知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

65 / 86
ポケモンチャンピオンズをやってみたいなと言う気持ちもありつつも、絶対に執筆の時間を取られると言う。



第65話 生きづらいの次元にいない吸血鬼

Side in

 

ギャスパー・ヴラディ。駒王学園1年生の人間と吸血鬼のハーフ。それが彼だとリアスから説明を受けた。何だろう、この世界ってとことんファンタジーなのね。

 

『停止世界の邪眼』(フォービドゥン・バロール・ビュー)?」

 

「そうよ。それが、ギャスパーの持っている神器の名前。能力は『時間停止』。強いなんてものじゃないわ」

 

兵藤の問いにリアスはそう答えた。

 

時間停止。俺にとって憎き連中でありながら、クソデッキにおける雑なフィニッシャーになってくれた恩人たちの得意技だ。

 

「時間を止めるって、そんなのチートすぎません?しかも、デメリットも無さそうですし」

 

「お前が言うな。何だよ、無限倍加って」

 

兵藤の言葉への俺のツッコミにリアスは苦笑する。

 

「あなた達は揃って反則よ。白龍皇の半減の力だって反則級なんだし」

 

「いや、まぁ、それはそうっすけど……」

 

兵藤も自分が『こっち側』と判断されるとは思っていなかったのか、戸惑い出す。

 

時間停止、ねー。ほんと、反則やで。これでヴラディ君にパワーがあったらそれこそ『ザ・ワールド』なわけだし。

 

「問題は、その神器を制御しきれていないこと。だからギャスパーは今まで封印されていたの。無意識に神器を発動していたら、それこそテロか何かを疑われかねないし」

 

リアスがそう言う。まぁ、あの手の奴を乱発されるのは確かに不安を煽るだろうな。

 

「しかし、そんな強力な神器持ちを部長はよく眷属に出来ましたね」

 

「それもそうだな。兵藤の言う通りだ。眷属化って、確か『王』より格下とかでないと複数の駒が必要だったり、そもそも眷属に出来ないんじゃねぇのか?」

 

兵藤と俺がそう疑問を出すと、リアスはどこからともなく本を取り出し、開いた。そして、とあるページを俺達に見せた。

 

『変異の駒』(ミューテーション・ピース)よ」

 

「「ミューテーション・ピースぅ?」」

 

俺と兵藤が声を揃える。何だそれ?

 

俺達が頭上に『?』を浮かべていると木場が説明を入れた。

 

「通常の『悪魔の駒』とは違って、明らかに複数個必要な転生体が、一つの駒で済んでしまうような特異な現象を起こす駒のことですよ。それを、部長さんは持っていたんです」

 

「へぇー、そんな面白いもんがあんだな」

 

兵藤が俺の心を代弁してくれる。そんなイレギュラーがあるなんてな。ある意味、転生システムの脆弱性とも言えるな。

 

「大体、上位悪魔の10人に一人は持っていると言われていますわね」

 

姫島さんがそう付け加えると、木場が更に続ける。

 

「その通りですね。元々は『悪魔の駒』のシステムを作り出した時に生まれたイレギュラーやバグの類とされていますが、それも一興として放置したそうです。ギャスパー君はそれを使ったんですよ」

 

「なるほどな!」

 

「イッセー君も分かってくれたかな?」

 

「要するに『クリエイター側が『面白そう』って言って残したプレイヤー側に有利なバグ』ってことだな?」

 

「あはは、乱雑に噛み砕くとそう言うことになるね」

 

兵藤の言葉で大体どう言うもんなのか分かった。そんなイキリクリエイターが顔面真っ赤にして修正パッチを出しそうなことを許す程駒の製作者は心が広いんだな。

 

「問題は、ギャスパーの才能よ」

 

「才能、ですか?」

 

「彼は類稀なる才能を持っているの。そのせいで、無意識の内に神器の性能が高まっていくらしいの。そのせいか、日に日に力を増していっているわ。上層部の見立てでは、将来的に何もせずとも『禁手』に至るのは時間の問題と言う話もあるわ」

 

「時間の問題……?!」

 

「そりゃ、随分なもんだな」

 

俺と兵藤はヴラディ君に眠る力に驚くしかなかった。マジか、彼はそんだけすごい奴なのか。

 

しかも禁手か。禁手自体が相当なパワーを持っているんだし、そりゃ危険視もされるか。

 

驚きを隠せない俺達に思うものがあるのか、額に手を当てってリアスは言う。

 

「そう、あなた達が思っている以上に危険な状態なの。けれど、今回の一件で私の評価が改められたから、『今ならギャスパーを制御できるかもしれない』と判断されたそうよ。私がイッセーと祐斗を禁じ手化させたと、上の人達は評価したのでしょうね」

 

なるほど、分からん。こういうのは無理に首を突っ込むのはやめた方がいいだろう。

 

「僕はそんな力ほしくないのに…………」

 

ヴラディ君がそう言う。そんなヴラディ君だが……

 

「……先輩、妙に懐かれてますね」

 

兵藤がそう言いながら向ける視線の先は俺の方。ヴラディ君は俺にがっしりと抱き着いたまま動かない。まるで蝉だ。

 

そういや、遥輝も昔はこんな感じで俺から離れたがらなかったな……懐かしいな……今はあんなに立派に一人で立って……

 

「能力的には『女王』である朱乃の次くらい。ハーフとは言え、由緒正しい吸血鬼の家系。強力な神器も持っている。吸血鬼の能力を有しながらも、人間の魔法使いが使う魔術にも秀でている。こうして羅列すると、本来なら駒一つで済むはずがないって分かるわね」

 

リアスがそう言う。すごいな、ナンバー2の次なのか、ヴラディ君は。

 

「部長、吸血鬼なのは分かったんですけど、吸血鬼って太陽がダメでしたよね?その辺りはいいんですか?」

 

兵藤がそう疑問を呈する。俺もそう思う。吸血鬼ってそう言うイメージだし。世の中には日光も大丈夫みたいな設定もありそうだけど。

 

「彼はデイウォーカーと言う日中活動が出来る特殊な吸血鬼の血を引いているの。だから問題はないわ。ただ、それでも苦手なことには変わらないでしょうけど」

 

「日光嫌い。でも、岸波先輩の優しい太陽の感じは好き」

 

「……」

 

「先輩、白目剥かないで」

 

ホモ疑惑の火の粉が降りかかって来たのだ。

 

兵藤に言われて正気に戻る。太陽の匂いって、それ多分アポロヌスのじゃ……

 

――『正解だ。悪いな、我とて抑えるのに限度がある』

 

――『嘘つけ、絶対漏らした方が面白いと思っているダム』

 

――『よく分かったな、ドキンダム。その通りだ』

 

こいつら……

 

「部長、こいつ、吸血鬼なら血とか吸わなくていいんですか?」

 

吸血鬼らしい問題について兵藤が触れると、リアスは答えた。

 

「ハーフだからそこまで飢えることはないわ。十日に一回、輸血パックを補給すればいいくらいね。元々、血を飲むのが苦手なのだけれど」

 

「血、嫌い。生臭いの、嫌。レバーも嫌!」

 

「この子、生きづらいとかそう言う問題ではないのでは?」

 

「今までどうやって生きてきたんだよ……」

 

ヴラディ君の我が儘に俺と兵藤は思わずげんなりしてしまった。

 

そんな我々の気持ちなどいざ知らず、ヴラディ君は俺院引っ付いたまま。別にいいよ?遥輝も昔はこうして俺に抱き着いてきたし。ただ、15の男に抱き着かれるのはあれなものはないかと思ってしまう。

 

「それにしても岸波先輩、本当にギャスパー君に好かれましたね」

 

木場がそう言う。やめろ、好かれるとかそう言う言い方はやめろ。

 

「ギャスパーの気持ちも分かるわ。ダイチってすごい安心するし」

 

リアスも何故か乗ってくる。この子、君の子でしょ?どうにかしなさいよ。

 

「とにかく、この後は私と朱乃は三すくみトップ会談の会場打ち合わせがあるから出るわね。祐斗もよ。お兄様があなたの聖魔剣、禁手について聞きたいことがあるらしいの。だからついてきてちょうだい」

 

「承知しました」

 

「他の皆はギャスパーの教育を頼めるかしら?」

 

次の予定を言い、指示を飛ばしていくリアス。俺もそれに無言でうなづいた。

 

さて、ヴラディ君をどうにかしていこう。アーシアは優しすぎるし、塔城さんやゼノヴィアさんだとぶっ飛ばしそうな気もする。兵藤はどうなるか分からんし、保護者として俺も行くか。

 

Side out




久々に王将で食べたニラレバがまぁ美味しかったです。レバーを食べていると健康志向になっている気がします。気がするだけです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。