知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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サブタイはうp主の思想です。


第35話 山菜と言えばタラの芽とコシアブラ

Side in

 

1羽でチュン。2羽でチュンチュン。3羽揃えば牙を剥く。

 

そんな感じで鳥が鳴いている。しかも街中で聞くようなスズメとかカラスの声じゃない。もっと野性的な奴。

 

そうです、私は今、山にいます。オカ研の皆様withアーシア&俺です。今は登山していて、後ろでは荷物持ちをやらされて死にかけている兵藤が苦悶の叫びを上げながら歩いている。これも修行らしいです。頑張れよ、兵藤。

 

語らねば(省略)

 

事の発端はグレモリーさんが俺の部屋に不法侵入したことに通じる。

 

何でも、彼女には親が決めた婚約者がいる。その婚約者がかなーりの曲者らしく、元々大学を出るまでは結婚を待つと言う約束を破棄して、結婚を前倒ししてきたそうだ。しかもそれが今年。何なら今月。すげーな、その婚約者。約束破っての強引な結婚とか、いくら何でも親のメンツとか考えないのか?

 

で、その婚約者が気に入らない。って言うか、そんな奴と結婚したくないってのがグレモリーさん。ついでに言うと、そんな人間性を見たオカ研の皆さんことグレモリー眷属とアーシア。

 

え、俺はって?生徒会長のお手伝いをしていてその場に俺がいなかったので、俺だけハブられています。男・岸波大地、泣きます。

 

グレモリーさんが前倒しに不満を持つのは火を見るよりも明らか。対価としてか、『ゲームをやって相手が勝ったら要求を飲み込む。負けたら婚約の破棄』だって。とんでもないね、彼女。何て言うか、大勢のメンツのつぶし合いみたいになってる。まぁ、今回については聞く限りだと相手方の暴走っぽいし、グレモリーさん達によって痛い目を見るのがいいんじゃないかな?

 

それと、グレモリーさんのお相手の名前を聞いた。フェニックスって言うそうだ。

 

その名を聞いて、思わずアレルギーが出かけた。別にアポロヌスのことをフェニックスじゃないと思ったわけじゃない。ただ、デュエプレのゼロフェニとか紙のマーキュリー・スターフォージを思い出しただけ。急に頭が痛くなってきた。

 

そう言う訳でゲームをすることになったって訳だ。勿論グレモリーさんも指をくわえて試合を待つ訳もない。出来る準備を全て行う。そう言うことで、俺達オカ研は山ごもりをするに至ったってことだ。

 

一応言っておくが、俺とアーシアは仮入部の立場だ。そもそも、ただの人間である。何故そんな俺達が今回の山ごもりに参加することになったかと言うと、当然理由がある。

 

まずアーシア。彼女の神器は悪魔さえ癒せる特別製。そんな彼女の力を借りたいってグレモリーさんが言っていた。それに、使用経験を積むことで彼女の神器への理解を深める意味もあるとのこと。すごいね、グレモリーさん。かっこいいよ。

 

そして俺。理由は端的、『木場と塔城さんのサンドバッグになれ』。アーシアの一件で力を買われた俺だが、そんな俺を見込んで二人を鍛えてほしいとのこと。マジで言ってんすかねぇ?話を聞いた限り、塔城さんは徒手空拳を交えた近接戦闘だから俺でも何とかなりそうだけど、木場の方が剣を使うんだってね?何だっけ、『魔剣創造』?そんな神器を使って剣を無限に作るんだって。俺に相手が務まるんだろうか。とりあえず、ユノハ様が入れた記憶からレッドゾーン・バスターの記憶でも漁るか。

 

因みにドキンダムとアポロヌスは分離しています。結菜と四条のこともあるしな、仕方ない。ってなわけでしばらくはユノハ様が面倒を見てくれることになっている。

 

「ほら、頑張りなさい、イッセー」

 

「ひーん!」

 

グレモリーさんの鬼の応援を聞きながら、俺達は山の中を歩いた。

 

しばらく歩いた後、見えてきたのは木造建築の建物。グレモリーさんが言うには別荘だそう。なんて金持ちだ、グレモリーさん。しかも普段は魔力で隠されている仕様だとか。色々多機能なのだ。

 

そうして上がらせてもらった別荘。中は綺麗だ。とてもじゃないが、人がいないなんて思えない程に。随分金がかかってんなぁ、なんて思ってしまう貧乏性よ。

 

「おぉおおお……水がしみる……」

 

兵藤の奴が限界になっていたのか、ただの水をありがたがっている。俺達はリビングの一角に荷物を置かせてもらった。俺も俺で喉が渇いたので水を飲む。うん、美味しい。思ったよりも渇いていたようだな。水分、大事。塩分も。

 

ここにいるのは俺と兵藤、木場だ。女性陣は別室で着替えている。俺達も着替えるとしようか。

 

「僕も着替えてくるけど……覗かないでね?」

 

「「覗かねぇよ」」

 

