貴殿転生 元の知識で本気出す   作:MENOUENOTANKOBU

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34話 共闘

「フン!」

 

バーディガーディの重い拳が俺の体に振り下ろされる。

それを俺はギリギリで回避、そしてそのまま武装色付きの拳でお返しする。その拳は直撃した。

 

「いってぇ!」

 

しかし奴の体は硬過ぎた。攻撃した俺がダメージを負う。

なんだこいつ?体が鎧そのものなのか?

 

そんな事を10分ぐらい続けている。

周りには人が集まり始めている。その中にはアリエルとルークもいた。

ニナは意識を取り戻し、他の連中に担がれて人だかりに紛れていった。

 

「フム、貴様、中々いい力を持っておるではないか!」

 

「光栄だな魔王様、それはお世辞か?」

 

「バーディで良いぞ、魔王はお世辞など言わん、貴様の力は我が輩には及ばないが、相当なものだぞ」

 

「そんなすげぇ偉い方も、やっぱりリニア達が欲しいのか?」

 

「ん?我が輩はそやつらに興味はない!我が輩が求めるのはルーデウスという男だけだ!」

 

ルーデウス、また変な奴と知り合っていたのか、これ以上出てこられると、俺も骨が折れるぞ。実際、今右腕が折れているが。

 

人獣型で腕を折られたのは初めてだ。俺は切られる事はあっても、力で負けた事など今までになかったからだ。

 

しかしさっきバーディの一発の拳だけで、俺の右腕は完全に逝ってしまった。

 

これは、負けるな、、

 

「麒麟!大丈夫ですか!?」

 

「麒麟君!?無事!?」

 

後ろからルーデウスとフィッツの声が聞こえる。

 

「ルーデウス、フィッツ、すまない。お前らには会わせないつもりだったんだけどな」

 

「そんな気遣いいらないよ!腕が折れてるじゃないか、見して!」

 

「ルーデウス、そうか、貴様がルーデウスなのだな!」

 

バーディはルーデウスの前に来て見下ろしている。

 

「我が名は魔王バーディガーディ!貴様に決闘を申し込む!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「まだかね?」

 

座っているバーディが聞いてきた。

 

「今、杖を取りに行ってもらっているので、しばらく待ってもらえますか?」

 

「構わぬぞ、人族はせっかちと聞いたが、貴様には余裕があるな」

 

バーディはそういい豪快に笑う。

俺はフィッツに治してもらった右腕の調子を確認する。

いけるな。

バーディの提案により、俺とルーデウスは、2対1で挑む事になった。

 

前、群れる奴は弱い的な事を言っていたが、今度は群れる側で戦うことになるとはな、、

 

「麒麟!?大丈夫なの!?」

 

人混みから一人の女が出て来た、サテラだ。

 

「サテラか、もう大丈夫だ。俺達は今から決闘をするから、離れて見ててくれ」

 

「決闘って、あなたボロボロじゃない。その腕、さっき治してもらったばかりでしょ?」

 

よく気づいたな、跡なんてない筈なんだが、

 

「ああ、でも大丈夫だ、俺を信じてくれ」

 

「でも、、」

 

「ハハハハハァ!麒麟と言ったか?貴様は愛されているな!」

 

「おかげさまでね」

 

サテラは少し恥ずかしそうに周りを見ている。

 

「わ、分かったわ、でも絶対に無茶しないでね?」

 

「分かったよ、約束だ」

 

そういって駆け足で去っていくサテラと入れ違いでフィッツが来た。

 

「はあ、ごめんね、はあ、遅れちゃって、はあ、はい、これ」

 

息を切らしながら杖を渡すフィッツ

 

「ありがとうございます、フィッツ先輩」

 

「いいんだよ、はあ、それよりもルーデウス君と麒麟君、危なくなったら逃げてもいいからね?ごめんなさいして逃げても、誰も何も言わない相手だから、命だけは、ね?」

 

「もちろんそのつもりですよ」

 

「ああ、命は大切だからな」

 

そう言って俺達はバーディの方へ向き直り、戦闘体制に入る。

 

そういえばルーデウスと共闘するのなんていつぶりだ?ステップトリーダーと一緒に冒険してた時以来だな。

 

「魔王様、戦う前に一つお尋ねしたい事があります」

 

「バーディで良いぞ、言ってみろ」

 

「ではバーディー陛下、その、これから俺が口にする人物の手先とか、配下とか、そういう感じではないので、唐突に殺しにかかってこないで欲しいのですが」

 

「ああ分かった、約束しよう」

 

「ヒトガミ、という単語に聞き覚えはありますか?」

 

ヒトガミ、、やはりルーデウスも気になるのか、確かにあいつのせいで、ルーデウスは一回死にかけてるからな」

 

「貴様、その名前をどこで聞いたのだ?」

 

「夢に出てくるんです」

 

「そうか、夢か」

 

「何か、ご存知で?」

 

バーディはしばらく考えて、答えを言った。

 

「分からん」

 

分からないんかい、なんだったんだよあの間

 

「そうですか、ありがとうございました」

 

「うむ、では、始めようか」

 

そう言ってバーディも立ち上がった。

 

「ルーデウス、頼むぞ」

 

「ええ、任してください」

 

そうして俺達の決闘が幕を開けた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺は一直線にバーディに向かっていった。

力では敵わない事は分かっている。

ならば搦手を使うまでだ。

 

「フフ!来い!」

 

バーディは俺に向かい両手を広げ、迎え撃つ体制をとった。

 

しかし俺はバーディから数メートルの距離でジャンプした。

 

「ん!?」

 

バーディが上を見上げる。

 

俺は口を大きく開いた。

 

口の中から大きな火の玉が出てくる。

 

キュインキュインと力を溜めている音が周りに鳴る。

 

「ボロブレス!!」

 

そして俺はバーディに熱線を浴びせた。

俺のボロブレスは山頂を破壊できるほどの威力はないが、半径5メートルに巨大なクレーターを作ることくらいはできる。

 

そのボロブレスを直で受けたんだ。

せめて傷ぐらいはできてて欲しい。

 

砂埃からバーディが出て来た。

上出来だ!奴の腕の一本が無くなっている!

しかしまだ一本だ。

 

「フハハハハァ!驚いたぞ!まさか魔術も使えるとはな!」

 

バーディは余裕そうな笑みを浮かべている。

 

「随分と余裕そうらしいが、もう一人にも気をつけた方がいいぞ?」

 

俺のアドバイスでバーディがルーデウスの方を向く。

 

「ハァ!」

 

ルーデウスは練り上げたストーンキャノンをバーディに向かいぶつけた。

 

「ぬお!」

 

バーディはそれを手で止めようとしたが、逆に手が消えた。

当たり前だろう、ルーデウスが本気でつくったストーンキャノンは、止められる者はいないってぐらい硬いんだ。 

 

バーディは受け止める姿勢から避ける姿勢に変わり、ストーンキャノンをギリギリ、というか当たりながら避けた。

 

バーディの体は横腹あたりが消えている。

 

俺は地面に着地し、今度はバーディに近づき、

武装色を腕につけ、殺す勢いでバーディの顔に向かって飛んだ。

 

「実直拳骨!!」

 

俺はバーディに渾身の一撃をお見舞いした。

これは、赤竜の時よりも強化された一発だ。

周りから覇気が出ている。

 

凄まじい衝撃波に、俺自身も吹っ飛び、ルーデウスとぶつかった。

 

「ゲホ、すまんルーデウス」

 

「大丈夫ですよ、それで、手応えの方は?」

 

「分からん、だけどこれは俺の渾身の一撃だ」

 

バーディのいた所には、砂埃が待っている。

 

これで効いていなかったら、俺達の、少なくとも俺に、なす術はない、

 

砂埃が散る。

そこには上半身のないバーディがいた。

 

え?

嘘だろ?死んだのか?あいつなら頑丈だから大丈夫だろうと思って本気の一撃を喰らわせたが、やり過ぎだったのか?

 

そう考えていると、バーディの下半身がいきなり立ち上がった。

 

『!?』

 

そして、近くに転がっている腕などのパーツがバーディの下半身に集まっていく。

ボコボコと音を立てながら、バーディの体はみるみるうちに再生され、元の姿に戻っていた。

 

「ハハハハハァ!我が輩大復活!」

 

「よかった、生きてた」

 

ルーデウスが安堵の声をつくと、俺と共に再び戦闘体制に戻った。

 

「もう良いぞ!貴様らの勝ちだ!ルーデウス、麒麟よ、勇者を名乗っても良いぞ」

 

「え?終わり、ですか?」

 

「うむ、貴様らは我が輩を一度殺した。ならば潔く負けを認めよう」

 

そういっていつもの様に豪快に笑い始める。

はっきり言って怖すぎる。

 

「本当に、それでいいのか?」

 

「そうだと言っておろう、麒麟、我が輩は貴様の力をみくびっていた様だ、貴様の力は既に吾輩を超えている」

 

「そう、なのか?」

 

まずい、喜びが顔に出てしまってるな、

 

「勝ちどきを上げよ!」

 

そう言って俺とルーデウスの腕を掴み。上に持ち上げた。

 

「か、勝ったど〜〜!」

 

ルーデウスがそう叫ぶ。

まあ、なんだ、俺達は勝った。ってことでいいんだよな?

 

そうして大きな大学内の庭で、俺達は魔王バーディガーディに勝ったのだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「はあ、もうヒヤヒヤしてたわ」

 

「そうだよ、本当に心配してたんだよ」

 

サテラとフィッツがそう俺たちに言って来た。

 

「二人とも、心配してくれてありがとうございます。本当、これからはもっと慎重に行くようにします」

 

「俺もそうするよ、あんな体験、もうごめんだしな・・・・で?なんでお前らが居るんだ?」

 

「それは私達も、麒麟とルーデウスが心配だからですよ」

 

そう笑みを浮かべるアリエル、その横にはルークもいる。

 

「アリエルさんとルークは私が呼んだのよ、ちょっと麒麟にお願いしたい事があって、」

 

「お願いだと?」

 

サテラは俺の方を真剣に見ている。

 

「あのね麒麟、私はね、生徒会に入る事になったのよ」

 

「なんだって!?」

 

サテラが生徒会?つまりアリエルと共に学校生活を送るということか?

 

「それでね、もし良かったらなんだけど、あなたも生徒会に入ってくれないかしら?」

 

待て待て、理解が追いつかない。

サテラが生徒会に入る?そして俺にも入って欲しい?

つまり、アリエルの下につけって事か?

そんなの、真っ平ごめんだ。

 

しかし、サテラとはアリエルと、話し合って欲しいという願いもある。

 

「麒麟、私はこのラノア魔法大学を、どんな生徒でも、何不自由なく生活を送る事が出来るようにしたいと思っています。そして、あなたはこの学校で頼りなるという事で大変人気です」

 

「・・・そうなのか?」

 

「ええ、みなさん良く口にしますよ。麒麟は困った時はいつも助けてくれるとね」

 

そんな事言われてたのか、確かに困ってる奴がいたら、率先して助けるようにはしてるが、

そんな事言われてるなんて、少し照れるな。

 

「そんなあなたが生徒会に入るとなれば、生徒の皆さんもあなたに頼りやすくなり、身近な存在になるでしょう」

 

「・・・」

 

「それに、あなたともっと、ヘルスについて話したいのです」

 

アリエルはそういって俺を希望の目で見つめている。

 

正直な俺の感想を言おう、嫌だ。

 

アリエルに対する嫌悪感は薄れたとは言え、俺はまだこいつが信用できない。王族だしな、

 

しかしサテラがもし一人で生徒会に入るとなれば、アリエルにどんな事をされるかわかったものではない。

 

どうするべきだ?

 

「麒麟、行った方がいいんじゃないですか?」

 

ルーデウスがそう言った。

 

「なぜだ?」

 

「俺としても、麒麟は頼れる存在です。そんな麒麟の事を、俺はもっとみんなに知って欲しいんですよ」

 

ルーデウスに言われると弱るな、

 

くそ、仕方ない。

 

「・・分かった、生徒会に、入る」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

そういってはしゃぐアリエル

 

「コホン、アリエル様?」

 

ルークのその言葉に、アリエルが正気に戻る。

 

「あ、すいません、でも麒麟、ありがとうございます」

 

「麒麟、ありがとう」

 

そうして俺は、生徒会、アリエルの部下として学校生活を送る事になってしまった。

 

 

 

 

手遅れかもしれないんですけど一応

  • 戦闘描写たくさん
  • 話し合い、イチャイチャたくさん
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