知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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別に手札に揃ったら特殊勝利すると言うわけではないタイトル。そんなわけでヴァンパイア回。



第63話 封印されし旧校舎の一室

Side in

 

授業参観の翌日、俺はオカ研の皆様と一緒に旧校舎の謎の部屋の前まで連れて来られた。連れてきたのはリアスと姫島さん。すごく距離が近かったせいか、いい匂いがしました。

 

で、その謎の部屋と言うものだが、今目の間にある扉が異質っぷりを強めている。

 

『いじるなよ』と言わんばかりに張られたテープ、何か魔術的な刻印。それらが異質さを際立たせる。

 

曰く『この部屋に封じられたリアスの『僧侶』がいる』。

 

何でも、そいつはとんでもない力を持っていて、今までのリアスでは御しきれないと判断され、封印状態にされていたとか。でも、ここ最近の彼女の成長ぶりを見てサーゼクスさん筆頭の魔王様方や悪魔の上層部が封印解除してもいいとしたそう。今、ここにいるのはその封印を解いて中にいる『僧侶』を引きずり出すためて言うことだ。

 

何でただの人間である俺が参加しているんだろうか。甚だ疑問で仕方ない。が、引っこ抜かれてついてきた以上、引き返すのは忍びない。

 

「ここにいるのよ。一日中、ここにね……」

 

そう言うリアスの表情は、まるでひきこもりの子供を心配する親の顔のようだった。

 

「一応、深夜には封印術が一時的に解けて旧校舎内だけなら自由に動けるようになっているのだけど、中の子がそれを拒否しているのよね」

 

リアスはそう言いながら魔方陣を展開して、封印を解いていく。

 

「随分引きこもり体質なんだな、その『僧侶』は」

 

俺の何となくの呟きに姫島さんが解説をしてくれた。

 

「確かにそう思われるかもしれないですけど、そんな体質でも眷属内では一番の稼ぎ頭だったりするのですよ?」

 

「え、そうなんすか?」

 

姫島さんの言葉に驚きを隠せない兵藤。

 

「だが、引きこもりでどうやって稼ぐんだ?それこそ、君らみたいに魔方陣で自由に動くことも出来ないし、兵藤のようにチャリを漕ぐわけにもいかんだろう?」

 

「俺も気になるっす。今後の事業の展開にも役立つかもしれないですし、知りたいっすね」

 

俺と兵藤の言葉に笑顔で返す姫島さん。

 

「パソコンです」

 

「「パソコン?」」

 

俺と兵藤が声を揃えてオウム返しをする。急に現代になったな。

 

「パソコンを介して特殊な契約を人間と執り行っているのですよ。最近は直接会うことを躊躇うお客様もいるので、そう言ったニーズに合わせてこちらも変容しているのです。中にいる子はパソコンでの取引率だけで言えば、新鋭悪魔の眷属の中でも上位に入る程の数字を出しているのですよ?」

 

な、何ていうか前世の若手会社員時代の話を思い出すな。パソコンでの契約を結ぶのか。悪魔も、いつまで経っても紙の契約にこだわっていられないってことか。

 

「さて、封印は解除したわ。扉を開けるわよ」

 

そう言って扉を開けたリアス。瞬間、叫び声が旧校舎に響き渡った。

 

「いやぁああああああ!!」

 

(ロイの上B)

 

そんな叫びを気にせず中に入っていくリアスと姫島さん。

 

「ごきげんよう。元気そうで何よりね」

 

「な、な、な、何事ですかぁああ?!」

 

リアスでも姫島さんでもない声。随分中性的……つーか、女性?そんな感じの声だ。

 

「封印が解けたのですよ?もうお外を自由に歩いていいのです。さぁ、私達と一緒に外に出ましょう?」

 

「やですぅううううう!ここが、ここがいいんですぅうううううう!お外、いやだ!人に会いたくないぃいいいッ!」

 

姫島さんの語り掛けに全く応じない中の人。

 

「これ、相当重症な奴だな……」

 

「部長たちが引きこもりを否定しなかったのってこう言う意味だったんすね……」

 

古参の木場と塔城さんだけは困ったような反応をしている。俺,兵藤,アーシア,ゼノヴィアさんの新参者は完全に置いて行かれている。

 

流石に気になったので部屋の中を覗き込むことにした俺と兵藤。

 

部屋は可愛らしく装飾されている。まるで女の子みたいな部屋だ。俺のような殺風景なものとは違う。

 

そんな中でひと際異彩を放つ棺桶。リアスと姫島さんがその裏にいる。ってことは、そこに『僧侶』が?

 

俺と兵藤は中に入り、二人の方へ近づいた。そこにいたのは金髪に赤い瞳を持った女の……待て、今俺の中でのギャバソセンサーが反応したぞ?

