知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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原作3巻突入編。アンチ・ヘイトの姿勢を崩さず、されど最低限の敬意を表しつつうまいことやっていけたらいいなと思う日々です。


第3章 月光校庭のエクスカリバー
第45話 変わる日常よ、お前は何なのだ


僕は、エクスカリバーを許さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side in

 

「という訳だぁ!(パラガス)」

 

懐かしいドルマゲドン・エリアに俺はいる。超がつくレベルで久しぶりの結菜と四条の修行への合流だ。

 

俺はノリに乗ったね。思わず結菜との組手でテンション上がっちゃって『お前がいなきゃダメだ、結菜ぁ!!』なんて告白まがいなことを言っちゃったし。

 

俺がいない間に色々あったそうで、四条の変化はとんでもなかったと結菜は言う。何でも、神器の能力を解放したらしく、とんでもない馬鹿力を出せるようになったそう。カリュドーンが言うには『余りに早すぎて、禁手(バランス・ブレイカー)に目覚めるまであとわずか』だとか。ば、ばら……何だって?

 

よく分かんなかったのでドキンダムに聞いた所、神器版卍解だそう。え、じゃあ、こいつはもう始解は終わってるってこと?すげーじゃん、それ!

 

で、もうそろそろ俺と組手をしてもいいんじゃないかってドキンダムは考えているそうだ。

 

で、今は修行を終えて、座って休憩している。その途中でドキンダムに言われて俺がブラックゾーンだと言うことをカミングアウトしたところだ。リアスが悪魔で、オカ研の皆も悪魔だって言った。内緒にすべきかと思ったが、ドキンダムが『喋った方がいいだろ』と提案し、厳正な審査をした結果、話すことになった。

 

「グレモリー先輩云々は関係ないとして……結局ブラックゾーンって何すか?」

 

四条がそう言う。まぁ、分からんよな。曰く、『太古の英雄』だし。

 

「大地、ブラックゾーンってあのブラックゾーンで……いいのよね?」

 

結菜はと言うとどうやらご存じの様子。こちらは話が通じたようで何よりだ。

 

「斎藤先輩、知ってんすか?」

 

結菜にそう訊く四条。結菜は優しいので、それに答えた。

 

「ええ、聖書の陣営の大英雄、要するに十字架の有名人よ。何でも、大天使たちを助けたって話だけど……」

 

「何と言うか、規模がデカくてよく分かんないっすね」

 

四条、ここまでアホの子だったっけ?もうちょっと理解ある子だと思ってたんだけど……

 

「だったら、カリュドーンに聞いてみたらどうだ?ドライグさんとアルビオンさんについて知ってんだし、俺がどういう奴か分かるはずだぜ?」

 

「それもそうっすね。おーい、カリュドーン。ブラックゾーンってどんな奴なの?」

 

『零ちゃんの先輩』

 

「違う、そうじゃない」

 

『はぁ……世界最強の名をほしいままにしていた当時の二天龍を一方的に殺した存在。俺様とて困惑してんだよ。何でこんな所にかの英雄がいて、それが俺様達を鍛えてんのかって。まぁ、その強大な力の一端がここってなら納得せざるを得ないけどよぉ……』

 

ここってのは多分ドルマゲドン・エリアのことを言っているのだろう。ごめん、それはドキンダムの力なんよ……いや、ドキンダムも俺の力の一端なら、ここは俺の力の一端では?ここがこんな姿になったのも俺の記憶が原因なんだし。ほな、俺の力の一端か。

 

『結菜の明らかに人外じみた攻撃を捌き切って、直撃しても耐えられるだけの力も持つ。それらの証拠が全部大英雄だからってわけか。おい、ドキンダム』

 

「うぃーっす。何だ?」

 

『お前、よくこんなとんでもないことを黙っていてくれたな』

 

「そこの人に言って。そいつ、『静かに、平穏に生活したい』ってのが望みだから黙ってたんだよ」

 

『いや、どう考えてもその力で平穏は無理だと思うが……いや、狂乱の渦中にいた俺様が言えた義理でもないか……?』

 

「どいつもこいつもひでぇや」

 

思わずそんなことを言ってしまう。

 

水の入ったペットボトルを呷る。うーん、美味しい水だ。

 

俺がのんびりと水を飲んでいると結菜は言う。

 

「ねぇ、大地?」

 

「ん?何?」

 

その表情はどこか不安げなよう。何かあったのか?もしかして、俺がブラックゾーンだと都合が悪いとかか?

 

「あなた、悪魔であるグレモリーさんのいざこざに首を突っ込んで、それでブラックゾーンであることを公表しちゃったのよね?」

 

「ん、まぁそうだな」

 

小話を挿むが、どうやら結菜は駒王学園入学当初からリアスと姫島さんが悪魔であることに気付いていたんだとか。何でも、『悪魔のグレモリーってそこそこ大物よ?』だって。

 

「あなた、今後の身の振りを考えないといけないんじゃない?」

 

「身の振り?」

 

何やら真剣に聞いてくる結菜。そんな大層なものは必要か?なんて思っていると、結菜はため息を一つ吐いてから言う。

 

「あなたねぇ……ブラックゾーンの影響力を一回自覚した方がいいわよ」

 

「えぇ?そんな、俺程度で揺れ動くような世界なんて小さすぎない?」

 

俺一人で激震が走る界隈なんて存在しないと思うんですが、JK。そう思っていたら、結菜が俺の頭にチョップした。

 

「いい?少なくとも、あなたは世界に影響を与えた。そんなあなたが復活したのだから、また世界に影響があるのは目に見えるでしょう?」

 

「あー、言われれば」

 

そういや、俺ってこの世界にいるためにこの世界に影響を与えたんだよな。それが巡って皆を助けただけであって。

 

「でもよぉ、俺ってそんな大物じゃないし……」

 

「これからいやって程に大物であることを要求されるわよ?それくらい覚悟なさい」

 

「ふぇー」

 

「それに、あなたは元から大物よ。普段通りしておけばいいわ」

 

「そうっすね、先輩って昔から妙に英雄くさいところああったし。今回のことで納得いきましたね」

 

むー、褒められているのかよく分からないな。俺、英雄って称号にそんなこだわりはないし。

 

それに、不安が一つある。

 

「ねぇ、二人とも」

 

「何?」

 

「何でしょう?」

 

二人が返事をする。

 

「お前らってさ、俺がブラックゾーンだから態度を変えるとか考えた?」

 

正直、俺の一番の懸念と言えばそこになる。リアス達とて態度がちょっと変わっちまった、ような気もするのに二人にも態度を変えられたら悲しくなる。俺の感情の問題だけど、その問題が余りに大きいのも事実だ。

 

不安になる俺に対して、二人は答える。

 

「知らないわよ。大体、あなたが世話の焼ける男なのは変わりないでしょ?今更英雄だなんて自慢されても、普段のあなたの能天気具合を知っていたら、いやでも英雄として見られないわよ」

 

「ぶっちゃけ、先輩って俺にとって英雄なのはブラックゾーンとか関係なしに事実でしたし。まぁ、属性が増えたってだけっすかね。多分、イッセーも同じじゃないんすかね?」

 

「お前ら……」

 

嬉しい。やはり、言葉ってのは偉大だ。こうして安寧をもたらしてくれる。話し合うってのは大事だ。対話こそ最強の剣なんだ。

 

「あなたがどうなろうと、あなたは私の惚れこんだ男なのには変わりないわよ」

 

「結菜……」

 

熱い言葉を言ってくれるじゃないか……俺の心も熱血になりそうだよ。

 

「ドキンダム、俺ってお邪魔?てか、これで付き合ってないってマジ?」

 

「いや、邪魔じゃない。こいつら、普段からこうだから。付き合ってもいないのにな」

 

「おぉ……」

 

俺が心で二人の言葉を噛み締めていると、ドキンダムが立ち上がった。

 

「イチャイチャは終わりだ。さて、今後のことだが……結菜はもういいやろ」

 

「何よ、それ?」

 

端的に言いすぎて言葉が足りてないよ、ドキンダムさん。

 

「お前は十分強いだろう。ここからはメンタル方面を鍛えた方がいいだろうな」

 

「そんなことを言われても、どうするのよ?」

 

「この馬鹿に抱かれたらいいじゃないダム?」

 

「馬鹿言わないでよっ!」

 

「ふべらッ!」

 

ドキンダムが殴られる。随分気持ちのいいパンチだ。

 

「じょ、冗談ダム……俺もそれを考えている所だよ。まぁ、しばらくは基礎を軽くやって一緒に見学でいいじゃないか?」

 

「随分な言い方ね……」

 

「だって、お前強すぎんだもん」

 

実際、ドキンダムの言う通りだ。結菜は強くなった。ぶっちゃけ強くなりすぎた。木場とか塔城さんとか比じゃねぇ。悪魔より強いんだもん、どうしろってんだよ。

 

「まぁ、しばらくはゆっくりしていってね。もしくは、アポロヌスと超精密な魔力操作の練習でもするか」

 

「そ、そう……」

 

納得していない様子の結菜。でしょうね、真面目なあの子からしたら突然の休み宣言は理解出来んだろうよ。

 

「で、四条。お前は大地と組手だ」

 

「え?」

 

「喜べ、お前の先輩と殺し合いの時が来た。ああ、安心しろ。こいつは簡単に死ねないし、死ぬことも許されない。なのに、お前を殺すことは出来ない。思う存分、カリュドーンと大地を使い倒せ」

 

『おお、遂に実戦かブー!零ちゃん、頑張れよ!』

 

「そんなこと言われましても……」

 

何やら臆する四条。もしかして、俺に遠慮しているとかか?

 

「俺が死ぬかもしれないとか考えているのか?」

 

「いや、まぁ…………はい」

 

なるほど、奴の懸念はそこか。実際、あいつの力は強大だし、並の奴なら死んでもおかしくない。じゃあ、一回俺も試したかったことを見せて安心させるか。

 

「おい、ドキンダム。俺、一回死んでみるわ」

 

「ああ、S級侵略[轟速]すんのか」

 

俺とドキンダムのやり取りに四条どころか結菜まで困惑している。さて、ここからはちょっと人間でやるとR-18Gになるのでブラックゾーンに変身します。

 

「先輩、ブラックゾーンってのになって何するんすか?」

 

「こうする」

 

俺は何のためらいもなく、自分の首を手刀ですっ飛ばした。おおー、景色がグルグル回る。

 

「せ、先輩!!!?」

 

「嘘っ!!?大地!!!」

 

信じられないものを見る様子の四条と若干パニックになっている結菜。これ、マジで人間の姿でやんなくてよかったな。もしやっていたら、取返しがつかなくなってたっぽいな。

 

恐怖でパニックになる二人を余所に、俺は指パッチンをする。すると、首がフワフワ浮き出して、俺の首なしボディの首の部分にカチャっと音を立てて嵌った。

 

「よし」

 

「何が『よし』よ、馬鹿!!」

 

結菜が俺の頭を触って生存を確認している。四条は口を開けたまま固まっている。

 

「まぁ、こういうことだ。お前が槍で刺した所で死ねねぇよ、四条」

 

「へ?あ、はい」

 

どうやら四条も納得したようなので話は終わりにしよう。

 

それにしても、結菜が随分くっついてくる。そんなに怖かったのか……いや、冷静に考えたら、目の前で友人が自分の首をすっ飛ばすって何だよ。『山の翁』かよ。そりゃ、彼女には相当効いただろうな。あとでフォローしておこう。

 

それにしても、結菜が強く抱きしめてくる。何だか悪いことをしたみたいだ。実際そうだと思う。

 

安易な行動でこんなにも優しい人を傷つけたんだ。俺って馬鹿やな。

 

俺は果たしてこういう人達と一緒にいてもいいのか分からなくなってくるなぁ。

 

――『でも、一緒にいたいのは事実でしょ?』

 

その通りっす、ユノハ様。

 

――『なら、一緒に生きなさい。最期の時まで、その手を離すんじゃないわよ』

 

……この人生に満足しちゃったせいで今日死んでも何も思わないはずだったけど、そう言われるとまだ明日を生きたくなっちゃうな。

 

Side out




作品批判の理由が自分の好きな作品に刺さっているか考えてみたのですが、何とも言えないので少し不安になってきやす。
そう思うと、『嫌いより好きを語れ』って言うのは、好きな作品を傷つけないと言う意味でもいい言葉だなと感じます。
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