「……まずどこまで見た?」
私は震える声でそう言った。
もう原作通りには行かないだろう。
「あなたがモニターで私たちの物語を見ている所」
ナノカはぎゅっと手を握りしめる。
「黒幕は大魔女を探している。
そして、それは誰かはわからない、
大魔女は世界を滅ぼそうとし、
桜羽エマの魔法が鍵になること。」
それだけよ………とナノカは呟く。
「そうか……それは正しいけれど違っている」
私は少し体を揺らしながら話す。
「救われるには……大魔女がいなければならないんだ。」
キッとこちらを見られる。思わず「うっ」と声が漏れる。
「あなたわかっているの?それがどういう意味を持つのか。」
ナノカは銃に手を掛けながら声を上げる。
「私がやらなきゃ、全員死ぬんだ。」
説明をしようとナノカに歩みよる。
「近づかないで!あなたは黒幕ではないことはわかった。
でも、何故なの?……」
それでもっと声をかけようとした瞬間!
かちゃっと銃を向けられる。
「あなたは危険よ」
完全に距離をとられてしまった。
このままでは何をされるかわかったものではない!
「頼む!聞いてくれ!未来予知した最善を!」
私は瞳をそらさない。
ここで逃げる訳には行かない。
「あなたの魔法は予知ではない。信用出来ないわ。」
必死になって声をかけるが聞く耳を持ってもらえず
ナノカはラウンジを去ってしまった。
どうする?どうする?
体が震えて上手く呼吸ができない。
これでは平和なハッピエンドどころではない。
エマが殺されてしまえば大魔女の説得は不可能。
召還に必要な儀式としても一度事件が起きるだけで
今週での平和は望めないことは確実で
その引き金を自分の不注意で引いてしまった。
だが……ナノカはまだ確信がないはずだ。
まだなにか手はあるはずだ……
ラウンジをでてナノカを追おうとした時、
ドンっと誰かにぶつかってしまった。
「急に飛び出すなんて危険な行為だ。
もっとしっかり前を向いて出た方がいい。」
それはヒロだった。
「すまない、だが急いでいてね。」
私はそうそうに切り上げて立ち去ろうとする。
「待ちたまえ、あの全体周知している内容について。」
手を捕まれてしまった。
「あまり不安を煽るようなことは正しくない。
危険なのはわかったが
もっと詳細にわかった情報にしてほしい。」
そう言われてしまった。
「あぁわかったよ」
私のしていたことは迷惑だったのだろうか。
視界が狭くなる世界が崩れるような気がする。
だけれどくじける訳には行かない。
平和のために皆が笑える最後のために。