 

――『何そのクソみたいなセンサー。私、そんなの搭載した覚えはないわよ?』

 

ユノハ様、これは俺が前世から持っていた『勘』です。抽象的ですけど、いつも俺がホモに走りかけた時にストップをかけてくれたものなんです。

 

――『あんた馬鹿ぁ?』

 

はい。

 

俺の中のギャバソセンサーが反応した。それはつまり……

 

「おおっ!女の子!しかも金髪ロリ!」

 

ま、待つんだ兵藤!それ以上はいけない!

 

「見た目はこうだけど、この子、男の子よ」

 

リアスが正解を言う。や、やっぱり俺のギャバソセンサーは間違っていなかった。

 

「で、でもどう見ても女の子じゃ……」

 

「女装趣味です」

 

兵藤の縋る声を姫島さんが更に冷酷にぶった切る。

 

「な、なんでやぁあああ!?」

 

「ひぃいいいい!ご、ごめんなさいっぃいいい!」

 

「ほぉおおおお!」

 

現実に打ちのめされた兵藤は頭を抱えてその場にしゃがみこんだ。気持ちは分かる。こんなに可愛い男がいるのかよってくらい美少女なんだもの。俺だって信じたくないが、リアス達がそう言うなら信じる以外ないだろ。

 

「こ、こんな残酷な……!」

 

「腹くくれ、兵藤。俺とて信じたくないが、リアスが言っている以上は、もうそれを信じるしかない」

 

「せ、先輩……!」

 

肩にポンと手を当てて慰めるが、打ちひしがれたままの兵藤。外にいた皆も続々と中に入って来た。

 

「そ、そもそも何の女装趣味だよ!誰に見せるんだよ!」

 

「だ、だ、だって女の子の服の方が可愛いし……」

 

え、えぇ……(困惑) それは、どうなんだ?まぁ、誰かに迷惑をかけているわけじゃないならいいか。いいのか?

 

「きぃいいいい!野郎なのにぃいい!似合っているせいで、余計に真実が罠になってやがる!俺の、俺の『美少女『僧侶』』って言う夢がぁあああ!」

 

「人の夢と書いて、『儚い』」

 

「こ、小猫ちゃぁああん!それはダメな奴ぅうう!」

 

塔城さんの残虐無比な一撃が、兵藤に致命の一撃を入れた。

 

「と、と、と、所で、この方々は一体?」

 

女装男子がリアスにそう訊ねると、彼女は答えた。

 

「あなたがここにいる間に増えた仲間よ。『兵士』の兵藤一誠、『騎士』のゼノヴィア、治癒の神器を持つアーシア、ブラックゾーンの岸波大地」

 

「よろしく」

 

軽くそう挨拶をしていく俺達。俺の紹介を聞いて、女装男子の明らかに様子が変わる。

 

「ぶぶぶぶ、ブラックゾーン?!あの英雄?!」

 

「そうよ、大地こそ、あのブラックゾーンなの」

 

何やら信じていないので、俺は変身した。

 

俺のバイク姿を見せると、女装男子の動揺が面白いくらいに頂点に達した。こんな反応にもいずれ慣れていかないといかんのか……

 

「そ、そそそ、そんな!」

 

「ブラックゾーンもあなたの為にここに来てくれたの。お願いだから、 一緒に外に出ましょう?」

 

「む、無理ぃいいい!無理ですぅううう!僕に外の世界なんて無理なんだぁああああ!お外怖い!どうせ僕が出たって皆に迷惑をかけるだけなんだぁああああ!」

 

うーん、何やら闇が深めの引きこもりって情報だけは伝わって来た。この子、何に怯えているんだ?今の言葉を聞く感じだと、外自体を嫌っているわけじゃないようだけど……。とりあえず、ブラックゾーン形態を解除しておくか。

 

変身を解いた俺が女装男子への対応を考えていると、兵藤が前に出て、その手を掴んだ。おっと、こいつ強引に行く気か?それをやっていいのは、どうしようもない怠惰ニートだけや。この子みたいな若造にその手段はちょっと……

 

「ほら、部長が言ってんだから、外に……」

 

「ひぃいいい!」

 

兵藤のやり方に怯えて叫ぶ女装男子。瞬間、全身を変な感覚が走った。何だ?随分ぬるっとしたような感じだったが……

 

「何だ?」

 

俺が首を回してストレッチをしていると、女装男子君が怯えるように声を絞り出す。

 

「な、な、何で?何で僕の神器が効かないの?!」

 

「神器だぁ?」

 

もしかして、こいつ、今神器で何かしたのか?俺が疑問に思って一歩踏み出していくと、そのたびに怯えたように声を出す女装男子。完全に不良に怯える一般生徒の図だな、これ。と言うことで、助けてリアス。

 

「おい、リア……」

 

リアスの方を見る。動いていない。まるで石像になったかのように動きが止まっている。

 

え、どういうこと?

 

Side out




『時止め』と『吸血鬼』って、もう「特定のキャラをオマージュしています」って言っているようなもんだよなぁ、と。一回、ライザーと声を交換してみないかい?
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