知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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そういやもう3月末に突入、かぁ。時の流れが速すぎる。あと花粉がきついっす。埃も舞いますし、辛い。


第38話 外道兵藤、ここにあり

Side in

 

「ダイチさん、皆さんが動き出しました!」

 

アーシアの声を受けて画面を見る。

 

さて、画面を見ると絶望的な人数差の試合が始まっている。正直、見てられない。レオニダスだって最終的には負けたんだ。グレモリーさんには悪いが、こんな戦いはさっさと終わってほしい。

 

だが、それでもあいつらは抗うことをやめない。最後まで戦おうとしている。

 

ああ、眩しいな、美しいな。それこそ人間だ。

 

それに、あいつらを信じられない俺は一体何をしたいんだ?あいつらを信じずに何が男だ?

 

ほら、見ろ。現に今あいつらは数の劣勢を押し返している。木場も、塔城さんも、姫島さんも必死になって押している。何やら躊躇いみたいなものを感じるのは気のせいじゃないだろう。何故その力を使わない?

 

疑問に思っていると大声が響いた。

 

『洋服破壊』(ドレス・ブレイク)ッ!!』

 

相手の女性選手の服がはじけ飛ぶ。恥を知る乙女の敵さんはことごとく戦闘不能になっていく。そんなことをしたのは紛れもなく俺の後輩である兵藤一誠だ。あの野郎、やりやがったな。ちょっと手段は気にいらんが、それでもあいつはあいつの出来ることをしている。最高だ!

 

『見てますか岸波先輩!』

 

「いいぞ!加減なんざすんな!お前は弱い!手段を選ぶな!」

 

俺が興奮する様子をグレイフィアさんが嫌悪を醸し出す視線を向けてきた。悪いね、短期間だとこうするしかないのよ。

 

四条、お前の親友はとんでもねぇ奴だぜ!

 

兵藤の新技の服爆破を皮切りに旗色がグレモリーさんに向いた。こりゃ、フェニックスは笑われるぞぉ!最高だな!

 

ただ、相変わらず姫島さんと塔城さんは手加減しているように見える。何してんだあの二人?このままだと勝てんぞ?

 

「姫島さんに塔城さん……何故手加減をする?何を隠す?」

 

「ダイチさん?」

 

「あ、いや、何でもないさ、アーシア。ちょっと変な視線を向けていただけ」

 

そう言ってアーシアを言いくるめる。ごめんね、アーシア。流石に勘だけで君の希望を奪いたくない。

 

俺の発言にまたもやグレイフィアさんが視線を向ける。チラチラ見すぎだよ、この人ぉ……

 

「グレイフィアさん?何か用で?」

 

「いいえ、まさか二人のことについて感づかれるとは思いもしなかったものでして……」

 

どうやら彼女らは何か抱えているようだ。多分、塔城さんがぶちぎれたのもそこに原因がありそうだが……今はそんなことはどうだっていい。今は目の前の試合に集中しよう。

 

あれだけ『期待していない』と言っておきながら、俺はその期待を捨てきれなかったようだ。こうしてグレモリーさん達の逆転を喜んでいるんだからな。

 

そんなこんなで時間が過ぎる。そしてそれは同時に残酷な現実を見せつける。

 

やはり戦争は数だよ。ってことで、疲労が来たのか、木場が落とされる。次に塔城さんが、そして姫島さんが落ちていく。残ったのはグレモリーさんと兵藤だけ。

 

そして、フェニックスとグレモリーさんが今、直接対決に入ろうとしている。

 

『リアス、これ以上の戦いは無意味だ。投了しろ』

 

『そんなことするわけないじゃない!あの人が見てくれているのよ!諦めるものですか!』

 

いいねぇ、いいねぇ!最高だ!その諦めない目、実に好きだ!不条理に抗おうとするその姿勢、何たるものぞ!

 

――『ねぇ、アポロヌスにユノハさん?こいつちょっとアーカード入ってない?』

 

――『我もそう思った所だ』

 

――『ごめん、ここは彼の前世からの性根だからどうしようもないわ』

 

フェニックスが手をかざして炎を纏う。どうやらああやって炎を出すようだ。その手の先にいるのはグレモリーさん。おうおう、どうする?

 

俺が期待をしていると機械音声が響いた。

 

『Welsh Dragon over boost!!』

 

『焼き鳥野郎ぉおお!!』

 

兵藤だ。何やらあいつの籠手が光っている。何かに目覚めたようだ。全身にも赤いオーラを纏っている。

 

『お前は呼んでいない!』

 

フェニックスの標的が兵藤に変わる。ただその判断が少し遅かったようだ。兵藤は攻撃範囲にフェニックスを収める。

 

『オラァッッ!!』

 

兵藤の拳がフェニックスの股間を捉えた。

 

『ほぉおお!!??』

 

割と洒落にならない打撃音とフェニックスの虚しい声が響く。そうだなぁ、これが何でもない相手ならヤバかっただろうな。でも、相手は不死なんだし、多少の傷ならいいんだよな。だったら仕方ないね。

 

「よぉおし!よくやった兵藤!」

 

俺は思わずガッツポーズを取る。アーシアはちょっとビクッとしたし、グレイフィアさんはいよいよ『こいつヤバい』の視線を隠すことをしなくなった。

 

『お兄様!!?』

 

『ライザー様ぁ!!?』

 

『イッセー!!?』

 

敵さんもグレモリーさんもこれには驚いた様子だ。見たか、これが俺の後輩だ!

 

『お……お……!』

 

股間を抑えてうずくまるフェニックス。そんな姿を見ても兵藤は追い打ちをやめない。すぐにフェニックス首を捉え、フロントチョークを決める。こいつ、本気で殺しにいっている!

 

『負けられねぇんだよ……!負けたくねぇんだよ……!』

 

兵藤が振り絞る声でそう言う。そうだよな、お前は『男の子』だもんな……!こんな所で終われねぇよな!

 

フェニックスの部下が兵藤から主を救出しようとするが、それをグレモリーさんが防いでいく。よし、このまま行けば勝てるぞ!

 

「ぐ、グレイフィアさん?」

 

アーシアが何やら恐る恐るそう言うので、グレイフィアさんの方を見る。何やら怒気がすごいんだが。

 

「岸波様、あの戦術はあなたの入れ知恵でしょうか?」

 

……完全に怒ってますね、これ。でも、仕方ないでしょ。あいつに出来ることなんて限られてんだからさ。

 

「ああ。俺ならともかく、あいつじゃ真っ向勝負で勝てるはずがないからな。フェニックスには恐怖と苦しみをいっぱい味わってもらおうってわけだ。最高の戦術だと思いませんこと?」

 

悪びれもなくそう言うと、呆れてため息をつくグレイフィアさん。

 

「確かに、このままいけばライザー殿は負けるでしょう。こんなにも的確にフェニックス家の特性の穴を突いた戦闘方法は見る機会が中々ありません。何よりも、新規の『兵士』に苦戦し、その戦術を考えたのが人間となれば……それこそ岸波様の仰った通り、笑い者は避けられませんね」

 

おお、褒められた。てっきり嫌われたかと思ったよ。

 

「ですが、ライザー殿とてここで負ける気はないでしょう」

 

おっと上げて下げるタイプだったか。その発言がちょっと気になるなぁ……

 

ゴォオオオオ!!

 

俺が呑気にグレイフィアさんのご機嫌を伺っていると、スクリーンから轟音が響いた。そちらに目を移すと、そこに映っていたのは炎だった。ただの炎じゃない、画面中を覆う炎だ。こ、これは一体?

 

「どうやら決着がついたようですね」

 

グレイフィアさんはそう言う。画面を見ていると、兵藤の姿はなく、グレモリーさんが炎に飲まれていく光景が広がっていた。

 

炎に飲まれるグレモリーさん、何だか『ダイチ』と言っていたような気がする。気のせいか?いや、彼女の話を聞いた限りだと、気のせいじゃないだろう。本当に負けたくなかったんだな。それで、俺にすら縋ったってことか。

 

てか、あの炎ってなんだ?どっから出てきた?

 

俺がそう疑問に思っていると炎が晴れていく。そこに立っていたのはフェニックスだけだった。フェニックスの奴が妙に息を荒げているのは、兵藤の攻撃が通ったからだろう。

 

しかし……さてはこいつ、範囲攻撃の自爆で全部ぶっ飛ばしたな?兵藤のせいで死にかけたから火事場の馬鹿力を振り絞っての攻撃だったな?ってことは、あれがあいつの奥の手か。でなきゃ、こうはならないだろう。

 

あの炎はフェニックスが放ったもの。そのフェニックスにピッタリくっついていた兵藤は無事では済まない。

 

なるほどな、あいつはある意味他の連中に希望を託したようなもんか。『こいつの限界はこれだ』って。

 

たかが知れたな、フェニックス。お前に一矢報いた男は、誰よりも強かったぞ。

 

こうして、グレモリーさんとフェニックスの戦いはフェニックス側の勝利に終わった。つまり、結婚は滞りなく進められると言うことになる。

 

あれだけグレモリーさんの夢を聞いた上で言えるのは一つ。こんな終わり方でいいのか?

 

Side out




と言うことでライザーのだいばくはつで決着。この後、ライザー君は眷属に滅茶苦茶謝罪したと言うことも書こうと思いましたが、『いらねぇな』と思い書きませんでした。
別にライザーも根っからの悪人ってわけじゃないってのは後に書かれるのが分かるのですが、まぁ、うーん......ぜってー、アニメの声優が影響してるよなぁ......
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