知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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おしゃれなカフェのご飯。昔は『量が足りねぇ!』ってなっていましたが、ここ最近『まぁ、これくらいか』と満足するようになっていた自分に怖さを感じました。流石にバケツ型のカップ麺を一回に二つ食っていた高校時代とは違うと言うことですか......


第37話 紅vs不死鳥......が始まる前に

Side in

 

修行の日々は終わった。ドキンダムとアポロヌスも俺の中に帰って来た。そうしてこれから始まるのはグレモリーさんとフェニックスの戦い。

 

あの夜の相談後に色々変わったことがある。グレモリーさんには妙に避けられるようになった。ちょっと悲しくなったし、その様子を姫島さんがにやついて見ている。一体、どうしたんだ?

 

兵藤は兵藤で吹っ切れた様子だった。いいぞぉ、お前らしくあれ。

 

そんなわけで俺は深夜の学校の放送室にアーシアと一緒にいる。理由はグレモリーさん達の戦いを見届けるため。何でいるんだろうね?

 

簡単に説明するなら、修行を頑張った皆だが、そんな皆に『最後まで見届けてほしい』と言われたからかな。流石にそれに対して『やだ!帰って寝る!』なんて言える程の度胸はない。ってなわけで、俺はここにいる。

 

案内は隣にいるグレイフィアさんがしてくれた。ゲーム会場についても『学校を模した別空間にある』って言う説明も受けている。アーシアもそうだったが、理解が追い付かない。ポカーンだったよ。

 

「ダイチさん、皆さん揃いましたよ?」

 

アーシアにそう言われて上の空だった所から戻って、目の前のスクリーンを見る。どうやら、あのチャラい奴が対戦相手のフェニックスらしい。

 

……おい、ドキンダム。

 

――『おっと厄介オタクの火が付いたダムね』

 

ああ、そうだな。分かっているならいい。その上で言う。

 

「んだ、あの雑魚は?あれがフェニックスだと?馬鹿にしているのか?」

 

「岸波様、それ以上の冒涜を許されませんよ」

 

グレイフィアさんに怒られる。そうか、あいつは一応貴族なんだよな。貴族は貴族でも鳥〇族だが。

 

心がムカムカする。あんな程度の力しかない奴がフェニックスの名を冠した者であることが許せない。フェニックスってのはもっと面倒で厄介な存在なんだ。あれじゃあ、『進化の無駄』で有名なブラックホール・サナトスの方がずっといい。いや、ディスペクターで救われた分、あのフェニックスには……。

 

「だ、ダイチさん?」

 

少し怖がった様子を見せるアーシア。ああ、いかんいかん。頭に血が上りすぎた。

 

「すまない、アーシア」

 

「い、いえ……」

 

謝罪する俺だが、グレイフィアさんはずっと俺を睨んでくる。どうやら嫌われたらしい。悲しいね。当然の報いと言えばそうだが。

 

「(確かに、ライザー様にはフェニックスの特性による傲りと未熟さがあります。この短時間でそれらを見抜くとは……この方は本当に人間なのでしょうか……?)」

 

時計を見る。そろそろ始まる感じだな。

 

俺が怒りを鎮めていると、グレイフィアさんが口頭説明に入った。

 

「この度のゲームですが、魔王様も直々に観戦なさっています。下手な介入をすれば、魔王様の機嫌を損ねるだけでなく、リアス・グレモリーの名誉も傷つけることとなります。くれぐれもご注意してください」

 

うわー、いっぱい釘を刺された。今の俺に介入出来る力があるとでも?無理だね。無理すぎて無理久保になるわね。

 

ただ一つ反論させてほしい。

 

「あの不死鳥を騙る馬鹿次第ではこっちもこっちでやることはやりますからね」

 

それだけ言うとグレイフィアさんは無言で何かの準備に入った。俺だって憧れと畏怖と憎悪を持った相手の名を語る馬鹿を許せる程心が寛大になった覚えはないからな。

 

それから数分後、合図と共に試合が始まった。始まったが、妙に動かない様子を見て困惑していた所、グレイフィアさんが説明してくれた。どうやらゲームってのは最初に作戦会議をするそうだ。本物のゲーム『レーティングゲーム』はその試合ごとに会場が変わるとか。だからこそ、その場の対応力が試されるんだって。

 

随分奥深いことね。俺には到底縁のない話だ。

 

「岸波様、一つお聞きしたいことがあります」

 

「はい」

 

突如グレイフィアさんに話しかけられる。何でしょうか。こんなクソヤンキーで良ければ答えますけど?

