知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
アルジェントさんを抱きしめる俺。さて、俺は俺でやることがある。
この場にいるのは俺とアルジェントさん、そして朝倉さん。これが基本的な俺陣営。色々とやらかした俺とその被害者たちだ。
「岸波君、あなたは一体……?」
朝倉さんがそう訊く。あれ?アザゼルさんから何も聞いていないパターンか?なら教えよう……と言いたいが、アザゼルさんが何も言っていないって言うなら何かしら理由があるんだろう。だったら、黙っておくか。
「ただの高校生です。自分で言うのもあれですが、ちょっと変なところがあること以外は」
そう答えるが余り理解は得られなかった様子だ。うーん、どうしたものか。
ま、いっか。今はアルジェントさんの心配をしよう。
「アルジェントさん、立てる?」
俺はそっと上着を着せながらそう言う。すると、アルジェントさんが言う。
「アーシアでいいです」
おや、いきなり呼び捨てか。随分距離を縮めたな、俺。ただ、ちょっと気が引けると言いますか何と言うか。
「いやしかし……」
「お願いします」
やんわり断ろうと思ったがうまくいきませんでした。どうして俺はこうも会話がへたくそなのか。自分が憎くて仕方ないね。
「それじゃあ……アーシア」
「はい、ダイチさん」
うーん、何とも言えないこそばゆい感覚。さん付けしないのってこうも奇妙な感じなのか。とりあえず、俺達は立つ。
「朝倉さん。とりあえずお話とかは上で」
「分かりました」
今後の呼び方との向き合い方を考えつつ死屍累々の神父服集団の中を歩いていると、出入り口の方から気配がした。3つ。いや、5つか?敵ではないようにも思える。何と言うか、知っている奴らのような感じだな。
隠す気もないその気配がドンドン近づき、そしてその正体を現した。
「アーシアぁあああぁぁぁぁぁ……え?」
聞き覚えがありすぎる声だ。具体的に言うと週5で行っている場所でよく会う奴の声。残りの週2日も会うことが多々ある奴。
そう、兵藤一誠である。あの阿呆が叫びながらここに突撃してきた。
てか、兵藤よ。お前、アルジェントさんの知り合いだったのか。
「イッセー君、どうした……これは一体……?!」
「先輩方、一体何が……え?」
続いてやって来たのは後輩二人。木場と塔城さんだ。おや、あの時の妙な三人組がここに来て勢ぞろいか。
「よっ」
とりあえず一音式挨拶をする。あんなものを挨拶代わりに置くな。PP-Pと言い、何で生まれたんだってメタクリーチャーが多すぎる。メタクリーチャーってのはな、オニカマスやデスマッチ・ビートルくらいでちょうどいいんだよ(老害ムーブ)
「せ、先輩!?どうしてここに!?」
兵藤が至極真っ当な質問をしてくる。そりゃまぁ、そうよな。でも、俺だって何でお前がここにいるのか聞きたいくらいだよ。
「それはこっちのセリフだが……まぁ、答えるなら親愛なる友人を助けるため?」
そう言ってアーシアの方を指す。それを見た3人は納得した様子だ。
っと、忘れかけていた。彼らの後ろから更に2つ気配が来る。
少し警戒をしているとその気配の正体が分かった。
「え?どうして岸波君がここに?」
「あら?岸波君ではないですか」
グレモリーさんと姫島さんだ。あの爆乳美人コンビを見間違うはずもない。
「えーっと、皆さんここに何か御用時で?」
俺が茶を濁すとハッとした様子の皆さん。特に兵藤の反応は見ていて気持ちよかった。
「先輩!ここに堕天使の奴がいませんでしたか?!」
「堕天使?」
「イッセー君、相手は一般人だよ?」
「あっ」
何やら揉めているが知らないふりをしておこう。俺は親指で後ろを指す。
「あそこの連中か?」
壁にめり込んでいる下手人共を見た皆さん。驚きとドン引きが混ざり合った表情をしています。何だろう、そんな表情をしないでくれません?泣くぞ?
「俺がぶっ飛ばした」
「ぶっ飛ばしたって……」
いつもニコニコ可愛らしいグレモリーさんも頬が引きつる。ごめん。
「と、とにかくよ、ここは私と朱乃、それにイッセーと祐斗で片付けるわ。小猫は岸波君を上まで案内してあげて」
その指示を受けて動き出す皆さん。
「そこの人はどうする?」
グレモリーさんが朝倉さんを指してそう言う。
「ではグリゴリの人間として、お話でもいかがでしょうか?」
「っ!……なるほどね、裏でそんな大層なものが動いていたの。私の目も随分なものね。いいわ、あの堕天使たちを処理したら今後についてお話しましょう」
「勿論です」
何やら朝倉さんとお話する様子。無茶しなきゃいいけどね、なんて。
そうして俺は塔城さんに連れられてアーシアと一緒に上へと上がっていく。気が付けば夜だ。うーん、参った。晩ご飯のこととか連絡していない。『後輩とのカラオケに夢中になりすぎてた』で誤魔化せるかなぁ?
家族を心配させたことを心配しながら、ティラミスの入った袋を取って、教会の椅子に座る。隣にはピッタリとアーシアが座る。そんなに寂しかったか。そうだよな、彼女の人生を考えたらそうもなるよな。
さて、このティラミスどうすっか。明らかに『食うんだ(烈海王)』するわけにはいかんと思ってしまう。だってよ、さっきまであんなに辛い思いをしていた子なんだぜ?呑気にするのはどうなんだ?
助けてドキンダム。
――『こういう時はクソみたいな思考回路の速度になるんだな。別にいいんじゃないのか?言うだろ、『辛い時こそ食え』って。それも甘いものなんだ、癒しになるだろうよ』
なるほどな、そう言う考え方もあるのか。よし、採用。そもそも、その教えは俺の両親のもんじゃねぇか。
――『ああ、そうだな』
忘れかけてたよ、全く。んじゃ、家から持って来たプラのスプーンを2つ……いや、予備で大量に持って来たから3つ出そう。
「アーシア。それに塔城さん。俺、ティラミス持って来たんだけど、食う?」
袋からティラミスを取り出す。我ながら美しい出来だ。そんなティラミスを見て、何かと戦い、葛藤する様子の女性二人。あれか、甘いものの罪悪感って奴か。それとも俺への遠慮か。なら背中を押すか。
「どうせだし、俺も食べたいから一緒に食べねぇか?」
そう言ってスプーンを差し出す。無言で受け取る二人。
「それでは、いただきます」
「神に感謝します」
塔城さんとアーシアがそう言ってティラミスを食べる。みるみる内に表情が明るくなる。と言うか、すごく輝いたものになる。お、おう……そこまで分かりやすい反応をされるとちょっと困惑しちゃう。
「美味しい……!」
「美味しいです、これ!」
どうやら好評の様子。良かった、これで『不味い!』なんて言われたら立ち直れなくなっていた。
そこから始まる大試食会。気が付いたらいたグレモリーさん達も巻き込んだものになっていたのはご愛敬かな?
にしても、随分人に囲まれた。ボッチ覚悟の青春がこうなったのか。感慨深いな。
それに、アーシアと言う友達も助けた。ヒーローになるつもりはない。だけど、手が届くところにいる誰かを助けられたのは、いいことだと思いたい。そんな力をくれたユノハ様には感謝だ。
○○○
数日後、呼び出しを食らいました。教師にじゃないです。教師の呼び出しについては服装以外心当たりがないし、そのことはもう去年の時点で諦められています。
じゃあ、誰に呼び出されたかって?皆さんもお察しでしょうが、オカ研です。グレモリーさんにです。
どうして?
Side out
書き溜めがある程度溜まったので放出の巻。