それにしても、インフレが止まりません。
緊急の呼び出しで眷属全員が集められたかと思えば、すぐに魔方陣で冥界に直行した俺達が目の当たりにしたのは、怪獣みたいなロボットが街を焼き払い、人を襲うというSFアニメみたいな光景だった。
必死で市民の避難誘導を手伝う俺達が怪獣に遭遇し、襲われそうになった瞬間、突風のごとく姿を表したかと思えば、怪獣たちを地面や建物に叩きつけ、粉々に破壊した非現実的なレベルで綺麗過ぎる超絶美女は俺達を一瞥し、呟いた。
「シトリー眷属か……ちょうどいいというべきなのか。あ~、そういえば君らもイッセーの知り合いだったっけ? まあいいか。バイオゾイドの相手は私達がするから、君らは君らにできる事を頑張りな」
思いもよらない名前について問いただす暇も無く美女が姿を消し、再び救助活動を再開した俺が次に驚かされたのは、突如として空を覆った巨大な闇の塊。
市街地から遠く離れた荒野で、そいつから地上に向かって滝みたいに流れ落ちた暗闇が黒い卵みたいなものになって、それが割れると……素人同然の俺ですら、はっきりヤバいと分かる化け物が現れたっ!
四つのデカい図体が視界に入った瞬間、会長と副会長以外のメンツは、俺も含めて全員、腰を抜かして座り込んでしまった。踏ん張れた二人でさえ、膝を笑わせながら冷や汗をかいて、歯をガチガチと鳴らしてる。
見ただけで心底ビビる俺達のことなんか気にもとめず、化け物どもは欠伸をしたり伸びをしたりと脳天気な様子だ。
だけどもう、あいつらが強いとか、どうこうするとかそんな問題じゃない。
……怖いんだ。
ただ単純に、あの化け物が怖くてしょうがないッ!!
心の底から溢れてくる恐怖が頭の天辺からつま先まで一杯になって、涙も震えも止まらない。もし傍に何か凶器になりそうなものがあれば、自分で胸か喉を突いて自殺してた。巡なんて、震えながらも長刀を抜こうとして、気がついた副会長に刀を取り上げられている。
少しして、化け物が一斉に空中の一点を見て、また俺のよく知る名前を呟いた、その瞬間……
「「「「兵藤、一誠……」」」」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!!!!
「――――――うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!」
一瞬、自分が何をしてるのかもわからなくなった。
どれだけ経ったのかも分からない。ほんの十秒程度かも知れないし、十分くらい掛かったのかもしれない。
気がついた時には、俺は頭を抱えながらうずくまって、身も世もなく必死で泣き喚いてた。
生まれて初めて痛みを感じた赤ん坊みたいに、訳の分からない恐怖に駆られるまま、ひたすら泣いた。
「皆、しっかり……ッ」
かすれるような会長の声が聞こえても、俺は泣き続けた。それ以外の行動が一切取れなかった。
「気になって見に来たけど……やっぱりこうなってたね。まあ、四凶に加えてあんな怪獣まででてくれば仕方ないか」
どれだけこうしてるのかも分からない中、不思議とその声だけははっきりと聞こえた。ふと恐怖が弱まったかと思えば、背中を軽くトンと叩かれ、一気に意識がはっきりした。
……あれ? ここどこ?
頭を上げて辺りをキョロキョロと見回すと、やけに豪華な装飾が目に眩しい。
とりあえず立ち上がると、ようやく眷属の皆以外にも人が居ることに気がついた。兵藤を除いたグレモリー眷属に、二人ほど初めて見る人物が俺達へ視線を向けていた。
「大丈夫かい。匙くん?」
困惑する俺の肩に手をおいた学園一のイケメンへ、俺は曖昧な返事を返す。
「あ、ああ……」
「リアス? ここは……」
「落ち着いて、ソーナ。ここはグレモリーの邸宅の一つよ。日青さんが、四凶に当てられたあなた達を見つけて、ここまで転移させてくれたの」
「最初の時点で発信魔法をつけておいて正解だったよ。無事で何よりだ」
黒髪のスレンダーな美女が腰に手を当ててそう言うと、紫のポニーテールの超絶イケメン男性が俺を見てふっと笑う。
「とにかく、もう大丈夫そうだな。さて……そろそろクライマックスだぞ」
そう言って、グレモリー先輩が持っていた水晶の球を手にとって、軽く放り投げると……空中に鮮明な映像が浮かび上がって、そこには二人の人物が写っていた。
一人は、金と黒の入り混じった髪の毛にこれまた金と黒のオッドアイの黒いコートを身につけた超イケメンで、左腕を突き出しながらぞっとするような笑みを浮かべてる。
もう一人は……小型のドラゴンの様な鎧を身につけた誰かだ。いや、まさか……あの赤い色……ひょっとして、兵藤なのか!?
「クロウ・クルワッハ……四凶もデスザウラーも瀕死のこの状況で出てくるとは……やべぇな。少し出てくる」
「四大魔王かい?」
「ああ、多分全員やられている。死んじゃいないだろうが、虫の息は確実だ。じゃあ、ここは頼む」
ま、魔王様達がやられた!? まさか、あのクロウなんとかっていう超イケメンにか!?
男性が瞬時に姿を消すと、会長が色めきだって出口のドアへ駆け寄った。
「魔王様方が……お姉さまッッ!!」
「待って、ソーナ!」
ドアノブに手をかけた会長の肩を引いて、グレモリー先輩は自分の方へ向き直らせる。
「どうして、リアス!? サーゼクス様だって……」
「仮に……魔王様方に何かがあったとして、私達が行ってもできる事はないわ! それに……この混乱に乗じて、まだ何かを企んでいる輩が居ないとも言い切れないのよ。ここは神さんに任せましょう」
「そう、例えば……冥界へバイオゾイド……あの機械の怪獣共や、四罪の転移準備を整え、冥界への進撃を手引きした連中とか、ね。現に先ほど、救助活動に勤しんでいた君ら、正確にはソーナ・シトリーを狙っていた複数人の不審な悪魔を私は確認している。勿論、最初に君らと遭遇した直後に全員気絶させて冥界当局に引き渡したけどね」
当たり前みたいに明かされた事実に、俺は息を飲んだ。
会長が狙われてただって? しかも悪魔に? 一体何がどうなってるんだ!?
「既にバイオゾイドは九割方排除が完了している。事態が完全に収まるまで、私が君らの警護に当たるが、まだどんな隠し球があるのかわからない。気持ちは察するが、今はこらえてもらいたい」
分からない事が多すぎて、複雑な話をしているということ以外、俺には理解できないけれど……それでも、これだけは聞いておかなきゃいけない。
「あの……すいません」
「ん? 何かな」
「あの映像の赤い方って……もしかして、兵藤……兵藤一誠なんですか?」
恐る恐る飛ばした質問に、日青さんは心底嬉しそうな笑顔になると、誇るように宣言した。
「ああ、そうだよ。あれは紛れも無く、君らが知っているオカルト研究部の兵藤一誠だ。どうしようもないくらいの馬鹿で阿呆で助平だけど、歴代最弱の才能を努力でねじ伏せた、歴代最高の赤龍帝。
……何より可愛く愛おしい、私の自慢の馬鹿弟子さ」
ほんのりと頬を赤らめて映像を見上げる色っぽい視線、そして潤んだ瞳は、完全に恋する乙女のそれだった。あまりの色気に、俺と木場どころか、会長含む女性陣も皆揃って目が離せないでいる。
……兵藤、言いたいことも聞きたいこともあるんだけど、次にあったらまず、俺がおまえにすべきことは決まったぜ。
一発ぶん殴る。
てめぇコンチクショウがぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!! こんな超が何個付くかも計り知れねえ美人にあからさまロックオンされてるくせして、なにまったく女に相手にされませんみてぇな顔してやがるんだこの勝ち組野郎ぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!
「そろそろ、始まるか。――皆揃って、拝もうじゃないか。真っ赤な龍の全力を、さ」
嫉妬に燃え上がる心を抱えたまま、映像に視線を移す。
兵藤、俺は絶対お前を殴るぞ。真の意味でモテない男の拳を、テメェに叩き込んでみせる!
だから……絶対死ぬんじゃねえぞッ!!
「……なんだ、その
篭手を身につけているクロウ・クルワッハの力は、明らかに研究所の時より倍近く増している。つまり、あの龍の手は機能通り、正常に奴を強くしているということで……それはどう考えても、異常な現象だ。
「天龍クラスのドラゴンを倍にまで強化できる……そんな龍が早々転がっている筈がない。一体、どこでそんなものを?」
「……龍の手自体は、これを使って好き勝手に犯罪を犯していた輩から命とともに奪い取った粗品に過ぎん。中に入っていたのも、俺がこいつを身につけた途端消し飛んだ程度の下級の邪龍だ。こいつの肝は……後で中に入れた代物さ」
グルメ界に迷い込んだクロウ・クルワッハ、そして……篭手から感じる、この魂の強い臭い。
頭の中で抱いた最悪の計算式は、否応なしに俺の口を動かした。
「八王……竜王デロウスッ!!」
肯定するように篭手の宝玉が点滅し、クロウ・クルワッハが口角を微かに上げた。
「こいつはその始まりの個体。グルメ界に君臨する八王の一角、その祖にして最強の竜王。貴様に破れ、グルメ界に流れついた俺が最初に出会ったものこそ、このデロウスだった。最初はひどく嫌われたものだったが、何度も喧嘩する内に気があってな。こうして今……貴様へ挑む為の力添えになってくれた」
『
触れただけで切り裂かれそうな鋭いオーラが濃縮されながらクロウ・クルワッハを包み込み、一瞬にして黒と金の鎧が形成される。俺の
その凄みは……確実に、現段階の俺を凌駕していることを思い知らせてきた。
「フフフ……ッ! 俺も伊達に長生きしていたわけではなくてな。デロウスを龍の手に収めてからも、独自にこいつを色々と弄ってみた。この姿は通常の
――さあ、今度はお前の番だぞ、兵藤一誠。風のウワサに聞き及んだ、貴様の全力を見せてみろ。かつて俺を破った覇龍。今こそ、その先を……覇を超えた覇を、俺にぶつけてみろッ!!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
裂帛の気合によって発散されるオーラが、空気を激しく震わせ、大地を鳴動させる。ここが荒野で、師匠たちの結界に覆われていなければ、これだけで甚大な被害を周りに及ぼしているだろう。
その振動すらかき消してしまいそうなほど奮い立つ闘争心が、今この場における俺の真理だった。
……最後に使ったのは、バオウとガオウの時。けれど、こんなに『これ』を使うのが楽しみで仕方ないのは……
俺の全力。俺の窮極。俺の最大。
もう後悔しても遅えぞ。
ドンッ!
莫大なオーラを放ちながら、俺は自分自身の内部を漁り、魂の最奥から、力の塊を引きずりだした。
「我、目覚めるは――」
それは覇であり、野生であり、獰猛であり、本能であり、熱であり、生であり、命であり、根源。最も当てはまる風に言うのなら、俺の魂の核、心臓そのものとでも言うべきか。
「
心身に巻き起こるエネルギーの奔流に、歴代赤龍帝は出てくることすら出来ない。というより、自主的に引っ込んでいる。いくら残留思念でも、喰われたくはないんだろう。
「無限の欲望と見果てぬ夢を携え
変形しながら、力のボルテージは乗算の勢いで昇っていく。こいつにも、それなりに面倒くさい制約が存在するが、今のクロウ・クルワッハならば乗り越えてみせる筈だ。
「我、業深き龍の
期待してるぜ。
天へと届きし古の邪龍よ――生き残り、帝皇に挑む資格を掴んでみせろ。
「汝を赤き
『
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッ!!!!!!!
紅とも朱ともつかない赤い鎧が山吹色の輝きを放つと、周囲の空間が陽炎の様に揺らめき、ヒビが入っては慌てるように直って、またヒビが入り、直る。
この形態になったばかりでは、いつも起こる現象だ。ただでさえ、この姿の俺は存在するだけで周囲の空間に超弩級の負荷をかけまくる。加えて、発動直後は膨大な余剰エネルギーが垂れ流しになっている状態だから、このくらいの現象は当たり前のように起きる。
さて……ここじゃあ、思い通りに暴れられないな。
まだ、他の五体も息があるみたいだし……開幕ついでに、纏めて消すか。
「これが、お望みの力……
ズウウウウウウ……。
俺を中心に広がっていくワームホールが、クロウ・クルワッハと四凶、デスザウラーを飲み込んで消え去る。連中と共に転移した先は、俺が次元の狭間に展開した、豪雨の降りしきる殺風景な荒野。通常の世界とはアホらしいくらい離れているので、ここなら何をしても外へ影響は出ない。
「クロウ・クルワッハ。始める前に、一つだけ答えろ。……どうして、わざわざ冥界を襲撃した。ただ空亡を生み出すだけなら、もっと簡単で手早い方法は幾らでもあったはずだ。何故、お前が四大魔王を足止めしてまでバイオゾイドを暴れさせた? その意図は何だ」
たどり着くと同時に地に降り立ったクロウ・クルワッハを空から見下ろして問いただす。答えなんて既にわかりきっている質問だが、それでも聞かずには居られなかった。例え、その返答が俺の最後の線を切ると確信していても。
「……理由は二つ。一つは、それが協力関係にあった組織の要望だったらしい。そしてもう一つ……俺達としては、こちらのほうこそ最大の理由だったが――お前を怒らせるためだ」
……。
……やっぱり、そうか。
「俺を怒らせて、否応なしに戦いに駆り立て、全力を出させる。それが目的か」
クロウ・クルワッハが、静かに頷いた。
だから、四凶もデスザウラーも、最初は甚振る程度に抑えていた。
やつらの目的は、あくまで最強の状態の赤龍拳帝。全盛期の力が出せない俺を殺す気はなかったからだ。
今、この瞬間の俺と戦う。その為に……無関係の悪魔を巻き込み、焼き払い、殺し、傷つけ、弄んだ。
ただ、俺の怒りの炎にくべる薪を……あの惨劇は生み出すための生贄として……。
プツッ――。
……ああ、やっぱキレた。
もう駄目だこれ。
――お前らは、死ぬ。
――死んだほうがいい。
――何を置いても殺すと、今俺がそう決めた。
「
魔人経典から引っ張りだした呪文の一節を唱え、右手を翳す。そこに膨大な質量を生み出すと同時に圧縮させ、バスケットボール程度の大きさを維持しながらさらにその質量を増していく。
完全に動けない他の五体はともかく、クロウ・クルワッハすら身動き一つせず、こちらの動向を伺っている。この空間へ来た以上、既に回避も防御も逃走も意味が無いと分かっているんだろう。攻撃するにしても、すでに超重力の渦中に在る俺に攻撃するなど論外だ。
「
更に左手を翳し、相転移出力を最大にし、縮退圧を高めながら、重力崩壊の臨界点を突破させる。
異なる世界の神の魔術を、異なる世界の言語で訳し、この世界の魔導書によって運用する。実に俺らしいじゃないか。笑うものは笑えばいい。借り物と言われても、要は使えればそれでいいんだよ。
威力がでかすぎて、赤金の窮覇龍でようやく制御がある程度可能という規模のこの攻撃。所詮副産物だが、こいつらを纏めて滅ぼすには足る筈だ。
「
最後の一節を唱えながら、掌サイズに圧縮されたブラックホールを頭上へ翳し、宣告する。
「お前たちの存在を、この宇宙から抹消してやる……ッ!」
眼下へ向けて投げつけられたブラックホールは一瞬の静寂の後、生成によって生じた超新星爆発のエネルギーを開放し、重力嵐と共に空間ごと俺を含む全てを爆縮させ、肥大化していく。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!!
「
ブラックホールの内部からその重力を操り、俺を除いた全てをブラックホールごと圧縮させ、魂すらも完全に押しつぶされる超重力の極みを作りながら、その規模を小さく収縮させていく。その過程でブラックホールから追い出され、次元の狭間に顔を出した。
「
ズ。
やがて、再び手のひらサイズまで圧縮させたブラックホールを握りつぶすように蒸発させ、内部の全てを消滅させる。こいつを喰らった以上、もう復活は絶対に不可能の筈……。
……?
……!?
……!!
「……チッ。この野郎……途中で脱出しやがったのか」
舌打ちをしながらも、目の前に現れたボロボロのクロウ・クルワッハを内心賞賛する。
「脱出……と言えるほどかっこいいものではないさ。必死で抵抗してブラックホールに僅かな歪みを空けて、転げ落ちただけだ。連中も魂やコアだけでそこから逃げ出したが、あれでは一体、復活できるのは何時のことか……」
あいつらまで逃したとは……完全な滅却を優先して確実性を欠いた結果だな。
仕方ない。あいつらの方は何れぶっ殺すとして……今はコイツだ。
「なら……この場でお前だけは確実に殺しておこう」
「ああ、是非やってみろ……お前の引き出しを、全て俺に見せてくれ」
再び大規模なワームホールを開き、場所を変える。
そこは……宇宙空間。
地球からは観測不可能な距離にある、ざっと百光年に何もない暗黒の宙域。
三日月の暗黒竜にとって、これ以上相応しい墓場はないだろう。
「もう一度言ってやる……お前の存在を、この宇宙から抹消してやる」
「アハハハハハハハ!! いい殺気だ! さあ、幾星霜と待ち望んだ死闘を、更なる引き出しによって仕上げてくれ、我が宿敵たる赤龍拳帝よ!!」
「とまあ、これが全盛期のイッセーの全力だけど、何か言いたい事はあるか?」
「………………私は、魔王として彼にどう詫びればいいのか、教えてくれるかい、親友よ」
「友よ、イッセーに直接聞け」
「ミカエル様、顔色悪いっスよ? まあ、見慣れない人にとってイッセーどんのハジケップリは心臓に悪いっすからねえ。でも、師匠が見とけっつったんで、ここはグッと我慢して見届けて欲しいっス。マイ・フレンドの勇姿を!」
「………………デュリオ。我々はどうすれば、彼の一件を償えると思いますか」
「いや、イッセーどんに直で聞いてくださいっス」
「あぁ、日本勢力の抗議文章届けるついでで構わないからとさっき神から水晶持たされたと思ったら、このためだったんですね。相変わらずド派手ですが、心なしか深夜のテンションに近いノリが見受けられますね」
「………………あのさ、鬼灯。地獄としては、堕天使はどうすれば赤龍帝に許してもらえると思う?」
「知るか。イッセーに聞け」
詠唱は、日本語をそのままついこの間終了した某ヒーローの異種族の言語に訳しただけだったりします。