貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
ロアの町へ行くと、前に来たよりもある程度復興が進んでいた。まだまだ完全な復興には時間がかかりそうだが、
「!?エリス!ルーデウス!」
俺たちに声をかけたのはギレーヌだった。相変わらず寒そうな格好をしている。
「ギレーヌ!」
「ギレーヌ!久しぶりですね」
「あぁ本当にな、ところでお前、何者だ?なぜサウロス様の服を着ている」
ギレーヌは俺に向かって話しかけて来たが、それは再会への喜びではなく、敵意だった。そうだよな、俺この姿、ギレーヌはルーデウスの誕生日ぐらいでしか見てないもんな。
「ギレーヌ、彼はヘルスですよ」
ルーデウスが説明してくれた。
「あぁそうだギレーヌ、人型に戻るのを忘れていた。すまないな」
そう言って人型に戻りやっと理解された。
「!?本当にヘルスだったのか?」
「そうだ、久しぶりだなギレーヌ」
「あぁ、ところでお前、ノトスを出奔したらしいが何故なんだ?」
やはり情報はギレーヌにも入っていたか
「まあそれは後で話すとして、今はエリスとルーデウスに話す事があるんじゃないか?」
「そうだった、ありがとうヘルス。エリス、ルーデウス、そしてヘルスと女、お前達もついてこい」
そうして俺たちはアルフォンスが居るであろうテントに移動を始めた。
移動している時、俺は何人もの人々に挨拶された。
「ヘルス!久しぶりだな!」
「ヘルス!?戻って来てたのか?」
「先生!この問題、自分で解ける様になったよ」
俺はそれらの挨拶を丁寧に返しつつ進む。
横にいたサテラは、また俺の事をじっとみていた。やはり何か俺、やってるのだろうか?
「エリス様にルーデウス様、お久しぶりです」
ギレーヌが先にテントに入り、アルフォンスがでてきた。
「アルフォンス、久々だな」
「これはヘルス様、お久しぶりでございます」
「ああ、久しぶりにしては、あまり復興は捗っていないな」
「えぇ、何しろ物資が少なすぎますからね」
まあそうだよな、あの王都のやつらがここの支援なんてするとは思えない。本当に救いようがない奴らだ。
「ルーデウス様、ヘルス様達は外にてお待ちください」
「え、あ、はい」
「分かった」
「だめよ、ルーデウスとヘルスも一緒よ」
そう1人否定したエリス
「エリス様がそう仰るのであれば」
アルフォンスは俺たちを中へと招いた。
「サテラ、しばらく話をしに行くから、そこら辺でまっていくれ」
「分かったわ、」
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中へ入ると、エリスの家族についての報告がされた。フィットア領にもサウロスが死んだという情報はきているらしい。
俺は事前にエリスに言っておいたが、それが現実であると理解したためか、1人にしてほしいらしい。
だから俺とルーデウスはテントを後にして、ルーデウスと別れて別行動を始めた。
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サテラを探しに行くと、彼女は子供達と話していた。なんでも冒険についての話をせがまれたらしい。どんな状況でも、子供は素直で単純だな。
「随分と仲良くなったな」
「麒麟、えぇ、この子達、冒険の話をして欲しいって聞かなくてね」
「そうだな、俺も冒険の話をしてやろう」
そう言うと子供達がはしゃぎ始めた。
「え!?先生の話も聞けるの?やったぁ!」
「僕も冒険者になって沢山の人を救いたいなぁ」
かわいい奴らだ本当
そこから俺が冒険について説明して、たまにサテラがそれを修正したり、詳しく話してくれたりした。
そうしていると日は沈み始めていた。
「もっと話すことは沢山あるが、今日はここまでだな」
「えぇーもっと話聞きたい!」
「僕も」
「私も」
子供達にせがまれる。
「また明日な?早く家に帰らないと、ターミネートボアが町を襲いにくるぞ」
そうやって子供達を家族のもとへかえし、俺とサテラは一つのテントを借りて入った。
「今日は一段と疲れたな」
「そう、そうね」
サテラは元気がない、フィットア領の事を考えてるからか?
「ねぇ麒麟、」
「ん?」
「あなたのその左腕、見してくれない?」
あぁ、そういえば姿を人獣型にするのを忘れていたな。
「別にいいが、これは治せないぞ」
「構わないから、見して」
結構キツく言われたので、大人しく従う、服を脱ぎ、上裸になる。
その左腕は肩の方から先がない。
「ずっと、隠してたの?」
「隠してたわけじゃない、この姿に戻る機会が無かっただけだ」
「じゃあなんで、教えてくれなかったの」
「言ったところで変わらないだろ?この腕はどうやっても治せないんだ」
俺は腕がなくなった時、あらゆる方法を試した。しかしその腕が治る事はなかった。それは赤竜のせいか、ただ俺の技量が足りないだけか、詳しくは分からない。
「でも相談ぐらいできたじゃない」
サテラは下を向いてしまった。
そうだな、相談ぐらいはできた。でも俺はサテラを心配させたくなかった。別に苦しい訳でも辛い訳でもなかったが、相談ぐらいはした方が良かったかもしれない。
サテラは俺を信頼してくれている。だからある程度無茶を言ってもそれを許し、実行してくれた。でも俺は、サテラを信頼できていなかった。
サテラにとってそれはとてもショックだったのではないか?
「サテラ、教えなくて、信頼できてなくてごめんな」
「急に何よ、まあ別に、気にしてないし」
「嘘だろ?癖が出てるぞ」
サテラは嘘ついたり、不満があったりすると、杖を抱きしめる。
「・・気にしてるわ、酷いじゃない、私はあなたをすごい信頼してたのに、あなたは私を信頼していないなんて、すごい悲しい」
「ごめん、」
サテラは俺に近づいてきた。そして俺を押し倒した。
「だから、お互い信頼できるようになりたい」
サテラは顔を真っ赤にしている。この状況、まずいな
「サテラ、その、そう言うのは好きな人にやるべきだろ」
「えぇ、分かってるわ、だから今しようとしてるの」
おいおい冗談だろ?俺はもう19歳だ。前世でももう成人は果たしているはずだ。対してサテラはまだ14歳、この世界でもまだ成人すらなっていない。いくらなんでも早すぎる。
ここで断ってもいいが、サテラは傷つくだろう。でも俺はそんな事をサテラにして欲しくない。
相手を傷つけず、尚且つこの状況から抜け出せる方法
エリスの方法を使わしてもらおう。
サテラは俺の顔に自分の顔を近づけている
「サテラ、一回落ち着け」
「落ち着いてるわ、すごいね」
「お前はまだ14歳だ、成人すらしてない。だから、ちょっとだけ我慢してくれないか?あと4年の間だけ」
4年、そうすればサテラは18歳、それなら俺は自分をギリ許せるだろう。
「・・後4年我慢すれば、あなたも正直に私を信頼してくれるの?」
「ああ、約束できる」
サテラはしばらく近づけた顔の距離を保ちながら、目を閉じている。
そして顔を離した。よかった、俺の気持ちは届いたようだ。
次の瞬間、猛烈な平手打ちが俺を襲って来た。
「こんな恥ずかしいことさせておいて、後4年まてなんて、バカ」
怒らせてしまったらしい。
「ごめん」
サテラは大きくため息をついた
「でもそう、後4年ね、分かったわ。でももしその間に、あなたが他の人とくっついたりしたら。あなたを丸焦げにして、二度と外を歩けない様にするから」
「肝に銘じておくよ、」
そうして俺はなんとかその場を凌ぐ事ができた。
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しばらくするとサテラは寝てしまっていた。
俺は眠る気にもなれなかったので外に出た。外は驚くほど静かで、空には星が大量に見える。
冒険者としていつも見て来た光景だ。
そうやってしばらく町を探索していると、何やらルーデウスとエリスの声が聞こえる。
その声は、、お互いを愛し合っている声だった。
あぁそうか、ルーデウスはまだ13歳だが、エリスはもう15歳になる。立派な成人だ。約束はまだ2年あるが、それはエリスにとっても耐えられないものだったんだろう。
俺はサテラを拒否してしまったが、お互いを愛し合うことはいい事だ。互いをさらに深く知る事ができるから。
いかんいかん、この場を離れなければ、2人の時間を邪魔したくはない。
そうやって2人の場所を離れて、また散策を始める、少しすると眠気が襲って来たので、俺はテントに戻り、自分のベットに倒れ、眠った。
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「やあ、久しぶり」
・・・
「おや?元気ないね」
お前をどうやったら殺せるか、考えてたんだよ
「怖いこと言うね、僕は君を助けてあげたのに」
助ける?利用したの間違いだろ?
「なんでそう思うのかな?」
サウロスが死んだんだ。お前が引き止めたせいでな。
「勘違いはやめて欲しいなぁ。まずサウロスは君の言う通り、君が殺したのと変わらないんだからさぁ」
何?
「だってそうじゃないか?後君が数時間、数分であの場に駆けつけている事ができていたら、サウロスは死なずに、罰は受けるだろうが。殺されはしないはずだった」
・・・
「でも君は遅れてしまった。助けられた命を無駄にしたんだ。それを僕のせいにされても困るなぁ」
・・くそ!そうだよ!俺が殺したんだ!見殺しにしたんだ!
「おや、認めてしまったね」
ああ、認めるよ、だからもうここから出してくれ、
「それはいいけど、僕がまたここに現れたって事は、何をするのか分かるだろ?」
また助言か?
「大正解!よく分かってるじゃないか」
相変わらずいちいちムカつくやつだな
「つーめーたーい。そんな悲しいこと言わないでくれよ」
・・・
「ああ、ごめんごめん、また調子に乗ってたよ。で?聞くかい?助言」
・・聞かなきゃ出してくれないだろ。
「ふふ、では助言を授けましょう。ヘルスよ、ルーデウスと行動を共にしなさい。そして彼を助けるのです。さすればあなたは運命の人と再会する事ができるでしょう」
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目が覚めると、既に日は昇っていた。久しぶりにこんなに寝たな、疲れが溜まっていたんだろうか?サテラはもう外にいるようだ。
しかしヒトガミの助言はなんでいつも俺のしたい事と被るんだ?全く不快で仕方がない
でもあいつの言っていた運命の人っていうのが気になる。俺はもう仲のいい奴らには全員会ったはずだ。運命の人ってのは誰の事なんだ?
とりあえず俺はルーデウスのテントに向かうことにした。
俺が外にでると、サテラは子供達に昨日の冒険の話の続きをしていた。
「麒麟、おはよう」
「ああ、おはよう、こんな朝早くから仕事とは熱心だな」
「別に仕事ってほどでもないわよ、楽しいしね」
「そうか、俺はちょっとルーデウスと話してから参加するよ」
「分かったわ」
よかった。昨日のことは引きずっていないらしい。
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ルーデウスとエリスのいたテントに入ると、ルーデウスが1人、布団に入っていた。なんか雰囲気がおかしいな、賢者タイムか?
「ルーデウス、おはよう」
「ヘルス、、おはようございます」
どこか元気がないな
「どうしたんだ?昨日の夜、悪い事でもあったのか?」
「やっぱりヘルス、知ってたんですね」
やべ、口が滑ってしまった。あまり誤解を生む発言をするべきではなかったな。
「散歩してたら聞こえて来てな、ところでエリスはどこに?もう素振りに行っちまったのか?」
その問いにルーデウスは答えない。代わりにルーデウスはこちらを見ずに、机を指差した。
そこには手紙と、エリスの髪の束があった。
少し嫌な予感がする。
「手紙、確認してもいいか?」
「ええ」
既に開けられた痕跡のある手紙を開く、
『今の私とルーデウスでは釣り合いが取れません。旅に出ます』
「これは、、、」
「俺、見放されちゃいました」
そう語るルーデウスの声は酷く萎んでいた。
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん