貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
ルーデウス達は既に図書館からいなくなっていたので、探すために外に出た。すると、同じ特別生ザノバとルーデウスとサテラが昼食をとっていた。
「あ、麒麟!戻ってきましたね」
「長かったからもう食べちゃってるわよ」
「ああ、大丈夫だ、腹減ってないしな。お前はたしか、ザノバだよな」
「はい!挨拶がまだでしたな、余はシーローン王国第三王子、ザノバと申します」
王子、聞くだけで不快になるな、
いかんいかん、こいつはルーデウスの友達だ。まずは見極めなければ。
「よろしく、俺は麒麟、お前は最初にあった時からルーデウスと仲がいいよな?何でなんだ?」
「余は数年前までは自国にいましてな、その時に師匠に出会ったのですよ」
「師匠?ルーデウスの事か?随分と尊敬しているな」
「はい!師匠は余に生きる希望を見つけてくださった、まさに命の恩人なのです!」
ザノバは席を立ち、胸に拳をぶつけ、誇らしげに言った。
「ザノバ、言い過ぎですよ」
「ルーデウス、一体何をしたんだ?」
「俺はただ、人形を作っただけですよ」
「人形?ああそうだな、お前、そういう人形を作るの得意だったよな」
懐かしいな、ロアの町にいた時に、パウロの人形をもらったんだっけか、あれは素人から見てもすごい作品だったな。
「得意なんてものではありません!あれはもう神業です!余は初めてあの人形に出会った時、感服しました!」
こいつ、ものすごい熱中してるな、まあ悪い奴ではないって事は分かった。まだ不快感は残ってるが、無事仲良くやってけるだろう。
そうザノバが話をしていると、俺たちの方に、3人組が来た。
1人は男で2人は女、男を挟むように並んでいる。
「お前・・確かフィッツの・・」
ルークか、近くで見るとやはり男前になったな、オールバックと女たらしなのは変わらなそうだな。
「はじめまして、ルーデウス・グレイラットです。本日からこの学校でお世話になります。よろしくお願いします、先輩」
ルーデウスが挨拶をした。ルーデウスは誰に対しても挨拶を欠かさないな、やはり育ちがいいな、親友として誇らしいぜ。
「ああ、知ってるよ、フィッツから聞いた。物忘れが激しいらしな」
ルーデウスは少し困惑している。まあ無理もないな、いきなり物忘れが激しいと指摘されたんだ。
ルークはフィッツの正体に気づいていないルーデウスのことを皮肉っているらしいが、ルーデウスには響いていないようだ。
「で?お前は俺の名前、知ってるのか?」
「す、すいません。よろしければお前を聞かせてもらえますか?」
「そうか、眼中にないか、そうだよな」
ルーク、そんな事言う奴じゃなかっただろ、
「いえ、そんなことは・・」
ルーデウスもさらに困惑してしまっている。
「ルーク・ノトス・グレイラットだ」
「グレイラット?ノトスって事は、ヘルスのしんせ・・・」
ルーデウスは俺の方を向いてきたので、俺はルーデウスの口に自分の食っていたトレーにある唐揚げもどきを詰め込んだ。まずいな、ルーデウスには事情を話していないんだった。
「お前!兄上の事を知ってるのか!?なぜ?どこで!?」
まずいな、ルークにスイッチが入ってしまったな
「あ、ああそうだ、俺達はヘルスって奴とフィットア領にすこーしだけ一緒にいてな、でもすぐにヘルスは旅に出たんだよ」
「旅って、どこにだ?」
「さあ、俺たちに挨拶せずいきなりに出て行ったからな」
「そ、そうか、また何か知ってることがあったら、何でもいいから教えてくれ。有用なら報酬も出そう」
「ああ、そうするよ」
そう言うとルークは連れていた女と共に奥へ行った。
危なかった。
「んん!んんー!」
ルーデウスが俺が無理矢理詰め込んだ唐揚げもどきで苦しんでいる。
「あ!すまんルーデウス」
「ん、ひどいですよ、いきなり詰め込んできて、死ぬかと思いました。ていうかなんでそんな事したんですか?」
ザノバがいるから言うか悩むな、まあでもザノバは悪い奴では無さそうだし、言っちゃってもいいか。もしそれでバラされたら、その時はその時だ。
「俺は実はノトスを出奔した身なんだ。もし俺の正体がノトス家の奴や王都の連中にバレたら、俺は最悪連れ戻される、だからあそこで俺の正体がバレるのはまずかったんだ」
「なるほど、そんな理由があったんですか、すいません。配慮に欠けていましたね」
「いいんだ、俺も説明するのを忘れていたしな」
「麒麟って、貴族の生まれだったのね、あの服装から大体察しはついていたけど」
ずっと黙っていたサテラが口を開いた。
「余も少し麒麟殿の振る舞い方が貴族と似ているとは思っていましたが、まさかあの上級貴族の生まれだったとは、今までの無礼をお許しください」
ザノバは席を立ち、俺の前に来て頭を下げた。
こういうの、一番嫌いなんだ。
「やめてくれザノバ、俺はそういう堅苦しいのが大嫌いだから家を出て行ったんだ。それに今はもうただの平民だ。だからそういうの、やめてくれ」
「分かりました。では、同じ師匠の仲間、ということで、よろしくお願いします」
ザノバは俺に手を差し伸べてきた。
「ああ、よろしくな」
俺はそれを快く受け入れた。こいつは貴族、王族だが、どこか親しみやすさを感じる。サウロスとかと似てるな、サウロスと似てるってことは、いい奴って事だ。
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ラノア魔法大学に入学して、もう数十日がすぎた。時の流れは早いな
俺達は大学にある寮で暮らしている。
最初、男女で分かれると言った時は、少し心配になった。サテラ、1人で大丈夫かな?友達と仲良くできるかな?
そう心配している事をサテラに伝えると、
「考えすぎよ、はあ、あなた本当に私を舐めてるわね」
と怒られてしまった。
まあ1人でできるならいいんだが、やっぱり心配だな。
そんなこんなで過ごしていると、俺にもルーティーンができてきた。
まずはゆっくりと起床、ルーデウスはいまだに朝トレをしているので、それの終わりに俺を起こしてもらう。そして顔を洗い、支給された特注の制服に着替えて学校へ行く。
朝、ルーデウスとザノバ、サテラと共に朝食をとり、ルーデウスとザノバと別れる。
午前はサテラと良く過ごしている。たまにルーデウスと授業が被る時もあるが、大体はサテラと共に治癒魔術に関する授業を聞き、ルーデウスとザノバと集合し、共に昼飯を食う、そして午後はサテラはまた治癒魔術の授業を受けに行き、俺は1人の時間になる。
この1人の時間は、本当に気分で活動を決める。
ルーデウスと共に転移事件について調べることもあれば、学校内で親睦を深めるため、他の生徒の手伝いや魔術について教えてあげたりする事もあるが、
最近は剣術にハマっている。
俺は昔、剣術の才能は自分にはないから、拳を使うと決めていたが、流石に拳には限界がある。
だから俺も剣術を学ぶ事にしたのだ。
才能がないとは言ったが、俺には近接戦で得た知識と、この人獣型のパワーがある。これなら大体聖級ぐらいはあるだろう。
努力を重ねれば、いずれ俺も王級になれるかも、!
そんな妄想を繰り返しながら、日々木刀を振り下ろしている。
そしてもう一つ、これはハマっているとかではなく、仕事みたいなものなんだが、
ヘルスの捜索の協力だ。
自分はここにいるので、探すだけ無駄だが、そんなことは絶対に言えないので、俺は大人しくアリエルにしたがっている。
協力と言っても大体するのは、アリエルが俺、ヘルスの凄いところや尊敬するところとかの話をするのを聞くだけだ。正直興味がない。
アリエルは本当に楽しそうに俺の事を話している。
それは凄い不快だが、でもなぜか心地いい感じもする。
俺はよくそんな複雑な感覚に陥る。
そして1人の時間が終わり、夜になると、寮に戻り、ベットに転がり込む。
今までの生活をしてきた俺からしたら、それは何とも退屈で、面白みもない日々、だけど、こういうのもありだなって思っている。
今までが濃すぎたんだ、しばらくは平穏な日々を過ごすのもありだな。
そんな事を考えながら、ゆっくりと目を閉じて、1日を終える。
今日は平和回です
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん