貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
生徒会としての日常は、思っていたより酷いものではなかった。
サテラといつも通り学校へ行き、朝に生徒会室へ行き、アリエル達と挨拶をする。俺はてっきり、アリエルに一日中振り回されると思っていたが、そうでもなかった。
確かに良くアリエルに話しかけられるが、それは適当に聞き流し、大体はヘルスの情報を集める。まったく成果はないがな。
そして午後になると、俺はいつも通りフリーになる。サテラから午後も本人の意思でアリエルに着いていけることができる。と言われたが、俺はそんなの嫌なので午後になるとさっさと図書館へ向かい、ルーデウスとフィッツと共に転移について調べる。
しかし最近は行き詰まりをまた感じ始めている。
調べるにはあまりに知識と文献が足りなすぎるのだ。
「どうしたもんですかねぇ」
「まず本が少なすぎる、僅かな本から得られる知識もあまり役には立たないしな」
しかし俺は転移について調べていて、やってみたい事ができた。それは転移による遠距離の移動だ。
ワンピース世界の五老星や、神の騎士団は、五芒星という、魔法陣を使い、お手軽に遠距離を移動していた。魔法陣ならこの世界にもあるらしいし、実現する事は、恐らく可能だろう。
しかしそれを実験しようにも、まずはこの世界の魔法陣、転移についてを調べなければいけない、今の俺には厳しい問題だ。
俺とルーデウスはいつも調べ物をしている机に戻る。
「フィッツ先輩、召喚魔術に詳しい人、知りませんか?」
ルーデウスの問いに、フィッツは答えない。
おかしいな、フィッツ、拗ねてんのか?
「おいフィッツ?どうしたんだ?」
返答はない、まさか!死んだのか!?
俺はフィッツの顔を覗く、
フィッツは気持ちよさそうに寝ていた。
なんだ、寝てるだけか。
そういえばフィッツは最近徹夜が多いからな、日々の疲れが出たんだろう。
「・・・・えっ!?あぁ、召喚魔術に詳しい人、、?」
フィッツは寝起きの頭をフル回転させている。
「あ、そういえば一人いたよ、召喚魔術の専門家」
『おぉ!』
「誰だと思う?君達も名前だけは知っている筈だよ」
「召喚魔術の専門家?しらねぇな」
「誰だろう、教えてくださいよ」
フィッツは得意げに鼻を鳴らした。
「ふふん、特別生のサイレントセブンスターだ」
サイレントセブンスター、名前は聞いた事ある。確か、この俺が着てる制服とか、食堂のメニューを改善したり、黒板を考案したりなど、様々な功績をこの学校に残していると、
それは、俺のよく知る高校、中学校と良く似ていた。
俺と同じ転生者、その可能性もあるかもしれない。
軽くそんな事を考えているが、正直信じられない話だ。
でも、無いわけではないんだ。
俺も一応、この世界に転生して来たのだ。
俺だけ特別って訳じゃないだろう、他にもいる可能性だってあるんだ。
考えれば考える程、頭が痛くなる。
まあでもひとまず俺達がやる事は一つ、
「会ってみるか、そいつに」
まずはそいつに会わなければ。
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俺はサテラにもついて来てもらう事にした。
何が起こるか分からないからだ。
バーディの一件以来、俺は少々用心深くなってしまった。
ちなみにあのバーディガーディは、何故か特別生として、この学校に滞在している。
昼飯の時に俺たちの所へ現れ、豪快に笑いながら酒を飲んでいる。
そんなに飲んで金はどこから出てくるのかは分からないが、魔王だし、結構金は持ってるんだろう。
サテラは仕事が終わったら来るとの事なので、俺は先に行かしたルーデウス達の所へと向かう。
サイレントセブンスターの部屋に向かうため、螺旋階段を登ろうとした瞬間、
ルーデウスの叫び声が聞こえた。
何事だ!?
「麒麟君!?何今の!?」
後ろを向くとフィッツがいた。
「わからん、だが緊急事態ってのは確かだ!行くぞ!」
「うん!」
俺とフィッツは螺旋階段を走りながら登る。
そして、サイレントセブンスターがいるであろう部屋の外に、そいつはいた。
倒れているルーデウス、その前にいるのは、仮面をつけた女、あの仮面、忘れるはずが無い、
ルーデウスを殺しかけた男、龍神だったか?あいつと共にいた女だ。
「あら、あなたもここにい・・・がぁ!」
俺は考える事はせず、その女の首を掴んで持ち上げた。
「やべ、はなじなざ、いよ、」
「無理な話だ、お前、ルーデウスに何をしたんだ?また殺しにでも来たのか?」
俺は更に力を込める。
仮面の女は更に苦しそうに俺の腕を掴んでいる。
「麒麟君!落ち着いて、ルーデウス君は気絶してるだけだ!死んでる訳じゃ無い!」
「だとしてもだ、俺はこいつを信用できない」
ここでこいつは殺しておくべきだ。
そうしておかなければならない程、こいつは危険だ。
「何してるのよ!!」
横から階段を駆け上がる音が聞こえた。
階段をものすごい勢いで登って来た人物。
「サテラ!?」
俺はそういうと同時に、サテラにマジパンチを喰らわされた。
「ヴォゲァア!!」
そのまま俺は壁に衝突した。
「いってぇぇ、何すんだサテラ!」
「こっちのセリフよ!なんであんた、ナナホシの事殺そうとしてるのよ!」
なんだ?サテラは知り合いなのか?いやサテラは龍神と一緒にいたこいつを見たことがある筈だ。なんでこいつの味方をするんだ?
「お前もこいつが誰だか知ってるだろ!?ルーデウスを殺そうとした奴の仲間だぞ?」
「違うわ!むしろ逆よ!ナナホシ、この子はルーデウスを助けたのよ!」
「は?」
どういうことだ?
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サイレントセブンスターもとい、ナナホシはルーデウスを助けた。
これは事実らしい。
確かに龍神はルーデウスを殺しかけた、なんなら胸を貫いて殺したまであるが、ナナホシの願いにより、龍神にルーデウスを治してもらったんだそうだ。つまりルーデウスの命の恩人であるという事。
「そんな事があったなどとは知らずに、申し訳ない」
俺はナナホシに謝罪した。
「気にして無い、訳ではないわ、正直、本当に死ぬかと思った」
「殺す気だったからな」
そういうとナナホシはびくりと体を震わせた。
「一言多いのよ!」
サテラに頭を叩かれた。
そんな話を聞いたが、俺はまだナナホシ、この女を信じきれていない。
まずこいつは素性が分からない、何者で、どこから来たのか、全てが謎なのだ。
「ん、んん?」
フィッツに膝枕をされていたルーデウスが目を覚ました。
「あ、ルーデウス君、起きた?心配したよ」
ルーデウスはゆっくりと体をあげる。
「フィッツ先輩に麒麟とサテラ、、すいません、ちょっと酷い夢を見てて。白い仮面をつけた女に殺されそうになる夢です」
「ああー」
俺は言葉が詰まる。
「まったく、何をそんなに怯えてるのよ」
「ヒッ!」
部屋の中にある階段に座るナナホシがそう言って、ルーデウスは背筋を凍らせた。
こいつ、人を驚かすのが趣味なのか?
「オォ!オォオルステッドは!?」
「安心しなさい、しばらくはあなたを狙わないから」
しばらく?いずれ殺すという事か?
「しばらくって、いずれは殺しに来るって事ですか!?」
「そんな予定は、まぁでも可能性はあるか、あなた次第ね・・・」
まずいな、ちょっと殺気を出しすぎた。またナナホシが警戒しだした。
「ええと、君はルーデウス君とどんな関係なの?」
ルーデウスの横にいたフィッツが聞いた。
「どういう関係でも無いわ」
「でも、彼がこんな慌てふためくなんて、君、何かしたんじゃ無いの?」
「前に会った時、龍神にやられたのを覚えてるんでしょ」
意外とあっさり言ったな、まあ龍神というワードを聞いてもフィッツはあまり理解できないと思うが、
「それにしても、ここで再会するなんて思ってなかったわ」
ナナホシは階段から降りて、ルーデウスの所にしゃがんだ。
「三つ、あなたに聞く、正直に答えなさい」
「一つ、これに見覚えはあるかしら」
ナナホシはポケットから一つの紙を取り出し、それをルーデウスに見せた。
ルーデウスの後ろにいた俺は、目を見開き、驚いた。
その紙に書いてあったのは、、
日本語だった。
紙には名前が書かれていた。
篠原秋人
黒木誠司
ナナホシは俺が驚いた表情をしているのは気づいていなさそうだ。
『二つ目、この言葉は分かる?』
そして、ナナホシは日本語を喋った。それも流暢に
固まっているルーデウスを気にせずにナナホシは続ける。
『三つ目、あなたはこの二人のうち、どっち?』
『・・・どっちでもない』
「ルーデウス!?」
いかん、声が出た。
全員が俺の方を向く、
「ああすまん、ちょっとルーデウスが心配でな、何を言ってるかは分からないが、続けてくれ」
「麒麟、心配してくれて、ありがとうございます、、」
なんとか誤魔化せたようだ。
そんな事よりもだ、
ルーデウスも日本語を使える、何故だ?
ルーデウスとナナホシは、同じ転生者、俺と同じ日本人なのか?
まずい、混乱する。最近はこんな事ばっかりだ。
『まあとりあえず、言葉は分かるのね』
「え、何語?ルーデウス君?」
「こんな言語、聞いた事無いわ。麒麟、何か知ってる?」
「・・・知らないな」
「なんでも無い、彼と私が同郷ってだけ」
「同郷!?そんなはずはないよ!」
確かにフィッツからしたら有り得ない話だ。
ずっといた幼馴染が全く知らない奴に同郷と言われていたら、信じれないのも無理はない。
『じゃあ、あんたもそうなのか?』
ルーデウスが顔上げナナホシを見る
ナナホシはゆっくりと自分が持っていた仮面を取り外した。
ナナホシの素顔、それは、この世界では珍しい顔、しかし俺が良く知るものだった。
日本人、そう確信した。
『私の名前はナナホシ、ナナホシ シズカ。日本人よ』
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん