貴殿転生 元の知識で本気出す   作:MENOUENOTANKOBU

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4話 わがまま

変身魔法で戦ってみて分かったことがある。

まず変身には三段階ある。

人型 獣型 人獣型だ

 

人型はいつもの自分の姿で、能力はない

 

獣型は大体4mくらいの前世にもいるやつと同じだ。

力も強いし足も速い

 

そして最後の形態、人獣型だ。

この人獣型には姿が二種類ある

まず一種類目

大きさは2mぐらいのサイズで、足はそこまで長くないし胴体から上が人の体になる。

ケンタウロスを想像すればすぐ分かるだろう。

これを獣人型としよう

 

次に二種類目

これは俺が初めて変身魔法を使った時、騒ぎになった姿だ。

さっきの獣人型とは逆で首が1メートルくらい伸びてキリンの顔になる。そしてその下は人型と同じだが、手と足は蹄になり、体も少し大きくなる。だが手と足は別に普通の人の様になることもできる。

これを人獣型とする

 

戦闘をする際は人獣型が最適だ。

まず身体能力の向上を維持したまま戦える。

首が長いのが欠点だが剣も持てるし比較的動きやすい、

また長い首も相手に突進する槍として機能することもできる。

護衛の人にはまだ勝てるわけではないが、

たまに一撃を喰らわされる程にはなってきている。

まあほぼ不意打ちに近いが、

 

護衛の人は最近忙しくなってきたらしく、俺は一人で鍛錬する時間が増えた。そして俺はこの時間に、もう一度自分を見つめ直してみた

 

自分に剣術の才能がない事は理解していた。

だから俺は別の事を磨く事にした。

もちろん魔術の技術も日々研鑽しているが、使える魔法も魔力総量を考えると限られてくる。

そこで俺が目をつけたのは自分の体、格闘技だ。

俺は身体能力が上がる能力で、わざわざ剣を使う必要がないことに気づいてしまった。いやそういう言い訳で剣術から逃げたって言うべきか?

 

兎に角俺は剣術以外の近接戦の仕方を見つけた。

しかしそれは新たな問題でもある。

拳と剣、それは比べるまでもない差があった。

剣の方が速くリーチも長い。

しかし俺はそれでも拳を選んだ。

俺は人を殺すとかはできないし、まずそんなことしたくない。

だから相手を無力化できる格闘技の方が向いているのだ。

 

そういうわけで俺は8歳になるまでの一年半、ひたすらに体を鍛え続けた。

 

まだ夜が明ける前に外に出て、家の外にある大きな岩に拳をぶつける。

 

人獣型にはならない、人型でやるのだ

 

これは俺がワンピースで読んだ軍艦バッグを元にしている。もちろん最初は音もしないし、手からは血が流れ、骨が折れたりもした。だけど辞める気にはならなかった。

諦めてしまったら俺は前世と同じになってしまう、そんなの嫌だ、絶対に。

 

俺は治癒魔術だけは使う事ができない。

魔力が足りないというわけではない。魔術師の先生が言うには、俺は傷を治すイメージができていないらしい。

だけどそれはかえって好都合だった。

この岩を殴ってできた傷を治癒で治してしまったら、それは何の意味もない行動になる。自然治癒で骨や筋肉を鍛えるからこそ意味がある。

だから俺は治癒をかけてもらう事もしなかった。

 

そして8歳になる数ヶ月前、岩を割る事ができた。

正直信じられなかった。

岩を割った時、体の魔力が手に集中していた。そして手から凄まじい力を感じた。

変身魔法の発動の時と似ている。

この岩が割れることで、世界にはまだまだ俺の知らないで溢れていることを知った。

 

8歳になると俺は父に重要な話があると言われ父の書斎を訪れた。

 

「ヘルス、お前もう8歳になるな」

 

「はい」

 

「今日はお前に頼みたいことがあって呼んだのだ」

 

父からの頼み事?珍しいが、余程の事ではないなら応えたい。

 

「今アルスでは王位継承の戦いが起こっているのは知っているな?」

 

「もちろん存じております」

 

王位継承、俺のいるアルス王国ではアスラ王の座に着くため、アスラ王の子供達がその戦いをしている。確か王の子供は四人、第一王子グラーヴェル、第二王子ハルファウス

あとは王女が二人いたっけか?

ともかく今一番勢力を持っているのは第一王子という事は分かっている。

多分第一王子の護衛とかなんかをやらされるんだろう。

しかし父が言った事は俺の想像を少し超えたものだった

 

「お前にアスラ王の子供である一人の王女、第二王女アリエル様の守護術師をして貰いたいのだ」

 

「第二王女、ですか?」

俺は驚いた。俺に名前すら覚えていなかった王女の守護術師になって欲しいというのだから

そして俺が第二王女の守護術師になるという事は、ノトス家が第二王女派として活動する事を決めたという決断をしたと同じだ。

俺は父がそういう決断力に弱いことを知っていた。

だからこそこの決断は恐らく父にとっての最大の賭けだ。

 

「分かりました父上、僕は守護術師になります」

 

「やはり頼りになるな、ヘルス、ありがとう」

 

もちろんその事に不満はないし、断るつもりもなかったが、一つ気になる事がある。

 

「しかし父上」

 

「なんだ?」

 

「なぜ第二王女なのですか?」

なぜ第二王女なのか、このアスラ王国は男尊女卑があるわけではないが、多分あの四人の王子王女の中で1番立場的に弱いのは第二王女だ。

その第二王女をノトス家という大きな貴族が後ろ盾としてつこうと言うのだ。

 

「お前は知らないだろうが、アリエル王女はまだ4歳だと言うのに、その美声と容姿からか国民の人気は高い。今はまだ弱いだろうがいずれ強大な勢力となるはずだ」

 

なるほど、将来性を期待したのか。

確かに4歳にして国民からの人気を得ているのはすごい、

5歳の時に化け物として恐れられていた俺とは大違いだ。

国が成り立つのに必要なのは国民だ、貴族の人気をとりまくればいいって訳でない。

やはり貴族ってのは難しいな

 

そしてその話し合いが終わろうとした時、俺はふと考えてみた。

 

今なら俺のわがままが通るんじゃないか?

 

俺は今まで父におねだりをした事はあったが、それは父がやってくれると想定していたことだけだ。

無理にお願いをすると父に迷惑がかかると考えたからだ。

 

だけど今俺は父の大きな願いを一つ聞いた

 

今ならこのわがままも通るんじゃないか?

 

この千載一遇のチャンスを逃す訳にはいかない!

 

「父上、では僕からも一つ我儘をいいですか?」

 

「ん?珍しいなヘルス、頼み事か?」

 

「そうなのですが、これは嫌なら断ってもらっても構わないです」

 

「お前には大きな頼みを聞いてもらったのだ。私の最大限可能な限りはしてやるぞ」

 

「では、僕をファットア領のロアの町に行かせてもらえないでしょうか?」

 

その瞬間、父の笑顔が消え、俺には緊張が走った。

 

「何故だ?」

 

「僕に付き合ってくれていた護衛の方は最近忙しくなってきたらしく、会う機会も少なくなってきました。新しく剣術を扱える人を集めてもらってもよかったのですが、どうせなら一番強い人に教えて貰いたいのです」

 

「、、、、」

 

「そしてフィットア領にはあの剣王であるギレーヌ・デドルディアが雇われていると聞き及んでいます。僕はそのギレーヌに稽古をつけて貰いたいのです」

 

父は黙って上を見た考えている。多分断る理由を探しているのだろう。

当然だ

 

フィットア領、それは四つあるグレイラットのボレアス家が統治する場所だ。そしてそこには、サウロス・ボレアス・グレイラットという人物がいる。父は当主になり初めの頃、何度もサウロスに嫌がらせを受けたと言う。そんな嫌がらせをした張本人のところに頭をさげろとお願いしているのだ。俺だって嫌だ

 

「確かに、それは難しい願いだな」

 

「そうですよね、ごめんなさい。今の話はなかったこ....」

 

「ならば、こうしよう。お前がアリエル様が10歳になるまでしっかりと守護術師として仕える事ができていたのなら、その願いを聞いてやろう」

 

「本当ですか!?」

 

「あぁ、その代わり、しっかりと仕事をするのだぞ?」

 

「はい!」

よかった、条件付きだがわがままは通った。

アリエルは今4歳、つまり6年間アリエルを守る事ができれば俺は剣王ギレーヌの所に行けるのだ。

 

「ではヘルス。明日、アリエル王女に会いにいくぞ」

 

「はい!父上」

 

 

 

 

 

 

手遅れかもしれないんですけど一応

  • 戦闘描写たくさん
  • 話し合い、イチャイチャたくさん
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