知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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GP参加者の皆様はお疲れ様です。自分は移動費とかを考慮して余りイベントごとに出たがらない人間なので、遠目で見て楽しんでいます。主にデッキタイプの率とか。その中で変態デッキが結果を残していると元気になります。


第69話 会談開始の時

Side in

 

ガブリエルさん、何でああなっちゃったんだろうね。これ、俺が諦めるべき?

 

ま、全部ミカエルさんに投げるか。

 

という訳でやってきました、会談の時。行われるのは夜中の駒王学園。俺達はそこに制服で行く。どうやら、これが正装に当たるらしい。そう言う訳で、オカ研メンバー+俺,アーシア,シトリーさんは制服を着て、ここにいる。いつもよりオールバックをきつめにして、制服もちゃんとしている。

 

え、『シトリーさんが何でここにいるのか?』って?多分あれだろ、今回会談に出席するセラフォルーさんの妹だからって感じかと。

 

因みにオカ研メンバーとは言ったものの、ヴラディ君には部室でお留守番をしてもらっている。流石に完全に制御出来ていない時止めを会談で撃ったら、宣戦布告になりかねん。大人しく、俺と兵藤が持って来た漫画を読んで、ゲームをやっていてもらおう。

 

会談についてだが、多くのことをドキンダム達と考えた。『絶対このことを聞いてくる』とか『この質問にはこう答えろ』とか。とにかく綿密な連携を取ることにしたのだ。だから、ある程度なら対応も可能だ。

 

「失礼します」

 

っつーことで俺らはリアスに引き連れられて部屋に入る。中では随分派手なテーブルを囲うように三つの勢力のトップが座っている。

 

「……」

 

おや、アザゼルさんのお付きに朝倉さんがいるなんて。会談が終わったら、少しお話でもしようかな。

 

アザゼルさんにサーゼクスさん、ミカエルさん。三者三葉の服装を見に纏っている。どういう意味を持つかは分からんが、俺でも分かるのは『この場は超厳粛である』と言うこと。

 

「私の妹とその眷属だ。そして、ブラックゾーンである岸波大地君とそのご家族だ」

 

俺はその名を呼ばれると会釈をする。最近、ブラックゾーン呼びにも慣れてきた。これが、諦めの境地か。

 

「先日のコカビエル襲撃では彼女らが活躍してくれた」

 

「報告は受けていますよ。改めてお礼を申し上げます」

 

ミカエルさんの礼を受けて、リアスは会釈をするだけ。さて、そのコカビエルの上司はと言うと、だ。

 

「悪かったな、うちの馬鹿が。ブラックゾーン、岸波大地にも随分迷惑をかけた」

 

悪びれることなくそう言う。少しくらいは反省している態度を出してもいいんじゃねぇかなぁ……。

 

「そこの席に座りなさい」

 

サーゼクスさんがそう言って着席を促す。先にシトリーさんがいたのか、座って待っている。俺らもそれに続いて座る。隣には兵藤とアーシアがいるのだ。

 

俺らが座ったことを確認したサーゼクスさん。その口を重く開く。

 

「全員揃った所で、今回の会談についての前提条件を一つ確認したい。ここにいる者達は、最重要禁足事項である『神の不在』を認知している。それでいいか?」

 

おや、シトリーさんの前でそれを言うのか。ってことは、彼女も知っているってことか。多分、セラフォルーさんから聞かされたんだろうな。

 

周りの様子を見て、サーゼクスさんは話を進める。

 

「では、認知していると認識して、話を進める」

 

こうして話は進むこととなった。

 

その後は俺がああだこうだ言うまでもなく会談は進んだ。途中、リアスによるコカビエルの事件についての報告もあった。彼女も彼女で緊張しているのか、少し声が震える所もあった。

 

まぁ、あの子はまだ18だもんな。

 

「さて、アザゼル。この報告を受けて、堕天使総督であるお前の意見を聞きたい」

 

サーゼクスさんがそう言うと、一斉に視線がアザゼルさんに向く。アザゼルさんはと言うと、随分余裕そうにして不敵な笑みを浮かべている。

 

