苦痛を愛せない者の巡礼   作:プロムン大好きカリジャナリ

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大きな流れが変わるには、まだ足りない。


流されるままに

「ところで...やっこさん、カタにするもんは持ってたりするんかぇ?なんかみんな身なりが...。」

 

店主が私たちの身なりから値踏みをするようにこちらを見渡してくる。

しかし、囚人の身なりはお世辞にも良いものとはいえず、

恰好から店主は露骨にこちらを見下したかのような視線を向ける。

その視線は囚人の中でも一際目立つ格好をしたダンテに留まると

 

「おほぉ...あの時計頭は良い値が付きそうかのぉ。」

 

と言葉を漏らす。

 

「見積るとどれくらい、じいさん?」

 

その言葉に金の匂い釣られたロージャが食いつく。

その様子にダンテが少し慌てたかのような様子でロージャへと歩み寄っている。

 

「連絡を受け取ったかは分からないのですが、私たちはリンバス・カンパニー所属で...。」

 

その横で店主にファウストが近づき話しかける。

しかしファウストの言葉は店主には届かず、

店主はホンルが持っていたハンカチに視線を向けている。

 

「あぁ、このハンカチは家から出るときに持ってきたものなんですけど...。」

「おほぉ...絹に龍の刺繍を入れてあるの。ステッチが細かいのがこのくらいなら...七百万...(アン)?」

「たったそれくらいの布きれがそんな高ぇのかよ!?眼が腐ってんじゃねぇのか、じじい!?」

 

ハンカチを査定した店主から出た金額にヒースクリフが有りえないといった様相でその様子を眺める。

 

「は?こんな高級品がわからんのかぇ...はぁ、そんなガラクタの指輪なんてはめてるからの...チッチッ。」

「...今何つった。」

 

店主の言葉にヒースクリフが怒りを露わにし、今にも殴りかかりそうな勢いで詰め寄っていく。

その様子をロージャが鬱陶しく思ったのか、ダンテに止めるよう催促する。

 

「ヒースクリフさん!お、落ち着いてください!」

 

そんな様子を横目にヒースクリフを慌てて止めるように動いていたシンクレアの加勢をしに

私が近づいたところで質屋に私た以外の声が響く。

 

「心配したじゃないですか、ファウスト。」

 

その声を聞いた囚人たちはいっせいにそちらへと目を向ける。

するとそこに居たのは1組の男女、エピとソードがいた。

 

「会うのは4時だったんですが、15分も過ぎてしまって。

あなたが時計を見る方法を忘れたはずはないでしょうし、そうですよね?」

 

ソードは店内に入りながらファウストに語り掛ける。

 

「はい、バスを運転したのは私ではないですからね。」

「あはぁ、だからこんな時計人間まで連れて歩いてるのか?アラーム機能はなかったみたいだなあ。」

 

二人は此方を見下した様子を隠しもしない物言いをしながら悠々とこちらへ近づいてくる。

その様子にダンテ含め何人かの囚人がイラついた様子を見せる。

知ってる身としては重要な作戦を任されておきながら失敗した私たちをまっとうに仕事を熟せている彼らが見下すような態度をとるのには少し納得感はある。

 

「あぁ、お前たちか?この前の黄金の枝の奪還作成をぶち壊しにしたやつらって。

都市で屈指の天才が所属するチームだって話だったから、周りからもかなり期待されてたんだけどな。」

 

それはそれとしてそんなに言わなくてもいいんじゃないかとは思うんだけど...。

 

「なんだか...ファウストさんの顔色がずっと悪そうに見えますけど。」

「私の表情はいつも同じでしたよ。」

 

ソードが露骨にファウストへと言葉を掛ける。

それに対してファウストは毅然とした態度を貫いている。

そんなやり取りの横でヒースクリフがイサンを横目に話し出す。

 

「おい、おめぇは何でじっとしてんだよ?こいつもそこそこ頭脳派だろ。無視すんなよ。」

「ただ、いたずらなることゆえ」

 

その言葉に気乗りしていない様子のイサンは淡々と返す。

 

「お前地下だと饒舌じゃなかったか?なんでまたそう変になったんだよ?」

「当職もあんがいさんざん、さなることを言わるるなりけり。」

 

そんなイサンにヒースクリフが旧L社での様子を引き合いに出して尋ねるが、

当の本人はうんざりしたかのような様子で言葉を返す。

そんな様子にヒースクリフは一瞬苛立ちを見せるも、すぐに無意味と悟ってため息を吐きながら下がっていく。

 

「最初の任務はそもその失敗を念頭に置いた計画でした。

各自の潜在能力を確認する時間が必要だったから。」

 

ヒースクリフとイサンのやり取りが行われていた後ろでファウストは前回の作戦について

もっともらしい言い訳を並べ立てていた。

 

「...そうだったのか?」

「最初から目標が失敗の作戦だなんて、作戦と言うには妙だな。」

 

その言い訳にウーティスとグレゴールだけが疑問を浮かべていた。

 

「ヴェルギリウスさんはどこに行きました?私はあの方に会えるかと思って作戦に合流すると言ったんですが。」

 

そんな言い訳や、ヒースクリフとイサンのやり取りなど知ったことではないかのように無視し、

ソードは自身の目的を語り出す。

 

「あの方も恥ずかしかっただろうな。こんなひよっ子たちと一緒だって考えてみろよ。」

 

エピも自らが幼稚と蔑む集団と件の特色が一緒にいる状況を想像してか、

此方をあざ笑うかのような言葉を投げかけてくる。

 

「くっ...あん野郎、わざと遠いところで降ろしたのか?オレらが恥ずかしいから!?」

「...どうして私たちを卑下する発言には誰も反論しないんですか。」

 

その言葉を聞きヒースクリフはヴェルギリウスに対して怒りを湧き上がらせる。

一方でイシュメールはその言葉に含まれた自分たちを侮辱する発言に対し不快感を露わにする。

 

「それに自己紹介でもした方が自慢であれ、虚勢であれ意味があるってことはご存じないんですか?」

 

イシュメールはその不快感を隠さないまま、今だ名前も聞いていない二人に対してお返しとばかりに皮肉を飛ばす。

 

「今回、共同作戦をすることになった方々です。リンバス・カンパニークリア部署、LCCからいらっしゃいました。」

 

そんなイシュメールの言葉に答えたのはファウストだった。

ファウストは彼らがどこの者達であるかを淡々答える。

 

「ビフォーチームまでつけてくださいよ。あぁ、私はソードでこの人はエピです。」

 

そのファウストの言葉に続くようにソードがエピの分も含めて自己紹介を行う。

...今思えば、エピとソードがLCCBの所属であることをファウストが知らなかったとは思えないからわざとビフォーチームを抜いて紹介したのかな?

 

「まぁ、拍手でもしたほ「わぁ!お会いできて嬉しいです!」...。」

 

自己紹介を終えた二人を見てヒースクリフが何か言葉を紡ごうとしたその時。

ここまでの陰湿なやり取りなど知らないと言わんばかりに心底嬉しそうな顔で二人の元へとホンルがやってくる。

 

「...フフッ」

 

そんな様子を見てここまでとの温度差にちょっと声が漏れてしまった。

...まぁそんなこんなでホンル以外の囚人たちは警戒心と冷然とした態度を露わにしたまま

お開きとなった。




前回投稿から約1か月が過ぎてしまったよ...本当に申し訳ない。
社会に出て仕事をしながら執筆するって大変ですね。
これを平然とやってのけている人はほんと尊敬します。
いや~予め不定期更新と更新頻度が落ちると予防線を張っておいてよかった!
それはさて置いて、本当なら戦闘まで行けたらなと思っていたんですけど...
ただでさえ前回更新から日が経ってるのでここはきりがいいところで一つ話を上げておこうと思い
挨拶終わりまでの流れで区切りました。

いやぁ主人公なのに全然喋ってないですね。これじゃあただのリンバスカンパニーですね。
まぁ本領はカジノ行ってからになると思うので気長に待っててくれたら嬉しいです。
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