ポケットモンスター ブラック・ホワイト とあるトレーナーが綴る、イッシュ地方の旅路 原作ゲーム沿いノベライズ   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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プラズマフリゲート:初めての乗り込み(あるいは、新主人公がフリゲート艦のステルス性能を物理的な反射係数で否定し始める瞬間)

ホドモエの港、冷たい潮風とともに僕たちの眼前に現れたのは、物理的に「悪の美学」を具現化したような巨大な黒い船。……けれど、僕は思うんだ。……これほど巨大な質量(質量保存の法則を無視したレベルの鋼鉄)が港に浮いているのに、イッシュの防衛システムが物理的に沈黙しているなんて、あまりにも国家安全保障のインフラが機能不全に陥っているのではないか、と。

 

「……は? なあ、ヒュウ。見てよこれ。甲板にいるプラズマ団員、僕たちが正面からタラップを駆け上がっても『侵入者だー!』って叫ぶだけで、物理的な迎撃トラップの一時起動すら間に合ってないんだ。……ゲーフリさん、この62話という重要局面で、敵組織の警戒レベルを『チュートリアル並み』に設定し直すなんて、潜入捜査の緊張感を物理的に台無しにしてないかい?」

 

 ヒュウは船体に刻まれたプラズマ団の紋章を見つめ、復讐という名の燃料を物理的に点火し、暴走するエンジンのように甲板へと飛び込んでいった。

 

「……ッ! 俺は警備の質なんてどうでもいい!! この船の中にチョロネコを奪った奴らがいるなら、俺はエンジンルームごと物理的に粉砕してやる!! 効率だの安全保障だの言ってねえで、お前もその冷たいツタージャと一緒に、この鉄の塊を物理的に解体しやがれ!!」

 

「ヒュウ、粉砕しても僕たちが海に沈んで『ひんし』状態になるだけだよ。……効率的にいこう。……この船の動力源から発生している熱走査パターンと、通路の気圧配置。……これらを統合すれば、プラズマ団の幹部たちが物理的にどの階層に密集しているか、既に3Dマップ化は完了している。……怒りに任せて通路を走り回るのは、迷路という名の論理パズルを解けない者の時間の浪費だよ。……それは僕の構築する『プラズマフリゲート完全制圧のアルゴリズム』において、最も排除すべき熱量なんだ」

 

 甲板で待ち構えていたプラズマ団員たちが、二年前の「白黒の理想」とは異なる、どこか機械的で冷酷な殺気を物理的に放ちながら襲い掛かってくる。

 

「(……ッ!? 出たよ、モブキャラの一斉掃射!! ゲーフリさん、このタイミングで『新生プラズマ団の洗練された制服』を物理的に披露することで、組織の先鋭化をアピールしてくるなんて、最高に厨二心を物理的にくすぐりに来るだろ!! 僕のツタージャも、敵の繰り出す未知の毒ポケモンを見て、自分の免疫系が物理的に崩壊する未来を予見して、蔓のしなりを最高濾過モードに設定し直しているじゃないか!! 十五年間の思い出を人質に取った、鋼鉄の潜入アクションだよ!!)」

 

 僕は静かに、船内の監視カメラの死角を計算しながら、最短距離での突破を試みる。

 

「……無駄ですよ、団員の皆さん。……君たちの配置パターンが、単なるマニュアル通りの等間隔警備に過ぎないなら、僕はそれを物理的な死角として利用するだけだ。……黒い船体はレーダーを攪乱するかもしれないが、僕の脳内にある構造解析プログラムは一ミリの座標のズレも許さない。……悪のプライドを、敗北の言い訳にはさせない。……さあ、テロリストという名の非論理を、僕の完全無欠の『構造デバッグ』の中に沈めてもらおうか」

 

 一方で、チェレンさんはジムリーダーとしての責任感から、港の混乱を収拾しつつ、僕たちの「無謀な乗り込み」を冷静かつ心配そうにバックアップしようとしていた。

 

「やれやれ。プラズマ団、君たちの船はイッシュの海域を物理的に凍結させそうな不気味さだけど、主人公くんのその『敵の本拠地を住宅展示場の案内人のように淡々と解説するような戦い方』は、ある意味でハンサムさんの捜査よりも容赦ないかもしれないね。……世界はより鋭利になった。闇を振り払おうとする者と、それを構造欠陥として解析する者。……ちなみに、チェレンさんはさっきから船の排気口の温度に興味を持って、『わあー! この排熱、すっごく安定してて、僕の新米ジムリーダー用合宿所の床暖房にするのにピッタリだねー!』って言いながら、戦場のど真ん中(通気口)に導熱パイプを物理的に接続しようとしてるよ。船の排熱効率が物理的に狂って大爆発するから止めてあげて」

 

「チェレンさん!! それは暖房器具じゃなくて『世界を凍らせるための禁忌の排熱(悪意)』ですから!! 利用しないでください!! 二年前、誰かのスニーカーを『洗浄(水没)』させた時の、あの足元から全てが焼失していくような絶望感を、犯罪組織の旗艦の爆発で再現しないでください!!」

 

「あわわわー! 主人公くーん、そんなに数学的な厳しさで潜入を成功させちゃうと、ダークトリニティのみんなが君を『感情を排した侵入ウイルス』として物理的にターゲットにし始めちゃうよー! でも大丈夫、この『鋼鉄の迷宮の中で行われる精密な解体作業』、しっかり図鑑のステルス記録モードで一秒たりとも逃さず連打しとくから! ……あ、プラズマ団の新しいロゴ、二年前の天秤模様よりもすっごく鋭利になってて、物理的に時代の冷酷さを放ってて綺麗だねー!!」

 

「グラフィックのデザインを分析してる場合ですか!! ……でも……この冷たい金属の手触り。……悪くないね」

 

 警報が鳴り響き、僕の手元には「凍てついた真実」へと続く物理的なカードキーと、船の深部から漂ってくる、かつての英雄を知る者たちの気配が残った。略奪と再生。二年前、誰かがこの地で断ち切ったはずの鎖は、今、さらに強固な「氷」となって僕の前に提示された。僕は一瞬だけ冷えた(物理的な周辺気温の低下だと否定した)指先を見つめ、論理性という名の解析度をさらに上げながら、次なる目的地、風と翼が交差するフキヨセシティへの最適解を導き出した。

 

「(……見ていてください、前作主人公さん。あなたの倒した組織は、今や僕にとって『非効率な構造物』になりました。……僕はそれを、僕のやり方で物理的に解体・消去(デリート)し、真実の向こう側にある完全なる平穏を証明してみせますから!!)」

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