貴殿転生 元の知識で本気出す   作:MENOUENOTANKOBU

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24話 カウンターアロー

バシェラント公国は王都とは違い、あまり広くはないが、その分人の密度がすごい。屋根には雪がつもり、みんな暖かい格好をしている。北海道みたいだな。行ったことはないが

 

馬車が目的地に到着すると、スザンヌとサラは別の仲間と合流していた。馬車の中で仲良くなったつもりだが、別れの挨拶は無しか、ちょっと悲しいな。

 

「さてと、早速宿をとらねぇとな、安くていい宿はないかな?」

 

「まあ散策してればその内見つかるでしょ、まずはこの町を探索してみたいわ」

 

「いやいや、、まずは宿からでしょう。冒険者ギルドにも行きたいですし」

 

「はあ?ルーデウス、あなたこんなにいい店が沢山あるのに、ここに来て一番最初にやる事が冒険者ギルドに顔をだす?バカなんじゃないの?」

 

「サテラ、言い過ぎだ。それに俺たちの目的、忘れたか?」

 

「・・分かったわよ」

 

サテラは15歳になってからだいぶ気が強くなったな、元々そういう性格なのだろうか?だとしたら教会の子としては合わないだろうな。

 

まあ自分の意思を相手に伝える事ができるのはいい事だ。

 

「じゃあルーデウス、早速宿を探そう」

 

「はい」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

安いかどうかは分からないが、俺達は宿を一月ほど借りた。

 

部屋にはベットが一つしかないので、3人分の部屋代がなくなったが、まあ稼げばなんとかなるだろ。

 

俺達がそう呑気になれるのは、最近俺たちはS級の冒険者になったからだ。S級ともなれば、任務は危険だが、報酬はうまい。一回の報酬でこの宿一年分は借りられるかもしれないんだ。

 

そうして宿をとり、身支度を整えると、早速冒険者ギルドにむかった。

 

冒険者ギルドに顔だすと、俺達はまるで邪魔者を見る様な目で歓迎された。

 

なんだ?ここでは新参者の冒険者は菓子折りを持ってこなくゃ行けないのか?

 

とりあえず俺達のパーティーは、ここでは無名って事だな。

 

「嫌な雰囲気ね、みんな窮屈そうな顔してるわ」

 

サテラはみんなが聞こえる様な声で言う

 

「サテラ、確かに不快かもしれないが、ここは我慢だ」

 

「でもこういう所で引き下がったら、一生下に見られるわ」

 

「だったら実力で示せばいいだろ、とりあえず落ち着け」

 

「麒麟、なんであなたはそういう所は弱いの?いつもだったら・・・」

 

サテラの説教が始まってしまった。5個下の奴に説教されると、結構胸に来るんだよ。

 

「すいません、依頼を受けたいんですが、」

 

横にいたルーデウスが仲裁に入ってくれた。助かった。

 

「ああすまん、どうする?どの依頼でも俺は別に構わないが」

 

「ちょっと麒麟、話は、、はあ、私も別に構わないわ」

 

「では、一番難しそうな、、あ、」

 

その時、ルーデウスが取ろうとしていた依頼の板を先に取られてしまった。

 

取られた板をもつ人物を見る

 

取ったのは、先程馬車を共にした。スザンヌとサラだった。

 

「おや?あんた達もこの依頼を受けたいのかい?」

 

「まあ、そうですが、、でも先に取ったのはあなたなので」

 

基本的に依頼は先に取ったもん勝ちだ。だから今先に取られてしまった俺達は、もうその依頼を受ける事ができない。取ったパーティーがその任務を失敗するまでは。 

 

しかしまずいな、今他の依頼を見てみたが、どれも安いものばかりで利益にならなそうだ。これなら赤字になってしまう。別にそれでも痛くはないが。

 

「ならこの依頼、一緒に受けないかい?」

 

『え?』

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

どうやら先輩風吹かしてたスザンヌだが、スザンヌ自身もここに来るのは初めてらしい。だからお互いよそ者同士、仲良くやろうって事らしい。

 

俺としても、あそこは窮屈なので、仲間が増えるのは嬉しい。

 

そして今はスザンヌ達のチーム、カウンターアローのメンバーと任務についての計画を立てている。

 

とりあえずお互いに役職をいい、構成を固めて、明日の朝北門に集合という事らしい。随分と緩いな、まあそれぐらいだと俺も助かるんだが、

 

さっきからサラが、俺とルーデウスを睨んでくるのが気になるが。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

朝、俺はゆっくり目を覚ます。そして気づいた。

 

遅刻した!

 

「遅刻遅刻ぅ!間に合ったか?」

 

「もう20分は待ったわよ、そろそろ討伐内容をあなたに変えようと思ったわ」

 

「ぐぅ、ごめんみんな、朝は俺弱いんだ」

 

俺は人獣型になると、早起きができないんだ。朝の約束なんてこっちの世界で全然した事ないから、忘れていた。

 

「全然いいですよ、私達もルーデウス君を待たしていたので」

 

黄色い髪の男が慰める様に言ってくれた。

 

 

俺たちは北門から外に出て、今は雪の道を歩いている。

 

歩いている最中に、俺達は自己紹介を始めていた。

 

スザンヌはカウンターアローの副リーダーで前衛

 

優しい顔をした先程俺を慰めてくれた聖人のような男はティモシー、後衛の攻撃魔術を使うらしい。

 

緑髪の男、回復魔術担当のミミル

 

そして一番ガタイのいい大柄な男、パトリス、スザンヌと共に前衛を担当

 

問題児サラ 中衛でこの世界では珍しく、弓を扱うらしい。

 

道中、サラが俺とルーデウスに事あるごとに嫌味を言ってきたりしたが、スザンヌがそれを止めてくれた。神のようなパーティーだよほんと。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

夜が近づき、今俺たちは早めの夕食をとっている。

 

「今回討伐しに来たラスターグリズリーには、弱点がありまして」

 

ティモシーが説明しようとしている。

 

「夜に目が利かない事、ですよね、」

 

しかしルーデウスは知っていた様だ。

 

俺達は火の周りで飯を食っているが、サラは少し離れたところで、矢の手入れをしている。

 

「この料理、うまいな、」

 

「そうですか?そう言ってもらえると嬉しいですね」

 

ティモシーが優しく笑いながらそういう、

 

「しかしちょっと塩が足りないな、サテラ、塩」

 

「塩、、あぁぁ」

 

俺はサテラに魔術をかけて寝かし、サテラの頭に出てきた雲の様なものの中に手を入れて、塩を取り出した。

 

もちろん自分でも出せるが、自分で出すにはある程度イメージしなければならないので手間がかかる。

 

それに比べて相手から取り出す時は、相手がイメージするだけなので、すごい楽だ。

 

「サテラ、もう起きていいぞ」

 

「んん?あ!また私を眠らせたの?」

 

「楽なんだから仕方ないだろ?」

 

「せめて一言言ってよ、別に怒らないのに」

 

「ところで麒麟さんは、不思議な力を使いますね、それは魔族特有のものですか?」

 

「まあそんな感じかな」

 

俺は魔族ということにしておいた。別に人間って言っても良かったが、それで毎回驚かれるのはもう飽きたんだ。魔族ってだけで差別される訳ではないしな。

 

「その塩、私にも分けてもらえませんか?」

 

「全然いいぜ、はい」

 

ティモシーが塩をかけて、食べる

 

「これは、美味しいですね」

 

「だろ、俺の味覚に狂いはない」

 

そう冗談を言いながら、夜が来るのをまつ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

夜、俺達は眠っているラスターグリズリーを見つけた。20匹ぐらいだろうか、

 

ティモシーが詠唱を始めた。これは、大火球だな。

 

ティモシーがだした大火球は巨大な爆発音を立てて、ラスターグリズリーに直撃した。

 

流石に一発で倒れるはずもなく、こちらに向かってきたが、ルーデウスの発動が早すぎる泥沼にハマってしまい、あとは打たれ放題だ。

 

これで終わりか?依頼難易度の割に楽勝だったな。

 

また俺はフラグを立ててしまった。

 

地響きがする。奥を見ると、そこには黒いグリズリーがいた。よく見ると泥を被っている、これでは炎魔術は通らないな。

 

「撤退!撤退!」

 

ティモシーがそう叫ぶ、しかし遅かった。グリズリーは全方位に俺たちを囲い込んでいて、既に1匹がスザンヌと交戦している、

 

俺はスザンヌが戦っていたグリズリーを持ち上げ、地面に叩きつけて、頭を潰した。

 

別に強くはない、しかし数が多い、20匹よりも増えている。

 

これはまずい、みんなが迫ってくるグリズリーを撃退している。俺が獣人型に変身して、誘き寄せるのもいいが、今サテラは回復で手一杯だ。俺のブレスも、泥を被ったグリズリーには効かない、どうする?どうすれば誰1人死なず、ここを抜け出せる?

 

その時、1人の男がグリズリーの前にでた。ルーデウスだ。

 

そうだ、あいつがいるじゃないか。

 

「ルーデウス!」

 

その声にルーデウスは振り向いた。俺は獣人型になりながら叫ぶ。

 

「俺がグリズリーを誘き寄せる!お前は俺の合図で魔術を使ってそいつらを倒せ!」

 

「はい!」

 

その返事には、あの絶望に叩きつけられていたルーデウスの声とは違った。いつもの、俺が尊敬するルーデウスの声だ。

 

俺は角笛を取り出し、それを思い切り吹き、グリズリーの注意を引く。OK、ついてきたな。俺は空を歩きながらグリズリー達を一つの場所に留めた。

 

「いけ!ルーデウス!」

 

「はあ!!」

 

ルーデウスの杖の上にあった火の玉は、俺が今まで見てきたどんな炎魔術よりも、圧倒的に大きいものだった。これは泥を被ったグリズリーでも助かるまい、、

 

ん?俺はどうなるんだ?俺も直撃する!?

 

その瞬間、真っ暗な夜が一瞬、朝日の様に明るくなり、また静かな夜が流れた。

 

 

 

「ヘルス、すいません、僕のせいで」

 

「気にすんなよ、結局依頼は達成できたじゃないか」

 

「気にしなさいよ!あなたあと少し体がズレてれば、私でも完璧に治せない火傷ができてたんだから!」

 

そういってサテラは俺の背中を強めに叩いてきた。

 

「痛いだろ!」

 

そんな会話をしている中で、カウンターアローの奴らは依頼達成のため、毛皮を剥いでいる。

 

まあ誰1人死ななかったんだ。それだけで儲けもんだな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ギルドに戻ると、またあの邪魔者を見る様な目で俺達は歓迎された。

 

しかし今回は大きな菓子折りを持って。

 

「でかい顔しやがって、」

 

「大した依頼でもいいくせに」

 

どうやらお気に召さなかったようだ。

 

「今日は私たちがこの町で活動を始めた祝いです。この場にいる全員に奢りましょう」

 

ティモシーがそう言うと、ギルドは歓喜の声で溢れた。

 

こいつら、そんな単純だったのかよ。

 

「いいかい!お前たち、よく覚えときな!今日からこのギルドで世話になる、カウンターアローと、ワンダーズだ!」

 

そうスザンヌが言うと、また歓喜の声が上がる

 

「ワンダーズ!カウンターアロー!」

 

やめてくれ、いまだにパーティー名のこと、後悔してるんだ。

 

でも、こういうのも、アリかもしれないな。

 

 

 

手遅れかもしれないんですけど一応

  • 戦闘描写たくさん
  • 話し合い、イチャイチャたくさん
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