知るかバカ!そんなことより侵略だ!   作:ブラッキオ

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色々悩むことがあり、筆が中々進まない悲しみ。まぁ、うまくやっていこうと思います。


第81話 新たな世界で新たな未来へ

Side in

 

色々、あったなぁ……。

 

――『何でスタースクリーム?意味が分からないのだけど』

 

そうは言いますけどね、ユノハ様。実際、色々あったのだから仕方ないでしょうよ。

 

リアスに聞いたが、あの会談からすぐに和平協定が結ばれたことが大々的に発表されたことを聞いた。これで、もう争いはなくなるはずだってことを知ったのだ。

 

いつぞやに聞いたアザゼルさんの願いが今回の和平ってわけだと考えると、あの人は随分長い間機会をうかがっていたんだなって思う。

 

俺もこれから争いが減るならそれに越したことはないって思うよ。

 

そんでもって黒歌のこと。あの後、黒歌にも通達が来たらしく、正式な指名手配解除はまた後日とのこと。

 

いやぁ、彼女もこれには大喜び……なんて素直になれるほど簡単なことじゃないのが感情ってものだ。

 

俺が悪魔側からの礼として黒歌のことを頼んだってことに、黒歌はぶちぎれた。『何であんたはそんなことをするんだ!』って。だからこう返した。『お前のことだから』って。黒歌は俺にとって大切な人だ。これ以上悲しんでほしくない。故に、サーゼクスさんに頼んだ。

 

黒歌は、これに呆れたのか何なのか分からんが、俺の胸に抱き着いて大泣きした。何だか罪悪感もあったが、彼女の『馬鹿』の連呼を受けて、そんな罪悪感も吹っ飛んだ。

 

俺、よくやったと思う。うまくやれたと思う。今まで失敗の多すぎる人生だったけど、それでも誰かの為に何かを為せた。俺の欠けた心が少し埋まった気がする。

 

後は塔城さんとうまくやってほしいなと思うばかりだ。

 

「ってなわけで、今日から俺がこのオカルト研究部の顧問になることとなった。アザゼル先生と呼べよ。総督でも構わないぜ?」

 

そんなわけで色々あった後日、アザゼルさんもといアザゼル先生がオカ研部室にて、俺らの目の前にいる。何で?

 

「どうしてあなたがここにいるの……?」

 

口角をヒクヒクさせているリアス。そりゃ困惑もするだろうな。

 

「そらお前、セラフォルー殿の妹に頼んだらこの役職って訳だ。ま、俺は知的でチョー↑イケメンだからな!女生徒も食いまくってやるさ!」

 

「そんなこと許されないわよ!ソーナもソーナで何を考えているのよ……」

 

「お堅いねぇ、リアス嬢は。いや、サーゼクスに頼んだらよ、セラフォルーの妹にたらい回しにされてよ、実際に頼んだらこうなったんだよ。全く、あいつらはお役所の窓口かよ」

 

随分軽いノリで決まったんすね、顧問。

 

それにしても、アザゼル先生か。何だか慣れないような何と言うか。

 

それに、すごい違和感もある。それはアザゼル先生の腕にある。確か、ヴァーリの野郎との戦闘で吹っ飛んだはずだ。

 

「アザゼル先生」

 

「お、早速そう呼ぶか、岸波。何だ?」

 

「その腕、もしや義手で?」

 

「ビンゴだ、岸波」

 

そう言うとアザゼル先生の左手がクルクルと回り出す。おお、何だか変な感じだ。

 

「神器研究のついでに作ってみた本物そっくりの義手だ。光力式レーザービームや小型ミサイルも搭載可能。そんな万能アームだ。いやぁ、一回こういうのを装備してみたかったんだよ!折角片腕をなくしたんだから、やらないわけにもいかないだろ?」

 

「あんた頭マッドか」

 

「よく言われるぜ」

 

何だか、心配して損したような気分にもなる。流石にあんな怪我なんて早々ないわけだし、俺がトップ達から離れたからヴァーリがアザゼル先生に戦闘をしかけたわけだと思うし。

 

「アザゼル先生、幻肢痛は?」

 

「安心しろ、そっちは大丈夫だ」

 

その辺も特に問題ないのか。良かった、のか?

 

「そんなわけで、俺がこの学園に滞在できる条件はグレモリー眷属の悪魔が持つ未成熟な神器を正しく成長させることだ。何せ、俺は神器マニアだからな。その辺は詳しいってわけよ」

 

親指で自分を指すアザゼル先生がドヤ顔をしている。何だろう、一発ぶん殴っていいか?

 

「お前らも聞いただろうが、『禍の団』(カオス・ブリゲード)なんてけったいな組織がこの世界にはある。将来的な抑止力として、『赤い龍』(ウェルシュ・ドラゴン)とお前ら眷属の名が挙がった。ついでに言うと、ブラックゾーンである岸波もな。っつーか、どっちかと言うと、対『白い龍』(バニシング・ドラゴン)って意味が強い。仕入れた情報によれば、ヴァーリは自分のチームを持っている。それこそ、眷属のようにな。暫定的に『白龍皇眷属』と呼んでおくか。判明している面子は今の所ヴァーリと孫悟空込みで数名だ」

 

何気に俺まで巻き込まれている。俺の平穏はどこへ行ったんだ。返してくれよ、俺の平穏。まぁ、その平穏を奪う馬鹿がいるから、こっちは戦わざるを得ないって言うのが現実だから、組み込まれても仕方ないか。

 

あー、何だかぶちぎれそうだ。何で、俺がこんなことに……泣きそうになるけど、これが現実ってことで受け入れることにしよう。

 

「ヴァーリ達はまた攻め込んできたりとかはしないんすか?」

 

兵藤がそう訊くと、首を横に振ったアザゼル先生。

 

「もう無ぇだろうよ。一応最大のチャンスだった三大勢力のトップ勢ぞろいの会談での暗殺だが、失敗に終わった。そもそも、あいつら的に岸波への理解を頭に入れてなかったのも失敗だ。奴らの狙いは当面冥界と天界だ。冥界は俺の命令で全堕天使が悪魔と共闘する。簡単に冥界を落とせると思ったら大間違いだ。天界も天界でセラフの連中が黙って指をくわえるわけもない。あっちには居候の強い聖獣や魔獣もいるしな」

 

「戦争かぁ……」

 

「いや、まだ小競り合いレベルだ。奴らも、俺らも、準備期間と言える。安心しろ、お前らがこの学園の高等部どころか大学部を卒業するまでデカいドンパチはないだろうよ。学園生活を満喫しな。ただ、折角の準備期間だ、色々備えるってのがベストじゃねぇのか?」

 

「むむむ……」

 

無い脳みそをフル回転している様子の兵藤。まぁ、アザゼル先生の言う通りならそれでいいだろ。うん、もうそれでいいよ。

 

「そんな空っぽな頭で考えたって仕方ないぜ、赤龍帝。お前の敵はあくまでも白龍皇のヴァーリだ。ブラックゾーンとの決着とか後回しにしろよ」

 

決着、ねぇ……。どう頑張っても『お前が俺に勝てるわけねぇだろ!』になりそうなのは傲慢だろうか。

 

そこから始まるアザゼル先生の物申し。

 

まず兵藤。お前は弱い。体づくりから死ぬ気で何とかしろとのこと。まぁ、分かる。あいつ、根性で何とかごまかしている感がすごいしな。白龍皇の力も一時的なものだとか言うし。その中にあった魂が神器に登録されるとか何とか言っていたが、よく分からん。

 

ついでにレーティングゲームについてもちょろっと。何でも、堕天使の間でもレーティングゲームは流行っているようで、今後はそのファン層が拡大されていくだろうって。だからこそ、赤龍帝の力ってのは分かりやすく、対策されやすいとか。

 

次に木場。こいつは禁手(バランス・ブレイカー)状態を長くしろとのこと。何でもヴァーリは一か月は禁手になれるそうだ。だから、こいつもこいつでそれくらいなれるくらいの根性を見せろとのこと。

 

次、朱乃。彼女は物申しと言うより、心配する感じ。まぁ、バラキエルさんの娘さんだもんな。アザゼル先生からすれば、ご友人の娘なわけで。そりゃ、心配の一つや二つはするか。

 

そんな感じで、詳しくは後日とのこと。

 

「さて、ここまでは先生としてだ。こっから先は、俺個人としての醜い嫉妬むき出しの八つ当たりになる」

 

アザゼル先生が何だか雰囲気を変える。さっきまでの明るい感じが一切ない。

 

「お前ら、自分がまだ岸波の隣にいられるような奴だと思っちゃいねぇか?」

 

その一言で、ビクッとする皆。え、何?何が始まるんです?

 

「リアス・グレモリーには会談の時に言ったが……はっきり言って、お前らが岸波の隣にいるなんざ、烏滸がましいにも程がある。何せ、こいつは魔王より偉いっつっても過言じゃないからな」

 

いや、そんなことはないっすよ。俺なんてただの一般人ですし。寧ろ俺の方がサーゼクスさんやセラフォルーさんに相応しくないって言いますか……?

 

「強さがお墨付きなのは周知の事実。精神性も高潔で、しかも異世界とは言え王子と来た。しかも王位継承権第1位の第一王子。格が違うんだよ、お前らとは」

 

そ、それは嘘でして……あ、胃が痛くなってきた!

 

「俺はな……いや、俺らはお前らがむかつく。俺が岸波と結んだ約束に『表に出る時は『自分の全てを擲ってでも』と言う時が来たら』と言うのがある。こいつはそれほど今までの生活に満足していたんだ。それが、こいつが求めていたものだった。だが、岸波は結局表に出た。お前ら『なんか』の為にな」

 

「アザゼル先生、いくら何でもその言い方は……」

 

「岸波、悪いが引っ込んでいてくれ」

 

流石に厳しい言い方だったので物申そうかと思ったら、鋭い目つきで止められた。この人、ガチだ。かなり怒っている。

 

「ふざけた体たらくだなぁ、おい。フェニックスん時も、コカビエルん時も。全部岸波に任せっきりじゃねぇか。こいつが静かに暮らしたいってことを分かってやったのか?自分らがそんなに偉いか?こいつの幸せをまだ奪うか?お前らの弱さで、岸波の未来を潰すのか?だとしたら、俺はお前らをぶん殴らなきゃなんねぇよ」

 

どんどんお通夜ムードになっていく。やめなされ、やめなされ……俺の胃が痛くなるのだ。

 

――『事実だから仕方ないだろ』

 

ドキンダムまでそんなこと言い出すなよ……。

 

「これ以上語ると頭に血が上りきっちまいそうになるから省略するが、岸波の求めたものを知っている身からすれば、お前らは岸波に中指を立てて唾を吐いたに相違ない。だからこそ、俺らはお前らを少しでも強くしなきゃならない。本当なら俺らまで舐め腐ったことをしたお前らをぶん殴りたい。それを我慢して、大人としてお前らガキに責任の取り方を教えなきゃならねぇ。そいつを理解出来ないってなら、岸波の前から失せろ」

 

そう言うアザゼル先生の目は怒りだけじゃない、色んな感情が入り混じって複雑な様相を見せていた。俺、そんな大層な奴じゃないのに。

 

「そうさ。本当なら俺やサーゼクス、ミカエル達が片を付けるべきものだってのに、岸波を強引にでも駆り出さなきゃ収拾がつかなくなっちまった。情けねぇよ。今、ここで殴られたって文句言えねぇな……」

 

アザゼル先生はそう言うと、深呼吸をして落ち着く。そして、さっきまでの明るい様子に戻った。

 

「っつーわけだ。お前らにはしっかりと強くなってもらう。ま、レーティングゲームをやるなら強くて損はないからな。で、話によれば近日中に若手悪魔共の会合があるんだろ?デビューが近い有望な若手悪魔がリアス・グレモリー含め何名かいるって聞いていたが」

 

「あ、え、ええ、そうね。名家、旧家、その手の若手悪魔の何名かによる顔合わせ。習わしみたいなものね」

 

なるほどな。貴族って面倒だな。

 

「テロがあったのに、そんなことしてていんすかね?」

 

兵藤がそう訊く。確かに、けったいな組織こと『禍の団』が本格的に活動し出したってのに、そんなことしてていいのだろうか。

 

そんな質問にアザゼル先生は笑顔で答えた。

 

「いや、むしろ推奨すべきだ。戦闘経験の無い現若手悪魔にきわめて実戦に近いゲームでの戦いはいい経験になる。現在の悪魔には人間から堕天使、魔獣やらの転生悪魔がひしめき合っている。相手には困らない。豊富なバトルフィールドも設置されているし、その中での戦い方も千差万別。これほど好条件な若手の育成環境はないだろうな」

 

俺が見たのはリアスとフェニックスの奴だけだが、確かに刃物や魔法が飛び交う戦場だった。そう言う意味なら、確かに手っ取り早く鍛えるならこれほどにないだろうな。

 

「案外、サーゼクス達はこういう事態を想定して、将来を見据えたこのゲームを作ったのかもな。なーに、心配することはない。この俺が直接力の使い方と神器の使い方を叩き込んでやる。それと、合宿中に試合もセッティングする予定だ。レーティングゲーム形式だ。サーゼクスにも打診済みだぜ」

 

随分用意周到だ。そこは総督だから何度もやってきたことだって感じかな?

 

「さーて、レアもの神器の研究成果を出す時だ。今後が楽しみだぜ」

 

どうしよう、急に先行きが不安になってきた。一応、アザゼル先生のことだから悪いようにはならないだろうけどさ、何かしらの実験に付き合わされそうだな。主に兵藤。

 

「ああ、そういや岸波、お前サーゼクスから『悪魔の駒』もらって改造したんだってな?」

 

おや、もうアザゼル先生の耳にも入ったのですか。まぁ、彼なら隠すこともないだろう。

 

「はい。あのままだと、俺の体に合わなかったので」

 

そう言うと、ニヤついた顔になるアザゼル先生。

 

「率直に言うが、お前について研究してみたいから一つ程駒を貸してくれないか?」

 

「いいですよ」

 

断る理由もないので、俺は『兵士』の駒を一つ取り出してアザゼル先生に渡した。

 

「(これで、こいつのことも少しくらいは分かるといいんだがな)」

 

「アザゼル先生?」

 

「ん?ああ、いや何でもない。所で岸波、お前に聞きたいことがある」

 

「はい、何でしょうアザゼル先生」

 

急に話が変わる。何だろうか。

 

「お前、もう18になったよな?」

 

「ええ、まぁ。まだ高校生なので、表立ってエロ系のグッズは買えませんけど」

 

しょうもないが、俺の誕生日は7/10にあった。遥輝は遥輝で6/20生まれなので割と近い。あんなに可愛い弟と誕生日が近いとか、神様有能すぎない?うちの女神様、ガチ有能?

 

――『え、何それ知らん。怖……』

 

それで、俺の誕生日がどうしたのだろう?まさか祝ってくれるの?ちょっと遅いとはいえ、事情が事情だし、病気と借金以外は喜んでもらうけど。

 

「岸波、ラヴィニアのことだが……「あー!あー!聞こえない!俺まだ高校生だし結婚なんて知らないー!」 こいつ……一回、女のことを教えないとまずいな」

 

 

○○○

 

 

えー、今緊急で動画回しています。

 

今日は終業式があり、何事もなく終わってこれから夏休みってことになるんですが、ちょっと問題が発生しました。

 

――『馬鹿なこと言ってねぇで働け!』

 

ユノハ様が厳しいのだ。

 

「こんにちは、大地君」

 

問題。それは大荷物を持った朱乃が我が家にいること。何で?(本気)

 

「大地君!」

 

そう言って抱き着く朱乃。待って、俺、状況が飲み込めないんだけど?

 

「朱乃、ただいまあなたのもとへ到着しましたわ」

 

誰か!誰かこの状況について説明を!

 

俺が困惑していると、リアスが説明をしてくれた。

 

「……朱乃もこの家で同居することになったわ……。お、お兄様の提案でね」

 

随分不満げにしているリアス。ふぇー、俺にはさっぱりだよー!

 

話によれば、サーゼクスさんが何の気を利かせたのかは知らんが、朱乃の同居の話を提案したそうだ。当然、真面目なリアスはこれに反対した。自分の『女王』をこんな不埒な阿呆に近付けたくないって言う親心から来たのだろう。ただ、現実はこうなっているので、屈したのだと思う。

 

因みに我が家に来た理由は『家である神社の改装が手違いですぐに始まったにも関わらず、工事自体はすぐに始まらず、家に住めなくなった』と言うものらしい。

 

なるほどな、俺には知らない世界があるんだな。そう言うことにしよう。

 

で、何で朱乃は俺にくっついているの?後ろのリアスとアーシアの視線が怖いんだけど。

 

「大地君、今晩は一緒に寝ましょう♪」

 

甘美な誘いだが、俺にはどうしようもない感がすごいのだ。助けて、皆!

 

――『アポロヌスさんや、今晩の献立は鯵のピカタ風にイカとトマトのマリネダムよ?スパゲッティはトマトとバジルのシンプルな奴ダム』

 

――『それは良き。我を満足させられるか見ものだ』

 

こいつら、マジでなんだよ……!

 

――『まぁまぁ、これも全部あなたの因果、運命だから。悪いものじゃないし、受け入れていきなさい』

 

ユノハ様までそう言うか……。

 

「そ、それではお母様。家のことについては……」

 

「ええ、大丈夫よ。わざわざありがとうね、リアスさん」

 

リアスと母さんが何やら話をしているが、よく分からん。家がどうしたんだ?現状だと若干狭いのは確かだけど。

 

それにしても夏休みか。俺も受験に備えて追い込みをしたいが、そうも言っていられないのが現実だ。最悪、駒王大学部を諦める道も考えている。そうならないように努力もしているけどね。

 

別に自分がやれやれ系になったつもりはないが、何と言うか……色々変わったなぁと思う。

 

果たして俺はついていけるだろうか。この世界の速さに。

 

Side out




と言うわけで4章の終わりです。次回は5章。はてさて、どうしましょうかね......
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