貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
「やっと着きましたね」
「全くですわ、道中殿方との出会いもままなりませんでしたし」
「俺としてはそれは嬉しかったんだがな」
「同感ね」
「酷いこと言いますわね、私、呪いについて話しましたわよね」
俺たちはラノア王国の大都市、シャリーアに到着した。
やはりアスラ王国王都に比べると見劣りするが、他の北方大地の国とは比べ物にならない大きさだ。
「それじゃあ俺達は例のジーナスさんという方の所へ行って来ます。エリナリーゼさんはどうします?」
「わたくしも行きますわ」
「なんでだよ」
俺が質問を問いかける
「ルーデウスぐらいの歳の子に興味が湧いて来ましたの」
なるほど、いつも通りってことか。まあなんか安心した。
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俺達はラノア魔法大学の敷地内で歩き回っていると、応接室のような場所に案内された。
それにしても学校か、大学は行った事はないが、なんだか懐かしい感じがするな。
「お待たせしました。教師のジーナスです」
「初めまして、ルーデウス・グレイラットです」
「俺は麒麟」
「・・サテラです」
「わたくしはエリナリーゼ・ドラゴンロード、わたくしと麒麟はルーデウス達のパーティーメンバーですわ」
いつの間に俺のパーティーに入ってんだよ、まあ別に構わないけど
「随分と来るのがお早いですね」
「えぇ、ある人紹介で」
「ある人、ああ!ロキシーの事ですね」
またロキシー、一体どんな人物なんだ?そこまで知名度があるとは
「それで、来てくださったという事は、大学に在籍していただけると?」
「学びたい事、調べたい事、やりたい事。色々ありましてね、ここを利用するのが一番だと思いまして」
「私も同じだけど、一つだけいいかしら?」
サテラが話しはじめた。
「はい、私たちで可能な事ならば努力しますよ」
「麒麟を、私達と同じ特別生として入学させてくれない?」
「なんだって?サテラ?無茶だろ」
「私は学校行くなら、麒麟と同じ所がいいわ、そっちの方が安心するし」
嬉しい事言ってくれるな、でもジーナス、めっちゃ困った顔してるぞ。
「それは、少し難しいですね。では、こういうのはどうでしょう、麒麟さんに試験を受けてもらい、それに合格した場合、特別生として迎え入れるというのは」
「それでいいわ、麒麟、絶対受かってね?」
「あ、ああ」
なんか勝手に約束させられたが、まあこれはこれでありか、合格できれば一人分の学費が浮くんだ。
こうして俺達はジーナスについていき、体育館らしき場所に連れてこられた。そこには10名程度の人がいて。上で観察している。
「で、試験ってのはどう言うやつなんだ?」
「はい、麒麟さんにはこれから、魔術のみの模擬戦をしてもらいます。それにもし勝った場合、合格という事になります」
「模擬戦?」
「はい。対戦相手は我が校きっての天才、フィッツ君です」
フィッツ?フィッツだと?
ジーナスの言葉と共に出て来たのは、白髪の長耳の人物、黒いサングラスのようなものをかけている。
間違いない、忘れるはずもない。こいつは、アスラ国王の娘、アリエル・アネモイ・アスラの守護術師、フィッツだ。
そうして込み上げてくるのは少しの疑問と、激しい嫌悪感だった。
お前みたいな奴がなんでいるんだよ。いやそれだけじゃない、フィッツがいるという事は、いるんだな
あの女が、
さらにます嫌悪感が俺の理性を蝕む。フィッツはこちらを不審にみている。
「それではお互い位置についてください」
ジーナスはそういい、俺たちを戦いの場所に移動させた。
今なら、殺してもいいのか?
疑問が俺の頭に浮かんできた。ここで殺したら、俺は殺人の罪を着せられるのだろうか?いやないな、これは事故になる、まさかこんなにあっけなく死ぬとは、とか言っとけば、誤魔化せるんじゃないか?
「では、始め!」
そんな疑問を考えながら、俺とフィッツの殺し合い、模擬戦は始まった。
フィッツはまず無詠唱で水玉を発射して来た、結構早い速度で、俺はそれを軽く避け、お返しに火玉を発射した。殺す勢いで、フィッツはその速度に驚き、水壁をつくり、火玉を消したが、火玉から出て来たのは、丸い岩だった。俺は丸い岩に火を纏わせたのだ。
「カハァ!」
フィッツの腹と肩に岩が直撃する。
フィッツは倒れた。試合終了の合図はならなかった。それは誰がみても明白に、勝敗は決まっていたのだから。でも俺は止まらなかった。
倒れているフィッツの前にでる。気絶しているようだ。
今俺の気持ちは昂っている。今ならなんでもできる。
親友の友達を殺すことも、
俺は鋭い岩をフィッツの頭の上に出した。
そしてようやく、ジーナス達は理解したようだ。
「終わりです!麒麟さん!合格です!やめてください!」
でも遅いな、もう発動しちゃった。
自由落下で落ちていく尖った岩、それがフィッツの頭に当たる寸前、それは横から来たストーンキャノンにより砕かれた。
「麒麟!何してるんですか!?」
横槍を入れて来たのはルーデウスだった。
俺はそこまでして、ハッとした。
俺、今何しようとしてた?殺そうとしてたのか?俺が人を?
自分でもよく分からなくて、そのまま突っ立っている。
「ごめん、昂ってた」
俺はルーデウスに謝った。
「何してるのよ?ほんとにもう」
サテラはフィッツに近づき、治癒魔術をしている。
俺は、何してるんだ?
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ハプニングはあったが、俺は一応合格ということらしい、晴れて俺も特別生だ。まったく嬉しくなかったが。
正直あいつらがいると分かった時点で、俺は魔法大学の入学を辞めようとしていた。しかしサテラに止められて、結局入学する事になった。
次の日
俺達は食堂でジーナスの話を聞いている。前世でも今の世界でも、校長の話というのはつまらないな、
そう考えてウトウトしていると
「生徒会長より、新入生への言葉」
その言葉と共に、階段を降りる音がする。
「あれがアリエル様じゃないの?」
「じゃあ、あっちのは無言のフィッツ?」
「きゃールーク様よ」
俺は目を開けた、
そこには、あいつらがいた。黄色い髪、金と言った方がいいのか?黒いリボンをしている女と、オールバックのルーデウスによく似た男、そして、先程俺が殺しかけた男が
俺は必死に込み上げがってくる吐き気を抑えた。俺の表情は多分いつもの抜けた感じだが、内心ではいますぐ吐きたくて仕方がない。
ルークが場を静かにさせ、アリエルが話はじめた。
俺はその内容をほぼ聞き取ることができなかった。吐き気を抑えるに必死だったのだ。
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そんな地獄の時間を終え、俺はルーデウスとサテラと共に特別生の教室へと向かった。
教室へ入ると、一人のメガネをかけた身長の高い男が立ち上がった。
「し、」
『し?』
「師匠ォォォォ!!」
その男は俺たちに向かい走って来て、ルーデウスを軽々と持ち上げた。
「師匠!余のことをお忘れですか?ザノバでございます!」
「ああ、覚えていますよ、我が弟子よ、怖いから離してください」
どうやらルーデウスの知り合いらしい。ルーデウスは変なのと関わりが多いな、俺もその変なのの一人なんだが、
「お元気でしたか師匠!」
「えぇ、殿下もお元気そうで、」
その時、奥の方で机を叩く音がした。その発生源は、どうやら猫耳の女からだ。
「気に食わないニャ」
「あぁリニア殿、この方は以前話していた余の師匠で・・」
「そいつ連れて来いニャ」
なんだ?さっきまで元気だったザノバという男が、いきなり弱々しくなったぞ、もしかしていじめられてるのか?見た目的にはいじめられていそうだけれども、
ルーデウスはその猫女にビビることなく、前に出て挨拶をした。
「おう、素直なヤツは嫌いじゃニャい、あちしはリニア・デドルディア。5年生だニャ。こう見えても、大森林ドルディアの里の戦士長、ギュエスの娘だニャ」
おお、いきなり自己紹介を始めたな、それにしてもドルディアの子か、結構いいとこの生まれなんだな。
「そちらの先輩の方もお名前を伺ってもよろしいですか?」
ルーデウスは次は犬のように垂れた耳の女に話しかけた。
「・・プルセナなの、リニアと大体同じなの」
「プルセナさん、いい名前ですね、よろしくお願いします」
「ヌーニなの」
一癖も二癖もある奴らだな
「あんなのが戦士長の娘なんて、ギュエスって方も大変ね」
サテラが馬鹿にするように言った。まずい、それは言っちゃダメだ。
「あぁ?お前なんニャ、喧嘩売ってんのかニャ?」
「そうやって喧嘩ですぐ解決しようとする所が、アホだって言ってるのよ」
「なんだと!」
「まあまあ落ち着いてくれ、すまないな俺の仲間が。俺は麒麟、ルーデウスと同じ一年生だ。よろしく頼むよ」
「何だお前、あちしに指図するのかニャ?」
だめだなこれ、話通じないタイプのヤツだ。
こういう場合は、カウンターアローから学んだことをやるしかないな、
「そんなことよりリニア先輩、今食べたいものはないか?」
「ああ?いきなりなんだニャ」
「お願いだ、答えてくれ」
「はあ、そうだニャ、じゃあとびきりうまい肉がほしいニャ」
「肉か、分かった。じゃあこれをあげるよ」
俺は能力で肉を出した。焼いてあるステーキだが、生の方がいいとか言わないよな?
「なんだニャ!どっからだしたんだニャ!?」
「そんなことは気にせず、食べてみてくれ」
リニアは俺に疑念の目を向けつつも、その肉を一口かじった。
「!?うまいニャ、なんニャこれ!」
当然だ。俺が今まで食った中で一番うまい肉なんだから
「その肉、プルセナにも欲しいの!」
いつのまにか横にいたプルセナにもせがまれた。
「分かった」
俺はステーキを追加で5個ぐらい出した。
「おぉ!すごいの、これとっても美味しいの!」
「先輩、俺の仲間の無礼、許してくれるか?」
「ま、まぁ今後ともこの肉を食わしてくれるなら、許してやらんこともニャいぞ」
リニアとプルセナは肉に夢中になっている。
「そうか、ありがとう」
「何よ麒麟、そんなことしなくても」
サテラが小声で俺に言って来た。
「一応こんなのでも先輩だ。仲良くしておいて悪いことは起きないさ」
そして俺たちは空いているルーデウスの隣の机に座る。
ルーデウスも一番奥にいた黒髪の男と会話を終えたようだ。
「あとはサイレント殿ですな、今日は来るかどうか?」
ザノバがルーデウスの隣に座る
「授業に出てないんですか?」
「はい、彼女は授業も月1のホームルームも免除されておりまして、普段は自分の研究室にこもっているそうです」
「特別生ですし、すごい方なんでしょうね」
「まあいずれ会う事になるだろ、そんな事よりルーデウス、この学校をまずは探索しねぇか?」
「そうですね、俺も図書館を探したいし、行きましょう。すいませんザノバ、また後で」
「はい!」
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん