知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
――『ね、言ったでしょ?私が本気出せば、こんな苦労なんかしなくても……』
「うるせぇ」
公園で一人体育座りをする子供が一人。その名は小湊大地。和名:クソボケオンナタラシ。学名:Dekapai daisuki dosukebe eviljoe(誤字にあらず)
そんな彼は今割と最大の危機に瀕している。それは家も金もないこと。
家が無ければ雨風をしのぐことも出来ない。幸いなことに彼が今いる世界に落ちた場所は日本。そして季節は夏。雨以外は何とかなる状態だった。それでも夜風は小さな体に刺さるので公園に引きこもっている。
金が無ければ食にも困る。食うこと飲むことへの執念は彼の前世の嫁に叩き込まれたこともあって、どこぞの恐暴竜並にある。そんな奴に空腹が耐えられるだろうか。余談だが、ユノハも恐暴竜並の食欲を参考にして、彼の肉体に無駄な古傷の痕を作ったのは内緒だ。
かれこれ二日経った。空腹に空腹を重ねている大地。子供の体なせいで燃費も若干悪く、そろそろメンタルに限界が来ている。今もそこらへんの雑草を食べているし、何ならハトにカラスと言った目の間に入る全てを食らいつくそうとしかねない状態まで来ている。
最早これまでか。強引な介入をユノハも考えた。だが、そんな心配は杞憂に終わる。
ここの名は『駒王町』。様々な運命が交錯する町。その運命が、大地にもあった。
彼に声をかける二人の若い夫婦がいた。
「大丈夫?」
「君、この辺の子じゃないね」
それが、全ての始まりの出会いだった。
Side in
どうも皆様、岸波大地です実に健康体の小学生です。今は自宅の自分の部屋でのんびり睡眠を取ろうとしています。本日の夕飯は鶏むねのから揚げと白ご飯、ねぎとワカメと厚揚げの味噌汁でした。キャベツマシマシで気分がいいぜ。
この子供ボディだと健康的すぎて早寝早起きをしてしまうのがちょっと難点か。まぁ、しょうがないと思おう。健康の証だ。
さて、と。俺がどうして呑気にご飯にありつけているのか疑問に思っている方もいるだろう。
語らねばならない。俺の平和な日常について。
俺がこの世界に落ちてきて人としての尊厳を捨ててイビルジョーになりかけていたのは近しい記憶だ。そんな俺だが、公園で最後の人間性を捧げようとしていた所、俺の『両親』に拾われた。
勿論、前世の両親とは別人。オブラートに包まず言えば、赤の他人だ。
父の名は『岸波結希』。母の名は『岸波優衣』。どちらも一般人だ。しいて言うなら、滅茶苦茶優しくて、甘い人間。底抜けに優しいくせに、ちゃんと損得の勘定は出来ている人達。それと超イケメンと超美人。共働きの家庭。
そんな夫婦の二人に公園で寝ていた所を見つけられ、警察まで同行した。で、色々あった。ユノハ様から『前世のこととかブラックゾーンのことは面倒になるし、内緒にしておいた方がいい。てか、そもそも信じてもらえないと思うゾ』と言われたので、何も知らないと言う姿勢を貫いていたらいつの間にか『無戸籍の子供』とされてしまい、その同情を多くの人から買ってしまった。
そんなやらかしがあった後、警察も俺の(存在しない)生みの親を探すのは困難と早期に判断したらしく、しばらく施設で保護されていた。保護されていたのはいいのだが、死ぬほど馴染めなかったし、一か月も経たないうちに引き取り先が見つかった。それが俺を見つけた岸波夫妻。父さんと母さんだった。
その後?まぁ色々あったよ。色々あって、とんとん拍子で俺を息子として引き受けてくれることになった。面倒ごとだってあっただろうに、子供の俺には見せないようにしていたのはよく知っている。中身が大人なせいで、そう言うことも察してしまうんだが。
引き取られた後、両親の両親……つまり祖父母に当たる人にも会った。
父さんの方の祖父母はとてもいい人達で、底抜けに明るく、聖人にも思えた。それ故に俺のことも割とすんなり受け入れてくれたし、俺が訝しげにしていると、『息子だって大人で男だ。最後に決めるのはあいつ自身。その選択に自分達は文句を言うつもりはない』だって。やだ、俺の祖父母かっこよすぎ?
で、母方の方だが……こっちはまぁ、普通だった。反発もあったし、こちらを毛嫌うような視線もあった。最初から覚悟していたことだったからどうってことない。ただ、俺が『遺産もいらない。戸籍上だけの親子で充分』とか『血のつながった息子娘が出来たら俺を切ったって構わない』『二人の優しさを知れた。こんなにも面白い、満足できることがあるか』って本音を言ったら『子供にこれを言わせるか……!』なんて言っていた。なので、本心では俺を受け入れるつもりだったのかもしれない。優しい人達だ。
その後は二人の家に迎え入れてもらえた。余りにとんとん拍子で進んで怖くなり、念のため俺を引き取った理由を聞いてみたら『愛も知らない怪物を野放しには出来ない』って冗談を言われてはぐらかされた。
酔いつぶれた二人から『若くして子供を望めないと言われて、絶望していた時に愛を知らぬ獣になりかけていた主人公を見て、助けたいと思った』『将来的に里親になるつもりでいたので、それが早いか遅いかの違いでしかなかった』って聞いちゃったんだけどね。何と言うか、すごい人達だよ。
あ、そうだ(唐突) 一応言っておくが、この人達は聖人君主じゃない。普通の人間だ。さっきも言ったが、損得勘定がしっかり出来ているタイプの人間だ。ただ他の人間よりも『ちょっとだけ』お人よしなだけの人間ってだけ。
そんな人達に拾われた俺。今はとても幸せを感じている。余りに幸せすぎて、俺がここにいるのが申し訳なく思ってしまうほどだ。何なら両親に対して沢山の秘密を抱えていることが俺を潰さんと襲ってくる。
直近での秘密と言うと、血液検査で自分を誤魔化すためにユノハ様のパワーに加えて父さんと母さんの遺伝子情報……髪の毛を拝借したこととかか。
――『別にいいじゃない。どうであれ、あなたを受け入れたのはあの二人なのよ?』
っつってもなー。俺だって体は子供でも脳みそは大人だし。一線引いた感じになっちゃいがちって言うか何と言うか。せめてもの恩返しで、事あるごとに子宝の祈願に神社へ行っている。
――『まぁ、どれもこれも時間が何とかしてくれるでしょ』
それってつまり未来へ丸投げってことじゃないっすかやだー。……いや、女神であるユノハ様が言うなら何かあるのか?
ま、いっか。もう考えていても仕方ない、寝よう。
そんな風に思っているとバカでかい声が俺の中に響く。
――『だーかーら!もう飯は終わったの、ご老体!分かる?!こいつはまだ子供なの!深夜のおやつとかダメなの!』
――『今、我をジジイ呼ばわりしたな?』
――『そうだよバァアアカ!』
――『ふざけおって!』
バシンバシンと拳が当たる音と風切り音が響く。ドラゴンボールみたいな空中戦が脳内で繰り広げられている。ああ、また始まったよ。
一応言っておこう。二人いる内、片方を老害呼ばわりしたのが『ドキンダムX』で、老害呼ばわりされたのが『アポロヌス』だ。
ドキンダムX。脳内で暴れている様子から分かるんだが、見た目はどう見てもドキンダムXなので否定しようがない奴。デュエマの背景ストーリーでは革命編にて暴れ散らかし、挙句の果てにE1以来のバッドエンドにした存在。革命編ファイナルとの整合性の関係上、シャーロックが結局リュウセイに倒されたE1とは違ってガチの完全勝利が揺るがない存在。揺らいだら公式の炎上が不可避だ。
アポロヌス。こっちの見た目はデュエプレのアポロヌスだ。それも陽の方。アポロヌスって言えば皆分かるが、ワールド・ブレイクでお馴染みのあいつだ。殺意の塊である太陽の不死鳥さん。いきつよの看板クリーチャー。やることは超神羅星とデュエプレ版元祖も大して変わらないし、殿堂にぶち込まれたのも共通点とも言える不思議なカード。その擬人化。厳密に言うとアガペリオスの方だから違うけど。別名『ただのFate/Stay Night』。陰の方にもなれるらしい。
さて、何でこいつらが俺の中で暴れているか手短に説明しよう。
俺の中にはユノハ様が入れた『禁断の力』と『太陽の力』がある。ユノハ様も赤緑アポロのことを考えて入れてくれたんだろう。その力が俺の中で眠っていた。って言うか、ドライグさんとアルビオンさんの時に無自覚にブンブンしていた。その力がタイムスリップ時に形を作った。そこに元々うすーくあった力自身の自我が目覚め、そして人の形を成した。それが完全に発現したのが、父さんと母さんに引き取られた時だった。
それで二人が生まれたってわけ、と言うわけだぁ!(パラガス)
ドキンダムXとアポロヌス・ドラゲリオン。バサラとザキラの切り札とか言う特級呪物の両者なのだが、こいつらは別らしい。端的に言えば別人格って言う奴らしい。あれだ、デュエプレのストーリーと背景ストーリー、各種漫画やアニメ、本家大元の背景ストーリーの話が違うって奴だ。
『お世話係で割とクソ野郎なドキンダム』と『傲岸不遜で食う寝る以外考えてないアポロヌス』。そんな感じなのは、ユノハ様が言うには俺の影響を非常に強く受けた結果だとか。嘘でしょ。
二人は俺の人生のサポーターと言う名の居候として俺の中で過ごしていくそうだ。俺と味覚を共有していることもあって、二人とも割と満足げな様子だし、何より根っこが良い人なのもあってモモタロスか何かかと同じ扱いをしているのが現状と言ったところ。
なお、二人とも微妙にそりが合わないためにこうして今日のように喧嘩をすることが多め。あと、俺が寝ている間に脳内でちゃぶ台を囲んで、俺の記憶から再現したご飯を食べていることがある。あれね、空腹になるからやめてほしいんだよ。それにドキンダムがエプロンをつけている姿は余りにシュールすぎる。いや、公式でやってたけどさ……。
どちらも悪意はないし、なんだかんだうまくやっている。学校でも馬鹿みたいに喋りかけてくることだってないし、その学校だって何だかんだ楽しくやっている。ボッチだけど。
いいんだ。俺は一人でいても別に苦じゃないし。何より大人が子供に混じってバカ騒ぎしていたらヤバいだろ。それに、俺には近所の年上のお姉さんにいっぱい可愛がってもらっているんだ。何を恐れる必要がある。
この歳になっておねショタのショタをやることになるなんて思わなかったけど、割といい。
そんな所だ。人生なるようになるって言葉は正直嫌いだ。だって無責任すぎるから。でも、今の状況を鑑みるに、それは本当のことなのかもしれないと思えてしまう。人生って分からんな。
……そう言えば、喉が渇いた。よし、麦茶飲みに行こう。
俺はキッチンの冷蔵庫にある麦茶を目指して、部屋を出るのであった。
――『かめはめ波ぁああ!!』
――『ビッグバンアタァアアッック!!』
こいつら仲良しだな……
Side out
と言うことで、イマジン的な奴らを生やしました。どちらもブラックゾーンに縁のある存在です。これ以上は生やさないようにしていく考えです。余り多くても、うp主の才能では手綱を握り切れないですし。
過去編は出来るだけ早く進めていく所存。
ただいま一生懸命執筆をしております。もう少しだけお時間を......(パラガス)