拗らせ童貞社畜の24時間働ける異世界迷宮   作:倉咲

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童貞おっさんキモオタ社畜の暴走

 童貞とはなぜ生まれるんだろうか?

 

 俺はこう思う。求めすぎなんじゃないかと。

 何故そう思うかって、俺がそうだからだよ!!!この世に生まれて今日で40年。俺はまごうことなき真正の童貞である。

 

 女の子と手をつないだこともなければ、SOXなんて持ってのほか、縁遠すぎて往来でいちゃつくカップルを見た日には眼から血が出そうになる。というか一回出た。ふざけやがってこっちが仕事で疲れて体を引きずって帰ってんのに朝っぱらの電車でネズミ国が楽しみだの、おしゃれなカフェが最近できたーだの駅前のタピオカミルクティーがうまいだの、最後に関してははるか遠い流行じゃねーか。どうせ最後はやることやんだろそうなんだろ。発情期のサルどもが―――!!!

 

 果てには血の涙流してる俺を見つけて、病院まで付き添ってくれたしよーふざけんなよお前らみたいなリア充は性格悪くあれよ。

 性格までよかったら憎むこともできねーだろうが。心の中でぐらい悪しざまに思わせろ。気づいても無視して電車降りろよ。バーカ!!!バーカ、バーカ。

 久しぶりに人にやさしくされてうれしかったです。あの時はありがとうございました。

 

 ゴホン。話がそれたなまあでも今の話でわかってくれたと思う。俺は性格が悪い、そして認めたくないが性根が腐ってて、カスで生意気で挙句滅茶苦茶チョロい。

 さっきまでこの世から消えろと思ってたやつにちょっと優しくされたら心がときめいちゃう。

 昔なんか、隣の席の子に消しゴム拾ってもらっただけで告白したくらいだ。

 その彼女は性格悪くてその後に隠し撮りされてた告白映像(もちろん振られた)をばらまかれて高校はずっと学校の笑いものだったが。

 

 まあ、そんなこんな性格の悪さとか軽い女性恐怖症とかいろんなものが合わさって彼女なんかできたことない俺だが、希望はあった。この世には摩訶不思議なことに非モテ男たちでも女の子が癒してくれる素晴らしい楽園みたいな場所があるのだ。

 そう何を隠そう風俗である。金がかかる、金がかかる再三いうぞ、金がかかるがこの俺は残業時間大幅オーバー、過労死ラインぶっちぎり月曜の朝に来たと思ったらいつの間にか土曜の朝に帰り支度をしているスーパーエリート社畜。

 金は山のようにあるのだ、金は。

 

 それでも俺は素人ですらない紛うことなき童貞である。

 なぜかって童貞卒業は理想の女の子がいいからだよ!!!

 

 俺を好きで風にさらわれるくらいの綺麗な長い髪で美人で背も胸もでかくておまけにに太もももでかい、そんなボンキュッボンの処女しか認められてないんだよ!!!わかったか!!!

 

 いやわかってる俺も無理だって求めすぎだって、こんな女、処女なわけないし、40のくたびれたおっさんなんかになびいてくれるわけねぇことぐらい。

 だが引けんのだ苦節40年とっくに引き際は通り過ぎた。

 風俗で童貞捨てるぐらいなら死ぬ。

 

 そんなあれやこれやを今となっては絶滅危惧種な駅の喫煙所中でスーパーエリート社畜ことこの俺、西城幸隆は風俗サイトを覗きながら(覗いてるだけだぞ)考え込んでいた。

 

 そしたらなんかいつの間にかよくわかんねぇーことに、石造りの噴水に腰かけていたのである。でこれまたなんかよくわかんねーうちに逮捕されてたんだなこれが。

 

 意味わかんなかった、でもよ。今思えば今思えばだぜ、そん時の俺はおかしかった。月曜から土曜の朝までずーっと働いて5連勤の5徹目だったわけよ、狂気乱舞してたね。

 しかもだぜ目の前には東京じゃあお目にかかれないような白い石造りの中世っぽい城下町、おっさん、おばさんが怒鳴り声あげながら商品を宣伝してる活気のある出店の数々、しまいにゃーケモミミにナガミミ、角の生えたやつ、翼があるやつ果てには歩き回る骸骨まで居やがるってもんだ。

 現実じゃねーと思ったんだ夢だと思ったんだよ。だからあんなことできたわけ。

 

 全裸で走り回った挙句そのままいちゃついてるバカップルに蹴りかましたり、高貴な感じのボンキュッボンの女の子を口説いたりしちゃったんだなーこれが。そんなことしてたら当然、通報されちまう。

 通報受けて捕まえに来やがった金属鎧をまとって剣やら槍で武装した警察ここでは憲兵というらしいそれ相手に夢とはいえ怖くなって逃げたわけだ。(剣とか初めて見たしな)

 最初は余裕だったぜ一人だったからな。しかも相手は重ーい全身鎧来てるんだぜ、すべてを脱ぎ捨てて肌で世界を感じてるこの俺に足で敵うわけないんだなー。

 ここらで服着て人ごみに紛れるなりすりゃよかったんだが、逃げ回ってるうちに剣に対する恐怖はどこへやら鬼さんこちらって具合に調子に乗って煽りまくったね。

 そしたら時間を増すごとに二人に三人にと鼠算的に増えて行って最後は三十人以上に増えやがった。

 逃げ切れるわけねーだろ。こちとら全裸じゃ、目立つんだよ。服ぐらい着ろバカが!!!ていうか脱ぐな!!!!

 

 そんなことをぼこぼこに殴られて腫れあがった顔で考えている豚小屋の西城幸隆でしたまる。

 

 まるじゃねーよ、俺の異世界転移はどうなるってんだ。

 くそがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

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