 

「お嬢様、リアス・グレモリーのことはどう思われていますか?」

 

何それ?どうってそんな抽象的な……

 

「質問の意図が捉えにくいですね」

 

「では、質問を変えまして……あなたはリアス・グレモリーを一人の女性として見ていますか?」

 

「うぇ?」

 

はいぃい?急にそんな男だ女だになるの?もしかしてこの人、相当面白い女?アーシアもアーシアでそんなにあわあわしないで。ちょっと面白いから。

 

とりあえず、真摯に答えよう。

 

「グレモリーさんへの感情は、男女の情愛とかとは遠いでしょうね。ただ、彼女が不条理に泣く事があれば、俺は戦うだけですよ」

 

友達だしね。

 

そう言うとどこか満足げになったグレイフィアさん。んじゃ、こっちだって質問させてもらおう。

 

「こちらも一ついいですか?」

 

「答えられる範疇であれば」

 

模範的メイド。お仕事お疲れ様です。では、そんな忠義者に相当いじわるな質問をしよう。

 

「此度のゲーム、俺はグレモリーさんが負けると踏んでいる」

 

「ダイチさん、そんな……!」

 

アーシアが驚いた様子で俺に抗議をしようとする。ごめん、こればかりは事実なんだ。

 

「すまん、アーシア。だが、これは譲れない……そもそも、経験者と素人の対決だ。結果など見え透いた試合に変わりない。つまらないにも程がある」

 

『結果の分かる競馬なんて死ぬほど価値がない』って前世の友人が言っていたな。まさしくそれが今目の前で行われている。

 

「但し、グレモリーさん達は簡単には負けない」

 

「……その根拠は?」

 

俺の言葉にそう問いかけるグレイフィアさん。じゃあ、堂々と言わせてもらおう。

 

「俺が鍛えたからだ」

 

「……」

 

あれ?余り受けがよくない。滑ったな。じゃあ、次行こう。

 

「その『簡単に負けない』と言うのが、今回の問題点になる」

 

「それはどういうことですか?」

 

グレイフィアさん、本当は分かってんじゃないかな?彼女だって馬鹿じゃないだろうし。

 

「最初に言った通り、フェニックスは経験者、グレモリーさんは素人。人数差も見れば、フェニックス側が有利。圧勝して『当然』の状況にあるのが、あのフェニックスだ」

 

パッと見たが、フェニックスはフルメンバーと言っても差し支えない。それに対してグレモリーさんはグレモリーさん込みで5人。レオニダスごっこでもすんのかってくらい不利な状況だ。

 

そんな状況だからこそ、フェニックスには牙が剥かれる。

 

「そんな状況でフェニックスが辛勝でもしてみろ、嗤われるぞ?」

 

俺の言葉を受けて、俺を無言で睨むグレイフィアさん。だよな、そう言う反応するよな。

 

「『素人に苦戦した上、辛勝のゲーム経験者(笑)』『不死にかまけて戦術を学ばなかったアホウドリ』『油断した上で追い込まれるボンボン』。俺でもこれだけの罵倒が思いつくんだ、貴族社会ならもっとひどいワードが飛び出すはずだ。フェニックスに泥が塗られるだけならいい。問題は、奴と結婚するグレモリーさんも、その嘲笑から逃げられないことだ。そうなれば、グレモリー家だって皆の笑い者にされる」

 

あー、ダメだ!またちょっとイラついてきたぞ!

 

「笑い者にされなくとも、グレモリーさんには同情が向くだろうな。『経験もないのにプロと戦わされた哀れな小娘』と。連鎖的にフェニックスには『詐欺まがいのことをしてでも女を手に入れようとする小物』と言うレッテルも張られるだろう。どの道、名誉がああだこうだと言っていられる暇がなくなるのが目に見える」

 

自分で言っていてあれだし、グレモリーさんに恋しているとかそんなことはないが、マジであのフェニックスに怒りを覚えてきたぞ。

 

「だろうばかりで申し訳なかった。だが言わせてもらおう。今回のゲーム、わがまま娘のわがままを叩き潰す為に勝者が決まっている前提で話を進めたようだが、そう世の中は甘くないことくらい、大人のあなた達なら分かっているはずだ。その上でだが……あんな男に、あんたらはグレモリーさんを嫁がせたいのか?」

 

俺が睨みながらそう言うと、瞑目して深呼吸を一つ置くグレイフィアさん。どうやら、彼女にも思うものはあるらしい。

 

「それがグレモリー家の意志とあらば」

 

「……実に忠義者で結構。まぁ、あなたの立場を考えたらそれしか言えんよな」

 

申し訳ないことをしたよ。ただ、俺の勘ではこのグレイフィアさんは黙って殴られるタイプじゃないと見た。やり返す時は倍返しで済むはずもないって感じ。これは、グレモリー家で戦争になりそうだな。もしくはなった後か。

 

余所様のお家事情に首を突っ込むのは控えめにしよう。今は、皆の健闘を祈るだけだ。

 

Side out




個人的に思いついた原作へのツッコミ回でした。原作でもそれなりに苦戦していたライザーですが、『ぜってーあの後、陰で笑われてただろ』と思い、書いた次第です。
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