知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
俺は話を改変した戦国編の話をすることにした。
始まりは父上の元に来たシーザーからの援軍要請。父上の代理で俺が出ることとなった。行先は、次元の狭間で行われる『戦国武闘会』。
俺はシーザー率いるナイトと共に多くの勢力と戦い、勝利した。だが、その勝利を妨げる者達がいた。それはサムライ。
俺はアレクサンドルⅢ世と共にボルメテウス・武者・ドラゴンとヴァルキリアス・ムサシと戦うも、敗北する。
その後は何とか勝ち星を付けていくが、その道中でボルバルザーク・紫電がパワーアップしてシデン・ギャラクシーとなる。俺は奴の情報を得るために勝てぬ戦いと知りながらも挑み、敗北する。
その後、ナイトの一人であるロマノフⅠ世が裏切り、禁忌の兵器であった超銀河弾HELLが暴走する。
それを止めるため、シノビたちが犠牲となり、シデンとシーザーが命をかけて破壊した。俺のことを『銀河一の戦士』と言って死んだ。
俺は無力さを感じながらも、生き残ったわずかなナイトたちをまとめるアレクサンドルⅢ世と共に戦いを生き抜いたことを喜び合い、再び出会うことがあればまた共に手を取り合うことを誓った。
そんな感じのお話だ。
そもそも問題、何故俺が戦国編の話を改変したのか気になる人もいるだろう。結論から言うと、『シーザー贔屓をするため』である。俺ね、シーザー好きなの。ガキの頃に紙ですごい憧れていたし、デュエプレでもデッキを組むくらいには好きなのだ。だから、大戦犯とか言われている彼をどうにかしたいと思ったのよ。
そんなわけで話をしてみたのだが……
「うっ……うっ……!」
ミリキャス君、随分お気に召してくれたようだ。お気に召しすぎて泣いているよ。
俺は不安になって細川さんの方を見る。にこやかなままだ。うん、助け船はない、と。
「ミリキャス君?」
俺がそう声をかけると涙を拭うミリキャス君。すると、小さな声で俺に質問をする。
「岸波様は……岸波様は多くの大切なものを失ってなお、どうしてそうも強くあれるのですか?」
強くあれる、か。随分難しい質問をするね、ミリキャス君。
「そうだな……うーん……」
今の話から何を感じたのか、俺には分からない。何せ、ドキンダム達が言うには俺は鈍感らしいし。その上でミリキャス君の子供特有の感受性が重なると、縁のない世界なんてもんじゃないしな。
なら、考えすぎてもあれだし、俺が思っていることを言うだけだ。
「『意地』だ」
「え?」
きょとんとするミリキャス君。俺は言葉を続けていく。
「俺は多くの人間達にその背を押されてここにいる。だからこそ、俺はそいつらを守りたい。俺を支えてくれた皆と一緒にいたい。そいつらが託してくれたものを抱いて、前に進みたい。王族とかそんなものじゃなくて、一人の人間として。そのために、俺は『意地』を張っている。どれだけ恐ろしいことがあっても、俺は大切なもののためなら戦う」
始まりは巻き込み事故だったかもしれない。神に決められた運命だったかもしれない。それでも、その道を選んだのは俺だし、その運命って奴で色んな良縁にも恵まれた。ならば、俺はその運命に殉ずる。気に入らない運命には戦い、変えてやる。それだけだ。
「たった一つ誇れるものはこの身を投げ出す勇気 お前を信じ全てを託した願いを見捨てるな」
ふと前世で散々聞いた『鋼のレジスタンス』の一節が出てしまった。あれ、いい曲だよな。今度作るか。
「すまない、ちょっとしたことを考えていた」
俺はちょっとだけ笑うと、すぐに真剣な目に変える。
「俺は、弱い。支えられてようやく一人前だ」
俺の言葉を真剣に聞くミリキャス君。そんな堅くならなくていいのに。俺の言葉なんて所詮はただの戯言だよ。
「人が一人で出来ることなんて、限られている。半人前なら猶更出来ることなんざ、たかが知れている。伸ばせる手の長さも、限りがある。だからこそ、手を繋ぐんだ。自分だけでダメなら、誰かの助けを得て手を伸ばす。それが俺のポリシーとか、それこそ意地って奴かな」
さて、ここまで来たら多感な少年によくない影響も出るだろうな。ちょっと釘を刺そう。
「俺の道をなぞろうなんて考えるなよ、ミリキャス君」
そう言うとビクッとするミリキャス君。
「何故、でしょうか?」
そう恐る恐る聞いてくる。それには答えがある。
「俺の道は、本来誰も歩んではならない修羅の道だからだ。俺はそれを行くしかなかった。それでしか、零れ落ちるものを守れなかったからだ。でも、それは最終手段。文字通り
かく言う俺は、嘘に嘘を塗り固め、本当に後がないことばかりだったのでここまで来てしまったようなもんだ。色々あったが、後から『もっとうまく出来たはずだ』なんて後悔することだってあるしな。
「今言ったが人一人で出来ることは限られる。だからこそ、今の自分が出来ることを全力でやることだな。それでも無理なら、俺の深淵を覗くといい」
俺は濁しながらそう言う。前世でもキャパを越えた仕事をやろうとしてダウンした阿呆がいたからな。社会とは、簡単ではないんだよ。
俺がそう言うと、何か思案するミリキャス君。すぐに顔を上げるが、涙とは無縁そうなとても晴れやかなものだった。
「僕、分かりました。無理することが、いいことじゃないって」
「ミリキャス君?」
「『今の自分が出来ることを全力でやる』。そのために、僕はまだ力を蓄えなければならないんです。何だ、そんなことさえも分かっていなかったなんて……お恥ずかしい限りです」
何やら、俺の話に感銘を受けた様子。俺、一応釘を刺したつもりだったのになぁ……。それに、その言い方だと、無理をしていたような感じじゃないか。子供だってのに、おじさん心配になっちゃうよ?
勢いよく立ちあがるミリキャス君。その目はここに来た時よりも一層輝いていた。
「ありがとうございました、岸波様!僕は、僕のやれることを全力でやります!」
「そうか、無茶しすぎるなよ。君のことを大切に思う人達を泣かせたらダメだからな?」
「っ!はい!」
そう言って、部屋を出ていったミリキャス君。残るのは俺と細川さんだけだ。
「ありがとうございました、岸波様」
「細川さん?」
突然の感謝。どういうこと?
「最近のミリキャス様は少し努力のしすぎな面がございましたので、いつか倒れてしまうのではないかと従者一同不安に思っていました」
「なるほどな。それを俺が『やれる範囲で頑張る』に抑えたってことか」
「そう言うことでございます」
そうなると、俺はあの子供の無茶無謀を水際で止められたってことか。細川さん達も従者である以上強くは出られないだろうし。運が良かったとしか言えんな、これは。
「礼はいらんからな。あくまでも、俺の一人語りで何かを見出したのがミリキャス君なんだから。俺がどうにかしたわけじゃない」
「おや、謙虚なのですね」
「なら、『お前が欲しい』くらい言いましょうか?」
「それがしは安い女でないと先ほど申したばかりですよ?」
「面白い人ですこと……」
何だか落ち着くようなやりとりを細川さんとする俺。これが新手のナンパって奴か。俺には分からんな。
それにしても……『騎士』の駒が妙にざわついている。まるで細川さんを求めるように。一体どうしたんだ?
Side out
いくら原作よりまともにするとは言え、ここまでおっぱい要素が減ると個人的にも思うものはあると言う。
戦国編大改変については色々あると思いますが、まぁ、そこは二次創作ってことで一つよろしくお願いします。