貴殿転生 元の知識で本気出す   作:MENOUENOTANKOBU

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12話 転移の目撃者

その後パーティーは問題なく進行した。

 

泣き止んだ俺はルーデウスやエリスに食事を勧められながら機嫌を取り戻し、1時間後にはいつもの調子に戻った

 

サウロスも戻ってきてパーティーが再び盛り上がってきた

 

そこからは大騒ぎだ、サウロスは俺とルーデウスの頭を撫で豪快に酒を飲む、俺は人獣型になり、新たに覚醒した姿をサウロスとフィリップとエリスに見せたが、その後にどんな事がされたかは言いたくない

 

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パーティーも終わり、俺は酔ったサウロスを彼の部屋まで運んでいった

 

フィリップとルーデウスは2人で何やら話をしている

 

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「ヘルゥゥス!、貴様の触り心地は最高だ!是非ボレアスにこい!!」

 

「それだと俺がエリスを貰うことになっちゃいますよ」

 

「何!?それは許せん!エリスはルーデウスに嫁がせるのだ!」

 

そんな泥酔したサウロスを部屋に運び水を渡した

 

「サウロス様、少々お話を良いですか?」

 

「なんだ?」

 

「何故サウロス様は俺の父がお嫌いなのですか?」

 

「ピレモンか?あいつは昔から姑息な奴だった!兄であるパウロを陥れるために画策するほどにな!」

 

「成程、そんな男がノトスの当主を継ぐなどあり得ないっという訳ですか?」

 

「そうだ!まだパウロの方が当主として相応しい!」

 

「サウロス様、確かに昔の父はそうだったのかもしれません。しかし今の俺の知る父は違います」

 

「ほう」

 

「俺は父を尊敬しています。初めてサウロス様がみた俺の姿を他の貴族が見た時、俺を化け物だと言い恐れました。多分、父も恐れていたでしょう。

そんな俺の姿を見た父は俺の事をとても心配してくれました。そしておれが変な目で見られる事がない様、色々な事をやってくれました。父は変わったんです」

 

「そうか、それでお前は私に何をしろと言うのだ?あいつと和解しろと?」

 

「そこまでは言いません、ですが、もし次父と話す機会があれば、是非見極めてほしいのです。今の父の姿を、」

 

「成程な、あいつと話す、、か」

 

「俺は、父が大好きです、でもこの一年でサウロス様も好きになりました。俺にとっての二人目の父です。だから、その、二人には仲良くなってほしいのが俺の希望なんです」

 

サウロスはしばらく目を瞑り、上を向いた

 

「分かった、次会った時はお前の言う通り、ピレモンという男をもう一度見極めてやろう」

 

「ありがとうございます!」

 

「しかし!その時はお前を存分に撫でさせろ!!」

 

「えぇ、、わかりました」

 

そうやってしばらくしていると、サウロスは大きなイビキをかいて寝てしまった

 

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俺も寝ようと思った時、俺はまだルーデウスにプレゼントを渡していない事に気づいた

 

ルーデウスの部屋に着いたが、何やら妙な気配を感じた。

 

エリスとルーデウスの声がする

 

あーなるほど、そういう感じか

 

多分二人は今日、大人の階段を登るのだ、まだ10歳と12歳、明らかに早すぎるが、愛に年齢は関係ない

 

祝福しよう、ルーデウス

 

「いやぁっ!」

 

そう考えているとエリスの叫び声が聞こえた

 

「ちょっとって言ったじゃない!ルーデウスの馬鹿!」

 

エリスが扉を蹴破る様にでてきて、風の様に去っていった

 

過ぎ去った嵐の跡を見てみると、そこには天井を見て倒れている可哀想な少年がいた

 

「ヘルスですか、覗きとは貴方も趣味が悪いですね」

 

「そんな事してねぇよ、むしろお前達の邪魔しないように去ろうとしたんだよ」

 

「そうですか、、」

 

気まずい沈黙が流れる

 

「僕は最低ですね、自分の欲を優先してエリスの気持ちを考えていなかった」

 

