知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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当作品、改めて読者の皆様に支えられているなと思います。ほんと、感謝しかないと言う。

そんなわけで本編。ふざけられるうちにふざけておかないと、後半になってふざけられなくなるのは目に見えているので......


第61話 強さの差

Side in

 

夏の暑さに頭をやられた兵藤とゼノヴィアさんを叱った。あの阿呆共、白昼堂々おっぱじめようとしてやがった。

 

話を聞くと、兵藤は完全に被害者側だった。加害者側のゼノヴィアさんの言い分はと言うと、『部長に『好きに生きろ』と言われたから子作りしようと思った』『ブラックゾーンでは遺伝子の相性に不安を覚えたので、今代の赤龍帝を選んだ』とのこと。前者が全ての原因ならリアスを叱って終わったのだが、後者が気に入らねぇ。

 

何だてめぇ、俺の可愛い後輩が『妥協』だってのか?

 

流石にデカい雷を落としたよ。『俺の後輩はスケベで馬鹿だが、そんな妥協で選ばれるような男にした覚えはない』って。これが効いたのか効かなかったのかは分からんが、『今後は、イッセーをもっと見つめる』と言ったので、そこで許すことにした。

 

兵藤は冤罪だったので、商店街のパン屋のカレーパンを好きな数の奢りと定食屋の中華そば餃子セットの奢りを天秤にかけさせてカレーパンの方を選ばせた。エロ関係じゃないのに上機嫌なのは、正直怖いのでやめてほしいと思ってしまった俺はきっと末期なんだろう。

 

「カレーパンの時間や」

 

「お前、そんなにカレーパン好きだったっけ?」

 

「何を言ってるんすか。ただのカレーパンではなく、奢ってもらうカレーパンだから意味があるんすよ」

 

こうして、今日のプール開きは終わった。今は帰ろうと校門に向かう途中だ。

 

下らない話をしながら、俺達は校門に向かって校舎を出ようとしていると、その校門に銀髪の青年がいた。

 

「…………」

 

随分、美形な男だ。兵藤すらも黙っている。

 

ダークグレーな銀髪。グレイフィアさんとは違った銀髪だ。

 

年齢は俺達と同じくらい。こちらの視線に気が付いたのか、彼の視線がこちらに移る。その瞳は、吸い込まれるような蒼だった。

 

それにしてもあの銀髪、どっかで見覚えが……

 

俺と兵藤は校門まで歩いた。

 

「やぁ、いい学校だね」

 

「え、ああ……まぁね」

 

兵藤がそう応対する。留学……にしては季節外れか?この既視感がどうにか……

 

「俺はヴァーリ。白龍皇……『白い龍』(バニシング・ドラゴン)だ」

 

「ああ!ヴァー君!」

 

その名を聞いて、俺はようやく思い出した。そうだ、あん時の少年だ!随分大きくなったな!

 

俺の言葉を受けて、ズンズン近づいてきて、指をさしながらヴァー君は言う。

 

「その呼び方をやめろと何度言えば分かる……!!」

 

「うっす……」

 

「え、先輩の知り合「今のは聞かなかったことにしろ、兵藤一誠」……うっす」

 

その迫力に押され、俺達はそう答えるしかなかった。

 

ヴァーリ君はその表情を怒りから先ほどまでの余裕のあるものに戻した。

 

「ここで会うのは二度目だな、『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)……赤龍帝の兵藤一誠」

 

そう言うと、少し思案した後に兵藤は何かを思い出したか、手を叩く。

 

「ああ!コカビエルの時の情けない白ドラゴン!」

 

『ひぃー!ひぃー!くっっそ!白いの、マジで馬鹿にされやんの!』

 

ドライグさんが随分生き生きとしているが、それに抗議する声が一つ。

 

『うるせぇ!お前だって大概だ、赤いの!』

 

ああ、アルビオンさんの声だ。懐かしいな。何年ぶりだ?

 

『知るかばーか!』

 

「ドライグさん、お前本当に昔はすごい奴だったの……?」

 

「アルビオン、少しは落ち着け」

 

渾沌とする空気。ヴァーリ君は先ほどまでの強者の余裕モードに戻る。

 

「そうだな、例えばブラックゾーンのお気に入りであり、赤龍帝の君に魔術的なものを……」

 

そう言い、兵藤に手を伸ばしていくヴァーリ君。え、急なホモ?

 

ヴァーリ君の手が兵藤の顔に触れようとした瞬間、兵藤の背後から二振りの剣が伸びた。

 

「僕の友達に何をするつもりかな?」

 

「少々お痛がすぎると思うぞ、白龍皇」

 

木場とゼノヴィアさんだ。聖魔剣とデュランダルをヴァーリ君の喉元に突き付けている。ただ、その手は震えている。

 

「やめておくといい。君達では俺には敵わない」

 

その言葉は、傲慢でも油断でもない。事実を述べているだけだと、俺にも分かった。こいつ、昔と比べ物にならないくらい強くなったな。まぁ、俺に敵うかと言うと、な?

 

「だが、その震えは誇ることでもある。相手との実力差が分からない者ほど、先に死んでいくのが世の常だ」

 

……それ、ひょっとしてギャグで言っているのか?怒りに任せて格上()と戦ったお前さんが言うのか?

 

俺が困惑していると、ヴァーリ君の話は続く。

 

「兵藤一誠。君は、この世界で自分が何番目の実力者か分かるかい?」

 

「……何が言いてぇ?」

 

怪訝に聞く兵藤。ヴァーリ君は楽しそうに語り出す。

 

「感情に任せた覚醒による未完成の『禁手』(バランス・ブレイカー)状態の君は……上から4桁、1000から1300の間だろう。尤も、君のスペックが足を引っ張って更に下へ行くけどね」

 

「だから何が言いてぇんだよ」

 

「遠回しに『ざーこ♡ざーこ♡』『お兄ちゃんはクソザコドラゴン♡』とか思ってるんじゃない?」

 

俺がそう言うと、すげー嫌な顔をする兵藤。ごめん、お前の趣味じゃなかったな……

 

「…………この世界は強者が多い。あの『紅髪の魔王』(クリムゾン・サタン)と呼ばれるサーゼクス・ルシファーすらもトップ10外だ」

 

そう言うと、指を一本立てる。

 

「かつて『最強』と言えばある存在を示していた。だが、ある時からその序列が変わった。不動の1位の存在が入れ替わることとなったんだ」

 

そう言うと、3人が俺の方を見る。え、俺?

 

「先輩が1位だとして、その『元・最強』ってなんだよ」

 

「今は分からなくてもいいさ。いずれ分かる、いずれな。ただ、少なくとも俺や二天龍ではないことは確かだ。…………兵藤一誠は貴重な素材だ。しっかり育てるといい、リアス・グレモリー」

 

ヴァーリ君の視線が俺達の後ろに向く。俺達も振り向くと、そこにはゼノヴィアさん以外の女性陣がいた。何やら、臨戦態勢の様子。

 

「白龍皇が何の用かしら?あんたが堕天使とつながりがある以上、不必要な接触は……」

 

「『二天龍』と称されたドラゴン。それを封じた神器の所有者と関わった者達はろくでもない生き方だったらしい。あなたはどうなるだろうね?」

 

ろくでもない?そんな厄なの、ドライグさんとアルビオンさんって?さっきまでの情けない感じからは分からないんだけどなぁ……

 

「今日は戦いに来たわけじゃないさ。先日来た学び舎の見学だよ。いわゆる、退屈しのぎって奴だ。アザゼルの付き添いで来たんだが、彼は俺に欠伸が出そうな環境を用意しているからね。…………何より、俺にもやることが多い」

 

そう言うと、踵を返して去っていくヴァーリ君。一体何がしたかったんだ?

 

「先輩」

 

「何だ、兵藤?」

 

兵藤が何か言いたげな様子でこちらを向いた。

 

「あいつ、何だったんすか?『強さ』とか『最強』とか。そりゃ、俺も男なら『最強』ってのに憧れもしますけど、何かあいつの見ている景色と俺の見ている景色が違う感じがしてならないんすよ」

 

『最強』ねぇ。俺も昔は憧れたもんだが……今はどうだっていいもんだしな。

 

それにしても『見ている景色が違う』、か。それこそあれだろ。

 

「そこも個人差って奴だ」

 

「随分簡単に片付けるんすね」

 

「俺は進路相談の教員じゃねぇんだよ」

 

そう言うと、満足した様子の兵藤。

 

「ははっ、それもそうっすね。……ところで先輩、あいつと知り合いみたいっすけど、そもそもあいつ誰なんすか?」

 

兵藤のその言葉に、この場の全員が一斉に食らいついた。

 

その後、リアスから徹底的な尋問があった。しょうがない、何せ相手はヴァーリ君。堕天使側の存在なんだ。それと知り合いってのは彼女にとって面倒ごと以外何者でもない。

 

と言うことで、俺は『今は言えないから、許してください』の一言と土下座でお許しを得ました。

 

Side out




ここ最近の黒緑バロムにおけるバロム達の活躍ランキング、1位がリモーネなくらいバロム・リモーネの活躍ぶりがすごいです。ダークライフから雑に投げるバロメアから繋がるのが余りにデカい。
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