知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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美味しいものは脂肪と糖で出来ている。結果、過去に1年で激太りしたのがうp主です。大人しくダイエットします。


第70話 皆違って、皆苦労している

Side in

 

話も佳境を越えた。随分、進んだなと思うが、ここまで来るのに相当な苦労と時間を要したんだろうと思うと、感慨深いものがある。

 

「さて、話を移そう」

 

サーゼクスさんがそう言うとアザゼルさんの方を見る。

 

「アザゼル。お前が岸波君と昔馴染み……それこそ4年も前から所在を知っていた関係だと言うことは聞いている。それについて聞きたい」

 

「まぁ、いいけどよ。岸波、お前との約束についてしゃべるがいいか?」

 

「構いません」

 

そう言って俺の方に視線を向けてきたアザゼルさん。俺はうなずいた。

 

「まずだが、うちの神器持ちの女が岸波の奴と旧知の仲……っつーか初恋をするされるの関係でな」

 

「それは関係ないでしょうよ!」

 

「くっくっくっ!その反応が本当に面白れぇ。まぁ、そんな感じの関係の奴がいてな……おいガブリエル、何だその妙に強い怒気は?」

 

「アザゼル。その女の話を詳しく」

 

「ガブリエル、落ち着いてください……頼みます……。アザゼル、彼女のことは気にせず続けてください」

 

何だか場が渾沌として来たな。ガブリエルさんが妙に怖いし。何ならセラフォルーさんもちょっと怖い。

 

「その女が一回ピンチになってな。それこそ、『白龍皇』ですらどうしようもなかった。そん時に岸波がかけつけて問題を解決したんだ。で、後日話を色々聞いた。その内容については送った資料にも書いてある」

 

しかし……そうか、あれからもう4年か。時の流れは早いもんだ。ところで周りの女性陣のオーラが怖いんですよね。助けて。

 

「そんでもって、その時に約束したんだよ。そのことについても資料に添付したはずだぜ?」

 

「なるほど、その時に結んだのがあの約束達か」

 

「約束と言うには、余りに不公平なものにも思えましたが」

 

サーゼクスさんとミカエルさんがそう言うと、苦笑して言うアザゼルさん。

 

「しょーがねーだろ。岸波が無欲すぎんだよ。俺の提示した方についても、駒王っつったら悪魔の領土だ。そんな所に住んでいる奴が堕天使とつるんでるなんて知られたら、お前らの身内がどんな手を使ってでも岸波の家族を殺しに来るだろ?」

 

目を細めてアザゼルさんがそう言うと、無言になるサーゼクスさん達。どうやら、アザゼルさんの言葉を肯定するらしい。

 

「そうなったら、その瞬間から『俺らvsブラックゾーン』の無茶な戦争が始まっちまう。それに、あの頃に堕天使総督が直々にちょっかいを出したら、それこそこの場はなかったはずだぜ?あの時、俺が出来る精一杯だったんだよ」

 

更に続けるアザゼルさん。

 

「あの時は岸波大地が『家族にさえ手を出さなければこちらとしては問題なく動ける』ってだけで舞い上がっていたんだよ。そもそもお前ら、いきなり俺が『ブラックゾーンを確保したぞ』なんて言い出したら戦争を仕掛けていただろうがよ……」

 

「その通りだね☆」

 

「ええ、間違いなく」

 

「セラフォルー……」

 

「サーゼクス、あなたもですか」

 

さっきまでの緊張はどこへやら、雰囲気が緩くなってきた。何なら、サーゼクスさんとミカエルさんが妙に仲良くなっている気がする。

 

「ま、そんな感じだ。あのタイミングで岸波大地に動かれたら、俺の悲願であったこの場が成立しなかったってこった」

 

アザゼルさんがそう言うと、納得した様子のトップたち。いや、納得してなさそうなのが二人いる。

 

「さて、話も一息ついたことですし、赤龍帝殿のお話を聞きたいですね」

 

ミカエルさんがそう言う。その前にグレイフィアさんがティーカップを置いた。よく見ると、トップの皆の前にティーカップが置いてあった。休憩なのね。

 

それにしても話……ああ、前に朱乃の家で言っていたことか。

 

件の赤龍帝こと兵藤の方を見ると、何故かこっち……と言うかアーシアの方を見ていた。何かあった?

 

「アーシア、前に聞いたことだけど、いいかな?」

 

「はい、大丈夫です!」

 

え、何?おじさんハブ?てか、皆の様子を見るに、完全に兵藤とアーシアの間だけの話になってるな。

 

「ミカエルさん。何故、アーシアを教会から追放したのですか?」

 

その言葉に、皆驚いていた。理由は簡単だ。『何で今それを掘り起こした?』だ。

 

まぁ、それはそれとして兵藤の言うことは確かに気になる。ミカエルさん的にはどういう見解なのかによって教会側との付き合い方が変わってくるからな。

 

「それに関しては申し訳ないとしかいいようがありません。神が消滅した後、加護,慈悲,奇跡を司る『システム』だけが残りました。この『システム』は簡単に説明しますと、神が行っていた奇跡などを起こすためのもの。神は『システム』を作り、これ用いて地上に奇跡をもたらしていました。悪魔祓い、十字架などの聖具の効力、これらも『システム』の力です」

 

へぇ、だから悪魔がダメージを受けるのか。そんな原理だったんだな。知らんかったわ。

 

「神のものってことは……今は『システム』に不都合とかが……?」

 

兵藤がそう訊くと、ミカエルさんは無言で頷いた。

 

「現在、『システム』は私が管理しています。ですがはっきり言ってしまうと、神以外にそれを扱うのは困難を極めます。私を中心にして『熾天使』(セラフ)全員で『システム』を起動していますが……我々がうまく出来るのはその起動。その後については、お察しだと思います。神がご健在だった頃に比べると神を信じる者達への加護も慈悲も行き届きません。残念ですが……救済の範囲は限られてしまうのです」

 

「だから、少しでも『システム』に影響のある存在を皆から引き離す必要があったってことですか?」

 

ミカエルさんの説明に兵藤がそう言うと、ミカエルさんは頷いた。

 

「一部の神器……それこそ『聖母の微笑』(トワイライト・ヒーリング)は『システム』に影響を及ぼすものとして禁止神器にしています。……あなた方の言い分は分かります。こちらも報告で岸波殿の意見を確認しました。その通りです。あくまでも『神の責任』です。ですが、その責任を取る者がいなくなった今、その責任は神に次ぐ地位にある我らにあります。万能でない我々が、出来る範囲でのことをするしかなかったのです」

 

あー、これ神とかがクソっぽいな。ミカエルさん達は悪くなさそうだ。一応俺もカットインさせてもらおう。

 

「すいません、ミカエルさん。一つ訊きたいのですがいいでしょうか?」

 

「何でしょうか?」

 

「もしも、アーシアが表向きでしか追放をされておらず、ひっそりと匿われていた場合、天使はそれを確認することは出来ましたか?」

 

これは木場の過去に由来する。アーシアが言うには『そんなこと』なのが木場の過去で、天使側が容認するはずがない。なのに、木場が生まれた。と言うことは、人間が天使を騙すことなど容易なはずなのだ。

 

俺がそう訊くと、ミカエルさんは少し考えて、口を開いた。

 

「どの程度にかもよりますが、それでも普通に匿う程度であれば我々も簡単には気づき得ないでしょう。それこそ宗派を移し、その際に名前を変えるなどをされると発見も遅れることは間違いないです」

 

……オッケー、把握。

 

「なるほど、じゃあ教会も教会で何とかしようと思えば出来ていたわけだ。なのにそれをしなかったってことは……やはりあいつらは俺の敵だな」

 

「岸波殿?」

 

「一応言っておきます。俺はあなた方の味方であるつもりです。ですが、今のミカエルさんの言葉を聞いて、俺はドぐされ集団の教会とは仲良くなれないことが分かりました。『天使と教会は別』として、今後は対応をしていくことを承知しておいてください」

 

そう言うと、困ったように目を覆って、ため息を吐くミカエルさん。それを見て、ニヤニヤするアザゼルさん。

 

「ミカエル、信徒の教育をしっかりしすぎたな」

 

「ええ、まさか柔軟性に欠けた結果こんなことになるとは思いませんでした……」

 

そう言うと、ミカエルさんは俺達の方を見る。

 

「神器だけではありません。それこそ、『神の不在』を知ることもまた、信徒に影響を及ぼす。だからこそ、ゼノヴィアも追い出すしかなかったのです。申し訳ございません。あなたとアーシア・アルジェントを異端とするしか、今の我らに出来ることはなかった」

 

そう言って頭を下げるミカエルさん。それを見て、ゼノヴィアさんは言った。

 

「ミカエル様、謝らないでください。これでもこの歳まで教会の中で育てられた箱入り娘です。理不尽を感じることはありましたが、それでも理由を知ればどうと言うことはないです。それに、悪魔への転生も、少しの後悔はあれど、教会に仕えていたら出来なかったことや封じていたことが今の私を彩っています。こんなことを言ったら、他の信徒の怒りを買いますが……私は今の生活に満足しているのです」

 

ゼノヴィアさん、随分生き生きとするようになったね。これも兵藤の主人公パワーか。

 

兵藤もつっかえていたものがスッキリしたのか、少し晴れやかな顔をしている。

 

そんでもってアーシアだが、彼女も彼女で笑顔だ。

 

「ミカエル様、私も今が幸せなのです。大切な人達が沢山出来ましたから。それに憧れのミカエル様にお会いできただけでも光栄ですし、謝罪についてもガブリエル様が先日ダイチさんのお家でしてくださりましたから、私が何かを言うことはありません。寧ろ勿体ないくらいです」

 

「お二方の慈悲に感謝しま……待ってください、今ガブリエルがなんて?」

 

何だかいい雰囲気で終わりそうな所でミカエルさんが真顔になってそう訊く。

 

「先日、ダイチさんのお家に来て……」

 

「ガブリエル」

 

アーシアが復唱すると、ミカエルさんがガブリエルさんの方を見る。

 

「勝手な行動は慎めと言ったはずですが?」

 

「『愛』ですよ、ミカエル」

 

ガブリエルさんの言葉を受けて、机に突っ伏すミカエルさん。何だろう、苦労人なんだな、ミカエルさんって。

 

その光景を見て、アザゼルさんは大爆笑だ。

 

「あー、おもしろ!ミカエル、お前大変だな!」

 

「アザゼル、覚えておきなさい……」

 

「おお、怖い怖い」

 

そう言うアザゼルさん。そこから始まったのはアーシアがこの国に来たことについて。

 

要するに、だ……兵藤と四条の死についてだ。

 

兵藤が文句を垂れてはアザゼルさんに言いくるめられる。そんなやり取りが繰り返される。

 

「まぁ、それでも俺は仲間の為に力を使いますよ」

 

自分の力の立場についての表明をする兵藤。さて、この波に乗るか。

 

「アザゼルさん、前に『あんたに文句がある』って言いましたよね?今ここでそれを言いたい」

 

Side out




ここの二次創作の女性キャラ、『愛ですよ』で全てをなぎ倒しそうな人が多くなってきたな......
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