「10歳なんて、そんなもんだろ、まずエリス、お前がそう言う雰囲気にしたのが悪いんだからな」

 

「私は少しって言ったわ!」

 

気づけば横にいたエリスにそう言うと、素早くルーデウスは正座の体制をとり、土下座をした

 

「ご、ごめんなさい」

 

「きょ、今日は特別な日だから、特別に許してあげる、で、でもこう言うのはまだ早いから、5年!、あと5年経ってルーデウスがちゃんと成人したら、その時は、その時まで我慢しなさい!」

 

そういって捨てゼリフの様におやすみを言ったエリスは自分の部屋に帰っていった

 

「よかった、」

 

ルーデウスの呟きが聞こえた

 

「これに懲りたら、すけべは我慢するんだな」

 

「ええ、肝に銘じます」

 

「そうだ、お前の部屋に来たのは、これを渡すためなんだ」

 

ルーデウスにプレゼントを渡す

 

「これは、指輪?」

 

「あぁ、これをはめて魔力を込めてみろ」

 

ルーデウスがそれをはめて少しすると、その指輪は赤くなった

 

「すごいですね、魔法石ですか?」

 

「驚くのはまだ早い、この魔法石は特殊でな、お前が魔力を込めると。俺のこっちの指輪も反応するんだ、つまりこれはお互いの安全を確認できるんだ」

 

「それだったら離れていてもお互い安心ですね、でもヘルス、貴方は2個つけているけれど、もう一つは誰とのなんですか?」

 

「アリエルだ」

 

「成程、確かに姫様の護衛には役立ちますね」

 

「ルーデウス、俺はそろそろアスラ王国へ戻る、そしていつもの護衛の任務の日々になるだろう。だけど、俺のことは出来れば忘れないで欲しい」

 

「忘れる訳ないじゃないですか、貴方と僕はもう親友なんですから」

 

「ふふ、そうだったな、それじゃあルーデウス、おやすみ」

 

そう言って俺も部屋を後にした

 

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俺がロアの町を離れる日になった

 

最後の別れには3人が来ていた

 

「1年間世話になった、ギレーヌ、エリス、ルーデウス」

 

「ああ、王都でも鍛錬を怠るなよ」

 

「寂しくなるわね」

 

「王都でも頑張ってくださいね、ヘルス」

 

「あぁ、本当に世話になった、ありがとうございます」

 

敬語になってしまった。それでも良いだろう、この3人は俺にとってのかけがえのない仲間なのだから。

 

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馬車に揺られてルーデウスからもらったパウロの人形をみていた、

 

パウロが生きていることは秘密だから、これを誰かに見せびらかすことはできないが、そうしたいほど非常に良くできている

 

フィットア領を抜け、少ししたあたりだろうか、馬車が止まった、

 

「どうしたんだ?」

 

「いや急に空が」

 

空を見てみる、そこには紫と茶色に染まった空が、俺が通ってきた道、フィットア領を覆い尽くす程に広がっていた

 

「あれば、、なんだ?」

 

次の瞬間、奥から青い柱の様なものが広がっていった。それはどんどん大きくなっていき、俺たちの方まで来た

 

飲み込まれる!

 

そう思った瞬間、青い柱が止まった。時間が止まったかの様に。

 

その青い柱は時間と共に消えていった、そして目の前に広がっていた光景に唖然とした、何もないのだ。

 

木、いや森が消え、地面すら抉り取られたかのようになくなっていた

 

どう言うことだ?

 

そして状況を理解できない中、俺の頭をよぎったのは四人、

 

フィットア領にいるエリス、ルーデウス、ギレーヌ

 

そしてアスラ王国にいるアリエル

 

どちらに向かうべきか?

 

まだフィットア領にもしかしたらいるかも知れない、

 

しかしアスラ王国にも被害が出ているかも知れない

 

どうしよう?

 

「うわぁぁぁ!」

 

後ろで馬車を運転していた男の叫び声が聞こえた、

 

振り向くとそこには

 

竜がいた

 

赤く染まった竜、それは本で見た事がある。そいつは中央大陸の絶対強者。赤竜だ

 

赤竜はこちらを見つめている、観察しているのか?

 

逃げるか?いや不可能だ、追いつかれる、

 

戦うしかないのか?

 

叫んでいた男も馬もその場に立ち尽くしている

 

赤竜は叫び声を上げると同時に俺たちに炎のブレスを放ってきた

 

俺は咄嗟に水壁をだし攻撃を抑えようとした

 

 

 

攻撃が終わった時、俺は分かった

 

勝てない

 

今ので俺は魔力総量の半分を無くした。もう一回くらったりしたら、今度は防ぎ切れるかわからない

 

とりあえず俺は男と馬を守るため変身魔法を使った

 

獣人型になり、空に浮いた、浮いたと言うより空を走っている感じだが、

これも覚醒したおかげでできた能力の一つだ

 

赤竜は見た事のない生き物に興味を示している、その間に逃げてもらう。

 

こっからどうするか?

 

もうそろそろこの見つめ合った時間が終わり、俺を殺しにくる。

 

そう考えていると、いきなり赤竜が口を開け突進してきた

 

俺はそれをギリギリで下によけ、無防備な腹に本気のパンチを入れた、

 

赤竜は唸り声の様なものを上げたが、特に効いている様子はなかった

 

当然だ、パンチなんて別に命の危険なんてない

 

そうして向かいかかってくる赤竜と追いかけっこを続けていると

 

赤竜は俺に向かってまた同じ様な突進をしてきたので、カウンターを入れようとした

 

その瞬間

 

俺の左腕がなくなっていた

 

「アァァァ!」

 

痛い、痛い、血が滝の様に溢れ出ている

 

こいつ、賢い、俺がカウンターをすると読んでいたのだ

 

俺は情けなく変身魔法を解き、地面に倒れた

 

死ぬ

それは地面に落ちて最初に思った事だ

 

俺はまた死にかけている、まあ当たり前か、俺はいま最強の生物と戦ってるんだ。多分ギレーヌよりも圧倒的に強いやつとだ。

 

突然、アリエルの姿が思い出される、彼女は今何をしているんだろうか?

もしかしたら俺と同じ様に死にかけているかもしれない

 

だとしたら俺は、

 

死ねない、俺は守るんだ、アリエルを

 

そのために俺はフィットア領に行き、強くなってきたんだ

 

気づくと俺の前に赤竜がいた。もう既に勝負はついたと思っているのか、それとも俺が惨めに喚く姿を見たいのかはわからない。

 

俺は残っている魔力を全て右腕に込めた、手が黒くなる、そして周りからは赤い稲妻、覇気がでている

 

この一撃に全てを賭ける

 

俺は赤竜の顔面に飛んだ

 

そして俺の全ての力を込めて拳を振るった

 

「実直拳骨」(オネスティインパクト)

 

俺の拳は赤竜に当たった、赤竜にダメージが入っている

 

赤竜の口から血が飛び出だした、大量に

 

赤竜は大きな鳴き声を上げそして吹っ飛んだ

 

俺の意識はそこで消える

 

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気づくと俺は馬車の中にいた、その前には俺が逃した男が座っている。

 

「目が覚めましたか!?」

 

「ああ」

 

「起き上がらなくていいですよ。全身ボロボロじゃないですか」

 

腕を見てみる、左腕はなく、右手には包帯が巻かれている。

 

「赤竜はどこに?」

 

「わかりません、私が逃げている時、赤竜が叫び声を上げながら赤竜山脈の方に飛んで行ったので、戻って見にきたら、貴方が倒れていました」

 

「そうか、俺、やったのか」

 

赤竜を殺す、まではいかないが、撃退したのだ。

 

代償として左手を失ったが、生きているだけ感謝だ

 

「とりあえず、今はアスラ王国に向かっています。それでよろしいんですよね?」

 

「あぁ、そうしよう」

 

まずはアスラ王国に戻る、それが俺の下した決断だ

 

ルーデウスとエリス、ギレーヌも無事でいてくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

手遅れかもしれないんですけど一応

  • 戦闘描写たくさん
  • 話し合い、イチャイチャたくさん
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