知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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投稿後に致命的な修繕が必要になった時の『やっべぇ.......』感。


第31話 『鬼!悪魔!ちひろ!』ってもう老人しか伝わらないそうです

イッセーside in

 

レイナーレとの関係にけじめをつけてから数日経った。俺達リアス・グレモリー眷属一同はここオカ研にて来客と向かい合っていた。

 

「粗茶ですが」

 

「ありがとうございます」

 

朱乃さんがお茶を出す二人がそこにいる。その二人が今回の客人だ。

 

一人はアーシア。俺の友達で、部長の手筈で最近ここ駒王学園に入学してきた女の子。

 

今でも思い出せる、アーシアがやって来た日のこと。それはもう大騒ぎだ。元浜と松田もテンション爆上げだったし、桐生も桐生でテンションが上がっていた。何せ、美少女だしな、アーシアは。因みにアーシアは俺と同じクラスだ。

 

別のクラスにいる零も様子を見に来たんだけど、妙に静かだったがどうしたんだろうな。まぁ、あいつのことだ、アーシアがピンと来なかったのか現実離れすぎていて理解が追い付かなかっただけなんだろうな。

 

アーシアも転校生特有の馴染めなさも特になく、元から勤勉だったからか日本語もしっかり話せるようになっていたらしい。ここについては俺が悪魔だからよう分かんないけど、周囲の反応から察するにうまく出来ているんだろう。

 

それに加えて、アーシアは優しくて可愛い。それが皆の心を射抜いたんだろうな、こぞって構っている。アーシアもアーシアで嬉しそうにしているし、友達もすぐに出来た。心から『良かったなぁ』なんて思っちゃうよ。

 

……アーシアの過去を知ったら嫌でもそう思っちまうよ。

 

俺が言うのも烏滸がましいけど、この子は余りに苦労しすぎた。それこそ『神の試練』で済まされるようなもんじゃないほどに。だからこそ、幸せになるべきだ。

 

そんな惚れちゃいそうになるくらい良い子なアーシアの隣にいるのは俺達の先輩。

 

「ありがとう、姫島さん」

 

岸波大地先輩だ。俺と零の兄貴分にして、成績で不良然の姿を教師たちに黙認させた天才。そしてイケメン。何を持ちえないのか分からないレベルの人だ。うちの学校にもちょっとしたファンクラブがあるほどだしな。

 

普段から完璧超人すぎる所があるが、そこそこ付き合うと分かるポンコツさとオタク趣味。それが先輩の良さを引き立てるものになっている。それに先輩うっすらとある陰とか話の端々に見えるネガティブな感じも女子には人気だ。

 

そんな先輩がいたからこそ、俺はある意味救われた。中学の頃とかの話じゃない。まぁ、実際あの頃も零共々勉強で死ぬほど世話になった恩義があるんだけどさ、今はそうじゃない。アーシアのことだ。

 

岸波先輩のことはアーシアと遊んだ時に知った。アーシア曰く『初めての友達』なんだって。いや、あの表情はどう見ても『恋』以外ないだろってツッコみかけたがそうしなかった俺を褒めて欲しい。

 

そんな岸波先輩が、あの夜にアーシアを助けてくれた。

 

教会の地下に広がった死にかけの悪魔祓い達。部長によれば『ここで殺した方が余程慈悲と言うものよ』らしい。そんなことを悪魔に言わせるほどに先輩は強かった。そしてその強さにアーシアは助けられた。

 

俺達がアーシアを助けようとして教会に突入した時には岸波先輩が全てを終わらせていた。それだけならいいが、俺はどうしても『もし岸波先輩がいなかったら』と言う最悪のIFを考えてしまう。俺達、先輩より遅れていたわけだからな。レイナーレ達がもっと早く行動をしていたらどうしようもなかったわけだ。

 

だからこそ、先輩には感謝しかない。『優しいアーシアを助けてくれてありがとう』って。

 

そんな人が今目の前で優雅に紅茶を飲んでいる。うーん、すげぇ様になってる。この光景の写真、いくらで売れるだろうか。

 

二人の対面に部長が座る。どうやら話が始まるようだ。

 

「お茶を楽しんでいる所申し訳ないけれど、話を進めていいかしら?」

 

「そうだったな。それが本題だもんな」

 

イッセーside out

 

 

 

Side in

 

グレモリーさんに呼び出された理由。それはいくつもあるだろう。

 

「まずだけど、岸波君。あなたは何故あの日、教会にいたのかしら?」

 

よーし、来た。ドキンダムとアポロヌスによる事前勉強会である程度の対策は出来ているんだ、誤魔化しだろうと何だろうとやってやるぜ。

 

「アーシアに手作りティラミスを届けに行っただけだな」

 

「……本当にそれだけ?」

 

訝しげにこちらを見るグレモリーさん。何なら彼女の後ろにいるオカ研メンバーも訝しんでいる。てか兵藤よ、お前オカ研メンバーになったのか。

 

「それだけさ。嘘じゃない」

 

とにかく、俺は真実を話した。ここに関しては信じてもらう以外何も出来ない。

 

しばしの無言の時間。しばらく待っていると、グレモリーさんが根負けした様子になる。

 

「そうね、あなたってそう言うところがあるもの」

 

「随分俺のことを買ってくれているんだな」

 

「当たり前じゃない。口先だけじゃない男だってことは知っているわよ。私を誰だと思っているの?」

 

「可愛くて美人のお嬢様」

 

「ありがと」

 

そんな軽いやり取りをする。グレモリーさんは話を続ける。

 

「それじゃあ、次なんだけど……あの朝倉って女とはどんな関係なの?」

 

やめて、グレモリーさん。その言い方はまるで浮気を詰問されている夫みたいになっちゃう。

 

「話を聞いたけど、彼女は言ってしまえば普通の人間と敵対する側の存在ね。そんな人物と何故あなたが知り合いなの?」

 

んー、そうだなぁ……

 

「あの日の前日にメンチカツを分けてもらった。そのお礼に唐揚げを分けた。そんな他愛ない関係だな」

 

「……はい?」

 

信じられないものを見るような目でこちらを見るグレモリーさん。そうだよな、あの時は好意に浮かれてあの話に乗ったけど、冷静に考えたらおかしいよな。何で見知らぬ人からメンチカツもらってんだよ。

 

「まぁ、あれだ。『旅先で知り合った見知らぬ人』って奴だな。そんな深さも何もないような関係だね」

 

そう言うと頭を抱えだすグレモリーさん。何やら俺の言葉が信じられない様子。

 

「岸波君が枠にとらわれない存在だとは知っていたけど、ここまでとはね……」

 

「……何かごめん」

 

思わず謝ると『いいのよ』と言ってくれたグレモリーさん。

 

「そうね、今の時点でお腹がいっぱいなのだけれど……それでも聞いておかないといけないことがあるわ」

 

「ティラミスのレシピ?」

 

「あれは美味しかったけれど、そうじゃないわ」

 

そう言って、一旦お茶を啜るグレモリーさん。うーん、貴族。様になっているとかのレベルじゃない。本当にこの子って貴族なんじゃないか?そう思えるほどの品位を感じる。

 

「あの日の教会の地下。そこであったあの惨状。神父服を着た存在を討ち払い、その首謀者たる存在を叩きのめしたのは、本当にあなたなの?」

 

惨状……ああ、あれか。

 

「俺だな。俺がやった。上の階にいた狂人も光ってる何かごとぶん殴ってぶっ飛ばした」

 

「っ!」

 

「不安に思うならアーシアに聞いてくれ。彼女がクソッタレで一番の特等席で見ていたからな」

 

そう言い、少しアーシアに目を向ける。ちょっとだけ震えているな。あの時のことを思い出したか。それは申し訳ないことをした。

 

「すまない、アーシア。嫌なことを思い出させた」

 

「い、いえ……大丈夫です」

 

「無理はしないでいい」

 

「……はい」

 

とは言うが、俺に出来ることと言えば、その震える手をそっと握ることくらいだ。

 

手を握る光景を見て、ほほ笑むグレモリーさん。

 

そんな中、食いつくように意見する奴が一人。

 

「岸波先輩、その狂人と言うのは神父服を着ていましたか?」

 

木場だ。何やら信じられない様子。何なら兵藤も驚いた様子だ。

 

「うん、突然襲い掛かって来たから殴り飛ばした。壁にめり込んでいたはずだけど、もしかして気が付かなかった?」

 

そう言うともっと信じられないものを見るような目でこっちを見る二人。え、何か俺ヤバいことした?

 

「……木場。はぐれの悪魔祓いって本当は弱い?」

 

「そんなことはないよ、イッセー君。寧ろ躊躇いに繋がる感情が欠落した連中だからこそ、厄介な強さを持っている」

 

何やら深刻な話をしている。まぁ、俺には関係ないだろ。殴った奴に関しては顔も思い出せんような奴だしな。

 

「二人とも静かにしなさい。……そうね、あなたのその言葉を信じることにするわ」

 

「ありがとう」

 

グレモリーさんが話を本筋に戻す。どうやら信じてもらえたらしい。人徳積んでおいてマジで助かった。嘘とかハッタリとかせずに済んだのはいいが、真実を言って信じられないのは結構辛いからな。

 

「さて、ここまで私達の方が質問攻めしていたわけだけど、それじゃ不平等ね。岸波君から何か私達に聞きたいことはある?」

 

おや、そんなお優しいことまで。随分真面目な人だ。そんなことは1年の時から知っていたけどね。それじゃあ、グレモリーさんの許可が出たから聞かせてもらいましょうか。

 

「それじゃあ……グレモリーさん達は何者だ?」

 

そう訊くと一気に空気が張り詰める。

 

「何者とは?」

 

明らかに目つきが変わる。少し敵意すら感じるほどの警戒心。そんなものがグレモリーさんだけでなく、後ろの4人まで纏う。

 

「俺、昔から変な所で勘がいいって言うかさ、その人の雰囲気ってのを感じ取るんだが……あんたら、普通の人間じゃないな?特に兵藤」

 

「は、はい!」

 

「お前、最近何かあったな?前とは雰囲気が違う。それこそ、『別の何か』になったような感覚がする」

 

そう言うと緊張感が更に高まった。どうやら、兵藤の死について何か手がかりがありそうだな。

 

……ごめん、流石に気になったことを言わせてもらおう。

 

「おい、兵藤」

 

「はい!」

 

「お前、動揺しすぎだ。折角グレモリーさんが俺を警戒して腹の内を探らせないようにしているってのに、お前のせいで全部台無しだぞ」

 

「え!?」

 

俺が鎌をかける感覚で気になったことを言った途端に目が泳ぎ出した兵藤。いくら何でもそれじゃあ、ダメだろうよ……。

 

「ったく……少しくらいハッタリとかを覚えろ」

 

「す、すいません……」

 

そう言うと、緊張が緩む。グレモリーさんも何だか馬鹿らしくなったようだ。

 

「うちの子にお説教ありがとうね、岸波君。全く、イッセーったら」

 

「申し訳ないです……」

 

緊張感がほぐれ、柔らかい空気になった。グレモリーさんはそう言って兵藤を軽く怒ると、こちらに視線を戻す。

 

「そうね、ここまで来て『何もない』と言って通すのは無理があるわね。それに、あなたは信頼できる人間と私は判断したわ」

 

「ん?それってどう言う?」

 

何だか話が急に進み出したぞ?ちょっとおじさんも付いていけるように待ってもらえないかなぁって思うのだけど。

 

「アーシアはイッセー伝いで知っているからいいのだけれど、あなたは知らないものね。なら、教えましょう」

 

戸惑う俺を余所に、グレモリーさんはどんどん話を進めていく。ちょ、ちょっとー?

 

俺が事態を飲み込もうとしていたその瞬間、グレモリーさんの背中から翼が生えた。いや、グレモリーさんだけじゃない、後ろにいた四人も背中に翼を生やした。

 

「私達はね、『悪魔』なの」

 

はっはーん、悪魔ね。悪魔か……。

 

「……え?」

 

Side out




自分、世代ですらない2ch用語を現実で使って周囲をドン引きさせたことがある侍。皆様にはそう言った不意の一言で空気感がヤバくなることをお伝えするでござる。
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