木場の意味深なセリフに兵藤と一緒にツッコミを入れる。

 

木場も去って残ったのは兵藤と俺。さて、何だか動くのも面倒になって来た。

 

「兵藤」

 

「はい、先輩」

 

「ここで着替えちまってもいいよな?」

 

「何を言ってんすか?誰か来たらどうするんすよ?」

 

俺の考えに至極真っ当な言葉を返す兵藤。お前がそんな常識的でうれしいよ。

 

 

○○○

 

 

大人しく自分に用意された部屋で着替えた俺。外に出てそれぞれの修行の場へと移動した。ってなわけでお仕事の時間ですの。まずは木場の相手。

 

「ふっ!」

 

「よっと」

 

四条みたいに『何も知りません!』って状態でもないらしいので、とりあえずこうして木刀を交えることにした。因みに木場には本気で来るように言ってある。

 

なお、俺が本気で叩き潰しにいくと死にかねんので、加減している。

 

「ほいと」

 

「くっ!」

 

こうして木刀を持っている手を叩く程度に収めるようにね。

 

しかしながら、ユノハ様には感謝しかない。こうして木場と言う経験者相手に優位を取れるだけの才能をインストールしてくれたんだからな。あとは俺にも魔法とか使えるようにしてくれれば遥輝も大喜び……いや、厄ネタになりそうだからいいや。魔法なんていらないよ。神器だけでも苦しんでいるってのによ。

 

そもそも、俺の中にある治癒の力と禁断の力、太陽の力の時点でオーバーパワーなんだよな。

 

「しっ!」

 

「おっと」

 

気をそらしていたらその隙を木場が突いてきた。うん、筋は良い。このまま伸ばせばいい感じに仕上がるだろう。

 

不安があると言うのなら、こいつの沸点の低さ。ちょっとからかう感じで対応すると一瞬で頭に血が上ったかのような隙のある攻撃に移り出すのが木場だ。普通はそうだよな。

 

木場と剣を打ち合っているとタイマーの音が響く。どうやら休憩のようだ。

 

「やめ。休憩だ」

 

「はい」

 

近くの岩に座って水を飲む。さて、感想戦に入るか。

 

「さて、早速だが言うことは言っていくぞ、木場」

 

「はい、よろこんで」

 

いつも通りの笑顔を絶やさない木場。さっきまでの真剣な表情とは大違いだ。そんな彼のお言葉に甘えて言いましょう。

 

「多分だけど、身体的なことは一週間とか短い期間でどうにかなる感じじゃないな。それこそ無理矢理枷を外すとかでもしない限りは」

 

俺の言葉を聞く木場。俺的にはこいつからホモ成分を抜いた感じな男に遥輝がなってくれると嬉しいなと思っている。こういう真面目さは生きづらいだろうけど、それが人に取り入る一番の武器だからな。

 

「それこそ、人体のリミッターを外せば今以上に加速出来るだろう。ただ、そんなことをすればお前は無事じゃ済まない。その後の戦いも考えればそんな択は無しだ」

 

「では、どうのようにすれば?」

 

「メンタルだよ」

 

俺がそう言うと不思議そうに思うような反応をする木場。

 

「お前、俺がちょっと舐め腐った感じで剣を打った時、イラっとしただろ?」

 

「それは……」

 

返事を濁す木場。俺としてはそれに気付けているなら及第点だ。

 

「気づけているだけでいい。だが、お前の欠点はそこにある」

 

水の入ったペットボトルを岩の上に置き、飛び降りる。

 

「お前はすぐにカッとなりやすい。怒りってのが力を生むのも理解出来る。だが、身の丈に合わない怒りはその身を焼き尽くすだけだ。加減しな」

 

「なるほど。無自覚でしたが、そんなことが……」

 

反応、良し。それじゃあ、ちょっと踏み込もう。

 

「お前、トラウマとかあるか?」

 

「トラウマ、ですか?」

 

「ああ。もしくは……心底憎い奴がいるとか」

 

そう言うと目つきが変わる木場。どうやら、当たったらしい。

 

前々から感じていた木場の瞳の奥の黒い炎。それはきっと『憎悪』だ。おそらくだが、こいつの心にはそんな面倒な存在が巣くっている。そいつのせいでこいつはすぐに怒りが爆発するのだろう。要は余裕がないのだ、木場は。

 

「まぁ、他人の復讐とか気にしないし止めようとも思わん。ただ、そいつに目がくらんで余裕がないのなら、一旦剣を下ろせ」

 

「簡単に言ってくれますね……」

 

ちょっと憎しみと怒りを感じる言葉尻だ。木場め、そう言うところだぞ。

 

「斬るものを見誤って後悔する未来しか見えないから言ってんだ。この戦いが終わったらいくらでも復讐しな。拷問だの何だの好きにすればいい。ただ、今の敵は……フェニックスだっけか?俺も俺で憎いと思う名前だが、そいつに集中しな」

 

折角の木刀なのでこの世界に存在しないDMCシリーズの5のバージルのモーションをやってみる。そーれ、スパパっと。

 

後ろから強い視線を感じる。木場だろうな。あいつもスピードタイプの人間だからこういうことにも多少は興味があんだろうな。

 

「さて、休憩は終わりだ。続きやんぞ」

 

「はい」

 

こうして俺は塔城さんの所に行く時間になるまで木刀を打ち合った。彼、筋いいよ。良かったな、グレモリーさん。

 

 

○○○

 

 

「しょうらっ」

 

「くっ!」

 

木場への指導も終わった後、俺は塔城さんの方へと移動した。曰く、彼女は猫又の転生悪魔らしい。何それ黒歌。

 

で、その猫又の膂力を生かした典型的パワータイプが塔城さんだとか。ここまではグレモリーさんからの情報だ。

 

「いーっさっ」

 

「ぐっ!」

 

こうしてステゴロするのは得意分野だ。別に喧嘩がちょっと得意なだけだが、ブラックゾーン的に殴り合いの方が向いているからな、と思っている。今もこうしてちょっと押す程度で済むように塔城さんと殴り合っている。殴り合っている?

 

――『実質一方的じゃない』

 

そうっすよねぇ……。実際そう。まず一方的に殴られ、隙を見て殴りこむ。そんな、あくまでもターン制のような方式で戦っている。これでいいのか悪いのか分からないのが悩ましい。どうなんすかね、ユノハ様?

 

――『まぁ、いいんじゃないかしら?この子は格上との実戦経験が足りないし』

 

なるほど、そう言う視点があったか。ありがとうございます。

 

しっかしだな、塔城さんにすごい違和感を感じる。何て言うか、手加減されてる?そんな感じ。彼女の中にある『何か』が表に出ていない。最初に『手加減はいらない』って言ったのにさ……悲しいよ、俺。一応理由を聞いておこう。

 

「はい、ストップ(寄成ギョウ)」

 

俺は手刀を塔城さんの首に当てる。ぎょっとした様子で拳を止める塔城さん。怖がらせてごめんね。

 

手刀を収めて、俺は塔城さんに言う。

 

「率直に言う。塔城さん、俺に手加減してない?」

 

そう言うと首を横に振る塔城さん。

 

「そんなことはありません。先輩が強すぎるだけです」

 

およ、嬉しいこと言ってくれるじゃない。自然と頬が緩む……わきゃねーだろ。

 

「違う。パワーの差じゃない」

 

「では何ですか?」

 

「塔城さん、あんた力を出し惜しんでない?具体的には、君の中の本気を強引に抑えつけているって感じ」

 

そう言うと一気に表情が暗くなる塔城さん。おっと、地雷踏んだな、これ。フォロー入れよう。

 

「別にいいさ。その力を塔城さんが制御出来ない可能性だってあるわけだし。それで自分の身を滅ぼすことになったらグレモリーさんが悲しむだろうよ」

 

もっと表情が暗くなる塔城さん。え、今のも地雷?この子、思ったよりコミュニケーションにマインスイーパーを要求してくるタイプなの?

 

恐れながらも俺は続ける。

 

「ただ、いざって時にそれを出せなかった時に後悔することになるだろうな」

 

忌むべき力でも誰かを守りたい時に、何よりも欲する力になることもある。それがこんな世の中だ。だからこそ、いざとなったら躊躇いなくその力を行使出来る覚悟がいる。

 

「恐れるのも立ち向かうのも自由だ。だけど、後悔だけはすんなよ」

 

そう言うと、塔城さんの地雷が爆発した。

 

「あなたに……ただの人間のあなたに何が分かると言うんですか!」

 

そう吠える塔城さん。すぐにハッとなって謝罪してきた。

 

「……すいませんでした」

 

「いいさ。後輩のぶちぎれってのも新鮮だ。ほら、うちの馬鹿二人(兵藤と四条)って『さすがはお兄様です』な感じだしさ。こうして怒られるのもうれしいよ。そもそも、君を怒らせたのは俺のせいだし」

 

塔城さんに非はないからな。それだけは言いたかった。

 

そう言うと、納得してくれた様子の塔城さん。ただ、何やら思い悩む様子を見せる。もうこれ以上は踏み込まない方が良さそうだ。彼女の地雷が分からなさすぎる。

 

しかしながら、彼女の中の力、本当に黒歌によく似ている。一応黒歌に聞いてみるか。その辺りについて詳しいだそうし。

 

こうして俺の塔城さんの地雷爆破祭りが終わった。本当に申し訳なさが残る。そんな中でまた殴り合いを始めた。殺気が少し強いのは仕方ないことだろう。それでも言うなら、助けて兵藤。

 

Side out




突然降って湧いた問題、『DXはどうするのか』。正直、まだ原作2巻に到達したばかりですし、考えることでもないと思っています。ですが、いつかは考えないといけないと言う。多分マジの気まぐれ投稿とかになると思うので、期待しないでください。
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