貴殿転生 元の知識で本気出す 作:MENOUENOTANKOBU
「ちょっとルーデウス!朝から抱き付かないでよ!」
「ごめん、エリスの抱き心地が最高で……」
「そ、そうなの?なら…別に構わないわ!」
エリスはそう言って離れた俺を引っ張り、自分の胸に俺の顔をつけて来た。
あら嫌だ、なんて積極的な子なんでしょう!?
オルステッドとの戦いが終わった後、俺はエリスを3人目の妻として娶った。
もちろん。その前に色々と話し合った。
お互いに勘違いしていた事や、間違いを認め合い、全てを受け入れあった上で娶ったんだ。
そしてエリスは俺と会う前に、なんとヘルスとも会っていたというのだ。剣の聖地で修行をしていた際に突如として現れ、エリスと、エリスと同等の実力を持つ二人と同時に戦って、見事勝利したんだという。
ヘルスはちょっと前まで、パウロに一本も取れなかったはずなのに、いつの間にそんな実力をつけたんだろう?
「てやあぁぁぁ!」
「ッぶねぇな!」
俺とエリスがしばらくベットの上でイチャイチャしていると、庭からイチャイチャとは程遠い叫び声が聞こえて来た。
「ルーデウス、私、今からギレーヌ達のところに行かなきゃ……」
「あぁ、そうなのか、じゃあすぐに行こう!」
そうして俺達は名残惜しそうにベットから出ると、すぐに私服に着替え、庭へと出る。
庭では、二人の剣士が練習試合をしていた。
「ッふん!!」
人でも殺すのかってぐらいの速度で木刀を振っているのは、剣王ギレーヌ・デドルディア
既に40歳は超えているのだろうが、その肉体に変化はなく、数年前と変わらない鍛え抜かれた完璧な体だ。
「おっと!」
そして、剣王である彼女の剣捌きを、先程から軽く受け流しているのは、父であるパウロだ。
二人は俺達が家から出てきたのを確認すると、静かに礼をし、木刀を地面に置いた。
「ルディ、もう行くのか?」
「ええ、今日も重要な話があるので」
「そうか……けどよ、昨日も言ったがあいつの事は……」
「はいはい分かってますよ、信用するな……でしょ?」
ため息まじに言うと、パウロは大きく頷いた。
「パウロ、お前はルーデウスを甘くみすぎていないか?」
ギレーヌが苦笑しながらパウロの肩を叩く。こうしてみると、まるで夫婦だな。
「子供のいない私にはよく分からんが、ルーデウスはもう一人前の大人だ。一人でも十分に生きていけるだろう?」
「それはそうだけどよ……あいつはやっぱり信用ならねぇよ」
いや、違うな、夫婦というよりは、我儘を貫こうとする子供と、それを宥める母親だ。
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不満を残すパウロ達に挨拶をした後、俺は再びオルステッドの所へ訪れた。家にはエリスやギレーヌ達もいるし、最近召喚した守護魔獣、レオもいるから、家族の安全は保証されている。
「……来たか」
「はい!ルーデウス・グレイラット、只今参上しました!」
「ああ、早速話を始めよう」
「あ……はい」
俺のユーモア溢れる挨拶にも反応せず、オルステッドはいつもの怒り顔で対応した。雰囲気を良くしようとしてるんだから、もうちょっとぐらい愛想よくてもいいんじゃないか?
俺は近くにあった椅子に腰掛け、オルステッドの方を向く。
「では、昨日伝え損ねた、アリエルを王にする為の手順について話すとしよう」
「はい」
「まず、王都についてだがーーー」
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「……ここまでが、俺の作戦なのだが、何か異論はないか?」
「いえ、ヘルスとルークを生かしてくれるのならば、俺から言う事はありません」
「そうか……」
オルステッドの作戦はこうだ。
まず、ペルギウスをどうにかしてアリエルに協力させる。それが第一条件。
その後、ペルギウスの転移魔法陣を使い王都へと帰還し、ノトス家当主であるヘルスにサテラの病を治せる事を伝え、こちら側に寝返ってもらう。
ノトス家という巨大な力を手に入れは事ができれば、こちら側もスムーズに行動できる。
そして、ここで二つ目の絶対条件、ダリウスの弱みを握る人物、トリスティーナ・パープルホースを見つける事だ。
彼女は幼い頃にダリウスによって攫われ、奴の性奴隷として生活していた。いくら凄い権力を持っているからと言って、貴族の娘を誘拐し、性奴隷にしていたという事が公にでれば、ダリウスは死罪……とまではいかないだろうが、築き上げて来た地位は確実に落ちるだろう。
そんなダリウスの弱点とも言える彼女だが、現在は何処にいるのか、まず生きているのかすら分からない状況。
しかし、老デウスの日記で、それに近しい人物が王都周辺にいる事が書かれていた。希望はまだある。
最後に、相手側の戦力を整理をしよう。
ダリウス側についている強力な戦力は、水神レイダ、北神三騎士、水王イゾルデ、そして戦う事はないと思うが、北王ヘルス。
彼らの他にも、数多くの剣士達がいるだろうが、大物だけでいうと、この6人だけだろう。
「後一ヶ月程すれば、アスラ王が病に倒れたという知らせがここにも届く筈だ。それまでには、お前も準備を整えておけ」
「分かりました」
準備か……王都への初勤務、初出張だ。気を引き締めていかねばなるまい。
装備や
「では、俺はこれで失礼させてもらいます。アリエル達に、この事を報告しにいかなきゃならないんで」
「ああ、ただし、俺の名はあまり使わない方がいいぞ、信用を失う」
「そんな卑屈にならなくても……」
オルステッドは意外に繊細なタイプなんだろうか?昨日のパウロの事といいい、結構気を遣ってくれてんのかな?見かけによらず、優しい人だ。
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「俺はアリエル様の手助けをしようと思います」
夜、俺は家族全員をリビングに集め、今日の事を話した。一応、オルステッドの事情を隠して。
俺が話し終えると、リビングはしばらく沈黙の時間が流れていた。
「危ないからやめときなよ!」
最初に口を開いたのは、アイシャだった。
「確かにお兄ちゃんは強いし、頼りになるけど、他人の為にそこまでやる事はないよ!」
「そうだな、アイシャ、でも俺は、今までシルフィの面倒を見てくれたアリエル様に、恩を返さなきゃいけないんだ」
「恩って……」
「アイシャ」
アイシャの正面に座っていたリーリャが静かに睨む。その気迫に負けたのか、アイシャは黙り込んでしまう。
「まあリーリャ、アイシャだってルディの身を心配してくれてんだ。もうちょっと優しくしてやれよ」
「しかし旦那様、アイシャは……」
「俺にとっては、どっちも大切な家族だ。なあアイシャ」
パウロはそう言って、アイシャを手繰り寄せ抱きしめる。
「お父さん……」
アイシャはもう涙目だ。
「ゴホン!」
「あ、すまんノルン、お前もするか?」
「結構です!」
「あうぅ」
ノルンの方は少し不満げにしていて、隣に座るゼニスの介護をしている。
「ルディがアリエル様に協力してくれるのは嬉しいけどさ、なんでいきなりそんな事しようって思ったの?恩返しって言っても、そこまでやらなくてもいいと思うんだけど……」
「シルフィ……」
こういう時、シルフィは人一倍敏感だ。俺が言ってほしくない事を流れる様に聞いてくる。
「どうせ、オルステッド関連だろ?」
「オルステッド……!」
パウロがそういうと、リビング内の空気は一気に緊張に変わる。
「そうなの……ルディ?」
「ま、まあ、そんなところかな?」
「じゃあやめとこうよ!」
シルフィが俺の腕を掴み、心配そうな顔で訴えて来た。
「オルステ……あいつは、ルディを殺しかけたんだよ!?そんな奴がいきなりアリエル様の協力をしろだなんて、都合が良すぎるよ」
「確かに、あいつがルーデウスを使って、何かよからぬ事を企ててるかも知れん。私も反対だな」
「ギ、ギレーヌまで……」
これはまずい、やめようみたいな流れになってる。なんとかしないと……
仕方ない……ここは少し嘘をついておこう。
「シルフィ、大丈夫さ」
「え?」
「俺はオルステッドに従ってるんじゃない、反撃の機会を伺ってるんだ」
「……そうなの?」
「そうさ、それにオルステッドに従うフリをしていれば、サテラを助けられる」
「そ、それは本当なのか?ルディ!?」
パウロが跳ね上がる様にして椅子から立ち上がった。
「俺がアリエル様に協力する代わり、サテラを助ける。そうすればヘルスはまたここに戻って来ます。そこでもう一度、疲弊しているオルステッドに戦いを挑む。そういう作戦です」
「流石ルーデウス!!凄いわね!」
エリスは打倒オルステッドと聞いて興奮冷めやらぬご様子だ。
「それにギレーヌ、アリエル様に協力すれば、サウロス様の仇をとれます」
「なんだと……?」
ギレーヌは少し垂れていた耳をピンと立て、俺の方を見つめた。
「ダリウス・シルバ・ガニウス、アリエル様と敵対関係にあり、サウロス様を処刑に追い込んだ人物です。彼を失脚させる事が出来れば、その後は仇討ちを簡単にできます」
「ダリウス……あのゲスか……!」
ギレーヌの握りしめる拳からは、ダラダラと血が流れている。
「……そういう事ならば、分かった。私も喜んで協力しよう」
「ありがとうございます」
よし、なんとかギレーヌからの協力はできた。エリスもなんか乗り気だし、ついて来てくれるだろう。
「まあ言いたい事は色々あるけどよ、お前が行くってんなら、俺も行くしかねぇか」
「そうだね、僕もアリエル様を助けるのには賛成だったし、とりあえずはルディを信じるよ」
「みんな……」
パウロとシルフィも、多少は不満があるようだが、俺を信じてついて来てくれるらしい。俺は幸せもんだな……
グイ
何かに服を引っ張られた感覚がして後ろを向くと、お腹が膨らんでいる、いかにも妊婦っぽい体型をしたロキシーがいた。
「ルディ、あなたにも事情があるのは知っていますが……嘘は程々にしておいてくださいね」
「……バレてましたか」
どうやら、家族は騙せても、
でも彼女も一応黙ってくれてるみたいだし、問題はないだろう。
「では、明日にでもアリエル様のところへ行って、協力するという旨を伝えましょう」
こうして、夜中に開催された緊急家族会議は、静かに幕を下ろした。
手遅れかもしれないんですけど一応
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戦闘描写たくさん
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話し合い、イチャイチャたくさん