部屋のドアをノックと共にベットでくつろいでいたマンドーを呼ぶ声が聞こえてくる
「マンドー 晩飯だ」
サムだ どうやら晩飯を持ってきてくれたらしい
「今開ける」
パシュ…
ドアの開閉と共にうまそうな食事の匂いが漂ってくる
「ほらよ ゆっくり食べてくれ」
トレイに載せて渡してくれる
質素ではあるがこの辺りでは比較的貴重な食材だ
「悪いな」
「いや気にすることはない 滅多に来ない客人だ もてなす楽しみがあって良いさ」
「そうか…」
「俺はまだやることがある 先に寝ててくれ」
「分かった」
そう言うと階段を降りていく
ドアを閉めヘルメットを脱ぎ毒の類いがないか確認してから食事に手をつける
完全に信用するにはまだ速い…
そう考える程には警戒心がのこっている
「うまい…」
▽マンドーは体力と気力が回復した▽
~
サムは明日の荷物の用意をしていた
頼まれていた荷物とは帝国で精錬されたベスカーであった
依頼主はアーマラーと言うマンダロリアンだ
鍛冶職人で同胞のアーマーの整備をしているらしい
以前商人にアシスタント兼護衛として臨時で雇われていた時がありその際に出会った
出会いはふとした瞬間だった
厄介なデススティック狂いの飲んだくれどもから逃げるために地下に迷い込んだ
奴らを殺して黙らせる事も出来たが相手をするだけの価値もない
暫く歩いているとマンダロリアン達に囲まれていた
そこは彼等の隠れ家だったのだ
その時は帝国のアーマーを着ているためお付きのマンダロリアン一党は殺気がみなぎっていた
だがアーマラーは彼等を宥め交渉を持ちかけてきた
俺に一切の敵意がない事を見抜き更にはフリーの運び屋を示す緑の二本線を見たことがアーマラーの警戒を解く要因だったのだろうか
ここから無事に帰す条件としてベスカーを見つけたら彼等に差し出すことを約束させられた
「マンダロリアンにとってベスカーとは掛け替えのない物だ 帝国に侵略され奪われた それを我等は取り戻したい」
元帝国兵士として思うところがないと言えば嘘になる
俺は侵略する側の人間だったのだ
だからといって頭を垂れるつもりなどない
何故なら俺はもう帝国兵士ではないのだから…
今マンダロリアン達と戦うことは何の意味も無い
それに俺はスピーダー乗りだ
運び屋として荷物をとどけるのが俺の今の生きがいなのだ
「分かった 見つけたらアーマラーの所まで届けよう それで良いか?」
「それでいい」
マンダロリアン達は渋々と言った感じではあるが武器を終い解散していった
彼等も鬱憤が溜まっているのだろうか
「じゃあ 俺はここいらで帰らせて貰う」
「我等の道」
「???」
あの言葉の意味は何だったのか今でも分からずじまいだ
明日会ったら聞いてみよう
そんなことを考えながら俺は荷物であるベスカーを手にしながらその冷たさを感じるのだった
~
翌朝日が昇り始めた頃
俺はベッドからゆっくりと這い出し顔を洗いに外の小川まで歩いて行く
砂漠の中にオアシスが至る所にあるという変わった星だ
ここに住み着いて長いが住みやすい場所であることは確かだな
「ふぅ…」
冷たい水が身体を覚醒させてくれる
「起きたか」
声のした方を見ると木に身体を預けているマンドーの姿がある
「もう起きてたのか 速いな」
「いつも起きるのはこれくらいだ」
「そうか」
人それぞれ起きる時間があるからな
「とにかく飯にしてその後早速出掛けるでいいか?」
「構わない」
「なら飯の支度をするからな 暫く待っててくれ」
「分かった」
顔を洗うのも程々に飯の用意を始める
~
食事を終えた所で早速船まで行くことになった
スピーダーのサイドシートにマンドーを乗せ配達の荷物をバックパックに詰め込み出発する
ここで肝心な事を聞き忘れていた事を思い出すマンドー
「まだ行き先を聞いて無かったな」
「あぁ それならネヴァロだ アーマラーのとこまで連れて行ってくれ」
声の口調から驚きと疑問が隠せない
幾何かの警戒も感じられた
「アーマラー?何故知っている」
それはもっともな感想だ
帝国憎しのマンダロリアン達が帝国兵の格好をしている奴を見逃すはずはないからだ
「以前地下で会った事がある 全身ベスカーアーマーの連中に囲まれて焦ったな
取引…というか解放条件としてベスカー探してこいって言うのが条件だった」
「なるほど?」
「ベスカーを乗せたシャトルのログを旧帝国のデータベースから見つけてこの星に隠していたのを見つけた」
「よく見つけられたな 今持ってるのか?」
ベスカーと聞いてさしものマンドーも目の色を変える
目の色というかバイザーの色か…
「渡さないぞ?依頼品だからな」
「……勿論だ マンダロリアンの元に戻ってくるならそんなことはしない」
「なら良い」
(絶対少し悩んだろ…)
スピーダーはそんな二人を乗せ荒野を駆けていく
この辺りには幾つもの宇宙船の残骸が散乱している
荒れ果てた土地はならず者が隠れるのに最適だ
~
暫くの移動の後駐機されているレイザークレストを見つける
傷はあるものの汚れは少なくよく手入れされていることが分かる
機体としては恐らく初期から中期の量産型だろう
「こいつか?」
「これが俺の船だ」
サイドシートから降り機体に近付きハッチを解放するマンドー
自身も降りて後に続いて行く
マンドーは早速修理を始めるようだ
「どうだ直りそうか?」
「あぁ問題無さそうだ」
ブラスターで撃ち抜かれた部品を交換するだけの仕事だ
そう時間のかかることではない
「スピーダー持ち込んでも問題ないよな?」
「好きにするといい スペースは空いてる」
作業を続けながら返答してくる
「そうか ありがとよ」
スピーダーを乗り込ませて固定させる
船を傷つけたくはないし無重力空間では危険極まりない
その辺の座席に腰掛け修理が終わるまで暫く待つことにした
~
「終わった 出発するぞ」
修理工具を片付けたマンドーに声を掛けられ席を立つ
「指定席か?」
冗談交じりに返しながらヘルメットを脱ぎ脇に抱えリラックスする
「そんな豪華な席はない 自由席だ」
「ならこの辺り自由に使わせて貰うぞ」
「構わない 俺は操縦席にいる 何かあれば言ってくれ」
「分かった」
出発の準備をすべくマンドーは操縦席へと歩いて行った
俺はマントを脱ぎ傍らに置いておき座席に寝っ転がった
暫くすると船が動き出すのを感じ外を見ると既に空へと飛び上がっていた
行き先は…ネヴァロ
続く…
何か続いた…
ゆっくり書いていくので宜しく
時系列的にドラマ本編一話の少しだけ前です