知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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新学期や進学で色々あると思いますが、とりあえず酒で多くの失敗した人間として言えるのは『度数の高い酒より度数の低い酒の方が恐ろしい』です。度数が高いと『うっ』となって制御がある程度利くのですが、低いと飲みすぎるのでよくないです。マジで気をつけてくださいね。


第54話 ヴァー君降臨

Side in

 

もう何も言わんよ。自分の全てを否定されて、それでも立ち上がった。そこに俺の手助けがあったとしても、立てた事実に変わりはない。

 

それが、目の前にいる連中だってことだ。

 

「あっ」

 

そう言い、俺に倒れ込む兵藤。全身を鎧に包んでいた姿から、左手だけ籠手を纏ういつもに似た姿に戻った。俺は奴を抱きとめる。

 

「おいおい、俺は男の趣味は無いぞ」

 

「分かってますって……ちょっと力が抜けただけっす」

 

そう言って、今度はちゃんと立つ兵藤。

 

「ったく、そんな体たらくじゃ、俺のエロ漫画は奢れないな」

 

「えぇ……?!そんなぁ……!俺頑張ったのに……!」

 

思えば、こいつを奮い立たせてから流れが変わった。リアス・グレモリー眷属一同の絶望に光が差し込んだ。間違いなく、こいつが皆の支柱だろうな。てか、ここまで来たら、いよいよこいつが『この物語の主人公』だろって思う。いや、絶対にそうだ。

 

そんな風に思っていると、リアスと姫島さんが空を見上げている。そういや、ずっと気配がしていたな……

 

俺も空を見上げる。

 

……おいおい、ありゃぁ……

 

「おい、お前ら」

 

「何すか、先輩?」

 

俺の真剣めなトーンに少し危機感を持ったのか、警戒し出す皆。

 

「下がってろ。黒歌、ちょっとこっち来い」

 

「な、何だか分かんないっすけど、分かったっす」

 

そう言って兵藤は下がっていく。コカビエルの近くに立っているのは、俺と黒歌だけ。

 

「黒歌、『あれ』分かるか?」

 

「うん、分かる。ちょっとどころじゃないくらい面倒になったわね」

 

黒歌はそう言う。いや、まぁ確かに面倒だ。だって、『彼』がいるってことは『あの人』が分かっていて差し向けたわけだし。

 

身構えていると、それは黒い夜空から降りてくる。

 

 

その一色が全身を覆う者がここ駒王学園に降りてきた。

 

「ふふふ、随分面白いことになったな」

 

その声、妙に聞いたことがある。いや、俺はこの声を知っている!

 

『白い龍』(バニシング・ドラゴン)……!」

 

「……二つの赤に惹かれたのかな?にしては、随分な登場ね。マナーを学んだ方がいいわよ」

 

リアスが恐怖混じりの声を出し、黒歌も警戒するように挑発する。思えば、周りの空気感も妙にピリピリしている。

 

白いのは二人の言葉を無視して、地面にぶっ倒れているコカビエルを拾って肩に乗せ、地面に倒れていた人を脇に抱える。

 

「あれだけの攻撃を受けてなお生き延びるとは。流石は先の大戦を生き残った堕天使って所か。フリードの始末はまた後だな。アザゼルの依頼も、たまには悪くない」

 

何やらお仕事のようだ。彼も彼で用事があったのだろう。それが、コカビエルの回収なら……アザゼルさんは今回のことを知っていたってことだよな?

 

うーん、ちょっとむかついてきた。何だろうな、『職務怠慢』って奴か?そんな気がする。

 

白いのが空を飛ぼうと光の翼を展開する。そんな時、声がした。

 

『うぉおおい、白いのくぅーん』

 

その声は知った声だ。その声は兵藤の方からした。兵藤も兵藤で左手を見る。どうやら、俺の予想通りドライグさんの声だ。

 

『もしかして無視かぁい?まさか、あの馬鹿と突然出会って正気を保てた俺の方が優秀だって証明したいのかぁい?』

 

力無く煽るドライグさん。何でそんな弱弱しいの?疲れてる?てか、馬鹿ってなんだよ。事実陳列罪で訴えるぞ。

 

『……っせー』

 

『あ?』

 

ドライグさんが何か呟いた白いのにそう反応を示す。次の瞬間、バカでかい声が響いた。

 

『うっせぇええええ!!何が『突然の出会い』だぁあああ!!俺だってその『突然の出会い』って奴をしたわ、ボケぇえええええええ!!!!』

 

「アルビオン、うるさいぞ」

 

『いいや、黙らないね!お前は何も知らないんだ!俺がどれだけ辛い目にあったかってことをな!何で今代のお前は周りに変な奴しかいねぇんだよぉおおおお!その被害を俺まで受けるのは、不当だろうがよぉおおお!!いやだぁああああ!!もうノイローゼはいやだぁああああああ!!』

 

「失礼だな」

 

仲が良さそうだ。まぁ、前からそんな感じだったのは知ってたけど。

 

『何でどいつもこいつも『ブラックゾーン』ばっかなんだよおぉおおお!!』

 

『白いの……お前の痛み、伝わったぞ……!!』

 

何やら共鳴して、『ぬぉおおお』なんて言って泣き出したドライグさんと白いのことアルビオンさん。

 

「全く、世話の焼ける奴だ。帰る」

 

そう言い、飛び立つ姿勢を取る白いの。すると、奴は兵藤の方を見ながら、言った。

 

「俺達は宿敵であり、そして共通の宿敵を持つ者同士だ。お前はまだ弱いが……案外強くなりそうだ。力を得ろ。そして強くなれ。強くなったその先にたどり着け。俺はその時まで楽しみにしていよう」

 

「な、何言ってんだ、あいつ?」

 

白いのの誉め言葉に困惑する兵藤。だよね。実際、俺の印象だとそんなことを言う奴には思えないもん。

 

「さて、飛ぶか」

 

そう言って飛び去ろうとする白いの。挨拶だけしておくか。

 

何か一言言おうと考えていると、白いのことヴァーリは俺に蹴りを入れてきた。特にダメージはない。

 

「なっ!?」

 

「あんた!!」

 

兵藤が驚いているし、黒歌もキレている。まぁ、兵藤の驚きは無理はない。今のって明らかに木場と比にならない速度だったしな。黒歌はあれだろ、俺のことを心配してくれてんだろ。良い女や。

 

「やはり、お前は強いな。変わらない強さ。俺が目指すに相応しい」

 

妙に楽しさが籠った言い方をされる俺。うーん、ラヴィニアみたいにコミュニケーションがうまくいかない……

 

「黒歌のことは黙っておいてやろう。俺の仕事は、あくまでも『こいつら』の回収だからな」

 

そう言うヴァーリは俺の腹を蹴った勢いで宙に飛び、そしてそのまま空へと飛び去って行った。

 

気が付いたら夜空の星と変わらないくらいに小さくなっていた。また会えるといいね。その時はちゃんとコミュニケーションを取りたい。

 

さて、俺達は突然の乱入にかき回されてしまったわけだが、とりあえず色々終わったってことでいいよな?

 

俺が振り向いて兵藤を見る。奴は微笑んで、木場の方に行く。

 

「よっ、イケメン王子様。終わったな」

 

頭を叩いてそう言う兵藤。その顔は、笑顔だった。『苦しかった』とか『怖かった』とかそんな感情が見えない。正しく、『勝利の笑顔』だ。

 

「にしても、これが聖魔剣か。随分綺麗なもんだな。売れば結構な金取れるんじゃねぇか?今度から悪魔稼業の一つに入れてみたらいいんじゃね?あ、でも下手すると銃刀法違反になるか……」

 

悪魔らしい打算的なことを言いつつも、ムードを柔らかくしていく兵藤。お前、やっぱ正しく『主人公』だよ。

 

「イッセー君、僕は……」

 

木場が何かを言いかける。そこを兵藤は遮った。

 

「まぁ、今はいいだろ。細かいのは無しってことで。ほら、俺って馬鹿だからそう言うのは苦手なんだよ」

 

「イッセー君……」

 

「とりあえずさ、一旦終わりってことでいいんじゃねぇかな?聖剣も、お前の仲間も。色々あったし、簡単には飲み込めないかもしれないけど」

 

普段の四条とエロ本交換をする野郎とは思えないくらいにかっこいいことを言っている兵藤。木場も無言で頷いた。

 

「……木場さん」

 

そう言って、木場に近付いたアーシア。

 

「また、皆と一緒に部活できますよね?また、皆と一緒にいてくれますよね?」

 

あんなことを言った手前で何様感がすごいが、アーシアとて心を折られた人間だ。余裕なんてないだろうに、彼女は木場の奴を心配している。

 

甘い。甘いな。

 

――『でも、お前によく似てるダム』

 

俺のはただの甘ささ。彼女のは『優しさ』って言うんだよ。

 

――『我らには違いが分かったものではないな』

 

それ、愛の不死鳥が言っちゃう?

 

木場の方を見る。何やら言いたいが言葉に出来ていない様子。そこにリアスが近づいて言う。

 

「祐斗。よく帰って来てくれたわね。それに禁手(バランス・ブレイカー)なんてとんでもないお土産まで一緒だなんて、主孝行者じゃない。私も誇らしいわ」

 

そう言うリアスの表情は柔らかい微笑みを浮かべたものだ。

 

「……部長……僕は……僕は皆を裏切った……。何よりも、命の恩人であるあなたを裏切った……。裏切っただけじゃない……。心配してくれたイッセー君や岸波先輩にも……皆にひどいことを言ってしまった……。どうお詫びすれば……」

 

自分の行いを許せなくなった木場の頬をそっと撫でるリアス。まるで、子供を慰めるかのように優しく撫でている。

 

「でも、あなたは帰って来てくれたじゃない。それでノーカウントにしてあげるわ。あなたの仲間達の想い、絶対に無駄にしちゃダメよ」

 

そう言い、俺の方に視線を向けるリアス。あー、これ、俺も何か言って方がいい感じ?

 

じゃあ、真面目に、そして手短に。

 

「ま、主のリアスがそう言ってんなら、それでいいだろ。それ以上の抵抗は、ガチの反逆になっちまうんじゃね?そもそも俺も、兵藤も、お前の言葉を暴言かなんかだなんて思っちゃいねぇよ。ちょっと迷走してたなとは思っていたがな。な、兵藤?」

 

「まぁ、そうっすねー。別に俺もどうこう思っていたわけじゃないし、そもそもこっちから首突っ込んだ以上迷惑かと思っていた所もあったし」

 

そう言うと、木場はリアスに対して跪いて言う。

 

「部長……いいえ、リアス・グレモリー様。僕はここに改めて誓います。僕、木場祐斗はリアス・グレモリーの眷属、『騎士』として、あなたと仲間達を終生お守りすると同時に、ブラックゾーンの如き気高く、そして強き者になります」

 

俺と兵藤は目を合わせる。ちょっと驚いた後、思わず笑う。

 

「だそうよ、ブラックゾーンさん?」

 

そう言うリアス。俺は困って、思わず苦笑いしながら頭をかく。

 

「俺に追い付くとか、2万年あったって足りねぇよ。ただ、いつの日か追い付くんなら、俺も胡坐かいている場合じゃねぇな」

 

そう言うとリアスもクスっと笑った。

 

「そもそも、おめぇの場合は兵藤に追い越されそうじゃねぇか。そっちを気にしろ」

 

「えぇ?俺がぁ?そりゃ、いつかは木場も超えていくつもりっすけど」

 

「おうおう、どうやら木場は『道中』の扱いらしいな」

 

「先輩?!」

 

兵藤とそう言うやり取りをすると、周りが笑顔になる。

 

「さて」

 

その笑顔の中、リアスの手が紅いオーラを纏う。

 

「祐斗。確かにあなたは誇らしいわ。それはそれとして、勝手な行動への罰はいるわよね?」

 

リアス、怒っていました。

 

そして夜分に始まったのは、木場のケツドラム。俺と兵藤は思わず大爆笑してしまった。

 

 

〇○○

 

 

魔王の加勢が来ると知り、黒歌を会わせるわけにはいけなくなったので、俺と黒歌は一足先に帰ることにした。塔城さん達への説明は、リアスが誤魔化してくれるそうだ。

 

「ごす」

 

「ん?」

 

黒歌がそう言い、俺の腕に抱き着く。ちょっとおっぱいがすごいですね。

 

「ありがと。今度こそ、後悔しなくて済んだ」

 

俺はすぐに塔城さんのことと分かった。こいつもこいつで苦労してきたもんな。同じ轍をまた踏まなくてよかったよ。

 

「別にいいさ。俺は、お前に泣いてほしくなかっただけだ」

 

そう言うと、黒歌は抱き着く力を強くした。よりおっぱいの感触が伝わってくる。

 

「馬鹿……」

 

何やら呟いたようだが、女の秘密だろう。そう言うのは暴かない方がいい。

 

Side out




別にちゃんと見ていたわけじゃないのに、その作品のOP・EDに脳を焼かれているってありあますよね。私は『only my reilgun』に未だ焼かれています。何なら、あれを『アニソンの特異点』と言い切れるくらいにはかなり重要視している節はあります。
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