「……やっぱり事が起きたか。お前がこっち側にいたのは良かったのかな、グレイフィア。何にせよ、これで結界を解かない限り、中にはいった連中ももう出て来られない」
結界へ更なる強化を加えると、
会談の前、サーゼクス様から言われて結界の外からの維持、管理を任された私はこの急な襲撃に際して、イッセー様からこういった状況の際に被害を抑えるよう頼まれた、という神々の提案を受け入れ、彼らを内部へと転移させた。彼の妹である榊氷美神とその女王であるジェリー・S・キンブリーも。
すると、神は結界へ手をかざす私に背を向けて歩き出した。
「どこへ行くんですか」
「帰る。俺がやることはもう終わりだ。結界の維持もお前がいればもう十分だろう」
「……随分、妹や弟子を信じているんですね」
そう言った私に、神は振り向いて、葉巻木を咥えて言う。
「グレイフィア。お前はイッセーの何が一番危険だと思う?」
「藪から棒にどうしました」
「いいから答えろ」
問われて、私は知る限りの彼に対する情報を頭のなかで並べ立てる。
歴代で最弱と呼ばれながらも、不屈の努力と得難い師によってあらゆる壁を破壊しつくし、遂には単独であらゆる神話の神々とも渡り合える力量を得た『
超人級の武術、前人未到の錬金術、近接戦闘に特化した魔力運用、その他あらゆる全てが想像を絶するが……あえて特筆するのであれば。
「……どんな限界も優に超えられる、あり得ないまでの意志の強さです。彼は感性的には、極普通の人間です。痛いものは痛いし、怖いものは怖い。それらを全て正常に認識した上で、彼は自分を貫き通す。それは賞賛されるべき尊いものであると同時に、想像も及ばない異常性です。先日のマラコーダ様との対決で、それを一層痛感しました」
フェニックス家に始まる不死鳥など、高い再生力を持った種族は、基本的に痛覚等の感覚を麻痺させたり、一時的に遮断する術が伝えられている事が多い。それは特殊な魔力の運用法であったり、特異な訓練による身体運用など様々だ。それがあれば、聖水や十字架等の弱点を突かれない限り、そうそう痛みに襲われることはない。
しかし、彼は……幾度と無くマラコーダ様に体を破壊されてなお、それらを一切使っていなかった。魔王城での宴会の後、帰る間際の彼にそれらの術が使えないのかと確認したが……彼は使えると言った。
何故使わなかったのかと言うと、イッセー様は当たり前の様にこう返した。
『生きてるんだから、傷付けば痛いに決まってます。そんなものを怖がって除くよりも、拳を握る為の力を一滴でも絞り出したかったんです』
……絶句するしか無かった。痛いのは当たり前。それはいい。
しかし、胸から下が吹き飛び、心臓が破壊され、腹に大きな穴が空く。それを全て、彼はそんなもので済ませたのだ。
なにより畏怖したのは……例え再生能力がなくとも彼は同じことが言えると確信させられる、あの真剣な目だった。
多くの時を生きてきたが……あれほど真っ当に、そして異常過ぎる強さの人間は見たことがない。彼の心は余りに強すぎる。
けれど……。
『わかってます! わかってはいるんです……ただ、俺は――部長が嫌がることを認められない! 家の決定に嫌々従う部長なんて見たくないんです! あんな野郎に、部長を渡したくない!!』
血を吐くような勢いで叫ばれた想い。あれは嘘偽りの無い真実だった。
限界を超えて戦い敗れた己を不甲斐ないと嘆き、流した涙は本物だった。
彼は、悪魔の私から見ても異常極まる強者だ。しかし同時に、自分の思いに正直な少年でもある。彼の意思と精神は、どんな力にも揺らぐことも歪むことも無い。
「だからこそ私は彼を信頼出来ます。誰かの為に本気で泣ける彼だから」
彼はどんな力を得ても、決して根本は変わらない。ただただ自分の欲と感情に正直な、人のことを思いやる少年でいられるのだろう。
バチン!
