知るかバカ!そんなことより侵略だ! 作:ブラッキオ
Side in
アザゼル先生から朱乃を託されると言うバラキエルさんが聞いたら憤死しそうなことがあってしばらく、俺はベリアル家の方がグレモリー邸に来た。彼らに連れられて俺はベリアル家の邸宅前まで魔方陣で飛んだ。
魔方陣の光が止むと、そこにはグレモリー邸のような門が……
「いや、何やこれ……」
グレモリー邸もグレモリー邸でとんでもないお家だと言うことは分かった上でハッキリ言う。ベリアル邸、グレモリー邸以上だ。
貴族にだって序列はあるだろう。いや、公爵や侯爵のように格だったり役職が違ったりなんて普通だ。だからこそだろうか、ベリアル家ってのがグレモリー家以上の影響力を持っているのがこの門だけで伝わる。
俺がその光景に圧倒されていると、こちらに向かってくる人が一人いた。それは俺の見知った人でもあった。
「この門は俺の栄光で作ったものでね。元々ベリアル家はグレモリー家のような大きい家と婚姻を結ぶような家じゃなかったんだ。だからこそ、『折角だから』と思って、な?」
そう言う人は、ディハウザーさんだった。
「久しぶりだな、岸波君」
「お久しぶりです、ディハウザーさん」
あの密会からちょくちょく連絡はしていたが、こうして顔を合わせるのは久しぶりになる。いや、久しぶりって言うほど時間は経ってないか。
「長旅だっただろう?それに、ここ最近は君も仕事で手一杯だったはずだ。疲れも溜まっているだろうし、立ち話は後にしておこう」
「そうしていただけるとありがたいです」
思えば、直近の俺は中々ハードスケジュールだった。ゆっくりしたいのは本当にその通りだ。流石はディハウザーさんだ、気遣いまで冥界最強か。リアスや朱乃も気遣いの天才だが、あの子はほら、ボディタッチで俺の精神を削りに来るから。
俺は開いていく門を見上げながら、ディハウザーさんに連れられていく。いや、本当にこの光景には慣れないな。これに慣れたら、いよいよ俺が俺じゃなくなるような気がしてならない。俺は永遠の庶民。初期版レッドゾーンを4枚セットで貰うだけで十分嬉しいんや。
「グレモリー家でも見たのではないのか?」
余程おのぼりさんだったのだろう。ディハウザーさんは苦笑しながら、俺にそう言ってきた。何だか恥ずかしいな。
「一応見ていますけど、それでも慣れませんよ」
そんな風に返してみる。
俺はディハウザーさんと他愛ない話をして、ベリアル邸へとたどり着いた。目の前の門の前には妙にタッパのデカい女性が二人も仁王立ちしている。ちょっと圧がすごいが、どちらもすごい美人さんだ。思わず見惚れてしましいそうなくらいに綺麗な方々だ。
「おかえりなさいませ、ディハウザー様」
「そこまで遠出をしたつもりはないのだがな」
何やら知った顔らしい。てか、彼女はどっからどう見ても門番だ。赤髪で、片手にはでっけー斧を持っているし、いかにもって感じ。もう一人は静かにこちらを見つめている。銀髪の綺麗なお方だ。ちょっと値踏みされているようで複雑な気分になる。
「彼が岸波大地、ブラックゾーンだ」
久しぶりにその名で呼ばれたような気がする。そのせいでちょっと心臓がキュッとした。
「なるほど……」
斧を持ったタッパのデカい女性がこちらを見てくる。え、何です?キスですの?
童貞丸出しの妄想をしていると、目を瞑ってフッと息を一つ吐いた斧の女性。
「何故、ディハウザー様が入れ込むか、少しだけ分かりました」
「お前は他者を見る目が優れている。いいだろう?」
「その通りです。では……開門!」
斧の女性がそう叫ぶと、後ろの門が開いた。
「では、お通りください」
随分仰々しいなぁ、なんて。俺はディハウザーさんに続いて、門をくぐった。
「ディハウザーさん。彼女達は?」
俺はさっきの斧の女性とずっと無言の女性について訊いた。すると、ディハウザーさんは笑顔で答えてくれた。
「赤髪の方は昔からベリアル家に使えてくれている家の娘だ。もう一人は、俺の妹だ」
「妹さん?」
へー、ディハウザーさんって妹いたんだ。じゃあ、俺と同じでお兄ちゃんだ。
「まぁ、元々は従妹だったんだが、色々あってな」
……聞かなきゃよかった複雑な家系。
「それ、聞いてよかった奴ですか?」
俺がそう訊くと、いたずらっ子のような困り顔の笑みでディハウザーさんは言う。
「これもちょっとした布石さ」
「……お戯れがすぎますぜ、旦那」
この人も存外愉快なお方なんだなって痛感しました。
そうして連れられる俺。ベリアル邸の入り口へと連れられると、そこにいたのは俺の知った顔が二つ。
「おっ、結菜にアイシャじゃ……」
俺がそう声をかけようとすると『シーッ!!』とやって、俺を黙らせてきた二人。え、何?今まで放っておいたせいで嫌われた?んなわけあるか。アイシャはともかく、結菜はそんなことをするような女じゃないことは知っている。俺とて流石に放置しすぎたと反省はしているがな。ほな、何か理由があるんだろう。
結菜が扉の隙間を指さす。よく見ると中から様子を見ていたようだ。どれどれ、俺も気になるので少し拝見を……。
中をこっそり覗くと、そこにいたのは四条と金髪の美少女。何やら喧嘩中だ。
「きーっ!これだから男はケダモノなのです!気持ち悪い!」
「ケダモノはともかくとして、気持ち悪いはないだろ!俺だってそれなりにモテるつもりだぞ!」
「だとすれば、その婦女子の男を見る目がないだけです!」
「きーっ!何だとこの野郎!」
『零ちゃん落ち着けよ……』
「うっせー、カリュドーン!ったく、ここに来た時からいっつもいっつも絡んできやがって!しかもそっちから来やがって!何だ、ストーカーか?!」
「ストーカーはあなたでしょうが!馬鹿馬鹿しい!そもそも、そんな時間があるのなら雑草でも抜いてます!」
「俺が雑草以下だって言いてぇのか?」
「あら、あなたでもそう言うことはお分かりになるのですね?」
「この女ぁ……!」
何やってんだあいつら?
「おや、随分仲がいいのだな、二人は」
ディハウザーさんもそう言って覗いている。
「知り合いですか?」
俺がそう訊くと、頷いた。
「フェニックス家の娘でね。ルヴァル氏やライザー氏の従妹にあたる子だ。『多くの『フェニックスの涙』と引き換えに鍛えてくれ』と頼まれていてね」
なるほどな。アーシアのような回復手段が限られるが故にそう言った方法で回復手段を得ているって訳か。政治、難しい。
「あの二人、私達がここに来た時からずっとあの調子でね」
結菜がそう言うが、その顔は随分優しい笑顔だった。まるで息子の旅立ちを見守る母親みたい。かく言う俺も、あんな年相応な感情をむき出しにしている四条を見てほっとしている所がある。
「先日も疲れて寝ていたフェニックス家のご令嬢に布団をかけてあげたりするなど、四条君も随分紳士的にしているのですが、相手が相当男嫌いなようで、あの様子です」
アイシャがそう言う。へー、そうなのか。随分仲良くなったんだな、四条。お前、何だかんだ言って友達作りの才能あるぞ?俺を見てみろ。泣けるぜ。
「さて、そろそろヒートアップしそうだから、入った方がいいのではないか?」
「それもそうですね」
ディハウザーさんと結菜がそう言うと、扉を開けて中に入った。俺もそれに続いた。
扉が開く音で、中で喧嘩していた二人がこちらに気付いた。
「あっ!岸波先輩!」
そう言って、尻尾があったらすごい勢いでブンブン振っていそうな感じでこっちに来る四条。お前、そんなに犬っぽかったっけ?
「お久しぶりっす!」
「ああ、そうだな。修行とか順調か?」
俺がそう言うと、泣きそうな顔になって四条は言う。
「運動とかならいいんですけどぉ!勉強とかマナーとかの方がつらい!」
こいつ、兵藤と同じようなことになってやがったか。まぁ、そこはしゃーない。こいつだって元どころか進行形で庶民なんだからな。
「それに、あの女がいっつもいっつも俺のことをいじめてきて!」
「ちょっと失礼です!あなたがいつも私を襲うからです!」
「んなことしてねぇよ!誤解っす!先輩!俺、無実っす!」
「はいはい、分かってる分かってる……」
仲がいいのか悪いのか……。俺は四条の頭を撫でてやる。全く、こいつと来たら……。
「彼がブラックゾーン、岸波大地だ」
「ンギギギ……本当にこんなケダモノの先輩が男で、ブラックゾーン様だなんて……!」
ディハウザーさんが金髪の美少女に俺のことを説明している。金髪美少女も何やら悔し気と言うか、憎々し気と言うか、苦悶した顔で俺の方を見ている。
「わ、わたくしはエイカ・フェニックスです。い、以後よろしく……」
「あー、いいよ。男、嫌いそうだし。な?無理しないで?そもそも俺、フェニックス家には恨まれることしかしてないから」
俺がそう言うとパーッと顔を明るくし、その刹那でイラっとした表情で四条を見るエイカさん。
「ありがとうございます……全く、何故先輩がこれだけ気遣いが出来るのに、この人間は……」
「聞こえてるからなー!俺だって耄碌した覚えはないからなー!」
お前ら仲いいな……。
「さて、こちらは疲れた客人を案内せねばならないからな。失礼するよ。斎藤氏とエクシア氏はこの後学校で出された課題をこなさねばならないだろうし、四条氏とエイカ嬢は勉強会があるだろう?」
そう言って場を仕切っていくディハウザーさん。それを聞いて、忌々しそうにするエイカさん。
「全く、ケダモノと一緒だなんて……」
「だから、ケダモノじゃない。四条零児だと何度言ったら分かる。まさか、認知症か?」
「調子に乗らないでください。気持ち悪いです」
「この女ぁ……!」
四条、お前もお前で女に苦労してんだな。お互い頑張ろうや。
俺はディハウザーさんが呼んだメイドさんに連れられて、俺がこれからお世話になる部屋にまで案内された。
Side out
四条君にもヒロインを出しましょう。そんな感じでオナシャス、恋姫様。オリキャラをドンドン生やしていくZOY。