「先日の事件については我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者』(グリゴリ)の幹部であるコカビエルの独断で起こしたものだ。俺やシェムハザ筆頭の他の幹部には一切喋ることはなかった。奴の処理の為にこちらも『白龍皇』を送ったが、その前に片付いていた。その後、組織の軍法会議の元でコカビエルの刑が執行された。『地獄の最下層』(コキュートス)で永久冷凍の刑だ。もう二度とシャバには出て来ねぇよ。その辺りについては事前に送っておいた資料にも書いてある」

 

なるほど、冷凍だけか。リアスから聞いた話の通りだな。何だか足りないようにも思えるけど、これが皆の落とし所って奴なんだろうな。なら、仕方ないか……。

 

「何だ、岸波。不満か?」

 

アザゼルさんが俺の方を見てそう言う。あら、顔に出てたか。じゃあ、喋るしかないか。

 

「いえ、どうせなら圧縮もすればよかったんじゃないかと思って」

 

「圧縮?」

 

あ、そっか。この世界にはスーパー戦隊はない。だからこそ、あのやり方は知る者がいないんだよな。

 

俺は過去に見た犯罪者への死刑以外の最上級の裁きを話す。

 

「冷凍した上でその体を10cm程に強引に圧縮するんです。強引ですから、体は当然反発を起こします。それは激痛となり、全身を襲うでしょう。冷凍の寒さと絶え間なく体の内側から走る痛み。痛みがなくとも、『己の体を弄ばれる』と言う屈辱。刑罰としてこれほどのものはないでしょう。ただ、そうしなかったのは、間違いなくあなた方の判断です。私はそれにどうこう言うつもりはないです。顔に出ていたのなら、申し訳ございませんでした」

 

そう言って、言葉を締める。するとアザゼルさんが笑い出す。

 

「くっくっくっ、天下の英雄様も随分えぐい刑を考えるもんだな」

 

アザゼルさんがそう言うと、ミカエルさんがため息を吐く。

 

「説明になっているかも怪しいですが、そう言うことにしておきましょう。アザゼル、あなた個人が我々と大事を起こす気がないことは知っています。それに関しての確認をしておきたいのですが」

 

「あたりめーだろ。今更戦争なんてするか。その方針だったからコカビエルが面倒ごとを起こしたんだろ?」

 

そういや、前にラヴィニアが『アザゼルは神器マニアで、戦いには興味を持たない』とか言っていたな。彼女が言うことなら本当なんだろう。実際、俺も悪意とかはアザゼルさんから感じないし、神器についても制御するための研究とか何だろうな。ほら、ヴラディ君とかみたいに下手すると暴走するのが神器らしいし。

 

ミカエルさんが納得いっていない様子でいると、今度はサーゼクスさんが口を開く。

 

「アザゼル、一つ訊きたい。お前は何故、ここ数十年の間に神器所有者たちを集めている?最初は人間達を集めて戦力増強を図っていると思っていたが、天界はおろか我々にすらも戦争をけしかけてこなかった。どういうことなのだ?」

 

「サーゼクスの言う通りです。『白龍皇』を得たと聞いた時は、流石に強い警戒をしましたよ」

 

ミカエルさんもサーゼクスさんの言葉に乗っかる。それに対して、アザゼルさんは苦笑しながら答えた。

 

「神器研究の為だ」

 

そうはっきりと言うアザゼルさん。

 

「俺の耳にも届いているが、神器ってのはリアス・グレモリーの『僧侶』みたいに暴走するくせに被害がやたら出る。その上原理も詳しいことは分かっていない。あの神が遺した、俺らへの最後の課題だ。だからこそ、その面倒な課題を研究して、制御出来るようにしないと、ものによっては世界が転覆しかねん。そんなに信頼がないなら、一部だが研究資料だって送るぞ?」

 

随分軽く言うが、アザゼルさんの言うことは的を射ている。実際、その制御がままならなくてヴラディ君は悲しい目に遭ってきたんだからな。そのためにも研究は必要だ。

 

