貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
「あんた、それはないよ」
スザンヌの蔑む様な目と、その冷たい声が、俺の背筋を凍らせる。
なんで、どうしてこうなってしまったんだ。
崩れるルーデウスとそれを心配するゾルダートを見ながら、俺は昇る朝日にそう問いかけた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事の発端はゾルダートが来たからだ。
ゾルダートとの出会いはあまりいいものとは言えなかった。
グリズリー討伐の後俺達は、何度かカウンターアローと一緒に依頼をやっていた。
その中で俺達はゾルダートのパーティーと同じ依頼が被っていた。と言う事で衝突してしまった。
サテラがものすごい勢いでゾルダートに反論するので、ティモシーがあたふたしているのが可愛かった。俺のいた世界だとカワオジって言うんだろうか?
その後ゾルダートは何度か俺たち、まあ標的は必ずルーデウスだったが突っかかってきた。
俺としては最近元気を取り戻したルーデウスの機嫌を損ねたくないので、やめて欲しかったが、ゾルダートの言っている事にも俺は理解ができてしまう。『自分が一番不幸です見たいな顔をするな』
聞き手にとっては慰めの言葉とも受け取れる言葉を投げつけるゾルダートを悪いと決めつけることは俺にはできなかった。
サテラは違うけど。すごい怒ったいた。
そしてある日、ルーデウスがサラを助けてきた。ミミルが死んだと聞いた時はかなりのショックだった。
しかしルーデウスがサラを助けてから、サラは多分、ルーデウスに恋をしたんだ。ルーデウスは本当に女たらしだな、なんてその時は呑気に思っていた。そして、ルーデウスがサラといい感じになってきた頃、俺は珍しく、ルーデウスと2人で飲むことになった。
俺は基本酒は飲まないし、ルーデウスも飲まない。
そんなルーデウスに初めて飲みに誘われたのだ。これは何かあったに違いないと思い、俺はルーデウスがいるバーに行った。
「俺、勃たなくなっちゃいました」
「は?」
店主から酒を渡され、一杯飲んだ瞬間にそう言われた。
「昨日、サラとデートをしたんですよ、そこで、まあ、最初は武器を見たり、ご飯を食べたりしていたりしていたんですよ、そして夜、いい感じになったんですよ」
「お、おう」
「そして、いざ本番ってなったら、俺は、俺は」
ルーデウスはそう言いながら悔し涙を流している。
なんか、どう慰めればいいか、言葉選びが難しいな。
「泥沼じゃねぇか、珍しいな、おい」
くそ、タイミングが悪すぎる
今一番来てほしくないやつが来たな、ゾルダート
「俺らがよくいる酒場で飲んでるなんてよ、、なんだてめぇ、しけたツラしやがって、何かあったのか?あったんだろうな、いつも・・・」
まずい、ゾルダートがいつものを始めた。今この状況は非常にまずいんだよ。
「おいゾルダート、今日はやめ・・・」
ゾルダートは吹き飛ばされていた。
あのルーデウスに殴られて、
「てめぇ!」
ゾルダートがキレる
「何怒ってんだよ、いつも喧嘩売ってきやがって、、これが望みだったんだろうが!」
やばいな、ルーデウスがゾルダートよりもさらにブチギレてる。温厚そうな奴は暴れると手がつけられないと言うが、本当だな、俺だって今、集まってきた野次馬と同じで突っ立っている事しかできない。
しばらくルーデウスが本音を吐き出し続けていた。
「俺は、俺はもう終わりだ」
そういって、ゾルダートの胸に頭をつけている
「ルーデウス、」
ダメだ、それしか出てこない。初めてだからな、ルーデウスがこんなに爆発したの、
「俺が悪かったよ、お前はこの世で一番不幸かもしれないな」
そういったのはゾルダート
「おめぇに何が分かるんだよ、」
「んーあー、えっと、とりあえず飲めって、それで何か話してみろよ。ちょっと、吐いてみようぜ」
こうして俺とルーデウスの飲みにゾルダートが参加した。
今はルーデウスが勃たなくなったことと、その理由をゾルダートは相槌を打ちながら聞いている。まるでカウンセラーの人みたいだな。
「ルーデウス、落ち着いたか?」
「ええ、すいません麒麟、俺のせいで」
ルーデウスには俺のことを麒麟と呼ぶ事にしてもらっている。それは知名度を上げて、ルーデウスの母を探す意味もあるし、ノトスの奴らに追われないようにするためでもある。
「まあなんだ、原因がそれならそれで上書きするしかないんじゃないか?」
「つまり、、?」
「プロに任せてみよーぜ」
そう言ったゾルダートは、俺たちを夜の館に連れて行った。
ルーデウスがエリーゼという女に連れられ部屋に行った。俺とゾルダートはそれを見送り、ゾルダートが選んだ女と壁際のテーブルで話し合っている。
「なあゾルダート、なんでお前、あんなにルーデウスに突っかかってたんだよ」
「俺はな、元々ああいう自分が一番不幸です。見たいな奴を見るのが大嫌いなんだよ。しかもその顔をまだ成人前のガキがしてたんだぜ、突っかかりたくもなるだろ」
