貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
俺達はその後、ゆっくりと学校の周りを探索していった。
この学校は広すぎる。俺が想像してた教室は大体あるし、一つ一つの部屋も大きい。現実の大学よりもでかいんじゃないか?
そして今はルーデウスが行きたいと言っていた図書館に来ている。図書館も当然規格外の大きさだ。
「麒麟達にお願いがあるんですが」
ルーデウスがこちらを向く
「なんだ?」
「俺がここに来たのは、転移に関する本を探すためなんです。しかし見ての通りここはあまりに広すぎます。だから、本を探すのを一緒に手伝ってくれませんか?」
「ああ、いいぞ」
「ええ、分かったわ」
「ありがとうございます二人とも、では俺はこっちを探すので、2人は反対をお願いします」
「分かった」
そうして俺たちは転移についての本を探し始めた。
転移に関する本は少ない、王都にいる時に理由を聞いたが、なんでも戦争に使われると困るかららしい、確かに別の場所から一瞬で転移できるんだ。中に転移されたら城壁も意味をなさないしな。チートみたいなもんだ。
しかし流石はラノア魔法大学、転移に関する本も多少はある。この大量に並んでいる本の中のほんの一部だけだが、
ある程度本が集まったのでルーデウスとサテラの所に向かった。誰かと話しているな、ん?
話していた人物は、フィッツだった。フィッツは大きいスクロールのようなものを抱えてルーデウス達と少し楽しそうに話していた。早速打ち解けたのか?それとも正体を明かしたのか?
多分後者だろう。
まあそうだな、気持ちはわかる、久々に幼馴染に会えたんだ。嬉しいよな、
そうだ、今思い出したがフィッツ、シルフィエットは平民の子だ。貴族とは違うんだ。
それを俺はあいつを貴族の連中と同じだと思って、攻撃的になっていた。
酷い事をしたな、あいつだって、別に好きであの女に仕えていたわけじゃない、被害者なんだ。
認識を改めよう。あいつは被害者だ。
「ルーデウス、とりあえず本、集めて来たぞ」
まあとりあえずは自然に振る舞おう
「ありがとうございます麒麟」
俺の姿を見たフィッツは少し体を震わせていた。まあさっき俺、殺しかけちゃったからな。仕方ない。
「フィッツ、あんまり怯えないで。確かにあれで怖がるのも無理はないけど、本当はすごい優しい人なのよ」
「そうですよフィッツ先輩、彼は俺の友達を探すために協力してくれる優しい人なんです」
フィッツ先輩?もしかしてフィッツ、正体を明かしていないのか?
何か意図があるんだろうか?いや、こいつにそんなことは出来ないだろう。多分怖くて言えないんだ、忘れられてるかもしれないっていう怖さがな、相変わらずだな。
まあいずれは明かすのだろう。それまで気長に待つとしよう。
「そ、そうなのかい?じゃ、じゃあよろしくね麒麟、、さん?」
「ああ、よろしくな。その、あの時はすまなかった、気分が昂っていてな、少々取り乱してしまったんだ」
俺は頭を下げて誤った。
「いいんだよ別に、、あ!そうだ、丁度麒麟さんにお願いがあるんだよ」
「麒麟でいい、先輩なんだろ?むしろ俺が敬語を使うべきはずなんだから。それで、お願いってのは何なんだ?」
「あぁ、うん、僕のお願いではなくて、アリエル様からのお願いなんだけどね。生徒会室に来てくれないかな」
なに?あいつから?まさか、バレたのか?いやいや、そんな筈ないだろう。今の俺の姿は、王都の奴らは知るはずがないんだ。
でも呼ばれたのか、あいつから、
正直、すごい行きたくない。
でも行かなければ、余計怪しまれるだろう。
ここは行くしかないな、行って速攻で終わらせよう。
「分かった、行くよ、フィッツ。案内してくれ、ルーデウス、サテラ、すまんな」
「大丈夫ですよ、その代わり、どんな話だったか聞かせてくださいよ」
「構わないけど、変な事しないでよ」
