Side 火神
昨日の夜は結局、ナノカは見つからず、1日が過ぎていった。
朝食の時皆は、
声には出さなかったが不安そうにしていた。
それはそうだろう。危険を周知しており、
行方不明者が実際に出てしまったのだから。
誰もが無言で食事を口に運ぶ。
食器の触れ合う小さな音だけが食堂に響いていた。
「……まだ見つからないんですの?」
ハンナが小さく呟いた。
ヒロは腕を組んだまま首を振る。
「夜の間も探したが見つからなかった」
一体何処へ……思い当たるのは……
今日捜索する場所を決めながら、
私は怪しむ皆を尻目にそうそうに立ち去るのだった。
湖では、アリサとであった。
「あん、なんかようか?
こっちに何か用があるとは思えないが。」
アリサに怪訝そうに声をかけられた。
「ナノカをまだ探していてね。
見ていないかな?」
私は知らないと思いつつも一応訪ねることにする。
「知らねーよ。うちには関係ない。」
うん。そうだよね。
見つけたら全体周知するようにヒロが言っていた。
だからなんだかんだ出会っていたら周知してくれるだろう。
そう思っていた。
アリサは優しいってこと今一番知っているのは私だ。
口調がちょっと不良みたくしているだけだ。
「わかった。ありがとう。じゃあ他を探すよ。」
私はその場を立ち去ることにした。
私は一応だが地下にエレベーターでやって来た。
危険な場所だが今一番怪しい所だ。
入ってみるとなるほど、寒い。
長くは居たくない場所だ。
軽く見回って見たが特に異変はなく。
さっさと切り上げてこの場を後にした。
屋敷に戻ると何やら騒がしかった。
二階で何か起きたらしい。
そこではなかったはずの扉が現れていた。
中に入るとそこにはノアとヒロがいた。
「ここをノアのアトリエと名付けます!」
とてもご機嫌な様子だ。
だけど私にとっては危険が増えることとなる。
何故ならば彼女は原作で見られたくない物。
【本当の絵】を見るとストレスになる人だ。
一応釘を刺しておくか。
「片付けはしっかり行うようにね!
本当の意味で見られたく無いものもあるだろうから…ね?」
ノアはびくっと強張った。
「…ヒロちゃんノアねユウちゃんのこと、怖いよ。」
「片付けはしっかりするように。
それが当然だ。
何もおかしなことはいってないだろう。」
ヒロに言われ轟沈するノアなのだった。
雑談の中にノアが口に出したその言葉は私をほっとさせた。
「ノアね……ここで幽霊を見ちゃったかもしれないの。」
それはナノカだろう。原作で私は知っている。
だからこそその言葉を聞けて私は嬉しかった。
だからもう、その日はナノカを探さなかった。
必死になってた私が急に探すのをやめた結果。
また、私への何だこいつ的な目線が増えたのは確かだが。