知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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新しく書き溜めを書いてしまったので吐き出しがてら投稿です。
既にファーブニル関係が不安になっていますが、捕らぬ狸の皮算用と言いますし、気にしないでいきたいです。


第50話 拳で分かり合ってみよう

Side in

 

いや、正直とんでもない前提の話し合いになっていたなんて思いませんでしたよ。

 

教会の二人とお話したが、どうにもかみ合わないように思ってしまったので、最後の確認として神器のことについて聞いてみたら……ビンゴだったよ。マジですれ違っていた。

 

だってさ、神が作った以上その性能については神が保証しているわけでしょ?だったら、悪魔も治せる責任は神にあるわけじゃん。別にアーシア悪くなくない?

 

そんなことを言ったら、青髪とツインテも驚いていた。その時さ、『この子たち、何も知らされないで育ったんだ』って察したよ。いわば、スラム育ちが社交場のマナーを知らぬと同義。

 

その瞬間、俺も俺で大人げないなって思った。いくらアーシアのことを馬鹿にされたとは言え、どこぞの敗北者の息子レベルのキレ方をしたなって思う。

 

――『いや、割と正当なキレ方って言うか……お前にしてはよく冷静になれたなって思うダムよ?』

 

正直、俺も意外だと思ってます。

 

ここ最近、兵藤達の熱に当てられて青くて熱くなっていた。そんな状況であんなもんをお出しされたら、耐えられないよ。こうして賢者タイムに戻れたのも、彼女らのおかげってことだ。感謝したいが、彼女らが教会側ってことを考えると複雑な気持ちになる。それに、ガブリエルさんに言ったことについては何も弁明されてないしな。かなり悲しい気持ちだ。

 

「よし、始めるぞ。準備はいいか?」

 

そう言う訳で、俺達は校庭にて向かい合っている。俺の対面は青髪とツインテ。ゼノヴィアさんと紫藤さんと言うそうだ。兵藤に教えてもらった。

 

「そうだな、私はいい」

 

「私もいいわよ」

 

そう言って、剣を持つ二人。さて、じゃあ俺も俺でブラックゾーンになるか。聖剣に対してどんな反応を起こすか気になるしな。

 

「んじゃ……」

 

「先輩」

 

俺がそう言うと、隣から声をかけられる。

 

「ん?何だ兵藤?」

 

「何で俺までこっちにいるんです?俺、あっちじゃないっすかね?」

 

そう言って兵藤は観戦席にいるオカ研の皆の方を指さしている。そうだなぁ……うーん……

 

「気分」

 

「それ理由じゃねぇよ!?」

 

おお、元気なツッコミだ。お前はそれくらい元気がある方がいい。

 

「まぁ、ちゃんとした理由はある」

 

「何でしょうか?」

 

割と真剣な理由だ。俺の隣にいるのがこいつでないといけないことにつながる。

 

「お前、聖剣持ちとまともに交戦したことないだろ?」

 

「そりゃまぁ、はい」

 

「今回の喧嘩、少なくともお前は殺されない。あの紫藤っての、お前の女なんだろ?だったら猶更殺されねぇよ」

 

「俺の女じゃないっす。昔馴染みってだけっすよ。その理論なら、イリナって零の女でもあるっすよ?」

 

「そうか」

 

兵藤をからかうつもりが、いない後輩にまで飛び火してしまった。悪いね、四条(笑)

 

「とにかくだ、死なない以上この喧嘩で聖剣とどう向き合うかの指標くらいは分かるようになるはずだ。超がつくレベルでいい機会だと思わんかね?」

 

そう言うと、あごに手を当てて唸り出す兵藤。

 

「確かに、それは一理あるっすね。これから戦う敵の属性を知っておけば、ある程度殴り合いの方針が決まりますし。何より、『どれくらいヤバいか』ってことが具体的になる……」

 

「そう言うことだ。で、準備はどうだ?」

 

「俺はいいっすよ。いつでも来いって奴です」

 

そう言って籠手を纏った左手を見せる兵藤。自信があって結構だ。

 

「じゃあ、2vs2だけど、実際は1vs1×2ってことで兵藤は紫藤さんを相手しな。それじゃあ、こいつを今から落とす」

 

そう言って俺がポケットから出したのは100円玉。

 

「こいつが着地したら喧嘩の始まりってわけ。いいか?」

 

「かまわない」

 

ゼノヴィアさんはそう言う。んじゃ、始めますか。

 

「じゃ、いくぞ」

 

俺は100円玉を天に軽く投げる。それは目で追えるくらいの高さだ。

 

俺は投げた瞬間、ブラックゾーンに変身する。その速度、わずか……いくつだ?

 

――『お前の希望次第で変わるから不明ダム。部分展開に超速展開。もう何でもありや』

 

え、そんなのなの、ドキンダムさん?

 

――『だから余計にチートっぷりが際立つんよ』

 

――『我、女神ぞ?舐めるなよ?』

 

また一つ知見を得た。

 

気がつくと100円玉が俺の視線と水平の位置にいた。落下していくそのコインの向こうには、驚き以外何者でもない感情を持ったゼノヴィアさんがいた。

 

そして、その時が来る。100円玉が地に落ちた。

 

俺は軽く踏み込んで、ゼノヴィアさんのいる場所へと走る

 

「気を抜くな!」

 

アホ面を晒しているゼノヴィアさんに思わず説教をしてしまった。いや、流石に真剣を持っている相手だし、それを持つ責任感くらいはしっかりしてほしい。

 

俺は両手で拳を作らずに広げた状態で、ゼノヴィアさんの腹を押す。結構しっかり押したのでそれなりにダメージがあってもいいはずと願いならが押し出す。

 

「けほっ!」

 

バランスを崩して後ろへと押し出されるゼノヴィアさん。

 

「くっ……!グレモリー!これはどういうことだ!彼がブラックゾーンだとは聞いてないぞ!」

 

「だって、聞かれなかったもの」

 

ゼノヴィアさんの抗議に対して、悪魔の微笑をしてそう返すリアス。ああ、あの子もあの子で教会の手口には相当頭に来ていたようだ。

 

「うぉ!?あぶねっ!!」

 

「ちょこまかとっ!!ゼノヴィア!どうするの!?ブラックゾーン様に剣を向けたなんて、ガブリエル様になんて言えばいいか分からないわよ?!」

 

紫藤さんが兵藤と戦いながらそう言う。それに対してゼノヴィアさん、迷う様子を見せた。

 

「またとない機会……せめて楽しませてもらおう……!」

 

そう言って剣を構えるゼノヴィアさん。うん、対抗策は思いつかないけど、それでも諦めない方向なのはいいことだ。大地ポイント2Pをあげよう。

 

因みに大地ポイントを100P溜めると俺とデートする権利をあげるのだ。嘘です、特に何もないです。

 

「はぁああ!」

 

ゼノヴィアさんがこっちへ突っ込んでくる。これさ、フェニックスの時みたいに下手したらエクスカリバーが折れかねないよな?

 

――『いやぁ、どうかしら?流石に折れないと思うわよ?前のは量産品だったわけだし。こっちのような一点物の丈夫さがあるわけじゃないと思うの』

 

よし、全責任はユノハ様が取るってことで決まったので、俺はそのまま受けることにした。

 

振りかぶられたエクスカリバーが俺に直撃する。おお、フェニックスの眷属とはパワーがけた違いだ。確かにこれなら精鋭として奪還作戦に遣わされたのも分かる。

 

分かるんだが……

 

「これでもダメか……!」

 

返す剣でもう一度俺を斬ろうとするゼノヴィアさん。何度も何度も俺にぶつかってくる。その刃は、悲しいことに俺には届かないがな。

 

そんな中で俺はと言うと、そんなゼノヴィアさんをどこか品定めに近いことをしていた。

 

おそらくだが、今回の一件でゼノヴィアさんか紫藤さんか、もしくは両方の首を飛ばされる。何せ『悪魔と関わった』って理由があるからだ。普通ならそんなことをするなんてありえないが、そこは教会だ。

 

貴重な神器を持つアーシアをあっさり捨てた奴らだからこそ、この二人も何かと理由をつけて捨てるだろう。だって、この二人真面目だもの。俺のアーシアの神器論を聞いて、それを納得するだけの柔軟さがある。変わることが出来るのだ。変わるからこそ、教会にとって不都合になる。

 

それ自体はいいことだ。人は、常に理想と最良を求めて変わる生き物だからな。ただ、教会はこう考えていると踏んでいる。『俺達が欲しいのは『何も考えない兵士』だ』とな。必要な時は自分達の代わりに手を汚し、不要になれば簡単に切り捨てられる。そんな存在を奴らは欲していると見た。

 

だからこそ、彼女らは捨てられる。良くても……紫藤さんだけは残れるとみた。絶対にゼノヴィアさんは捨てられる。俺はそう考えている。

 

だから、すごーく不安なのだ。こんな社会を知らない若い子が急に外に投げ出されるって、もう悲劇の始まりなんだもん。教会と同じ悪い奴らに食いものされるか、彼女自身が新興宗教を打ち立てかねないよ。

 

うーん、我ながら甘い。甘すぎる。だけど、俺も俺で心底悪魔になった覚えはない。それなりの優しさくらいは持っている。

 

後で連絡先でも上げたり、リアスを通じてとかしてこっち側に引き込めるようにしておくか?とりあえずリアスに相談だ。

 

意識を現実に戻そう。目の前では剣を変わらずに振るうゼノヴィアさんがいる。思いっきりその西洋剣を振っていたからか、肩で息をしている。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

これ以上無理はさせられないと思ったよ。このまま放置するのも鬼畜の所業だ。

 

「降参するか?」

 

だから、その選択肢を用意した。彼女も現実は分かっているだろう。せめてもの慈悲だと思って、俺はそれを提示した。だが、彼女は首を横に振る。

 

「折角の英雄との闘争を……ここで簡単に終わらせるなど……!」

 

その目は死んでない。それに心も折れていない。『絶対に抗えるだけ抗ってやる』って言う強い意思が見える。

 

……。

 

――『おっとゼノヴィア選手、ここでさっきまでのマイナスを巻き返すように大地ポイントを大きく獲得したぞぉ?』

 

うるさいぞ、ドキンダム。さっきまでのことを忘れたわけじゃない。忘れたわけじゃないが……

 

「ガブリエルさんの意思は、ここにあったか……」

 

「何を言っている?」

 

失望したはずの場所に、希望は残っていた。それだけ分かっただけでも十分収穫と言えよう。

 

「ガブリエルさんに言った、『生きて抗え』ってことだよ。さっきまでの『死んでも何とかする』ってのが嘘みたいだ」

 

「ッ!!」

 

それならば、一人の『戦士』として、経緯を表しよう。

 

「ゼノヴィアさん、俺はあんたのその『抗う心』に敬意を表して、この一撃を送る」

 

俺は右手を振りかぶり

 

「ふんっ」

 

ゼノヴィアさんの腹に一発お見舞いし

 

「かっ!!」

 

空中へとふっとばした。

 

白目をむいて落下してくるゼノヴィアさん。正直に言おう。この程度でコカビエルってのがどうにかなるとは思っていない。何せ、相手は超有名な堕天使なんだし。アザゼルさんや、それこそあのバラキエルさんと同じポジションってなら、強いに決まっているはずだしな。

 

だからこそ、俺は本気でこいつらを手伝うことを決めた。木場のことや黒歌のこともある。元から首を突っ込まない選択肢はなかったが、それは心のどこかで『何となく』で流されていた部分もあった。

 

俺の方から積極的に首を突っ込ませてもらおう。悪いな、木場よ。お節介を焼くぞ?

 

ゼノヴィアさんが地面に落ちた。気絶して起きない。どうやら、こっちはこっちで決着はついたようだ。あとで治療もしておこう。

 

ふと兵藤が静かになっているのが気になったので、隣を見る。

 

「イッセー君の馬鹿馬鹿馬鹿ぁああ!!」

 

「ぶべっ!!!!」

 

多分だが、兵藤のせいで服が爆散していた紫藤さんが、兵藤に馬乗りになって顔面を殴っていた。兵藤、お前……。

 

Side out




原作とは違ってイッセー君にラッキースケベをしてもらいました。

気が付けばリブートにも関わらず、すんごい数のお気に入り登録者数になってました。皆様の応援がありがたい限りです。
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