「するわけないだろ、」
サテラは怪しい目で俺をみている。
「じゃあ麒麟くん、ついて来て」
さんの次はくんかよ、まあいいか
そうして俺はフィッツについていき、図書館をあとにする。
今から、あの女に会うのか、、
そう考えると、汗が止まらなくなってきた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「アリエル様、連れて来ました」
フィッツはドアのノックしそう言う
「はい、どうぞお入りください」
あの声が聞こえて来た。嫌だなほんと、
部屋に入ると、あの女、アリエルがいた。横には2人の女もいる。
あいつらは、エルモアとクリーナか、こいつらも大きくなったな。まったく嬉しくないけど。
ルークはいないのか、
「S級冒険者、怪力の麒麟様、初めまして。私はアスラ王国第二王女、アリエル・アネモイ・アスラです」
アリエルは立ち上がり、貴族流の挨拶をしてきた。
「ああ知ってるよ、生徒会挨拶の時も言ってたよな」
「覚えて頂き光栄です。正直あなた様はそう言う演説、興味をお持ちでないと思いましたが」
「俺の事を良く知ってるみたいな言い方だな、俺を知ってるのか?」
「ええ、あなたの噂は王都でも良く耳にしました。例えば、フィットア領に訪れ、復興の手助けをしていたとか、そして、ヘルス・ノトス・グレイラットの知り合いだとか、ですね」
そう言いアリエルは不気味な笑みを浮かべる。
こいつ、やっぱり嫌いだ。
まあなるほど、目当ては俺、ヘルスの情報だったか。しかしおかしいな、俺はヘルスの知り合いなんて一度も言ったことはない。誰かが嘘をついたんだろうか?まあでも俺がそのヘルスだってことはバレていないらしい。よかった。
「率直に言いましょう、麒麟さん。ヘルスの居場所を教えてください」
アリエルが笑顔を俺に向けたままそう言ってきた。
「残念だが、俺はヘルスの居場所を知らない、あいつは何も言わずに出ていったからな」
「そうですか、では彼がその時何をしてたの教えてくれませんか?冒険者として活動していたとか、あなたが知っている事なら何でもいいんです」
「やけに必死だな、そんなに王になりたいのか?」
「・・どう言う事です?」
アリエルから不気味な笑みが消えた。
「俺もあんたの事は知ってる。どうせ、ヘルスを見つけて、あいつを自分の仲間にまた引き入れるつもりなんだろ?そうすれば、王になる道が近くなる。つまりあんたは、駒を増やして自分を有利にしたいわけだ」
「違います」
アリエルは静かに、しかし圧のある声で、俺を黙らせた。
「私がヘルスと会いたいのは決してその様な理由ではありません。私は彼がそういう事に利用されるのを嫌がるのは知っています」
「じゃあ尚更意味がわからないな、あんたは忙しいんだろ?そこまでして見つける必要ない筈だ」
「あります、彼は私の大切な人ですから、」
アリエルからでたその言葉に、少し胸が刺された様な痛みが走る。
「理由を聞こう、内容によっては、俺も協力してやる」
「ありがとうございます」
おいおい、俺は何言ってるんだ?早く会話を終わらせたいんじゃないのか?終わらせるどころか引き延ばしているじゃないか。
何をしたいのか自分でもよく分からない。
「私と彼は、幼い頃からの仲でした。彼は私を守護術師として守り、支えてくれました。ですが彼と喧嘩した時、私は彼に、取り返しのつかない言葉を口にしてしまったんです。その言葉に彼は私に失望し、私の前から消えていってしまいました」
「・・・」
「あんなに、腕が無くなるほどの過酷な事をしていた彼を、大切な人が目の前で処刑された彼を、その気持ちを汲み取らずに、彼の嫌がる事を続けてしまったのです。だから謝りたいんです。もちろん許されないと分かっています。会ったら殺されるかもしれない。でも、私は彼にもう一度あって、話したいんです」
だめだ、これ以上は、何だこれは?
胸が針で刺される様な、嫌な感じだ。
早く終わらせなければ
「分かった、協力しよう。だが俺も、あいつが冒険者をしていた事しか詳しくは知らないんだ。だから協力すると言っても、あまり役には立たないぞ」
「ありがとうございます。役に立たないなんては事ないですよ、あなたがいる事でヘルスが現れるかもしれませんからね」
「そうか、じゃあ今日はもう終わりでいいか?友達が待ってるんだ」
「ええ、改めて、協力に感謝します。麒麟さん」
「ああ、」
そう言って俺は部屋から出て行った。
〜〜〜アリエル視点〜〜〜
ラノア魔法大学に来て、3年が経つでしょうか。
生徒会長となった私は、王都にいる時よりも忙しい毎日を過ごしています。
王都に戻った際、後ろ盾になってくれそうな貴族と話をし、協力を仰ぐ。そして学校では、頼れるリーダーとしての風格を守るため、難しい魔術の授業を真面目に聞き、テストも上位にならなければいけない。週に一度の休暇があるとはいえ、それはシルフィに変装しているだけ。本当の自分をさらけだすことは出来ない。
もちろんそれは全て王になる為の事、弱音を言ったりする事は絶対に許されません。私についてきてくれたシルフィ、ルークの為でもあり、今までに失った仲間の為でもあるからです。
しかし、ここ最近、毎日考えてしまいます。
ヘルスがいれば、と
ヘルスがいれば、学校生活もまだ楽しいものになっていたのではないか?
ヘルスがいれば、旅の犠牲もなかったのでないか?
そもそも、ここに来る事もなかったのではないのか?
そう考え始めてから、私はまた悪夢を見る様になりました。
目を開けると、奥にはシルフィ、ルーク、今まで私についてきてくれた人達の死体、
私の足元には、恨めしそうな目で私を睨むデリックと、ヘルスの倒れている姿。
そしてそのまま私も処刑台へ連れて行かれ、首を落とされる。
そんな悪夢を見て、私は汗を大量に流しながら朝を迎える。
私はもう限界なのでしょうか?
そんな時に情報が入りました。
ワンダーズと言う冒険者パーティーについてです。
パーティーのメンバーは全員S級冒険者、その中にはシルフィの幼馴染であるルーデウスという方もいました。
しかし私が興味を持ったのは、怪力の麒麟という人物です。
彼はヘルスと知り合いだという噂を前に耳にしました。
ですので彼をラノア魔法大学に推薦し、ヘルスの話を聞くつもりだったのですが、ジーナスは、他のパーティーメンバー2人は推薦できるが、麒麟は能力的に実力不足だと言われ、推薦を断られました。
私は諦めていましたが、彼はなんとここに来たのです。それもシルフィを倒し、特別生として。
早速私は彼を呼び、話を聞きました。
麒麟はとても穏やかな顔でした。まるで神の使いの様な姿をしていて、私も目を疑いました。
彼と話すと、何故かヘルスと話している気がする。
彼は私に対して嫌味を言ったりしましたが、そんなこと気になりません。
もっと彼と話したい、仲良くなりたい。
しかし彼は私との会話を終えたがっていました。
そこで確信しました。
彼はきっとヘルスの居場所を知っています。そして情報についても、
ですが今の彼から聞く事は難しいでしょう。
当然です。きっとヘルスから何か言われたのでしょう。私は最低な女だとか、そういう事を、仕方ないです。
だから彼と、仲を深める事にしました。
それはヘルスの居場所を突き止める為でもあり、彼とはただ仲良くなりたいという為でもあります。
ヘルスの居場所を突き止めて、会いに行く。
そして、謝罪する。
それは私にとって、王になるのと同じくらい大切な事です。
私は諦めません、絶対に、彼に会うまでは、、
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん