知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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皆さんは読むのがつらくなりすぎて挫折したラノベはありますか?私はあります。例えば【ハイスクールD×D】。こうして二次創作にしてしまう程度には読み直しましたが、前半部分の暴挙に心折れて挫折しました。他にも『巻数が多すぎる』と言う理由で読まなくなった【とある魔術の禁書目録】。『どこで保管すればいいんだよ』な【境界線上のホライゾン】。色々ありました。それでも『もう一度読んでみよう』と思うものが多かったです。
そう言うのを今一度読み直すのも、案外楽しいかもしれませんね。電子書籍が普及したからこそ、読み直しのハードルも下がっていますし。


第29話 カチコミの時間だ、ゴラァ!!

Side in

 

朝倉さんと交換会をしました、モーツァルトです。

 

嘘です。岸波大地です。アポロヌスに『朝倉、堕天使の子ゾ?』と言われて驚きを隠せませんでした。ってことは、社長ってアザゼルさん?

 

まぁいいや、流石に勘ぐりすぎだろうよ。アポロヌスの言うことが正しくても、それが彼女のお父さんとアザゼル先生の関係になるとは限らないし。

 

さぁ、今日も今日とて鍛錬の日々。脳みそまで筋肉に染まっていく。とは言うが、少しくらいは加減を覚えた方がいいと思う。何せ、こうして大切なことを忘れてしまうのだから。

 

――『※注意:アーシア・アルジェントに渡すティラミスを家の冷蔵庫に置きっぱなしにしていたことをさっき思い出しただけです』

 

注釈ありがとう、ドキンダム。そう言うわけだ。俺は一旦家に戻ってから鍛錬に行ったのだが、その時にティラミスを持って行こうとしていた。鍛錬の帰りにそのままアルジェントさんがいる教会まで行けばいいだけだからね。なお、この鶏頭。

 

ってなわけで俺は家にまた戻ってティラミスを持って急いでアルジェントさんの元に走った。我が左手にはティラミスの入った袋がある。

 

別に突撃な形の訪問である以上は明日でもいいんだが、何だか落ち着かなくてな。そうだろ、アポロ?(跡部様並感)

 

――『知らぬ。我にそんなことを聞くな』

 

はいはい、相変わらずつれないねぇ。

 

しかし、女の子の家か。俺ったら割とそう言う経験があるんだよなぁ。主に結菜と寿水さん。どっちも彼女らの実家だし、寿水さんに至ってはご両親から『寿水をもらってくれ』なんて冗談を言われるし。

 

うーん、ホイホイ家に行くのを控えないと死ぬのか?如何せん前世でそう言う経験がないって言うか、思い出せないからなぁ。他責にするなら、両家のご飯が美味しいのが悪い。

 

そんなことを考えながらたどり着いた教会。何だか今日は一段と暗いな。それに、妙に気配を感じる。邪悪な気配をな。

 

こりゃ、何かあったな。

 

アルジェントさんが心配になり、俺は教会へと足を踏み入れる。

 

中は古く、寂れている。直球に言うと、ボロい。こんな所にアルジェントさんと言ううら若き乙女が住んでいるのか?随分過酷すぎないか?過酷すぎて思わずイーヴィル・ヒートになっちゃったよ。

 

で、一歩中に入っていく。中には一人の男性がいた。

 

「あれれ~?あの悪魔くん達が来るかと思ったんですけどねぇー。どうしてこんな所に人間がいるんでしょうかー?」

 

言葉の感じから伝わる『ヤバい奴』。こいつ……なんだ?

 

「まぁ、ここを知られた以上は可哀そうだけど……死んでくれやぁ!」

 

光の剣みたいな奴を持ってこっちに飛び掛かってくる男。うーんつくづくヤバそうだ。ドキンダム、こいつぶっとばしてもええか?何だか真っ当な人間じゃなさそうだし、多少は防衛として大丈夫でしょ?

 

――『いいんじゃないかな?(ルシフェル)』

 

何だろう、不思議とアルビオンさんを思い出す返答だ。とりあえず、ドキンダムから許可をいただいたので、右手をグーにして剣を横から殴る。

 

パリンと軽快な音を立てて、あっさり砕ける光の剣。何だ、プラスチックにしては脆くないか?

 

俺はどうでもいい疑問を持ちつつ、そのまま右拳を男性の顔面に叩きこむ。

 

「ぶっ!!!!」

 

声ですらない音を出して、ボロいこの教会の壁にブチ飛ばされ、めり込む男性。殺さないように手加減はした。したが、あれが想像以上に脆い人間だった場合の補償はしない。

 

てなわけで、立っている人間が俺だけになったわけだが……ドキンダムさん、ここから俺の予想を言っていいか?

 

――『いいぞ』

 

おそらくだが、あの男はアルジェントさんと同棲しているとかじゃない。『類は友を呼ぶ』と言うが、その例に則れば、あいつはアルジェントさんの類じゃないし、友でもない。そうなると、自然と答えが一つになる。

 

アルジェントさんの身に何かあったな?

 

――『おお(感嘆)』

 

――『何故普段からその聡明さを発揮せぬのだ』

 

悪いね、アポロヌス。俺、馬鹿なんだ。で、その反応だとアルジェントさんに何かあったな?

 

――『ああ、そうだな。目の前に祭壇があるだろ?』

 

ああ、あるな。机と一緒に。

 

――『あそこには地下室の入り口がある。そこでアーシア・アルジェントは神器を抜かれる』

 

抜かれる?

 

――『そう、強引な手段で。神器ってのは特殊な技術で抜かない限り、持ち手が死ぬ……おい、待て。話を最後まで聞け』

 

馬鹿野郎がよ、あの子が大変な目に遭ってんだぞ。待っていられるか。

 

俺は近くの椅子にティラミスの入った袋を置く。

 

――『ったく。でだ、その神器を抜こうとしているのが彼女を保護した堕天使組織。朝倉が探している連中だ』

 

朝倉さん?昨日会ったあの人が?堕天使組織ってことは、彼女の社長って……アザゼルさん?

 

『まぁ、そうなる。ただ、今はそんなことはどうだっていい。そのアーシア・アルジェントは彼女らに対して『慈悲』や『試練』だと言ってその命を差し出そうとしている』

 

んだよ、それ。そんなの慈悲でもなんでもない。愚行だろ。折角彼女と友達になれたってのによ。そんなの、俺が許さんぞ。

 

――『それでいい。そこの祭壇をぶっ飛ばせ。階段があるぞ。サーチ済みだから確定情報だ』

 

ありがとう、ドキンダム。

 

――『ああ、それと、だ』

 

まだ何かあるのか?

 

――『そのアーシア・アルジェントを殺そうとしている連中、兵藤を殺した奴らで四条を殺した奴の仲間だぞ』

 

俺の拳に憎悪が宿る。どす黒い感情が禁断の炎となって俺の右拳に宿る。全てを破壊しろと俺の中の悪の心が叫ぶ。

 

――『おーっと、喋んない方がよかったか?』

 

――『構わんであろう。どうせ、この後知るのだ』

 

――『ああ、リアス・グレモリー関係でか』

 

「ぶっ潰す」

 

俺は右手を振りかぶる。巨大なエネルギーが教会を床ごと抉っていった。立った埃の煙が止むと、そこには階段があった。

 

「待っていろ、今助けに行く」

 

俺は階段をかけていった。

 

Side out

 

 

 

アーシアside in

 

私は今、最期の時を迎えています。

 

私に宿る神器。それを求めたレイナーレ様。彼女に私の神器を差し出す儀式が始まろうとしています。

 

その儀式が完遂されれば私は死ぬ。この世からいなくなります。

 

分かっていました。こんな自分を対価もなく助けてくれる人がいるわけがないと。裏があると。今までだってそうでした。だからこうしてここに流れ着いたのですから。

 

これも主の授けた試練。そう思えば怖くなかった。

 

でも私の心は『違う』と叫んでいます。

 

私の初めての友達で、初めて対価もなく友達であろうと言ってくれた人。岸波大地さんの顔がずっと忘れられない。

 

彼の顔を思い出すだけで、胸の奥が温かくなる。誰よりも優しいあの人と一緒にいたいと願ってしまう。

 

主よ、私は罪深い人間です。慈悲や試練に徹することが出来ず、自分の心に従ってしまった。

 

そう気が付いた時にはもう遅かった。ああ、ダイチさんと一緒にいたい。ダイチさんと一緒に色んなものを見てみたい。

 

これはきっと、恋なのだろう。慈愛ではない、もっと汚れながらも美しい感情。それが今抱いている感情の正体だ。

 

ダイチさんだけじゃない。イッセーさんだってそうだ。彼も悪魔でありながら私に手を差し伸べてくれた。忘れられない友達。

 

レイナーレ様が目の前にいる信徒たちに何かを告げている。私には到底分からない世界の話です。

 

その光景を目にし、私は死を直感しました。ああ、これが……。

 

瞬間、私の中に駆け巡る感情。嫌だ。まだ死にたくない。死にたくなんてない。

 

そう思った時にダイチさんが言ったある言葉を思い出します。

 

―「君が助けを求めたのなら、俺は君の敵を討ち払う剣になり、君を守る盾になる」

 

私の過去を知り、教会をどこまでも罵倒しただけでなく神の殺害までも宣言したダイチさんの言葉。私のために怒ってくれた優しい人の言葉。それが私の中に駆け巡る。

 

「……けて」

 

無駄だと分かっています。それでも、今だけは縋らせてください。

 

「助けて、ダイチさん!」

 

そう叫んだ瞬間、扉が大きな音を立てて弾き飛ばされました。音のした場所に立っていたのは……

 

「助けて、か。言えたじゃねぇか」

 

ああ……ああ……!

 

「覚悟しろよ、屑共。一匹残らず生きて返さんぞ」

 

私の、大好きなヒーローがそこにいました。その姿は、かつてミカエル様やガブリエル様を救ったと言われる大英雄・ブラックゾーンのようでした。

 

アーシアside out

 

 

Side in

 

扉を蹴破る。そこに広がるのは神父服を着た怪しい連中と、ボンテージ姿の堕天使でこの場のボスと思しき女筆頭の3人組。そして……

 

「さて、どうする?ここで一度死んでおくか、お前ら?」

 

磔にされたアルジェント。その恰好は結構えぐいことになっている。うーん、ギルティ。殺しておこう。

 

何やら言っているが、所詮は塵芥の敵共。今から滅する奴らの声など意味がない。今俺の中にあるのは『アザゼルさんの奴をどう詰めるか』ってことくらいだ。

 

神父服の連中が光の剣を持って俺に飛び掛かってくる。そうか、降伏する気などないか。尤も、皆殺しのつもりだったがな。

 

俺は光の槍を生み出し、突っ込んできた奴のどてっぱらを貫いた。呆気ないな。あれだけ意気揚々と来た割には脆いし、弱い。

 

こいつらに何の価値がある?こいつらに情状酌量の余地は?

 

そんなものなどない。俺はひたすらに無情になろう。全ては俺に助けを求めた優しい女の子のために。

 

俺は一歩一歩とアルジェントさんへと近づく。その道中で襲ってくる奴も襲ってこずに様子見をする奴らも皆槍の餌食にした。

 

ブラックゾーンの槍とは便利だ。いくらでも量産が利く癖に性能が狂っている。

 

何やら堕天使の女が叫んでいる。なに?『お前も堕天使の血族か!?』だって?知らん、俺の管轄外だ。

 

無視して俺は前に進む。俺が言うのもあれだが、はっきり言って虐殺だ。俺の通った道には誰も立っていない。

 

周囲を見渡す。残るは俺とアルジェントさん、ゴミ共。さて、どうすっか。

 

「間に合った……え?」

 

俺が殺し方を考えている時、後ろから声がした。振り向くとそこには見覚えのある顔が。

 

「朝倉さん?」

 

「岸波君?どうしてここに?」

 

それはこっちのセリ……いや、この人が堕天使関係者なのは予想していたんだ。そこまで驚くことでもない。だって、堕天使の存在って一般人には知られていないんだからね。そりゃ、一般人と思しき俺がここにいたらおかしいか。

 

「友達を助けに来ただけです」

 

俺はそう答える。

 

「そうですか。色々伺いたいこともありますが……ここから先は私の仕事ですので下がっていてもらえませんか?」

 

下がるか。そうだよな。そう言うよな。

 

「それは無理だね」

 

俺は槍を構える。さて、取り巻きと思しき二人に狙いを定める。その表情に反省の色は無い。

 

何だろう、シバく気が失せそう。だが、そうも言っていられないのが現実だ。残念だよ。

 

「半端者までもか……!」

 

何やらボンテージ女が言っているが、気にしていられるか。俺は槍を一本だけ出すに収めて、とりまき女の腹に向けて槍を投合する。そーれブスッと。

 

呆気なく刺さって終わる取り巻き。その姿に何も思うものは無い。

 

我ながらここまで残虐になれるか。全く、どこまでも血に濡れた人生だ。家族と一緒にいるのも罪だと思えてしまうよ。

 

さて、あのボンテージ女だが……ぶっ飛ばすか。

 

俺は禁断パワーを少しだけ込める。オーラとして出てこないくらいの微弱な奴。それでも、この腕には力として確実に宿っている。

 

ボンテージ女との距離を一気に詰め、その顔面に狙いを定める。

 

「なっ!!?」

 

「これは兵藤と四条の分だ!!」

 

ごぎゃっと音を立てて女の顔面にめり込む拳。悪いね、俺って基本的に女を蹴ったり殴ったりするのは好まないけど、それはそれとして外道は許さない主義でな。ありがたく男女平等パンチを食らえ。

 

女が壁にぶっ飛び、叩きつけられ、動かなくなる。かろうじて息はあるようだ。しぶといな。いや、俺が手加減しすぎただけか。

 

本当なら追撃をしたいが、俺の目的はそこじゃない。アルジェントさんの救出だ。

 

俺はアルジェントさんをしばる全て排除するために彼女の前に立つ。

 

「ちょっと待ってて」

 

今にも泣きそう、と言うか少し泣いているアルジェントさん。ごめんね、怖い思いをさせて。もうすぐ終わるよ。

 

俺は手刀を作り、振る。すると、一瞬のうちに鎖が斬られ、アルジェントさんが落ちてきた。それをそっと抱きとめる。

 

「どうも、お嬢さん。けがはないかい?」

 

「ダイチさん……私……私……!」

 

言葉にならないほどの感情がアルジェントさんの中にあるんだろう。今はそっとしておいて、飲み込めるまで待つのが得策だ。

 

その綺麗な金髪をそっと撫でる。苦しかったろうに、怖かったろうに。その脆くて儚い身で必死に耐えてきたんだろう。

 

この子は強い子だ。きっと未来は明るいものになる。俺がそう思ったんだ、そうなるさ。

 

Side out




自分も老害オタクだと言う自覚があるので見苦しいと思いつつも、昨今のクソ長タイトルアニメが余り好きじゃないです。タイトルで出落ちしすぎねん。

のですが、それはそれとしてそれらに影響し、それらが生まれるきっかけにもなったクソアニメ・クソラノベをたくさん知っているので、一概に『今の世代が悪い』とは言い切らないようにしています。
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