「そもそも、神器持ちを集めた所で戦争なんかするかよ。そんなな金も人員も無駄に割くようなこと、今更やってられっか。俺は今に十分満足してんだ。部下にも『人間界の政治に手を出すな』って釘を刺しているしな。宗教にも介入する気はないし、悪魔の稼業にも首を突っ込む気はない」

 

そう言うと、ニヤリと笑うアザゼルさん。

 

「お前らが俺を信頼してねぇのも分かる。だからこそ、結ぼうぜ。『和平』をよ。元々お前らもその腹積もりで来たんだろ?」

 

『和平』。その言葉に場の空気が支配され、緊張をもたらす。そうか、和平か。

 

聞けば、三勢力はずっと血で血を洗う争いをしていた。だからこそ、コカビエルのような『時代に取り残された者』を生み出すことになった。そんな悲惨な歴史が彼らにはある。

 

だけど、俺は知っている。彼らが一時的とは言えど手を取り合った事実を。希望自体は昔からあったって。

 

アザゼルさんのようなトップがそれを言うのは、重みが計り知れないだろう。でも、そのトップが言うからこそ、意味がある。そんな気がしてならない。

 

アザゼルさんの言葉に驚くミカエルさんだったが、すぐにほほ笑みに表情を変えて言う。

 

「私も、今回の会談で悪魔側とグリゴリに和平を持ちかけるつもりでしたが、まさかあなたに先を越されるとは思いませんでした。アザゼル、あなたの言う通りです。我々もこのまま戦い続ければ、確実に今の世界の害となる。天使の長である私が言うのも何ですが……戦う理由であった神も魔王も、もういませんから」

 

その言葉に、アザゼルさんはハッと噴き出して笑う。

 

「あの堅物ミカエル君がそんなことを言うなんてな」

 

「失ったものは大きいです。けれども、失ったものばかり数えていては前に進めない。人間を導くのが我らの使命。神の子らを見守り、先導するのが最優先事項だと、我々セラフの総意です」

 

「おいおい、今のは『堕ち……ああ、そうか。今の『システム』の管理はお前がやってんのか。いいもんだ、俺らの時とは大違いだ」

 

随分話が高尚なことになっている。さっきまでの『うるせぇ!和平しよう!』の雰囲気はいずこへ?

 

「我ら悪魔側も同じだ。魔王がいなくとも種の存続をするために、悪魔も未来へ進まねばならない。戦争も我らが望むものではない。次に戦争をすれば……確実に悪魔は滅ぶ」

 

サーゼクスさんもアザゼルさんに賛同するようにそう言う。アザゼルさんもそれに頷く。

 

「だろうよ。次の戦争をしたのなら、一人勝ちじゃなくて全員共倒れだ。世界を道ずれにしての、な。それはまずい。そんなことになれば、間違いなく岸波が動く。俺らを止めるために、たった一人で俺らを撃滅しにかかるだろう。俺とて恩人の手を汚させるほど落ちぶれちゃいない」

 

するとアザゼルさんの表情が今までの軽い感じから真剣そのものとなる。

 

「神がいない世界が間違いだと思うか?神がいない世界は衰退するだけだと思うか?残念だが現実は違う。俺も、お前らも、何だかんだでうまくやっているじゃないか」

 

そう言って両手を広げるアザゼルさん。

 

「神がいなくても、世界は案外うまくやれたんだよ」

 

その一言で、神云々の話は終わった。そこからは兵力だのなんだのの真面目な話。お互いに和平をしたいと言う気持ちが分かったからか、さっきまでの緊張感はない。

 

「と、こんな感じか?」

 

そうサーゼクスさんが言うと、お偉いさん方が大きく息を吐く。どうやら、緊張することはここで終わりのようだ。

 

ここからが踏ん張りどころとなる、って訳じゃない。一旦話は落ち着いたんだ、今はそれを喜ぼう。

 

平和への一歩。耳障りがいいだけと思う人もいるだろうが……これは大切な一歩なんだよ。

 

Side out




デッ......デッ......デッ......デーン!
大地君「タイムアップ!」

前作からずっと思っていたネタでした。
そんなわけで無難に話を進めるの巻。まだまだ続きます。
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