのに人間を見下す、どこまでも傲慢で脆弱な存在よ。それでもあなたは助けるの?助ける義理なんてないのに。存在の固着だって、他にも方法があるかもしれないのよ?』

 

「知るかそんなこと。天使とか悪魔とかなんてどうだっていい」

 

例え相手が悪人だったとしても、今の俺にはそいつを完全に悪人と断じるだけの情報がない。つまり、善人である可能性がある。もしも善人だったのなら……この世界に生きていくべき『強者』なら、俺はそいつを助けられなかったことをずっと後悔する。明日から食べていく食事がちょっとでもまずくなる。それだけは御免だね。

 

――『……言うと思ったわ。それじゃあ、行きなさい、小湊大地!誰よりも気高き英雄よ!』

 

俺は全速力で飛行し、人影に突撃した。

 

ドラゴンと人影の間に割り込むために急降下していく。

 

3……

 

「うぉおおおお!!」

 

2……

 

「間に合えぇえええ!!」

 

1……

 

「生きることを諦めるなぁあああ!!!」

 

心からの叫びを上げながら、その戦禍の中に突入した。

 

人影は一つだけじゃない、二つあった。俺は二人の前に立つと、ドラゴンに向かって手を伸ばす。俺が念じると、ドルマゲドンXのX部分みたいな文字がバリアとして浮かび上がる。

 

「くたばれ、虫けら共!」

 

ドラゴンが怒号を発しながら炎を吐き出す。俺の張ったバリアは、悲鳴を上げることもなくそのビームを防ぎきる。

 

眩しい。明るい。光の奔流が俺の目に刺さる。何でだろうか、不思議と憎悪にも似た怒りが湧く。俺がブラックゾーンもといレッドゾーンと言う『ドラゴンに負けた存在』になってきているからだろうか。それとも単純に勝太&カツキングやガイアッシュからの突然のダンテや団長が嫌だったからだろうか。復帰したての俺を全盛期団長で狩って来た後輩君よ、お前が今でも憎いよ。ある程度デュエマに慣れてきた所でミッツァイルやデイヤーをぶつけてきた友人よ、俺は君が嫌いだ(煉獄さん並感)

 

何だか悲しくなってきた。どうしてそんな苦しい思いをしてまでデュエマをしていたんだろうか。これじゃあ、ウィクロスの方が余程楽しい……

 

――『ひとえのゲーム1(ギガンディダノス)ジャックビーンズ(極悪ずんだもん)

 

ゆ、遊戯王……

 

――『ティアラメンツ(マジモンの狂気)

 

嘘です、あいつらも大概でした。

 

「なっ!?貴様、誰だ!?」

 

いつの間にか口からの吐しゃ物もどきが吐き終わっていたようだ。手を払うようにしてバリアを消す。後ろに視線を向けると、金髪爆乳の天使っぽい人と黒髪ツインテール巨乳の子がいる。うん、無事そうで何よりだ。

 

「大丈夫かい?」

 

俺はそっと声をかける。それに対して無言でうなずく二人。よしよし、良かった。

 

俺は赤いドラゴンに目を向ける。そうだな……こいつは俺の敵じゃない。直観でしかないから警戒するに越したことはないが、それでもあれは俺より下だ。なら、あっちの白いのも同じだろうな。

 

――『そりゃそうじゃ。それだけの改造した私を誰だと思ってやがる』

 

D×Dガチアンチ。

 

――『正解』

 

「さて、と」

 

正直ナンパは嫌いな方だが、やらねばならないだろうことをせねばな。

 

俺は後ろを向く。

 

「二人とも、名前は?」

 

俺の質問に二人は少し豆鉄砲を食らったような表情をした後、答える。

 

「が、ガブリエルです」

 

「セラフォルー・シトリー……」

 

「そっか。ガブリエルさんにセラフォルーさん。いい名前だ」

 

俺はそう言って赤いのの方へと再び目を向ける。少しだけ殺意を込めて。

 

俺の殺意が伝わったのか、少し震えるドラゴンさん。

 

「お前、俺が何だとか言っていたよな?」

 

「だ、だからなんだ!お前のような存在はこの世界には……!」

 

おっ、いい線行っているよ、紅蓮。だけどよ、多分俺はお前が思っている程そんな大層なもんじゃない。

 

「教えてやる。俺は、ただの人間……そして禁断の侵略者『ブラックゾーン』だ!!」

 

Q.何で『小湊大地』って言わなかったの?

A.何かノリで『ブラックゾーン』って言っちゃった。

 

「ただの人間だと?!ふざけるな!ただの人間如きが俺の攻撃を防げるか!!」

 

ぶちぎれるドラゴン。うるさい、俺は人間なんだよ。ちょっとでっかいおっぱいの美人が好きなだけのな。

 

――『(やばい、こいつが原作の兵藤に近くなってる……。いや、こいつはまだ理性がある分マシか?)』

 

俺は喉元の槍を抜くために、槍の持ち手を強く握る。初めての感覚なので少しゆっくり目に抜いてみる。後ろからガブリエルさんとセラフォルーさんの怯える声が聞こえた。ごめん、怖がらせちゃって。

 

二本の槍の内一本を右手で抜き切った俺。とりあえず、目の前のドラゴンの左腕に狙いを定める。こいつとあっちにいる赤いのを倒すのが今の俺の仕事だしな。まぁ、仕事以上にガブリエルさんとセラフォルーさんのような美人さんが死ぬってのが気に入らねぇってのは大いにある。何なら仕事への意識以上にそっちの方が意識的に大部分を占めている。

 

「おい、赤いの!」

 

「な、なんだ!」

 

「名前はなんだ!」

 

一応聞いておこう。もしかしたらユノハ様の勘違いもあるかもしれないし、いつまでも色だけで判別するなんて味気ないしね。確証ってのは自分で確かめてこそなんぼってもんよ。

 

「ドライグだ!」

 

律儀に名乗り返すドライグとやら。その心意気や良し。だが、それまでのことだ。

 

「名乗ってくれてありがとさん!」

 

じゃあ、死ね。

 

「礼として、今からその左腕をぶっ飛ばすから覚悟しろ!」

 

瞬間、俺は右手に持った槍を投げた。音速を超えるそれが神の雷の如くドラゴンの鱗を貫き、左肘を吹き飛ばし、腕から離れた手が地に落ちた。

 

その左腕、もらい受ける……なんてね。

 

「……は?」

 

一瞬のことである余り、理解が追い付いていないドライグさん。

 

「ぐぁああああああ!!?」

 

すぐに苦悶の声を上げるドライグさん。悪いな、トカゲモドキ。おっぱいの大きい美人さんはすべからく好きな最低野郎だし、その上で割と性癖ストライクな女性たちが怯え悲しんでいたらこうもなるのよ、俺って。

 

右手に投げた槍を念じて戻す。データとして組み込まれていたから分かっていたとは言え、ゲイボルグみがあるな、俺の槍。俺の槍?ドキンダムXの槍では?むむむ……判断が難しい。

 

槍をもう一度喉元に刺し直す。グロテスクな感じではないが、周りの皆の様子から察するに相当痛々しいらしい。この辺りも気にした方がいいらしい。

 

でも、言わせてほしい。流石にそこまで神経をとがらせて気にするのはきつい。ほとんど無自覚かつ痛みもない状態なことに対して文句を付けられたら、拙者泣きますぞ。

 

――『で、どうする?』

 

ユノハ様が語り掛けてくる。どうするって何をよ?

 

――『何かしらの決め台詞とかないの?ここ、そう言う場よ?』

 

え、俺そんな歳じゃないし……

 

――『えー、つまんないの。……決め台詞言えや』

 

何ですか急にそんなこと言って……

 

――『……』

 

……やってやろうじゃねぇかよ、この野郎!!

 

俺は構えを取る。

 

「この心臓を暴れ出させ、全てをひっくり返そう」

 

――「だっせ」

 

こいつ……!

 

俺は一瞬でドライグの上を取って、その背中にかかと落としを決めた。宙に浮いていたドライグがくの字に体を曲げて、地に落ちた。

 

ドラゴンのソリティアは終わりだ。ここからは俺たちのターンだ。

 

 

Side out

 

 

 





一旦ここまでの連投。

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