貴殿転生 元の知識で本気出す   作:MENOUENOTANKOBU

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23話 再出発

エリスはルーデウスをヤリ捨てた。

 

それがルーデウスの出した結論らしい。

 

俺はそうは思わない、エリスはルーデウスにベッタリだったし、そんな一夜で気持ちが変わる程、ルーデウスは変態ではない。変態ではあるが。

 

多分釣り合いがとれないってのはエリスの方だ。エリスは自分の今の力じゃルーデウスを守れないって判断したんだろう。だから一夜だけ共にすごし、繋ぎ止めるという意味もあったんだろう。ヤリ捨ては絶対にだめだが、

 

しかし俺の考えをルーデウスに伝えても、それがなんの解決にもならない事は、俺はよく知っているつもりだ。

 

本人は相当ショックを受けているのだから、そんなのは慰めの言葉にしか聞こえないだろう。ならここはそっとしておいてやるべきだ。

 

エリスは死んだ。アルフォンスはそういう事にして、王都には伝えるらしい。まあそっちの方が都合はいいよな、お貴族様にとってはな。

 

ルーデウスはそこから植物の様になってしまった。食事は俺が運んでやったが、食わなかったり、そもそも食べなかったり。事態は深刻そうだな。

 

まあそこはアルフォンスに任せるとしよう。あいつならそういう介護は向いてるだろ。

 

俺にはやるべき事がある。

 

俺がやるべき事、それは能力の拡張だ。

 

最近俺は、サテラの魔術に頼りすぎている気がする。もちろんそれはお互いを信頼する事なので、もちろんいい事なのだが、俺だって1人でも魔術を使って大人数をまとめて倒せる様になりたい。そこで考えたのが、本来の麒麟の能力だ。

 

ワンピースの世界の麒麟の能力は、大体使える様になってきた。最近では、他の人の夢からも物を取り出せる様になった。他人の夢から取り出せる事の1番のメリットは、夢の生物、MMA(ムーマ)という生き物を取り出せるという事だ。

 

MMAは寝た人物の恐れるものを具現化した生き物になる。姿や大きさは、寝た人物の考えたものになる。

 

つまり寝たやつが龍を恐れてれば、大きな龍が出てくるし、盗賊などを恐れれば、人型サイズのMMAがでてくる。

 

そしてこのMMA、死という概念がない。俺が試しに首を切ってみると、想像以上に柔らかく、すぐ切れたが、俺が復活しろと命令すると、自分で頭をつなげて再生した。

 

これはすごい発見だった。MMAが存在できるのは、寝た人が起きるまでの間、だから無双ってほど強くはないが、それは俺にとって大きな力である事に変わりはない。

 

しかしそれはあくまでも相手が寝ている時の話、つまりまだ俺は1人では何もできないのだ。

 

現実で伝説の生き物である麒麟。

 

その能力は空を飛び、邪気を払う鳴き声、雷や嵐を起こす力、火を吐く力をもっているとされている。

 

邪気を払う鳴き声はよくわからないが、雷や嵐、火を吐くならば、この世界でもできる。

 

まず雷と嵐はだめだ。魔力の消費が激しすぎる。ルーデウスでもない限り連発はできない。これは奥の手して残しておこう。

 

結果的に残るのは火を吐く力だ。これなら魔力の消費も少ないし、再現も容易い。

 

試しに獣人型になり、火を吐いてみる。吐くと言っても口元から炎を出しているだけだが、演出はかっこいい方がいいだろう。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

火を吐く力は確かに強力だった。広範囲をいっきに焼く事ができるし、魔力の消費が圧倒的に節約できる。だが致命的な欠点がある。範囲を広げすぎて、火力が低くなってしまうのだ。

 

もちろんファイヤーボールを口からだして、攻撃する事もできるが、それは魔物に対しては有効かもしれないが、魔術師や剣士などを倒すにはまだまだ威力が足りない。早急に解決すべき問題だ。

 

致命的な問題の解決策はすぐに見つかった。範囲を狭める練習をすればいいのだ。

 

今俺は炎を出しているだけ、しかしそれを圧縮して、一気に打つ、それができれば、威力も格段に上がるのではないか?

 

俺は荒れ果てた誰もいない荒野に体を向けている。

 

イメージしろ

 

炎を圧縮、ひたすらに、圧縮、圧縮、そして、限界まで溜め込んだ炎を一気に放つ。その瞬間、俺が出した炎、いやレーザーと言った方がいいのか?それは30mほど伸びて、爆発した。

 

できた。一発で?

 

よし!成功だ!爆発の範囲もまあまあ広いし、威力もこれなら申し分ないな!

 

俺の現実の麒麟能力再現の試みは無事成功した。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

1週間と少し、俺たちはエリスとギレーヌのいなくなったロアの復興を助けていた。

 

サテラが怪我人を治療し、俺が復興の建築や、炊き出しを手伝う。今度は俺が料理担当を任された。旅をしていたお陰で、俺の自炊能力は高くなっていたから、夢で出さなくてもいいレベルの料理も作れる様になったのだ。そして余った時間に子供達に算術を教える。まあ楽しくゆったりとした時間だった。

 

そんな幸せな時間に亀裂が入った。

 

「ここにヘルス・ノトス・グレイラット殿がいるとの情報を聞いた!何か知っているものは正直に言え!」

 

そう声がした方向を見ると、そこには王都から来た騎士達がいた。

 

あの腕章は、ノトス家、実家か

 

俺はその時ちょうど人獣型になっていたので、すぐバレるという事はなかった。いやまず、成長した俺の姿を分かるのか疑問だが、

 

「ねぇねぇ先生、先生を呼んでるよ?行かなくていいの?」

 

「少し静かにしていなさい」

 

俺は立ち上がり、騎士達の前に立った。

 

「貴様は何者だ?」

 

騎士の1人が聞く

 

「私は冒険者の麒麟と申します。ヘルス様はつい先日に旅に立たれ、今は私がここの復興の手伝いをしております。ヘルス様に伝言がありますなら、私から伝えておきましょう」

 

「貴様が冒険者の麒麟か、こちらの王都にも噂は届いている、分かった。ならば伝言を頼もう、次ヘルス様に会ったのなら、王都にお戻りになられる様伝えろ。ピレモン様直々の命令とな」

 

父か、確かに父には何も伝えずにでたな。いなくなった息子が近くにいるというのだ、是非確認したいだろう。

 

「はい、承知いたしました」

 

「ではお前達、帰るぞ」

 

騎士団のリーダーらしき人物が言った。

 

「いいのですか?そんなすぐに帰られても?」

 

「こんな土地に長居すると体調を崩すものが現れかねん」

 

そう辛辣な言葉をいって騎士団たちは帰ってしまった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

まずい状況だ。どうやら俺がロアに居るという情報が既にバレているらしい、ここから王都まで1週間ほどかかるのに、なんでそんな早いんだよ。

 

このままここにいればいずれ俺がいる事はバレてしまうだろう、そうすれば俺は王都に引き戻されて、またあいつらと地獄の生活を送る事になってしまう。父と兄はいいが、あのアリエルとルークに会う事になる、それだけは避けたい。

 

だが最悪の事態に希望が見えた。

 

ルーデウスが母を探すといい、外に出てきた、いきなりだ。

 

俺達はもちろんルーデウスについていく、それはこの町を離れたいのもあるし、ルーデウスがちょっと、いやだいぶ心配だからだ。女に捨てられた男を俺もサテラも見た事がないので、何をしでかすか分からない。

 

こうして俺達は異常なスピードでロアを離れる事になった。

 

「ヘルス様に、サテラ様。この度はロアの復興に協力してくださり、本当にありがとうございました」

 

「いいんだよ、これもサウロスさんに対しての罪滅ぼしみたいなもんだしな、」

 

「私も久々にゆったりできて、楽しかったわ」

 

「ありがとうございます。そしてルーデウス様、辛い事でしょうが、どうかお元気で」

 

「ありがとうございます、アルフォンスさん、、」

 

「じゃあまたどこかで会おう、アルフォンスさん」

 

「はい、お気をつけて」

 

俺達はそう別れの挨拶を終え、旅に戻った。

 

目指すは中央大陸の北部

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

中央大陸の北部のある道で、馬車が三台走っている。

 

1台目には荷物

 

2台目には荷物と騒いでいる男組3人

 

そして馬車の最後尾、そこには5人の冒険者がいた。

 

馬車に5人という人数は多い方ではあるが、その馬車はまるで葬式の様に静かであった。

 

聞こえるのは、1人のフードを被った男がする、やたらと多いため息だけだ。

 

「あんた、さっきから随分とため息が多いじゃないか。どうしたんだい?」

 

長い沈黙を破ったのは、1人の女だった。

 

フードを被った男は作り笑いをする。しかしそれはすぐに崩れてしまう。

 

「すいません」

 

男の謝罪により、またしばらく沈黙が流れるが、女はまた話始める。

 

「北へは何しにいくんだい?あんたは見た感じ、護衛の任務ってわけじゃ無さそうだし、魔術師だとしても成人前だろ?」

 

「あの・・それって答える必要ありますかね?」

 

男の言葉に女が黙ってしまう。そこにその横にいたもう1人の女が声を上げた。

 

「スザンヌが親切に聞いてんのに、なにその態度!?」

 

「サラ、彼だって別に喧嘩を売ってるわけじゃないさ」

 

「でもスザンヌ昨日から・・・」

 

そういって2人は少し言い争っている

 

そこに男の横にいた身長と首が長い魔族と思われる男が参戦した。

 

その魔族らしき男は、魔族には似合わない貴族の服を着ていた。

 

「あーすまないな、俺が説明するよ。こいつはな、フィットア領の転移事件に巻き込まれた母を捜しに北に来たんだ」

 

そういうと2人は事情を察したのか、黙ってしまう。

 

「だからって、あんな言い方・・・」

 

サラは不服そうに外をみた。

 

「それよりあなた達、北の国ついて詳しく知らない?私達、北は初めてだから、よくわからないのよ」

 

魔族の横にいる同じくフードを被った女が聞いた。

 

「分かったよ、じゃあ説明してあげるから、耳の穴かっぽじってよく聞きな」

 

そういってスザンヌ先生の北方大地講座が始まった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺達は今北部にあるバシェラント公国に向かっている。スザンヌ先生の話によると、そこは魔術の研究に長けている国らしい。俺達3人とも魔術をよく使うし、ちょうどいい場所だな。

 

ルーデウスはまた騒ぎを起こしそうになった。ルーデウスにそんな気はないのは分かっているが、言葉のひとつひとつが刺々しく、しばしばこういう事がよくあるのだ。

 

まあルーデウスの事情を考えると、それを咎める気にもならないが、

 

そうやってなんとか馬車に揺られならがら過ごしていくと、ついに到着した。

 

魔法三大国の一つ、ここバシェラント公国に

 

手遅れかもしれないんですけど一応

  • 戦闘描写たくさん
  • 話し合い、イチャイチャたくさん
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