指を弾いた火花で葉巻木に火をつけ、煙を吐き出しながら神は笑った。
「成る程。イッセーが信じられるってのは俺も同意する。しかし、俺が思うあいつの一番怖いところは……何もかもひっくり返す、馬鹿げた可能性だ。人間で、ドラゴンで、神で、悪魔で、吸血鬼。この先あいつがどうなるのか、誰も予想がつかないし、想像だにできない。それは凄く恐ろしくて……果てしない楽しみでもある」
「――楽しみ?」
その単語に籠められた計り知れない何かに、思わず聞き返したが、今度こそ神は踵を返して去っていく。
「こっちの話さ。とにかく、結界はしっかりやっとけよ。イッセーは破壊範囲を集中できても、破壊力は下げられないからな」
言い残して、一瞬でどこかへ転移する友人の事を頭の隅へ追いやって、私は結界へと両手をかざした。
「……外だな。すげぇ数だ」
俺の言葉に、サーゼクス、ミカエルさん、アザゼルの三者が揃って窓側へ手を翳し、皆が窓の方へ目を向けた途端、閃光がガラス窓を突き抜けて室内を照らしだす。わずかだが、校舎にも振動が響いていた。
無数の魔法使いが、魔法弾をこの校舎へ向けて放っている。しかし、仮にも悪魔、天使、堕天使のトップが張った防壁を破壊するのは容易なことじゃない。
「やっぱ、どっかの連中がテロを起こしやがったか。あのバラバラな術式……はぐれ魔法使いか? だけど、こんな纏まって仕掛けてくるなんて……いや、それより今の時間停止は!」
立ち上がる俺に、アザゼルが冷静な声を浴びせる。
「恐らくは、あのハーフ
「お世辞はいい。そんな事より、ギャスパーだ」
「……停止能力を持つものが滅多にいない以上、敵の手に落ちたと見るべきか」
思わず部長を見れば、紅いオーラを纏って強く歯噛みをしていた。
「私の可愛い下僕が、会談を狙ったテロに利用されるだなんて……これほどの侮辱はないわ!」
「警護の者達は……」
ミカエルさんの心配する声に、校庭の上空、結界内を警戒していたもの達の方を皆が見れば、そこには停止した者達一人一人に防壁を施し、その前に立って魔術師達を威嚇するフレイ、ヘルメスを始めとした、各神話の神々の姿がある。強固な防壁と圧倒的な威圧感に、魔法使いたちは手を出しあぐねていた。
「事前に、もしものときは人命優先で頼むって言ったんですけど……流石に皆も立場ってのがありますから、あれ以上の助力は無理ですね」
「いえ……十分過ぎる程です。重ね重ね、感謝いたします」
ミカエルさんが、俺に頭を下げた後、セラが頬に手を当てて現状を振り返る。
「けれど、向こうは転移魔術でどんどん増援を送っているし、こっちの転移魔方陣は完全に封じられているし……閉じ込められたわね」
レクナが俺の隣に移動して、大きくため息をついた。
「しかし、タイミングといい、リアスの眷属を利用したテロの方法といい……まず、裏切り者がいるね。この場にいるかもしれないし、いないかも知れないけどさ」
裏切りか……確かに、そうでもなけりゃ考えられない事は多い。けど、不確定な不安要素よりも、今は現状の打開が必要だ。
「これ以上ギャスパー君の力が高まれば、我らとてどうなるか……如何にイッセー君の結界があっても、楽観視はしかねる」
「……あの子は、
本来複数の駒を必要とする者を一つで済ませてしまう、特異な
て、今は駒よりもギャスパーだ。一歩下がって手をかざすと、空中に黒い穴が現れる。よし、やっぱり重力で直接空間を歪ませたワームホールは使用できる! これなら、俺だけでも旧校舎に行けるぞ!
「とにかく、ギャスパーを助けてくる。このままじゃジリ貧だし、あいつ自身だって心配だ」
そう言って、広げたワームホールへ飛び込もうとする俺をアザゼルが手をかざして静止する。
「待て待て、お前一人で行く気かよ? 幾らお前さんが強くたって、万が一にも何かあったら俺らはマジで滅ぼされかねないんだって。せめてマラコーダくらいは……」
「俺のワームホールはガオウの重力を利用した空間歪曲による転移で、基本的に重力を直接制御してる俺以外の生物は通れない。この間のクロウ・クルワッハと四凶、デスザウラーは、
「……つくづく規格外だな。お前さんは」
いざ飛び込もうとした俺の手が、後ろから引かれる。後ろを振り向けば、俺の右手を両手で捕まえた部長が、力強い眼差しで俺を直視してきた。
「……旧校舎に、私の未使用の
豊満な胸元に手を当てて宣言する部長の決意に満ちた表情へ、俺は自由な左手をそっと寄せ……軽く指を弾いた。
ドバァン!
激しい衝撃音とそれに違わない威力が額を襲ったリアスは大きく吹っ飛びかけるが、それでも俺の手を握り続けた両手を引いて足を踏ん張り、輝きが全く衰えない瞳を見せつけた。
それを見て、俺は思わず楽しそうに笑ってしまう。
「この程度で体勢を崩すようで俺を守るなんざ千年早いが、今は及第点としておこう。付いて来い、リアス」
「……はい、師匠!」
嬉しそうに叫ぶリアスを収めた視界の端で、ヴァーリが不敵に笑う。
「テロリストごと、旧校舎のハーフヴァンパイアを吹き飛ばせば簡単じゃないか。何なら俺が」
ドッ!!!!!
万華鏡の視線を伴う気当たりを飛ばすと、ヴァーリは舐めた表情を引き締めて視線で対抗してきた。
「どうした、最後まで言ってみせろ。その前に俺がお前をぶっとばすけどな」
「……それは中々面白いじゃないか」
組んでいた両腕を外して相対しようとするヴァーリへ、アザゼルが制止をかける。
「ちったぁ空気読めよ、ヴァーリ。これから和平を結ぼうって時だぞ?」
「じっとしてるのは性に合わなくてね」
「なら外へ出て敵を撹乱してこい。白龍皇が出てくれば、奴らも少しは乱れるはずだ」
「了解」
背中へ青い光の翼を展開させたヴァーリは、会議室の窓を開けて空へと飛び出していった。
無数の魔術師たちを平然と横切り、魔方陣の中央に移動した白龍皇は、その力を一気に解き放った。
「――
『
音声と共にヴァーリの体の各所へ青い光が宝玉となって現れ、そこを基点に白い装甲が全身を覆っていく。最後にマスクが頭部を覆うと、シルエットは大きく違えど
ドドドドドドドド!
魔術師たちは白い龍へと一斉攻撃を仕掛けるが、全身に展開される奴の魔方陣はその全てを難なく防ぎきっている。更に、掌に光球を一つ形作り、それを握りつぶして青い稲妻を周囲に奔らせると、それらは敵の防御を呆気無く吹き飛ばして、多数の魔術師を霧散させた。
最低でも中級悪魔以上の魔術師の集団であれか……大口叩くだけはありやがる。
「部長、行きましょう」
「ええ」
「あー、ちょい待ち。こいつを持っていけ」
掛けられた声にアザゼルの方を振り向くと、二つの腕輪が投げられた。表面には難解な魔術文字が刻まれている。
「一方はハーフヴァンパイアへ付けてやれ。暴走を抑えられるはずだ。それともう一つは、短時間だが代価の代わりになってくれる。それさえあれば、赤龍帝の鎧の力も扱えるはずだ。当然、体力か魔力を激しく消耗させるが、達人にはいらん心配だろう」
「マジか!?」
暫く出来ないと考えてた、二つの禁手の同時使用! それがこんな形で……。
「ところで……前に、俺が言ったことを覚えているか」
「マキシマムドライブは出来れば使うなってあれか? 参考程度に捉えておくよ」
「確か、
どこでその情報を? 横目で部長を見るが、部長は目を細めて押し黙っていた。
「……長年、
龍一文字の時か……まあ、今更ながら、俺もそう思う。
「歴代の誰よりも赤龍帝の力を極めた、最弱と最強を兼ね備えた前代未聞づくし、更に神滅具級の代物を三つも抱えたお前だ。そんなお前を、短時間だけでも更に上へと押し上げる力というのが、どれほど恐ろしいのかお前だってわからない筈はないだろう」
「……けれど、力が必要だったら俺は迷わない。いつだって俺は……そうやって生き抜いてきた」
ありったけの信念を篭めた眼差しに、アザゼルは目を細め、ふうと息をついた。
「熱い限りだ。まあ、とにかく忘れないでくれよ」
「ああ、分かってる」
一方の腕輪をはめつつ、ワームホールをくぐる俺に追従して、部長が魔方陣を展開し、同時に俺たちは室内を飛び去った。
イッセー達が姿を消した室内で、私は床に転がった白い戦車の駒を拾い上げた。一応、あんな小娘でもイッセーが主と仰ぐ以上は、私だって最低限の態度はとるさ。
イッセーのあの反応……やっぱり結構見込んでるみたいだ。立ち位置的にも、一番正妻と名乗るにふさわしいんじゃないだろうか?
当然、チャンスが有れば正妻の座はいただくけど……ふふふ。
駒を弄りながらほくそ笑む私に近づいた妲己は、耳元に口を寄せて小声でつぶやく。
「忘れておりませんよね、レクナ? 誘惑の算段は私が付けますが、そこからどう迫るかは自己責任ですよ?」
わざとらしい確認に、思い切り舌打ちしてやる。
「分かってるよ。そこで妙な妨害したらぶっ殺すからな」
「ご心配なさらず。イッセー様はそういったことはお嫌いですし……私も三国に名を轟かせた魔性の女。正面からの勝負で遅れを取ることを恐れるほど気弱ではありません」
緊急時でなけりゃこのまま喧嘩してやってもいいくらい腹の立つ事をのたまってくれる
こうやっていらつく度に、山中で仕掛けられたあの激闘が脳裏に浮かぶ……。既の所で私が勝ったけど、やっぱりあのまま頭蓋を砕いておくべきだったかと何度も思ってしまう。けど、こいつの能力を考えたら、誘惑の手助けを除いたっていい買い物なのはわかってはいるんだ。
けれどこいつと来たら……一々私の神経を逆なでしまくって……今日ここに至るまでに何度喧嘩したことか。
でもって……それはそれで妙な信頼みたいのが、私の中に出来てしまっているからなお始末が悪い。それを自覚した時に見せた、妲己の勝ち誇った顔でこいつがそれを狙って喧嘩ふっかけてきたのがわかった時ときたら……ああ、もう。全てのストレスをイッセーの腕の中で霧散させて欲しい。
というか、そんな事気にならないくらいもうイッセーの手で滅茶苦茶に……。
「リアス達がギャスパー君を取り戻したら、我々も反撃に出よう」
「サーゼクスちゃん!」
セラフォルーの声に、全員の視線が部屋の中央に現れた魔方陣へと集中した。そこから現れたのは……胸元が開き、スリットも深く入った露出の大きいドレスに身を包んだ、地黒の女性。どっかで見覚えがあるような……。
「ごきげんよう、現魔王サーゼクス殿、セラフォルー殿」
「……先代魔王の血を引く者、カテレア・レヴィアタン!」
サーゼクスの言葉で、私はようやくこの女の事を思い出した。
三勢力の戦争が終わってなお、種の存続よりも徹底抗戦を唱え続けた
より進化した新世代によって冥界の隅へと追いやられた、旧魔王派と呼ばれる愚者の集まり、そのトップの一人だと。
「貴方がどうしてここに!」
セラフォルーへの返答は、カテレアが頭上に掲げた杖の光とともにもたらされた。
「この世界に破壊と混沌を!」
ドォォォォォォン!
巻き起こる爆発に対し、私は咄嗟に動けない面子を尾を持って集めると、同じように動いた妲己と同じ場所へ集まり、再び三人のトップが張る結界内に守られる。
イッセーが張った結界はあくまで時間停止に限ったものらしく、あの爆発を無視するように部屋の大きさで維持されている。お陰で停止の影響を受けかねない面子に気を配る必要もない。
「三大勢力のトップが共同で防御結界……フフ、なんと見苦しい!」
口元に手をやる典型的に嫌味な笑い方をする馬鹿女へ、サーゼクスは真っ正直に疑問を浴びせた。
「どういうつもりだ、カテレア」
「この会談の、まさに逆の考えに至っただけです。神と魔王がいないのならば、この世界を変革すべきだと」
「カテレアちゃん! やめて! どうしてこんな……」
「――セラフォルー、私からレヴィアタンの座を奪っておいて、よくも抜け抜けとっ!」
わー、典型的なヒステリーっぷりはちっとも変わらないな。こういうところは旧レヴィアタンに似てるけどね。そもそも、実力でもセラフォルーどころかあのカス女にも届かない分際で、何を偉そうにほざくんだか。
「安心なさい。今日この場で貴方を殺して、私がレヴィアタンを名乗ります!」
テンプレートな悪役台詞に辟易とする私を余所に、アザゼルとミカエルがカテレアへと言葉を向ける。
「やれやれ、悪魔どものとんだクーデターに巻き込まれたのかと思ったが……」
「貴方の狙いは、この世界そのものということですね」
「ええ、ミカエル。神と魔王の死を取り繕うだけの世界――この腐敗した世界を私達の手で再構築し、変革するのです!」
カテレアの宣言に、トップ陣は揃って表情を陰らせた。ただ一人、アザゼルを除いては……。
「くっ。くっくっくっくっ……」
私と妲己も、その悪童らしい笑みにつられて、こらえきれず笑ってしまう。
「はは、はははははは……」
「ふっ、ふふふふふふ……」
「……アザゼルにマラコーダ、それに白面金毛九尾の狐。何がおかしいのですか」
出来るだけ冷静を保とうとして、かえって腹の底の怒りを含んでしまっている声に、笑いが止まらない。
「いやいや、これさ……笑うなって方が無理でしょう?」
「ふふ……腐敗? 変革? その次は何ですか。人間が愚か? 地球が滅ぶ? ……今時、テレビやゲームでもやらないような陳腐な事を、そんな堂々と……ふふふふふ」
私達の指摘に誘われてか、もう一度アザゼルは大きく笑う。
「ハハハハ! ホント、そういう台詞は一番最初に死ぬ敵役の台詞だぜ?」
「……私を愚弄するか!」
激昂して魔力のオーラを纏うカテレアへ、薄暗くも輝かしいオーラを放ちながらアザゼルが歩みだした。
「サーゼクス、ミカエル。俺がやる。いいな?」
「……カテレア、降るつもりは無いのだな?」
サーゼクスの最後通告に、カテレアは挑戦的に笑った。
「ええ、サーゼクス。貴方は良き魔王でしたが、残念ながら最高の魔王では無かった!」
「……そうか、残念だ」
万感の思いが籠められた悔いの言葉にも、馬鹿女は一瞥もくれず浮かび上がっていく。まったく……そんなんだから滅ぶってのが、なんで分かんないのかな。
再び結界が私達を覆うと、二人は一気に上空へと昇っていった。
「旧魔王レヴィアタンの末裔。終末の怪物の一匹。相手としては悪くない。さあ、ハルマゲドンと洒落込もうか?」
「堕天使の総督ごときが!」
この期に及んで実力差を鑑みない愚かな旧魔王の血筋へ嘆息しつつ、私は結界の強化へ手を貸すべく、手を突き出した。
ちなみに、氷美神はいますが、自分とジェリーだけでは集中砲火を食らって終わりなので、タイミングが来るまで潜んでいます。