なるほど、要するに心配してたって訳か、結構ツンデレなのか?このゾルダートは
しばらく話をしていると、まだ浮かない顔のルーデウスと少々悲しい顔になっているエリーゼが戻ってきた。
どうやらうまくいかなかった様だな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そこからルーデウスはゾルダートに促され、ひたすらに飲みまくった。俺がビビるほどに飲んだ。俺は酒を飲む気にもならないので、水で参加していたが。店が閉店するまで飲んでいたルーデウスは、いつものルーデウスではなく、酒に溺れた社会人、みたいな堕落した性格になっていた。
「ういぃぃぃっく」
今ルーデウスは俺の肩に腕をのせながら、すごい事を周りに聞こえる様な声で言っている。ほぼサラに関してのことだが、
「あんなガキ、こっちから願い下げだってんだ」
ルーデウスのその中の言葉に、俺は背筋が凍ってしまった。今、先頭を歩いている俺には見える、その言葉を聞いて、同じ様に凍っているスザンヌと、、サラの姿が、
ルーデウスは既に1人で歩き、今はゾルダートと話している。サラに対する愚痴を、そして、ルーデウスがサラ達に気づく。
サラはルーデウスを平手打ちした。
「さいってい!」
そのままサラはどこかへ行ってしまった。
「あんた、それはないよ」
スザンヌの蔑む様な目と、その冷たい声が、俺の背筋を凍らせる。
これは、ダメだな、弁護のしようがない。
スザンヌもサラと同様、どこかへ行ってしまった。
ルーデウスは落ちていた短剣を持ち上げていた。
まずい!
「ルーデウス!やめろ!」
だがもう遅い、ルーデウスが自分の首にその短剣の先を突きさす、事はなかった。ゾルダートが見事な速度でルーデウスの手から短剣を捨てさしたのだ。
「バカ!早まるな!とにかく、今からすぐに追っかけて弁明しろ!だからおい立て!走れ!」
ゾルダートが必死になっていうが、既にルーデウスからは希望の目は消えている。
「もうそんなの、どうでもいい、俺、もういい、何もしたくない」
「じゃあもうお前さ、一度家に帰ったらどうだ?親父はどこにいるんだ?アスラ王国か?」
「ミリス、」
「流石に遠すぎるな、」
ゾルダートはそこから黙ってしまう。
「はあ、とりあえず、俺達はこの町に居られなくなったな。これからどうする?ルーデウス?」
「・・・」
「なら、お前ら、俺達と来るか?」
そう言ってくれたのはゾルダートだった。
「俺達は今日中にここを出ていくつもりだ、お前らも、ついてくるか?」
「なんでそこまでしてくれるんだよ、俺が嫌いだったんだろ?」
ルーデウスがそう問いかける
「ああ、さも善人みてぇな敬語を話しやがるヤツは気に食わなかった。でもお前に関しちゃ、もう腹の底は知れた、そうするに足る理由があって納得した、ならもう嫌う理由がねぇ」
ルーデウスは正座でゾルダートを見ている。
前から気づいていたが、ゾルダートは悪い奴ではない。確かに顔は悪党みたいな奴だし、最初の印象も最悪だった。でも今はこうしてルーデウスに手を差し伸べようとしてくれている。
「で?どうすんだ?」
「麒麟、あなたはどうですか?」
「俺は、ルーデウスの意思を尊重する」
そしてルーデウスはそっと立ち上がり、ゾルダートに向かって立った。
「行きます。連れて行ってください」
「よし、じゃあ、いくか!」
こうして、俺達はこの町を出る決意を固めるのだった。
1人のパーティーメンバーを除いて、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「まだ回ってないお店があったのに、」
「すまんなサテラ、昨日とんでもない事件が起こって、一刻も早くこの町をでたかったんだ」
雪解け道を俺達ワンダーズと、ゾルダートのパーティー、ステップトリーダーが歩いている
「それはまあいいとして、なんであんた達と一緒に行くのよ、せめて行くんだったら、スザンヌ達がよかったわ」
サテラは正面にいるゾルダートの背中を睨みつけている。
「それはお前らのリーダーに聞けよ、俺だってこんなメス犬と旅したくねぇよ」
「メス犬!?あんたね!・・・」
また喧嘩が始まった。旅の初めでこれだ。先が思いやられるな、
「すいません麒麟、サテラ、僕のせいで、こんな事になってしまって」
後ろにいるルーデウスがそう言ってきた。
「俺は別に気にしてない、あそこの町の依頼も、もう稼げそうなものは無かったしな」
「まあ元々ルーデウスの目的出来たんだから、私も文句はないわ」
喧嘩の合間に返事ができるようになったサテラ、まず喧嘩をやめて欲しいんだが、
「それで?これからどこに行くんだ?」
俺は隣にいた髭の生えた魔術師に聞いてみた。
「俺達はこれからネリス公国で大規模の迷宮を攻略する予定だ」
次はネリス公国か、楽しみだな
そう胸を高鳴らせながら、俺は少し歩くスピードを上げた。
手遅れかもしれないんですけど一応
-
戦闘描写たくさん
-
話し合い、イチャイチャたくさん