貴殿転生 元の知識で本気出す   作:MENOUENOTANKOBU

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28話 久々の会話

俺達はその後、ゆっくりと学校の周りを探索していった。

 

この学校は広すぎる。俺が想像してた教室は大体あるし、一つ一つの部屋も大きい。現実の大学よりもでかいんじゃないか?

 

そして今はルーデウスが行きたいと言っていた図書館に来ている。図書館も当然規格外の大きさだ。

 

「麒麟達にお願いがあるんですが」

 

ルーデウスがこちらを向く

 

「なんだ?」

 

「俺がここに来たのは、転移に関する本を探すためなんです。しかし見ての通りここはあまりに広すぎます。だから、本を探すのを一緒に手伝ってくれませんか?」

 

「ああ、いいぞ」

 

「ええ、分かったわ」

 

「ありがとうございます二人とも、では俺はこっちを探すので、2人は反対をお願いします」

 

「分かった」

 

そうして俺たちは転移についての本を探し始めた。

 

転移に関する本は少ない、王都にいる時に理由を聞いたが、なんでも戦争に使われると困るかららしい、確かに別の場所から一瞬で転移できるんだ。中に転移されたら城壁も意味をなさないしな。チートみたいなもんだ。

 

しかし流石はラノア魔法大学、転移に関する本も多少はある。この大量に並んでいる本の中のほんの一部だけだが、

 

 

 

ある程度本が集まったのでルーデウスとサテラの所に向かった。誰かと話しているな、ん?

 

話していた人物は、フィッツだった。フィッツは大きいスクロールのようなものを抱えてルーデウス達と少し楽しそうに話していた。早速打ち解けたのか?それとも正体を明かしたのか?

 

多分後者だろう。

 

まあそうだな、気持ちはわかる、久々に幼馴染に会えたんだ。嬉しいよな、

 

そうだ、今思い出したがフィッツ、シルフィエットは平民の子だ。貴族とは違うんだ。

 

それを俺はあいつを貴族の連中と同じだと思って、攻撃的になっていた。

 

酷い事をしたな、あいつだって、別に好きであの女に仕えていたわけじゃない、被害者なんだ。

 

認識を改めよう。あいつは被害者だ。

 

「ルーデウス、とりあえず本、集めて来たぞ」

 

まあとりあえずは自然に振る舞おう

 

「ありがとうございます麒麟」

 

俺の姿を見たフィッツは少し体を震わせていた。まあさっき俺、殺しかけちゃったからな。仕方ない。

 

「フィッツ、あんまり怯えないで。確かにあれで怖がるのも無理はないけど、本当はすごい優しい人なのよ」

 

「そうですよフィッツ先輩、彼は俺の友達を探すために協力してくれる優しい人なんです」

 

フィッツ先輩?もしかしてフィッツ、正体を明かしていないのか?

 

何か意図があるんだろうか?いや、こいつにそんなことは出来ないだろう。多分怖くて言えないんだ、忘れられてるかもしれないっていう怖さがな、相変わらずだな。

 

まあいずれは明かすのだろう。それまで気長に待つとしよう。

 

「そ、そうなのかい?じゃ、じゃあよろしくね麒麟、、さん?」

 

「ああ、よろしくな。その、あの時はすまなかった、気分が昂っていてな、少々取り乱してしまったんだ」

 

俺は頭を下げて誤った。

 

「いいんだよ別に、、あ!そうだ、丁度麒麟さんにお願いがあるんだよ」

 

「麒麟でいい、先輩なんだろ?むしろ俺が敬語を使うべきはずなんだから。それで、お願いってのは何なんだ?」

 

「あぁ、うん、僕のお願いではなくて、アリエル様からのお願いなんだけどね。生徒会室に来てくれないかな」

 

なに?あいつから?まさか、バレたのか?いやいや、そんな筈ないだろう。今の俺の姿は、王都の奴らは知るはずがないんだ。

 

でも呼ばれたのか、あいつから、

 

正直、すごい行きたくない。

 

でも行かなければ、余計怪しまれるだろう。

 

ここは行くしかないな、行って速攻で終わらせよう。

 

「分かった、行くよ、フィッツ。案内してくれ、ルーデウス、サテラ、すまんな」

 

「大丈夫ですよ、その代わり、どんな話だったか聞かせてくださいよ」

 

「構わないけど、変な事しないでよ」

 

「するわけないだろ、」

 

サテラは怪しい目で俺をみている。

 

「じゃあ麒麟くん、ついて来て」

 

さんの次はくんかよ、まあいいか

 

そうして俺はフィッツについていき、図書館をあとにする。

 

今から、あの女に会うのか、、

 

そう考えると、汗が止まらなくなってきた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「アリエル様、連れて来ました」

 

フィッツはドアのノックしそう言う

 

「はい、どうぞお入りください」

 

あの声が聞こえて来た。嫌だなほんと、

 

部屋に入ると、あの女、アリエルがいた。横には2人の女もいる。

 

あいつらは、エルモアとクリーナか、こいつらも大きくなったな。まったく嬉しくないけど。

 

ルークはいないのか、

 

「S級冒険者、怪力の麒麟様、初めまして。私はアスラ王国第二王女、アリエル・アネモイ・アスラです」

 

アリエルは立ち上がり、貴族流の挨拶をしてきた。

 

「ああ知ってるよ、生徒会挨拶の時も言ってたよな」

 

「覚えて頂き光栄です。正直あなた様はそう言う演説、興味をお持ちでないと思いましたが」

 

「俺の事を良く知ってるみたいな言い方だな、俺を知ってるのか?」

 

「ええ、あなたの噂は王都でも良く耳にしました。例えば、フィットア領に訪れ、復興の手助けをしていたとか、そして、ヘルス・ノトス・グレイラットの知り合いだとか、ですね」

 

そう言いアリエルは不気味な笑みを浮かべる。

 

こいつ、やっぱり嫌いだ。

 

まあなるほど、目当ては俺、ヘルスの情報だったか。しかしおかしいな、俺はヘルスの知り合いなんて一度も言ったことはない。誰かが嘘をついたんだろうか?まあでも俺がそのヘルスだってことはバレていないらしい。よかった。

 

「率直に言いましょう、麒麟さん。ヘルスの居場所を教えてください」

 

アリエルが笑顔を俺に向けたままそう言ってきた。

 

「残念だが、俺はヘルスの居場所を知らない、あいつは何も言わずに出ていったからな」

 

「そうですか、では彼がその時何をしてたの教えてくれませんか?冒険者として活動していたとか、あなたが知っている事なら何でもいいんです」

 

「やけに必死だな、そんなに王になりたいのか?」

 

「・・どう言う事です?」

 

アリエルから不気味な笑みが消えた。

 

「俺もあんたの事は知ってる。どうせ、ヘルスを見つけて、あいつを自分の仲間にまた引き入れるつもりなんだろ?そうすれば、王になる道が近くなる。つまりあんたは、駒を増やして自分を有利にしたいわけだ」

 

「違います」

 

アリエルは静かに、しかし圧のある声で、俺を黙らせた。

 

「私がヘルスと会いたいのは決してその様な理由ではありません。私は彼がそういう事に利用されるのを嫌がるのは知っています」

 

「じゃあ尚更意味がわからないな、あんたは忙しいんだろ?そこまでして見つける必要ない筈だ」

 

「あります、彼は私の大切な人ですから、」

 

アリエルからでたその言葉に、少し胸が刺された様な痛みが走る。

 

「理由を聞こう、内容によっては、俺も協力してやる」

 

「ありがとうございます」

 

おいおい、俺は何言ってるんだ?早く会話を終わらせたいんじゃないのか?終わらせるどころか引き延ばしているじゃないか。

 

何をしたいのか自分でもよく分からない。

 

「私と彼は、幼い頃からの仲でした。彼は私を守護術師として守り、支えてくれました。ですが彼と喧嘩した時、私は彼に、取り返しのつかない言葉を口にしてしまったんです。その言葉に彼は私に失望し、私の前から消えていってしまいました」

 

「・・・」

 

「あんなに、腕が無くなるほどの過酷な事をしていた彼を、大切な人が目の前で処刑された彼を、その気持ちを汲み取らずに、彼の嫌がる事を続けてしまったのです。だから謝りたいんです。もちろん許されないと分かっています。会ったら殺されるかもしれない。でも、私は彼にもう一度あって、話したいんです」

 

だめだ、これ以上は、何だこれは?

胸が針で刺される様な、嫌な感じだ。

早く終わらせなければ

 

「分かった、協力しよう。だが俺も、あいつが冒険者をしていた事しか詳しくは知らないんだ。だから協力すると言っても、あまり役には立たないぞ」

 

「ありがとうございます。役に立たないなんては事ないですよ、あなたがいる事でヘルスが現れるかもしれませんからね」

 

「そうか、じゃあ今日はもう終わりでいいか?友達が待ってるんだ」

 

「ええ、改めて、協力に感謝します。麒麟さん」

 

「ああ、」

 

そう言って俺は部屋から出て行った。

 

〜〜〜アリエル視点〜〜〜

 

ラノア魔法大学に来て、3年が経つでしょうか。

 

生徒会長となった私は、王都にいる時よりも忙しい毎日を過ごしています。

 

王都に戻った際、後ろ盾になってくれそうな貴族と話をし、協力を仰ぐ。そして学校では、頼れるリーダーとしての風格を守るため、難しい魔術の授業を真面目に聞き、テストも上位にならなければいけない。週に一度の休暇があるとはいえ、それはシルフィに変装しているだけ。本当の自分をさらけだすことは出来ない。

 

もちろんそれは全て王になる為の事、弱音を言ったりする事は絶対に許されません。私についてきてくれたシルフィ、ルークの為でもあり、今までに失った仲間の為でもあるからです。

 

しかし、ここ最近、毎日考えてしまいます。

 

ヘルスがいれば、と

 

ヘルスがいれば、学校生活もまだ楽しいものになっていたのではないか?

ヘルスがいれば、旅の犠牲もなかったのでないか?

 

そもそも、ここに来る事もなかったのではないのか?

そう考え始めてから、私はまた悪夢を見る様になりました。

 

目を開けると、奥にはシルフィ、ルーク、今まで私についてきてくれた人達の死体、

私の足元には、恨めしそうな目で私を睨むデリックと、ヘルスの倒れている姿。

 

そしてそのまま私も処刑台へ連れて行かれ、首を落とされる。

 

そんな悪夢を見て、私は汗を大量に流しながら朝を迎える。

 

私はもう限界なのでしょうか?

 

そんな時に情報が入りました。

ワンダーズと言う冒険者パーティーについてです。

パーティーのメンバーは全員S級冒険者、その中にはシルフィの幼馴染であるルーデウスという方もいました。

しかし私が興味を持ったのは、怪力の麒麟という人物です。

彼はヘルスと知り合いだという噂を前に耳にしました。

ですので彼をラノア魔法大学に推薦し、ヘルスの話を聞くつもりだったのですが、ジーナスは、他のパーティーメンバー2人は推薦できるが、麒麟は能力的に実力不足だと言われ、推薦を断られました。

 

私は諦めていましたが、彼はなんとここに来たのです。それもシルフィを倒し、特別生として。

 

早速私は彼を呼び、話を聞きました。

 

麒麟はとても穏やかな顔でした。まるで神の使いの様な姿をしていて、私も目を疑いました。

 

彼と話すと、何故かヘルスと話している気がする。

彼は私に対して嫌味を言ったりしましたが、そんなこと気になりません。

もっと彼と話したい、仲良くなりたい。

しかし彼は私との会話を終えたがっていました。

 

そこで確信しました。

彼はきっとヘルスの居場所を知っています。そして情報についても、

 

ですが今の彼から聞く事は難しいでしょう。

当然です。きっとヘルスから何か言われたのでしょう。私は最低な女だとか、そういう事を、仕方ないです。

 

だから彼と、仲を深める事にしました。

 

それはヘルスの居場所を突き止める為でもあり、彼とはただ仲良くなりたいという為でもあります。

 

ヘルスの居場所を突き止めて、会いに行く。

そして、謝罪する。

 

それは私にとって、王になるのと同じくらい大切な事です。

 

私は諦めません、絶対に、彼に会うまでは、、

手遅れかもしれないんですけど一応

  • 戦闘描写たくさん
  • 話し合い、イチャイチャたくさん
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