知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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今回はかっとばします。


第46話 陰キャに辛い球技大会

Side in

 

俺は校庭にいる。何故体育の授業が死ぬほど嫌いな俺がこんな所にいるかと言うと、行事の関係だ。

 

そう、球技大会だ。俺がこの学園で一番に近いレベルで嫌いな行事。前世からの因縁がありすぎるクソ行事だ。

 

詳細は省くが、俺はこの球技大会が嫌いすぎて、1年の時はテニヌをし、2年ではバヌケをした。結果、本職の部活をしている生徒の心を折りかける事態が発生した。何なら普段の体育の授業で心を折っている。

 

正直、球技大会に巻き込んだ教師が悪いと思いつつ、俺はその教師たちの抗議により、生徒会の名を以て今年の球技大会は出禁になった。何で、今年はエリート帰宅部である結菜と四条と仲良くお散歩でもしようと思っている。嘘です、受験生らしく勉強します。

 

そんな俺の目の前で繰り広げられているのはその球技大会の練習。なんで出禁の俺がここにいるのかと言うと、それは俺のオカ研仮入部問題が原因だ。

 

別に今の銀河の情勢を知る必要はない程度に端折るが、要は俺も一応オカ研の頭数にさせられてしまったので、顔出し程度の義理通しはしなきゃならないと思い、今俺は校庭でオカ研の練習風景を見ていると言うことになる。

 

そろそろ梅雨入りの時期だ。イワシが美味しい季節がやってくる。にも関わらず、今日の天気はいい。晴天だ。

 

校庭の隅の芝のある所にいる俺。遠目にオカ研の皆を見る。何やら話に来たっぽい支取さん達もいる。

 

寝転がってみると、青空がより近く感じる。うーん、いい天気☆

 

そういや支取さんで思い出したが、いつも俺に呪いの視線を送ってくる後輩君だが、あの子が最近呪いの視線を送らなくなった。どうしたのだろうか。

 

 

 

「なぁ、兵藤。俺、岸波先輩に散々嫌味を言ったり呪いを送ってたんだけど、今から入れる保険ってある?」

 

「いや、ないでしょ……」

 

「何故そのようなことをしたのかは知りませんが、岸波君に謝罪しにいきますよ、匙。私も頭を下げますから」

 

「お前、主に頭を下げさせるのか……」

 

「やめろ兵藤ぉ!俺を憐れむなぁ!」

 

 

 

 

 

遠目に見る兵藤は青春しているようだ。青いね、いいね。

 

「お休みですか?」

 

俺の視界の上から顔がひょいと出てきた。起き上がり、顔のあった方を見ると知り合いがいた。

 

「あら、エクシアさん」

 

「岸波君、今は大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫」

 

彼女の名はエクシアさん。去年からリアス達と同じく、1年の時から同じクラスの人だ。真面目で義理堅い人で人気が高く、後輩たちからも慕われている女性だ。

 

去年の体育祭では『一人の俺が無双しないように』とハンデをかけられた二人三脚でパートナーをやってくれた縁がある。思えば、この頃から生徒会や教師陣に目を付けられていたなぁ……

 

「岸波君、球技大会の準備について相談があります」

 

「あれか?人員不足?」

 

俺がそう言うと頷いたエクシアさん。

 

「理解が早くて助かります。どうやら、生徒会の目測よりも仕事が多くなったそうで、私もそれに動員されています。ただ、現場を見る限りだと、準備係の子が部活動での参加が多くて……」

 

「なるほど、そっちの練習に取られて準備が捗らない、もしくは一人でやることになるせいで責任の分散が不可能ってことか」

 

「その通りです」

 

今、あそこにその総責任者である支取さんがいるから何とか言えば人員を増やしてくれそうだけど、そう簡単にはいかんよなぁ。人を動かすって相当労力がいるし。

 

おし、じゃあおじさんが頑張っちゃおうかね。

 

「分かった、手伝う。いつ、どこで待っていればいい?」

 

「心遣い、感謝します。予定では……」

 

こうして、俺の前日準備の話は進んで行く。俺も俺でオカ研の方はどうなんだと言う意見もあるだろうが、所詮は『仮入部』だ。正規の部員ではない。自由にやれるってわけだ。

 

 

○○○

 

 

球技大会当日。風で耳にしたのはリアスvs支取さんのテニヌ対決。どうやらうどんの奢りをかけた戦いだと。張り切るね。

 

俺はと言うと、図書館で結菜と四条と一緒に自習をしていた。

 

「岸波先輩、ここってどうするんすか?」

 

「ああ、ここ?」

 

こんな感じで今は古文をやっている。四条の奴、俺にまだ付いていきたいらしく、駒王学園大学部を志望校にしており、教師陣によれば『このままいけば、運が悪いと落ちるくらいにはなる』とのことだ。こいつも努力家でいいことだ。

 

そうして、気が付けば昼になり、お食事のお時間となった。流石に図書館で飲み食いするのはいけないので、一旦外に出た。

 

「岸波先輩の弁当ってマジすごいっすね」

 

「ほんと、よくやるわよね」

 

「まぁ、趣味でやってるし、弟が俺の料理を好き好んで食べてくれるからさ」

 

今日の弁当はイワシのしょうが煮に七味ぶちまけたーの,なめたけ入り卵焼き,小松菜の梅おかか和え。実にシンプル。なお、このボディには若干足りないので、米をしこたま入れてて、弁当とは別でなめ茸の瓶を持ってきている。

 

「「いただきます」」

 

「いただきゃす」

 

各々弁当を食べ出す。うん、美味しいですわ。イワシのしょうが煮は煮つけの缶詰を使うことで時短した。ただ、それだけでは寂しいと思い、七味をぶち込んだのだが、これはいいな。

 

米を食べていると、先日兵藤に言われたことを思い出す。

 

ちょっと気になるし、四条にも聞いてみよう。

 

「なぁ、四条」

 

「はふぃ?」

 

「飲み込んでからでいいから教えてほしいんだが……木場の奴の様子が変だって兵藤から聞いたんだが、何か知っているか?」

 

兵藤が言うには、兵藤の家に遊びに来た際に自分のアルバムをご両親が見せたそうだ。その中の写真の一つに聖剣があったらしく、それを見た木場の様子がそれからおかしくなったそうだ。

 

俺もあいつのことはよく知らんし、今どういう状況なのかも分からない。とりあえず、赤の他人の四条に木場の奴がどんなことになっているか聞いてみたいのだ。

 

四条はご飯を飲み込むと、答えた。

 

「あー、すかしたあいつっすか。そういや噂で『王子様がすごく物憂げな様子だ』って女子達が色めき立っていたっすね」

 

「なるほどなぁ、お前っつーか周囲の連中にすら分かるレベルで何か抱えているのか……すまんな」

 

「別にいいっすよ」

 

その時、脳裏によぎったフェニックスとの戦いのための修行の時のこと。もしかして、あいつが憎んでいるのって、聖剣に関係するのか?

 

余り首を突っ込みすぎるのも、お節介が過ぎるのは分かる。分かるんだが、それはそれとして放っておけないのも事実。後でリアスにでも聞いてみるか。あの子なら木場の『王』なんだし、多少の事情は知っているでしょうよ。

 

「四条君、それねぶり箸よ」

 

「あ、すいません斎藤先輩」

 

マナーについて結菜に怒られる四条。何て言うか、ほほえましいな。

 

「結菜はそこんところ厳しいわね」

 

「単純にマナーだからよ。私も、母様によく怒られたわね」

 

へぇー、あののらりくらりなお母様が。でも、妙に納得しちゃうような気もする。結菜のお母様、品の良さが隠しきれていないし。

 

そんなことを俺らは話していると四条が口を開く。

 

「先輩たちって本当に夫婦みたいっすね」

 

「「……はい?」」

 

そんな気ぶりが極まった揶揄い、俺は通用せん。が、それはそれとしてお前がそんなことを言うのか、四条よ。

 

「まるで父親と母親みたいっていうか、無くした何かが蘇る感じっす」

 

「あら、何?じゃあ、あなたはデカい息子って所かしら?」

 

「んー、それも悪くないっすね。父親が若干女たらしなこと以外は文句ないっすし」

 

四条による突然の狙撃。流れ弾ですらない一撃が俺に入る。こいつ、俺がリアスと仲良くなったことを知ってから前まで以上に俺のことを『女たらし』呼ばわりしてくるようになった。

 

今も『グレモリー先輩に姫島先輩。数え出したらきりがないっすね』とか言って指を折っている。

 

「そう言われてるわよ、『あなた』?」

 

結菜の揶揄いに、思わず頭を押さえる。

 

「やめてくれよ……」

 

結婚のことは当分考えたくもないんだよ……と思い続けてもう何年経っただろうか。気が付きゃもうすぐ結婚出来る年齢なんだよな。寿水さんのご両親にも結菜のお母様にも妙に結婚を勧められる。何ならラヴィニアと約束した18まであと少しなんだ。俺、どうしたらいいんだよ……

 

――『まとめて抱きつぶせ』

 

――『お前の愛する女のヒトの子ら全員を抱け』

 

――『抱いたら?』

 

この三馬鹿の脳みそはピンクなのが分かった。

 

 

○○○

 

 

雨が降り出しました。結構しっかり降っています。さっきまで晴天だったってのになぁ。幸いなのは、球技大会が終わった後だってことか。

 

俺は玄関でちょっと考え事をしている。それは今日の部活であったこと。

 

俺自身はその場に『また』いなかったのだが、事情はリアス達から聞いた。何でも、木場がリアスに牙を剥いたそうだ。あの優男がだ。

 

事の発端は、球技大会でのドッジボールでのこと。木場がぼーっとして手を抜いているように見えたリアスは彼を注意した。『やるならとことんやってやらぁ!』な彼女のことだからいくら身内とは言え、そこは甘くは出来ないようだ。で、ここで問題が発生する。

 

何と木場、ここで反抗的な態度を取ったのだ。あの物静かな木場がだ。最近様子がおかしいと思っていたが、まさか忠義者っぽいあいつがそんなことをすんのかと聞いた時は耳を疑った。

 

面倒くさい態度を取り、リアスの話を聞かない木場。ついには聖剣エクスカリバーについて意思表示を勝手にして、一人どこかへと行ってしまったそうだ。

 

ちょっと現実味がない。だが、オカ研の皆が目撃者なんだから信じるしかない。余りに突然の流れすぎたため、俺や兵藤のような事情を良く知らない人間は置いて行かれるだけだった。

 

その後、リアス達悪魔組は残業があるらしく、そのまま居残りになった。そういうわけで、アーシアと帰宅することになった。今は彼女を待っている所だ。

 

携帯のバイブが鳴る。見ると、母さんからのメッセージ。何々……なるほど、今日の晩ご飯で出すサラダ用のレタスが足りないから買ってこいってか。しゃーない、この雨だし、家に遥輝を一人にするのも不味いだろうからな、俺達が行くか。

 

俺は母さんに返事をし、雨の降りしきる中で雨宿りをしながらアーシアを待った。何だろうな、今まで面倒だと思って怠っていたアザゼルさんへの報告もしっかりした方がいいのかな?いや、でも家にはリアスって言う悪魔側の存在もいるし、ばれたらばれたで大変なことになるよなぁ……

 

それにしても……

 

「エクスカリバー」

 

今までは聞いても約束された勝利とかヴァカめくらいしか思いつかない聖剣の名前だったが、今ばかりは疫病神に思えてしまうその名を呟いた。

 

Side out




ジョニーウォーカーのブラックルビーを初めて飲んだのですが、中々美味しいものでした。やはり酒は値段と言うことか。
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