貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
例ルークの兄など
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1話 目覚め
痛い。
最初に感じた感覚はそれだった。全身を引き伸ばされたかのような痛みがする。
激痛に慣れてくると、次は声が聞こえてきた。
「大丈夫か○○!」
「こ、こいつが急に飛び出して来たんだ!」
そうだ、俺はトラックに轢かれたんだ。一時停止を無視してしまい、そのまま衝突、完全に自業自得だ。
うるさいくらいに聞こえた声も、段々と小さくなっていく。
「○○!」
よく聞き取れない、俺の名前を呼んでいるんだろうか?
こいつ、誰だっけ?
まあもうどうでもいいか、どうせ死ぬんだ。
視界が暗くなっていき、真っ暗になるが、不思議と恐怖は感じなかった。
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どのくらい時間が経っただろうか、一瞬の様にも感じたし、何年も待った様な感じもする。
また声が聞こえてきた。
今度は良く聞き取れないが、それが日本語ではないのは分かった。
『奥様もう少しです!耐えてください!』
何を言ってるのかよく分からないが、必死になってるな。俺を助けようとしているのか?
て事はもしかして、俺はまだ生きてるのか?
先程まで開かなかった目が開いた、視界はぼやけててよく見えないが、女が二人いる。
『おめでとう御座います奥様、元気な男の子ですよ』
『よかった……無事に生まれて来てくれて……』
そして驚いた、俺は女に軽々と持ち上げられていたのだ。
俺は肥満ではないがガリでもない、男子高校生の平均よりも少し重いくらいだ。そんな俺をニコニコと笑顔を浮かべながら持ち上げているんだ。
あまりに怖すぎる。
"離してくれ!"
そう言おうとしたが、よく舌が回らない。
ではこれならと、手を伸ばす。
しかし女には届かない。
あれ?こんなに俺の手、ちっさかったか?
自分の手のひらを見てみる。そこで俺は、自分の手が短いことに気づいた。
まるで赤ちゃんみたいな手だ。
もしかして………
そしてようやく……俺は理解した。
俺は転生したんだ。
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「やはり可愛いなぁヘルス」
そこから半年ぐらいが経ったんだろうか。
赤ん坊の俺にとって、それはもう退屈で仕方がなかった。
何も言えないし、思う様に体は動かない。何をするにも誰かの介護が必要、まるで赤ん坊だ。実際にそうなんだがな……
しかし半年もすれば多少は動ける様になったし、何より少し言葉も理解し始めた。
まず俺の名前はヘルスって言うらしい。
ヘルス・ノトス・グレイラット
そう、俺は外国人の子供に生まれ変わったのだ。
そして今俺に愛を注いでいる男は俺の父である、ピレモン・ノトス・グレイラット。
前世の父は厳格ってか、かなり理不尽な人だったから、こういう情けない父の姿を見るのは新鮮だ。忘れないよう、よく拝んでおこう。
それにしてもこの家はでかすぎる、俺が今いる部屋でさえも、赤ん坊の俺には持て余すくらいの広さだ。
どこかの王国なんだろうか?つまり俺は、良いとこの坊ちゃんになれるのか?
くだらない事を考えながら俺は退屈な乳児期を過ごした。
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さらに三年が過ぎた。
この三年に色々なことがあったが割愛しよう、どれも前世でよくあるな ことばっかりだったからだ。
そして、言葉も読みも理解して来た俺は、最高に素晴らしいことを知ってしまった。
魔法の存在。
この世界には魔法があるらしい、そう、まさに火の玉を飛ばしたりするあれだ。
それを理解した時から俺の胸は夢と希望に満ちていた。
俺は前世でワンピースをめちゃくちゃ読んでいた。ガチ勢ってわけではないし、厨二病でもないんだが、俺はそういうワンピースとかの能力に憧れていた。
そしてこの世界ではそういう能力が使える。
いや、もう一度言うが、俺は厨二病ではない。でも、誰しもが一度は憧れるだろ?
もし自在に火を操れたら……ドラゴンに変身できたら……
想像するだけで、胸が高鳴る。
早速俺は、家にあるという魔術本を拝借しようと思い、図書室に言ったが、まだ小さい子供である俺は、その本を持って部屋に行けるほどの力を持っていなかった。
前世の俺なら、そんな事悩んだ事もなかったのに……全くこの体は不便だな。
どうしようか悩んでいると、誰かが部屋に入る音がした。
「こんな所で何をしてるんだヘルス?」
突然名前を呼ばれ、俺は咄嗟に後ろを振り向く、
そこにいたのは、この世界での俺の兄。
ディエゴ・ノトス・グレイラット
頭がいいのが少々鼻につくが、それでも俺が尊敬する兄だ。
前世で兄や姉がいない俺にとっては、身近に頼れる存在は安心する。
そうだ、兄貴に頼んでみよう!
「魔術の練習をしたいのですが、この本は僕には大きくて部屋に運べないのです。もし時間があるのでしたら、この本を運んで貰えませんか?」
俺は丁寧に、そして紳士っぽくお願いした。
「もちろんいいが、なんだヘルス、お前、魔術に興味があるのか?」
「はい!僕は将来魔術師になりたいんです!」
自分でも可愛いと思う将来の夢を言ってみた。しかし変な事は言っていない、この世界には、本当に魔術師という者が存在するらしい。
「なるほど、魔術師になるってのは難しいと思うが、夢を持つのはいい事だ。よし、じゃあ一緒に本を部屋に持って行こうか」
「ありがとうございます!兄上!」
これは非常にありがたい、やはり頼れる兄貴はかっこいいな。
ディエゴに本を運んでもらった後、早速魔術について勉強を始めた。
どうやら魔術には詠唱と魔法陣があるらしい、そして今は詠唱がほとんどだと言う
魔術には階級があり、下から順に
初級 中級 上級 聖級 王級 帝級 神級
初級は水の玉を出すだけだが、聖級とかになると天候を変えれるほどにならしい。夢が広がるな。
手始めに初級のウォーターボールをやってみる事にした。
初級なら他に炎とかもあるらしいが、もしそれで家を燃えカスとかにしてしまったらたまったものではないので流石にやめておいた。
「んー?なんじの求める所に大いなる水の加護あらん、清涼なるせせらぎの流れを今ここに、ウォーターボール」
そう言うと自分の体から血液が右手に集まっていく様な感覚がした。
次の瞬間、俺の手から水がでてきた、そしてそのまま部屋の壁に直撃。するわけでもなく、水はそのまま用意していた桶の中に垂直落下した。
あれ?
こう言うのってもっと飛んでいくんじゃ?
よくわからんがもっかいやってみよう。
次はもっと意識して集中、お得意のイメージで、水を飛ばすイメージで、
すると今度は詠唱なしで発動することができた。
そして次はなんと、壁にあたった、自分が当てたいと思った場所に、
その時の俺のはしゃぎ様は多分思い返すと恥ずかしいぐらいに酷かっただろう。しかしそれほど嬉しかった。無詠唱でできたこと、そして水が飛んだ事の二つが同時にできたのだ、こんな才能ある自分を産んでくれた父と母に感謝しようなんて考えていた。
そう、調子に乗っていたのだ
続けてウォーターボールを出した時、違和感があった。全身の力が抜ける様な、唐突な無気力感に襲われた。そしてそのまま俺は倒れた。
この状態は知っている、本を読んでいる時に少し目にした。
そう、魔力の枯渇だ、俺は初級魔術二回で魔力切れになったのだ。
そしてもう一つ俺は本の内容を思い出した。
生まれた時から魔力総量は限られていると、
俺は絶望した。
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん