知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
『超かぐや姫!』を見てきました。余り長く語るのもあれなので短くすると、あれほどの純愛を見せられたら百合を余り好まなかった私を変えてしまいますよ。ほんと、いいものを見た。久々に映画館で泣きました。
第33話 変わった日常と変わらない日常
Side in
「と言うことで、俺、オカ研に仮入部させられたんで今後俺の参加頻度は減ります。ただし、ドキンダムとアポロヌスが俺から分裂して単独行動しますんで、鍛錬の予定は引き続きと言うわけでお願いします」
いつも通り修行を終えた俺と結菜、四条。どうせならと思い、この場で今後についてお話した。主にオカ研に入部したこと。それによって二人と一緒にいられる時間が減ることだ。
二人に俺がオカ研に仮入部したことを話した時、二人ともすごい驚いていました。どうやら、俺は部活に縛られるタマじゃないらしいです。何でさ。
「まぁ、そうよね」
「そうなるっすよね」
納得してくれている結菜と四条。
「安心しろ。寂しくなったらすぐに帰ってくる」
「そこは『寂しくなったらいつでも呼んでくれ』とかでしょ。あなたが寂しくなってどうするのよ」
結菜に呆れられる。だって事実なんだもん、しょうがないでしょ。
「そんな感じでよろしゃす」
そんな感じで今後の方針を固めた。これで良し……ああ、そうだ。一つ訊いておきたいことがあったんだ。
「おい、カリュドーン」
『何だ、大地?』
「お前、アーシアの中の奴、気づいたか?」
アーシアの中の奴。それは神器のこと。彼女を悩ませたそれだが、カリュドーンは何か知っているか聞いてみたいと思ったのだ。
『無論な。ありゃ『聖母の微笑』だろ?使い手も合わせてあんなレア物なのは、早々お目にかからんぞ?』
「知ってるのか、カリュドーン?」
四条がそう言うとカリュドーンは『ああ』と肯定する。あ、アーシアの神器については結菜も四条も知っています。何なら、四条に方はその存在をカリュドーンが先に言っちゃったらしいです。
『神の作った神器でありながら、世にも珍しい『持ち主次第で魔の者も癒せる』とか言う奴だ。そもそも半端な奴じゃ使えんらしい。俺も実物は一回しか見たことがないがな。俺だってそれくらいしか知らないし、それほどにそこまで性能を引き出せる上で所有者がピンピンなのはレアなんだよ』
「へぇー」
『零ちゃん、少しくらい興味持ってよ』
「いや、そんなことを言われても、アルジェントさんのあの弱弱しい印象が変わるかと言うとなぁ……」
四条はアーシアのことを若干ドライに見ている。こいつ自身が怪物を飼いならしているのせいでそうなっちまったってのもあるだろうけど、それを差し引いても随分あっさりした奴だ。
そんな奴が過去のアーシアの周りに一人でもいたら、何かが変わってたんだろうな。実際、アーシアも兵藤に四条を紹介された時の印象で『優しくて不器用そうな人』と評していた。一応兵藤を挿んで友達になったそうだ。こいつも随分人がいいもんだ。兵藤パワーもあるだろうけど。
にしても、昔から存在しているカリュドーンがその程度しか知らないとなれば、いよいよアザゼルさんとかを脅すしか情報が得られなくなるな。どうにかしてアーシアの神器に詳しくなれたらいいんだけどなぁ。今じゃアザゼルさんに連絡を入れるのも億劫だし、時間が何とかしてくれるか。何なら連絡したらしたで面倒なことになりそうだ。
「カリュドーン、ありがとさん。あの子の神器が特殊だってことが分かっただけで儲けもんだ」
『大地、あの金髪に随分入れ込んでるな。そんなにち〇ぽが反応したか?てっきり結菜みたいなデカ乳が好みかと思ったんだが』
「四条、悪いが今からカリュドーンと一緒に死んでくれ」
「どうして?(現場猫)」
クソみたいな話をしていたら結菜が頭にチョップを入れてきた。
「ほら、そろそろ帰るのでしょ?いつまでもアホみたいなことを言っていないの」
「うっす」
「それもそうっすね」
そうして俺達はいそいそといつもの空間を出ていくことにした。
ああ、そうだ。兵藤のことを、四条には一部内容をはぐらかしつつもグレモリーさんが助けたことを言いました。結論から言うと『あいつがどうであれ、俺はあいつの友達だ』だと。こいつ、強すぎる……!!
○○○
うちにアーシアが来ました。何を言っているのか(以下略)
まず前情報を話すべきだったな。アーシアはあの教会での事件の後、バックにグレモリーさんを付けてこの駒王町に引っ越してきた。そこから始まる青春……なのだが、問題が一つ浮上する。
そう、住む場所だ。流石にあんなことがあった手前、教会で住み続けるのはどうなのかと言う問題が発生する。そこでグレモリーさんがホテルの一室を貸し切るというセレブのパワープレイを見せた。思わず度肝を抜かれたよ。やっぱあの子、どこかの貴族だよ!
ただ、いつまでもその一室を借りるわけにもいかない。そこで白羽の矢が立ったのが俺ん家。我が家にホームステイと言う体で暮らすことを考えたのだ。提案は俺だ。ぶっちゃけ、うら若き乙女と一つ屋根の下なのは気が引けるけど、そうも言っていられないからな。
その後、両親にもグレモリーさんと一緒に話を通した。アーシアの今までの境遇をマイルドに伝えたら随分ノリノリで受け入れてました。
遥輝も遥輝で最初は警戒していたが、すぐに打ち解け、ウルトラマンの洗礼をしていました。因みに一発目に見せたのはウルトラマン・コスモスの第1話でした。
―「私は……私は間違ってなかったのですね……!」
隣でその様子を見ていたが、その布教は100点満点だったよ、遥輝。
『倒されるべき怪物』を生きて救うために戦うそのヒーローは、アーシアにはさぞ輝いて見えただろう。何よりも、己の過去を正しかったと思わせてくれたんだ。彼女にはある種の救いになっただろうな。
なお、俺はその怪物側で、それこそスペース・ビーストとか言うどうしようもない存在に近いんだがな。笑えねー。
黒歌と寿水さんにも話を通した。元々悪魔とかと関係がある彼女らならアーシアの神器についても話していいと判断したからだ。結果、仲良くなってました。黒歌は黒歌で自分の不運と重なるものがあったのか同情気味だったし、寿水さんはアーシアを甘やかしていました。
黒歌の過去についてもマイルドに話したし、寿水さんも神器について知っている等、ファンタジー側の人間としての情報交換もしっかりとした。特に黒歌については黙っていてもらわないと困るからな。
そんなわけでうちに来たアーシアだが、彼女が日常生活で使うような道具は少ない。日本に来た時にある程度物を持って来たと本人は言っていたが、そこにあったのはキャリーケース一つ。しかも中身でめぼしい物は下着と服だけ。しかも数が少ないし、ちょっと古い。
これにはマイマザーも怒って、俺をアーシアの荷物持ちにして俺とアーシアで買い物に行かせた。今日はその帰りと言うわけだ。
「すいません、こんなにも荷物を……」
「いいってことよ」
結菜の荷物持ちで慣れているからな、何てこたぁない。
夕暮れの散歩道。センチな気分になるわけじゃないが、日が経つと言うのは随分早いなと思ってしまう。もっと家族や友達との時間を大切にしないとな。
二人でのんびりと帰路についていると公園に差し掛かる。そこから悶絶する声が聞こえてきた。おかしい、四条には下手に鍛錬しないように言っているし、何なら今日はドキンダムとアポロヌスが出張して鍛錬しているはずだし、だから今はユノハ様しか話す相手がいない。何なら、いつもの公園は場所が違う。
アーシアも不思議に思ったのか、二人で公園を覗き込む。そこにいたのは腕立て伏せをしている兵藤と彼に乗っているグレモリーさんだった。
「兵藤にグレモリーさん?」
「あら、岸波君にアーシアじゃない」
「ふんぬぁあああ!!」
「こんにちは、部長さん」
「どうも」
「こんにちは、アーシア。それに岸波君」
挨拶を済ませる社会人の基本。さて、色々気になるがそんなに滞在もしてられないな。ちょっと聞くだけにしておこう。
「兵藤の上に乗って、どうしたんだ?」
「鍛錬よ。この子の神器、所有者を鍛えれば鍛えるほど強くなるタイプだから、それで鍛えているの」
「ぬぉおおおお!!」
「ほらイッセー、ペースが落ちているわよ」
何だかすげー見覚えがある光景になっていた。こう、四条とか。
しかし、神器か。兵藤の中にある神器については聞いている。何でも、パワーを倍増する奴だとか。何だよそれチートかよ。まるでヴァーリの中のアルビオンさんの対みたいだぁ。
――『(実際対なんだよなぁ)』
兵藤も兵藤で大概ヤベーもん持ってんな。こりゃあ、負けてられんぞ。なぁ、四条?
「ほげげー!!?」
四条の悶絶声と同じそれを出している兵藤。お前ら本当に仲がいいな。ちょっとうらやましく思えるよ。
「そう言う訳で、この子を鍛えているの。二人はどうしたの?デート?」
グレモリーさんが俺達をそう揶揄う。これ、グレモリーさんが女性だから成立するのであって、俺だったらセクハラで一発案件なんよな。世の中世知辛い。
「わ、私達は……!」
「そんなもんじゃない。アーシアの日用品を買いに行っただけだ。その帰り」
「……はい、そうですよね」
妙にテンションの上がり下がりが激しいアーシアを余所にそう言うと、グレモリーさんはクスっと笑った。
「そう……アーシアの道も長そうね。頑張りなさい。そこの人は、女心に鈍いことですごい有名だから」
「は、はい!」
何の道なのかは分からないけれど、女性にしか分からないことがあるのだろう。男の俺は、そう言ったことを知ろうとしない方がいい。女性は少しくらい秘密がある方が美しくなるもんだよ。互いに全てを知り、信頼し合うのも良しだけどね。要は心持ちさ。
あと、女心に鈍いのは仕方ないでしょ。俺、男なんだし。そもそも、俺みたいなのがモテるなんて夢のまた夢なんだよ。モテたとしても寿水さんと黒歌で充分さ。いや、二人も俺にはもったいない。何でこんなに美人に囲まれてんだよ、狂ってんのか俺の人生。
……帰ったら遊戯王のデッキでも回すか。精神安定にはカードゲームが一番になりつつあるからな。
デッキに関しては昔ユノハ様が前世のものをコピーしてそのまま持ってきてくれた。そのおかげでこの年でありながら容赦なくフルパワーのレッド・デーモンとかを使えるってわけだ。コピーしたせいで未来のカードがあるから、今までは絶対に使えないデッキだったんだけど、めでたいことに去年に紅蓮の王者とかが前倒しで来たので思う存分使えるようになった。ひゃっほー!最高だぜ!
ウィクロスも同じだ。ただデュエマと同じ会社ってことで、遊戯王とは懐かしさが段違い。もうね、これだけが俺の前世の一番の思い出になりかけている。何で、デカ乳美少女のカードが前世とのつながりなんだよ。余りに可哀そうな奴じゃないか。
何だか涙が出そうになってきた。記憶がドンドン崩れ落ちていく。やだなぁ……。
「それじゃあ、俺達は邪魔しちゃ悪いし、行くか。アーシア」
「はい!」
アーシアの元気な返事。眩しい。おじさんには輝いて見える。
「それじゃあね、岸波君、アーシア」
「んじゃ。また学校で」
「それでは、失礼します」
「ほぉおおお!!」
「兵藤も頑張れよ」
「頑張ってください、イッセーさん!」
「やったらぁあああ!!!」
そんな風に俺達は二人に挨拶をして再び家路についた。今日の晩ご飯はなんだろうな。
それにしても……
「いいわね、自由な恋……」
グレモリーさんが妙に暗い表情だったな。何かあったのか?
Side out
そろそろチラシの裏から表に出ます。
最近、デュエマのクリーチャーを使った自分のものより面白い二次創作が増えててニコッとしています。25周年の波に乗って皆様も二次創作を書きましょうぜ(悪魔の囁き)