貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
アリエルの考えた策は、無茶苦茶なものだった。
まずルーデウスとシルフィを二人で森へ冒険に行かせる。
そして雇った上級水魔術師に雨を降らさせ、二人をどこか雨を凌げる場所に移動させた後、そしてルーデウスにシルフィの下着を脱がせ、記憶を呼び起こさせる。
そしてフィッツをシルフィと理解したルーデウスは、そこで・・一夜を共にする。
・・アリエルの頭はお花畑なのか?
「なんだそのふざけた計画、無理に決まってるだろ」
「そんな事ありませんよ。いい計画だと思いますよ」
横にいるアリエルが少し不満げな顔で見てくる。
「第一、なんで下着を脱がせるのが計画に入ってんだよ」
「シルフィは過去に、ルーデウスに下着を脱がされた事があるらしいんですが、その時の事を思い出せれば、きっとルーデウスはシルフィを思い出せるはずです」
そう言うのは先に言えよ、、
ていうかルーデウス、そんな事してたんだな。
出会う女を次々と落としていくルーデウス、罪深い奴だ。
「しかし、ルーデウスは水聖級魔術師だ。最近大業を見ていないが、水聖になってからもう何年も経ってるし、技術も魔力も比べ物にならない程成長してるはずだ。上級水魔術師じゃあ何人いても足りないんじゃないか?」
「そうですね、そこはシルフィの頑張りに期待しましょう」
「期待って、確実に雨を降らせなきゃ計画は破綻するんだぞ?」
「まあ、そうですね。すいません、浅く考えすぎていました」
アリエルが下を向き、黙っている。
もしかして俺が否定しまくったから、しょげてるのか?
まあどうでもいいが、
しかし、そこからしばらくの間、沈黙の時間が流れる。
「はあぁぁぁぁ」
俺は誕生史上一番デカいため息が出た。
「分かった、雨を起こす役は俺がやる」
「本当ですか?ありがとうございます」
アリエルは急に顔を上げ笑顔になった。
その言葉を待っていたと言わんばかりに。
こいつ、、まあいい、
「まあまずは、シルフィに確認をとらなきゃな、」
「ええ、そうですね」
アリエルはニコニコと俺を見ながらそう言った。
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生徒会室にルークとフィッツを呼んだ。
シルフィに計画を伝えると、最初は戸惑っていたが、覚悟を決めて、やると答えた。
「僕、頑張るよ」
「もちろんそうしてください、しかし、麒麟の手も借りたのにも関わらず。もし土壇場で勇気がなくて言えなかった。なんて事になったら、アスラ王国第二王女の名において、以後、ルーデウス・グレイラットとの一切の接触を禁止します」
アリエルは静かに、しかし圧のある声でそういった。
「はい!」
フィッツは元気よく答えた。
「よろしい」
「ところでフィッツ、お前はルーデウスと結婚してどうなりたいんだ?」
「け、結婚!?そんな事まだ言ってないよ!」
ルークの質問に、フィッツは慌てている。
「だってそうだろう、お前はルーデウスと一夜を共にする。それはすなわち、責任を取ると言う事だ」
「ルークの言う通りだ。それに、お前だってそうなりたいとは思ってるんだろ?」
「えぇ、あ、その、、うん、そうだよ、」
耳を真っ赤にするフィッツ
「フフ、シルフィ、あなたは具体でにルーデウスとどうなりたいのですか?」
しばらく黙っていたシルフィが口を開いた。
「えっとね、ベットは一緒で、ルディはたまに下品になるから・・・」
そこからはシルフィの妄想の話を聞かされ続けた。それも20分もだ。
話が終わる頃には、俺達はみんな疲れ切っていた。
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その後、シルフィはなんとかルーデウスと森へ向かう約束をできた。
そして当日、俺達はシルフィとルーデウスを見送るふりをして、ゆっくりと後をつけていった。
「麒麟様、そんなに近づきすぎると、バレてしまいますよ」
雇った魔術師がそう言ってくるが、俺はお構いなしにルーデウスとシルフィの後ろの木に隠れて様子を伺っている。
シルフィがルーデウスの杖をとり、顔に指輪を近づけて、準備OKのサインを出した。
あの指輪は俺がアリエルやルーデウスにあげたものと似ていて、特定のキーワードを口にすると、もう片方の指輪が光る。
俺のと違うのはキーワードを口にしないのといけないのと、あんまり遠くにいくと使えない、と言うことぐらいだ。
そんなことは置いておいて、俺達の仕事がきた。
「よし、お前ら、頼むぞ」
「任せてください」
二人の魔術師がお互いに会釈すると、持っていた杖を空に向けた。
しばらくすると周りから雨雲が出始めた。
こんないきなり出ると少し怪しいが、まあいいだろう。
しかしすぐに空が晴れ始めた。
やはりルーデウス、早いな、
「な、なんだと?」
「俺達の魔力を合わしても、足りないのか?」
魔術師達は驚いている、まあそうだよな、二人とも上級水魔術師。
そんな二人を合わしても勝てない魔力総量、本当ルーデウスは底知れない。
そのせいで俺の仕事が増えてしまったが、仕方ない、ここはルーデウスとシルフィのため、いっちょ頑張りますか。
「なあお前ら、今から俺がやる事、絶対広めんなよ?」
魔術師達に背を向けながらそう言う。
『?』
俺は人獣型から、獣型に姿を変えた。
獣型の俺はまさに麒麟の姿になっている。
「なんですかその魔術!?」
「そんな姿、見たことも聞いたこともないぞ!?」
それを見て驚く魔術師達は無視するとして、
俺は空を飛び、ルーデウス達の方を見る。
案の定、空を晴れさせているのはルーデウスだった。
シルフィが頑張ってギリギリ曇りにしているが、それも時間の問題だ。
「ヒヒィィィン!!」
俺は雄叫びをあげた。
麒麟の鳴き声なんて知らないが、馬みたいな感じだろう。
俺が咆哮を上げると、空が一気に真っ暗になり、ゴロゴロと雷の音がし出した。
雨は一気に降り始め、すぐ土砂降りになった。
これならルーデウスも流石に晴れにできまい。
よし、成功したぞ!
この技は俺がフィットア領にいた時に考案した。しかし使う機会がなく、今まで試した事がなかったんだが、なんとか成功できた様だ。
俺は獣型のまま、ゆっくりと地面に向かって歩いていった。
この姿の俺は大きい、軽く10メートルは超えるだろう。
まさに怪物だ。
だからこれで地面に降りるときは下に人がいないか注意しなくてはならないのだ。
「お疲れさん、お前達の仕事はもう終わりだ」
俺は地面に足をつけた。
「き、麒麟、様なんですよね?」
一人が言った。
「そうだ、しかしさっきも言ったが、この事を誰に言うなよ。代わりに報酬は増やしてやるから」
そういって俺は持っていた金貨を少し渡し、魔術師二人を先に帰らせた。
俺の仕事はこれでもう終わりだ。
あとは、ちょっと確認したいな。
俺はルーデウス達がいたであろう場所にいき、足跡を辿っていった。
そしてその足跡は岩で封じられた洞窟で終わっていた。
ここで、今夜過ごすんだな、、
ここで待つのもいいが、二人のムードを壊したくないので、俺も帰る事にした。
俺の仕事は大成功で終わったのだ。
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俺は生徒会室に入り、仕事を終わらせた報告をした。
「そうですか、成功したのですね。麒麟、本当にありがとうございます」
「感謝するのはまだ早いぞ、俺は自分の仕事をやっただけだ。後はシルフィの努力次第だ」
「ええ、そうですね、後は彼女が勇気を出すだけです」
「しかしアリエル、お前はなんでそんなにシルフィがルーデウスと一添い遂げる事を望んでいるんだ?」
俺はずっと謎だった事を質問してみた。
シルフィはアリエルの大切な仲間だ。
そんな仲間がもしルーデウスと結婚したら、アリエルを守る事が難しくなるだろう。
つまり、王になる道が狭まるのだ。
しかしシルフィを使ってルーデウスを仲間にしようとしている訳でもない。
一体何が目的なんだ?
「私はいずれ、王都に戻ります」
だよな、元々こいつは生き延びる為にここに逃げて来ただけだ。
いつかまた戻り、また愚かな争いを始めるんだろう。
懲りない奴だ。
「王都に戻れば、王になるか死ぬか、2つに1つ、それが私の義務です」
「・・・そうだな」
「しかしシルフィには、そんな事に付き合う義務はありません。彼女は王族でも、貴族でもない、ただの平民の子です。私はそんな彼女に甘えていました。だからそれを止めるため、シルフィが自分の道を進むために、今回この様な事をしたのです」
アリエル、、やはり変わったな、
だがもしシルフィが居なくなれば、アリエルの護衛はルーク一人。エルモアやクリーナは戦力としては役に立たない、
そんな戦力で王都に戻ったとしても、待っているのは確実な死。
アリエルの死、前まではそんな事考えてもなんも感じなかったが、今の俺にまたその事実が突きつけられると、何故か心苦しくなる。
・・・俺は、アリエルをどう思ってるんだ?
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フィッツが戻ってくると、結果の報告を聞いた。
フィッツは無事、自分がシルフィである事を明かす事ができたようだ。
しかし、ルーデウスのEDのせいで、愛し合うことは出来なかったみたいだが、まあ結果的には成功だな。
ルーデウスのEDについても、ルークが持って来た媚薬でなんとかなりそうだ。
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そして数日後、珍しく俺とサテラ、ルーク、フィッツ、アリエルが全員集合している。
「失礼します」
その声と共に扉が開かれる。
入って来たのはルーデウスだった。
ルーデウスに質問をするアリエルとルーク、それに対し詰まることなく答えるルーデウス。
「シルフィと、結婚します」
ルーデウスのその言葉に驚くルークとシルフィ。
「遅かったな、ルーデウス」
「えぇ、正直待ちくたびれたわ」
俺とサテラは大体そんな気がしてたのであまり驚きはしなかった。
「そうですか、ではシルフィ、あなたはどうなのですか?」
「え、えぇ?」
アリエルの突然の問いに戸惑うシルフィ。
「シルフィ、お前も覚悟を決めろよ」
俺は戸惑うシルフィの背中を叩き、ルーデウスの方へ行かせた。
「え、えと、ル、ルディ・・」
「あっ、はい」
「その、よろしいお願いします」
「こ、こちらこそ」
何度も見てもこのカップル、熱いねぇ、
いや、二人はもうカップルじゃない、夫婦なのだ。
こうしてルーデウスとシルフィは結婚した。
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん