知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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さっさと進めて不定期の名を恥じない不定期更新をしたいです。の、近々労働環境が変わりそうなので、必然的に不定期更新になるかもしれないと言う。


第25話 イレギュラー達を鍛えよう

Side in

 

学校を出て、指定した場所まで来た。どう考えても人気のない公園だ。実際、この時間のここは人気がないしな。多少はやりたい放題出来るってわけだ。

 

「じゃん!どうよ」

 

ドキンダムがそう言って自慢するここは『訓練するための空間(仮称)』。何もない荒野が広がっている。

 

さっき、公園に来たと言ったが、それはあくまでも途中までのこと。人気のない公園で、飛び出してきたドキンダムが空間を開き、そこに突入した。そして、その先にあるのがここと言うわけだ。

 

「なんて言うか、不思議な場所ね……」

 

「す、すげぇ……」

 

『空間一つ作るなど、それこそ『あの神滅具』でもなければ……そうでないなら、俺でもこんな力は知らんぞ。ドキンダムX、お前何者だ?』

 

「いつか話す」

 

俺達くらいのサイズになったドキンダムの姿はシュール極まりない。言っちゃ悪いが、完全にイマジンか何かだろ、こいつ。

 

「ここは俺の作った疑似空間。俺の匙加減で環境を自由に変えられる場所だ。時間の経過も、外に比べて圧倒的に遅い。安心して訓練するといい」

 

「自由に?」

 

ドキンダムの説明に対して、頭の上に『?』を浮かべる四条。それを見たドキンダムが指を鳴らす。

 

「ぐぉおおお!?」

 

すると、四条がゆっくりと地面に跪いていく。何したんだ、こいつ?と思っていたら、ドキンダムが説明をしてくれた。

 

「ちょっと重力を強くした。今のお前には、この程度ですら厳しいものがあるだろうよ」

 

また指を鳴らす。すると、四条が肩で息をしながら立ち上がった。

 

「な、何だよこれぇ……」

 

「根性があってよし。さて、これからやるプログラムを解説する」

 

そうして始まる訓練内容解説。と言っても、どちらもシンプルなんだけどね。

 

まず結菜。内容としては『実戦をしていく』。俺が標的になって、彼女とタイマンと言うことらしい。まぁ、俺は丈夫だしな。人形係にはうってつけの存在だ。

 

ちなみに方針としては、『実戦でどう使っていくか』と言う思考力を鍛える方面になる。本人によればお母様も雷魔法の使い手だそうで、幼い頃からその手の訓練は受けていたとのこと。

 

それを伸ばしていくのは当然として、近接戦闘術の訓練もすることになった。これは結菜の要求だ。何でも、お母様に叩き込まれてそこそこ得意らしいが、実戦でやったことは余りないので、これを機にやってみたいとのこと。結菜がいよいよ戦国時代の武闘派お姫様になっていく。

 

で、本題とも言える四条の方。

 

こちらは『体を鍛えて、基礎を何とかしていく』とのことだ。これに関してはカリュドーンの要求である。結局の所、こいつ自身がまだ一般人から脱せていないので、それを何とかするために基礎を……特に体力方面を何とかしていこうと言うことだって。要するに筋トレだ。俺もよくやっているし、親近感が湧いてくる。しかも、その際に重力による負荷をかけるそうだ。

 

「それじゃあ、俺は四条を見る。アポロヌス、お前は結菜の方を見ろ」

 

ドキンダムがそう言うと、ヌッと出てくるアポロヌス。

 

「我も巻き込むか」

 

「当然だろうよ。俺達の目的は、岸波大地の安寧だ。そのための労力だろ」

 

「……全く、手が焼ける」

 

そんなやり取りをし、俺達は訓練へと移った。

 

ここまで来たのだから、個人的に言いたいことを言ってもいいよね?じゃあ、言うか。

 

あのー、ドキンダムさん?ここって……

 

――『ああ、『ドルマゲドン・エリア』だな』

 

脳内通信でそう言ってくるドキンダムさん。だよなぁ、そうだよなぁ。

 

酷くこざっぱりしている荒野。ただ、空を見上げれば、そこは宇宙だし、仮に地上に目をやっても赤い光が充満した場所になっている。

 

規制食らって買っただけでは使えないとか言う運営のゴミクソムーブの被害者構築済み……じゃない方。それに入っていたカードがドルマゲドン・エリアだ。

 

今でも思うんだが、あのムーブはカードゲームの会社としてどうなんだ?半年で規制かけるせいでバッシングされるどころかもう諦められている遊戯王と大差ない。それどころか、アドバンスのスターターセットとして売り出している感じを見るに、もっとヤバい案件じゃないか?

 

と、青黒魔導具を買った俺が通ります。

 

……何で俺はデュエマにこうも固執してるんだろう。

 

俺の知るデュエルマスターズは死んだんだ。いくら呼んでも帰っては来ないんだ。もうあの時間は終わって、俺も人生と向き合う時なんだ。

 

――『お前の記憶から取り出したんだ、悪くないだろ?ドキンダム・エリアでもいいと思ったが、こっちの方が趣のあるもんでいいだろ』

 

そりゃまぁ、そうですけど。それにしても、禍々しい。文字通り『最終決戦』って感じの場所だ。俺も俺で禁断文字のブラックゾーンのセットを注文した身だから、最早懐かしさまで感じる。前世とのつながりを感じるなら、もうここが故郷でいいのでは?(錯乱)

 

――『分かったなら、さっさと結菜に構ってやれ』

 

うーーーっす。

 

俺は渋々結菜の方を向く。構えをして臨戦態勢だ。はぁー、これマジでどうすんの?

 

「おい、アポロヌス。俺はどうすればいい」

 

「結菜は見た限りではそこそこの経験者だ。実力自体に不足は無かろう。だからこそ、実戦経験を積ませる。故に、貴様も程ほどになって戦えばいい」

 

「ったく、そんな『高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に~』みたいなこと言いやがって……」

 

俺はブラックゾーンに変身した。目的は一つ。自分の保護。

 

俺の姿をまじまじと見る結菜。やめてくれ、恥ずかしいだろうがよい。

 

さぁーて、データ上にしかない手加減での戦い方だが……俺でもうまく出来るかな?ちょっと不安だが、結菜が本気な以上、こっちもこっちでしっかり対応しないとちょっと怖い。

 

「大地?」

 

ボーっとしていたら結菜が声をかけてきた。ああ、しまった。いけない、いけない。気を抜いたら首を獲られかねん。今は、結菜と打ち合うことを考えよう。

 

「すまない。とりあえず、アポロヌスの言う通り、適当に打ち合うってことでいいな?」

 

「ええ、勿論」

 

俺と結菜は構える。さて、最初は受けに回るか。

 

「アポロヌス、合図」

 

「我をこうも顎で使うか。おい、結菜。これは本気で殺していいぞ。我もこれのせいで、普段からストレスを溜めているからな」

 

そう言いつつも、俺の言葉に従ってくれるアポロヌス。

 

「それでは、始めろ」

 

その一言が放たれた瞬間、俺の周りには光の蝶が飛んでいた。

 

「アポロヌスって言うの?彼が本気でやれって言ったの。悪く思わないで」

 

「はい?」

 

俺が光の蝶に目を奪われているとそんなことを言う結菜。いや、確かに直前に言ってましたけど。

 

そんな風に思っていた次の瞬間、目の前が轟音と共に光に包まれた。なんや?!

 

俺が若干パニックになっていると、首元に嫌な気配がした。もしかしなくても、結菜か?結菜が突っ込んできたのか?ってことは、さっきの蝶はスタングレネードみたいなものか?

 

俺が思考をしながらも、反射で気配と俺の首の間に腕を置いてガードの姿勢を取る。ゴンといい音がした。突然のフラッシュから目が復帰したので、音のする方を見るとそこには手刀が。おぉ、怖いのだ……。

 

「今のが効かないんて、あなた何者なのよ?」

 

「ただの人間だ」

 

悔しそうにしながら鍔迫り合いをする結菜。そんなことより、あなたが怖くて漏らしそうなんですけど。

 

しかし、スタンを放ってから一撃必殺を狙うか。いいセンスだ。間違いなく、普通なら死んでいるだろうな。

 

ただ、あいにく俺は普通じゃない。戦闘用プログラムを組み込まれた殺人マシーンだ。簡単には一本取らせないよ、結菜。

 

俺は強引に手刀を押し返す。結菜は一瞬だけバランスを崩すが、すぐにそれを正すと距離を取った。

 

「結構、本気でやったのに……ほんと、大地って……!」

 

よく分からんが恨みを買ったらしい。悪いが、俺が結菜から買った恨みでちゃんと認知しているのは『俺が食っても太りにくい体質である』と言うことくらいだ。

 

再び光の蝶が俺の周りを覆う。さっきより量が多い。

 

「これでどう?!!」

 

結菜の声と共に、俺の目の前が再び光で真っ白になる。ド至近距離に落ちた落雷のような轟音を立てる。

 

今度は嫌な気配はしない。どうやら、これは彼女の雷魔法って奴らしい。なるほど、これがラヴィニアとかの魔法使いがやる奴ってわけか。

 

――『他の女のことを考えるな、ド阿呆。今はこの女をちゃんと見てやれ』

 

太陽の不死鳥様にお説教をいただいた所で、俺は目をしぱしぱさせて回復にいそしむ。

 

視界が回復し、前を向くとそこには苦笑いする結菜がいた。

 

「あ、あなたねぇ……どうして立っていられるのよ……」

 

どうやら、今のはそこそこヤバい奴で、それを耐えきった俺が珍しいらしい。ごめん、丈夫で。

 

「次はこちらからいくぞ」

 

俺は槍を構える。流石にやられっぱなしも癪だしな、手加減していこう。

 

俺は踏み込み、結菜との距離を詰める。

 

「早っ……!?」

 

俺が右手を振りかぶって払おうとすると、結菜は反応して防御の姿勢を取る。おお、センスある。とてもじゃないけど一般人とは思えんぞ、結菜。いや、魔法使いな時点で一般人じゃないだろうけどさ。

 

俺も俺で手刀を払う。結菜に当たり、ガツンと言う音を立てる。ここで止まるべきなのだろうが、俺は俺で不器用なせいで、その勢いのまま結菜を吹き飛ばしてしまった。

 

結菜が飛ばされ、地面を転がる。おっと、まずい!

 

俺は慌てて彼女に近付こうとするが、それを止める声が一つ。

 

「やめておけ、大地」

 

アポロヌスだ。何故そんなことを言うの?そんな風に思っていると、答えた。

 

「あの程度で泣きをあげるのであれば、あれは今後貴様には不要だ」

 

「不要ってな……」

 

その言葉に若干苛立ちを覚えた俺。流石に看過できないぞ、その言い方は。結菜は大切な友達なんだよ。

 

俺達が若干険悪になっていると、転がった結菜が立ち上がる。肩で息をしているようにも見えない。まだ余裕と言うことか。

 

「昔は母様によくしごかれたわ。そのことを思い出しちゃったじゃない、大地……!」

 

あ、あの目は『ガチ』だ。鬼の目だ。スイッチ入っちゃったかぁ……。

 

俺が構えようとしていると、結菜がこちらに向かってすごい速度で走ってくる。おいおい、嘘でしょ?あなた、そんなに身体能力が人間離れしてましたっけ?!

 

急いで俺も構える。次の結菜の一手は……右か!

 

俺が右の方に守備を固め、正拳突き攻撃をガードする。だが、結菜はそこで手を止めなかった。すぐさま刃を返すように、左手での突きへと移る。俺も俺で体をねじって避ける。先ほどと違って明らかに殺気が強い。びっくりするくらいにだ。

 

これ、後でしこたま怒られるやーつ。すごく嫌になるなぁ。

 

上、上、下、下、左、右、左、右、アッパー、掌底。すごい速さで攻撃してくる結菜。彼女の様子は完全に怒り心頭だが、太刀筋って言うのか?そんなのはぶれていない。何年も一緒にいたが、初めて知った。彼女は『怒ると強くなる』と言うサイヤ人タイプだ。

 

まぁ、彼女は優しいから怒ることは好まないし、何より俺が怖いので、滅多なことで怒らせたくないよ。そんな思いもあったからこそ、気づかなかったんだろうな。

 

にしても、本当に筋がいい。マジで、この子は戦国時代のお姫様かよ。

 

フラッシュでの目つぶしを考え付くほどの頭の回転率。フラッシュにひるまず突っ込んでくる豪胆さ。怒りで鈍らない拳。どれをとっても最高峰と言えるような力量だ。これでもまだ『足りない』とドキンダム達は言うのだから、いかにハイスクールD×D(この世界)ってが狂っているのかがよく分かる。

 

「よそ見しないで!」

 

結菜に言われて意識を戻す。いやぁ、ね。今の君は輝いて見える。可愛らしいよ。でもね、それ以上に怖いの。すごく怖いの。現実逃避したくなるくらいにはね。

 

その後、何度か打ち合っているとアポロヌスの止めが入ったので、休憩に入った。で、そこからは感想戦。『あそこが良かった』とか『ここがダメだ』とか。そんなもん。俺だって初心者なんだ。

 

そんな素人がああだこうだ言っても意味ないのは目に見えている。ならば、ユノハ様のデータが濃く入ったアポロヌス達に任せるのがいいだろう。別にユノハ様が全知全能の女神とは思っていないけれど。せいぜいサファイア家くらいの認識でいるだけだ。

 

随分血なまぐさいけど、これも青春って奴なのかな?教えてくれ、ユノハ様。俺はあと何回戦えばいいんだ。

 

そういや、ユノハ様寝てるんだっけか?なら答えてくれるはずもないか。

 

 

Side out

 

 

 

「ほぉッ!!!」

 

「はい、腕立て伏せ終わり。30秒休憩したら次はスクワット20回×10回な」

 

「ほげげー!!?」

 

『全ては零ちゃんの為ブー』

 

この時、四条零児は知らなかった。自分の幼馴染にして親友の男も似たようなことになるとは。

 

 




カドショで買取審査の待ち時間の間、デュエルスペースで待っていたのですが、余りに品の無い会話をデカい声でやっている人がいて、『ああはなりたくないな』と思った今日この頃。
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